バブル (2022年の映画)
バブル | |
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監督 | 荒木哲郎 |
脚本 |
虚淵玄(ニトロプラス) 大樹連司(ニトロプラス) 佐藤直子 |
製作 |
加瀬未来 中武哲也 |
出演者 |
志尊淳 りりあ。 宮野真守 梶裕貴 畠中祐 千本木彩花 井上麻里奈 三木眞一郎 広瀬アリス |
音楽 | 澤野弘之 |
主題歌 | Eve feat. ウタ(りりあ。)「Bubble」 |
撮影 | 山田和弘 |
編集 | 肥田文 |
制作会社 | WIT STUDIO |
製作会社 |
STORY inc. WIT STUDIO ワーナー・ブラザース映画 ニトロプラス ローソンエンタテインメント ストレートエッジ |
配給 | |
公開 | |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
『バブル』は、日本のアニメーション映画[1]。監督は荒木哲郎。ワーナー・ブラザース映画の配給で2022年5月13日より全国で劇場公開[2]。2022年4月28日からは劇場公開に先行して、Netflixにより全世界で配信された[2]。
キャッチコピーは「重力は壊れた、好きに跳べ。」。
概要[編集]
本作は、アニメ『進撃の巨人』シリーズで世界からも高い評価を得た荒木哲郎監督が、同作の制作会社だったWIT STUDIOと再びタッグを組んで制作したオリジナルアニメーション[3][4]。
企画・プロデュースには『君の名は。』『天気の子』などの川村元気、脚本には『魔法少女まどか☆マギカ』などのヒット作を手がけた虚淵玄、キャラクターデザイン原案には少年ジャンプ誌上で『DEATH NOTE』や『バクマン。』を描いてきた漫画家の小畑健、そして音楽には『進撃の巨人』や『プロメア』『機動戦士ガンダムNT』といったアニメ作品で知られる澤野弘之と、日本のトップクリエイター陣が名を連ねている[2][4][5]。
重力を操る泡(バブル)によって壊れてしまった東京を舞台に、家族を失い、危険な遊びに興じ続けていたひとりの少年と不思議な力を持つ少女の出会いを、リアル感と幻想的な空間を併せ持つ美しい色彩を背景に新感覚の映像美と圧倒的な躍動感で描いている[3][4]。
物語のモチーフは『人魚姫』。脚本家の虚淵は、荒木監督との話し合いで「少女が恋した末に泡になる」のを「泡が恋して少女になる」ように組み替えることにしたのが物語の着想源だと明かしている[5]。
2022年2月開催の第72回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門へ正式出品[6]。
あらすじ[編集]
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ある日、東京に泡が降った。それと同時に東京中心部で謎の大爆発が発生。泡が降り積り、東京は冠水した。人々は東京を捨て、日本は東京を失った。その後東京は立ち入り禁止区域となっが、東京の大爆発で親を失った子供たちが立ち入り禁止命令を無視して、東京に住み始めた。その東京都内では東京バトルクールと呼ばれる5対5でフラッグ奪取を目的するパルクールの大会が行われていた。
東京に住む少年ヒビキも東京バトルクールに参加していた。ゲーム最中、チームメイトのウサギが降ってきた泡に乗ろうとするがアリ地獄と言われる、海に存在する重力磁場がとても不安定な危険な区域に落ちそうになる。泡に乗るのはとても難しく、誰も救いには行けない状況であった。しかし、そこへヒビキが華麗なパルクールと泡を乗りこなしウサギを救う。その勢いでヒビキはフラッグを回収し、チームブルーブレイズは勝利する。その夜祝勝会をしている中、ヒビキは一人、東京の中心部にあるタワーから「謎の音」を耳にする。ヒビキはその音を聞きつけ、船でタワーへ向かう。重力磁場も不安定で、崩壊寸前のタワーをパルクールで登り、タワーを中間地点まで登りかけたその時、ヒビキはタワーの中心から外を眺める人影を見つける。しかし、ヒビキはタワーの中心部には届かず、重力の影響で海へ落ちてしまう。それを見つけた意思のある泡はヒビキを救い出そうとする。しかし、泡のままでは救えないため、少女の姿となりヒビキを救い出す。救われたヒビキはチームで住む船に戻った。ヒビキは命の恩人に名前が無いことを知り、ウタと名付けた。ヒビキはパルクールを通じてウタと仲良くなり始める。
ある日の朝、ヒビキはチームに隠して作った庭の手入れをしていた。それをウタは見つけてしまった。ウタはその庭に入り、そこに置いてあったきれいな貝殻を目にする。その貝殻からは海の音が聞こえるものであった。そこからヒビキはウタに自分の過去を語り始める。ヒビキはとても音に過敏で毎日苦しい日々を送っていた。母もヒビキも病院を転々とし、治そうとしたが、遂に母は諦めヒビキを施設へ入れてしまう。その後、ヒビキは施設の人たちと泡が降った日にタワーにいたと伝える。爆発から生き残ったヒビキは、なぜ自分が生きているかわからず、記憶にも無かった。しかし、一つ覚えていることがあった。それは「謎の音」を聞いたことである。その過去を話した瞬間ウタは歌い始めた。その美しい歌声と共に2人は走り始める。しかしそこでヒビキは何かを察したかのようにウタを見つめる。
その日、東京の重力波を研究している、マコトがチームアンダーテイカーにさらわれる。チームアンダーテイカーは東京バトルクールを東京デスゲームという名で配信し、スポンサーもついていた。そのスポンサーにより特殊な靴や機械を身につけていた。チームブルーブレイズはウタをチームメイトに入れ、マコトを救いに行く。アンダーテイカーの目的、戦利品はブルーブレイズの棲家である船である。ブルーブレイズ対アンダーテイカーの勝負が始まる。しかし、圧倒的な機械とAIの力で1人2人とブルーブレイズのチームメイトが海へ落下し減っていく。さらに、ブルーブレイズ残り3人もアリ地獄へ追い込まれる。このまま飛んではアリ地獄に引き込まれるだけであった。しかし、ウタはアリ地獄の渦に挑み飛ぶ。渦の上に巻き上がる瓦礫を利用して華麗にアリ地獄を飛び越える。そこでヒビキの名前をウタが叫び、ヒビキも渦に飛び込む決心し飛ぶ。ウタとヒビキが2人でゴールへ向かう。ゴール付近にアンダーテイカーの攻撃を受けるものの華麗にかわし、ゴール手前アンダーテイカー最後の1人からの攻撃を受けそうになるが、ウタが倒しヒビキの手に捕まる。そのままウタをゴールまでヒビキが投げ、ブルーブレイズの勝利となった。その夜も祝勝会を行なっていた。
そんな中ウタはヒビキの庭で1人タワーを見つめていた。そこへヒビキが来て、波の音が聞こえる貝殻のネックレスをウタへプレゼントした。そこでヒビキはウタのおかげで初めて、本当の自分を知ることができたと打ち明ける。しかし、そこで急に謎の音と大量の泡が降り始める。マコトが分析すると5年前の大爆発と同じ重力磁場になっていることに気づく。そしてその場でヒビキはウタの左腕が泡になって無くなっていることに気づく。その泡が一粒ヒビキの額はぶつかり、ヒビキはタワーが爆発した時の記憶が全てよみがえる。謎の歌は爆発前に謎の泡が歌っていることを思い出し、そこでウタは人魚姫の話を始めた。「人魚姫は王子様の姿を求めて浮かび上った。人魚姫の胸は今にもはち切れそうでだった。王子様を見られるのは今日が最後だから。」と話す。そのままウタはタワーの方向へ爆発を止めるために走り始めた。それをヒビキは追おうとするが、急に出てきた赤い泡に捕まり追うことができず、海に落ちてしまった。海に落ちたヒビキをブルーブレイズの船が迎えに来てヒビキを拾い上げた。来る途中にアンダーテイカーも拾われていたため、アンダーテイカーも乗船していた。ウタはタワー中心へ到着し、謎の歌を歌いタワーの中心部へ静かに入っていった。ヒビキは急にウタを助けにタワーへ行かなければと言う。ブルーブレイズの仲間にも来てほしいと伝え、全員で参加することにする。アンダーテイカーから靴を借り、タワー中心へブルーブレイズが向かう。
タワー麓まで来ると、重力の嵐と沢山の赤い泡からの攻撃に合う。さらにタワーが崩壊し始め、全員落ちてしまいそうになる。そこへ、シュンが到着する。シュンは元ブルーブレイズのエースで、タワーの中心へ何度も挑戦している。その中右脚を失い右脚は義足であった。シュンが先導し、ヒビキが最後までタワーへ登りきる。その瞬間、重力の嵐は止まった。ヒビキがタワーの中へ入ると、5年前の自分を目にする。そして5年前の記憶を全て取り戻し、謎の泡が歌っていた謎の歌をヒビキは口ずさんでしまう。そこで泡たちの怒りに触れてしまったことに気づき、それにより東京で大爆発が起こった。しかし、その爆発から守ってくれたのが謎の泡、ウタであった。
現実へ戻りさらに中を見ると大量の泡の中に黒い女に捕まれながらとウタが話しているのが見えた。ウタは黒い女をお姉様と呼んでいた。ヒビキはウタを救うために泡の中に飛び込むが、赤い大きな泡に飲み込まれ、窒息しそうになる。ウタは人魚姫は王子様を見つめてまっしぐらに船底に身を投げ出したと姉に言い去り、ヒビキを助けに飛ぶ。赤い泡からヒビキを抱きしめ、救い出し、タワーから海へ落ちる。ヒビキは意識を取り戻し、ウタを抱きしめながらタワー崩壊から逃れようと必死に走る。ウタはヒビキに抱きしめられていることを自分の命が消えることよりも幸せと考えヒビキとただ抱き合い海へ落ちる。そして、ウタは海の中でヒビキにキスをした。
意識が戻ったヒビキはウタを陸にあげ、ウタから人の心がわかったと感謝の言葉を伝えられ、ウタは泡となって消えてしまった。世界中に泡が降り、その泡はウタの一部だと皆が悟った。崩壊と再生それがこの世界である。地球が崩壊しても、また地球の一部となり再生する。
登場人物[編集]
- ヒビキ
- 声 - 志尊淳
- 主人公。幼い頃から周囲の環境音に過敏で、イヤーマフを装着している。
- ウタの歌声が聞こえる特殊な聴覚を持つ。渋谷を拠点とするパルクールのチーム「ブルーブレイブ」のエース。
- ウタ
- 声 - りりあ。
- ヒロイン。ヒビキの前に突然現れ、泡から人間の姿になった少女。
- 最初は全く喋れなかったが、「人魚姫」を読んだりして、ヒビキとやり取りしているうちに初めて喋った。
- 不思議な歌声を持っており、その歌声がヒビキに届いたことで親しい間柄となる。
- ヒビキと同じチーム「ブルーブレイズ」のメンバーとしても活躍するようになる。
- マコト
- 声 - 広瀬アリス
- シン
- 声 - 宮野真守
- カイ
- 声 - 梶裕貴
- ウサギ
- 声 - 千本木彩花
- オオサワ
- 声 - 羽多野渉
- イソザキ
- 声 - 逢坂良太
- 電気ニンジャ・リーダー
- 声 - 畠中祐
- アンダーテイカー・リーダー
- 声 - 井上麻里奈
- 関東マッドロブスター・リーダー
- 声 - 三木眞一郎
スタッフ[編集]
- 監督 - 荒木哲郎[7]
- 脚本 - 虚淵玄(ニトロプラス)、大樹連司(ニトロプラス)、佐藤直子[7]
- キャラクターデザイン原案 - 小畑健[7]
- 音楽 - 澤野弘之[7]
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 門脇聡[7]
- メインアニメーター - 浅野恭司、千葉崇明[7]
- 助監督 - 高橋謙仁、片桐崇[7]
- 美術監督 - 吉原俊一郎[7]
- 撮影監督 - 山田和弘[7]
- CG監督 - 廣住茂徳[7]
- VFXスーパーバイザー - 加藤道哉[7]
- 色彩設計 - 橋本賢[7]
- 編集 - 肥田文[7]
- 音響監督 - 三間雅文[7]
- 音響効果 - 倉橋静男、山谷尚人[7]
- 製作 - 古澤佳寛、和田丈嗣[7]
- 企画・プロデュース - 川村元気[7]
- プロデューサー - 加瀬未来、中武哲也[7]
- アニメーションプロデューサー - 山中一樹、林加都恵[7]
- 音楽プロデューサー - 成川沙世子[7]
- 制作 - WIT STUDIO[7]
- 企画 - STORY inc.[7]
- 配給 - ワーナー・ブラザース映画[7]
- 製作 - 「バブル」製作委員会(STORY、WIT STUDIO、ワーナー・ブラザース映画、ニトロプラス、ローソンエンタテインメント、ストレートエッジ)[7]
主題歌[編集]
- オープニングテーマ
- Eve「Bubble feat.Uta」
- エンディングテーマ
- りりあ。「じゃあね、またね。」
漫画[編集]
肘原えるぼによるコミカライズが「少年ジャンプ+」(集英社)にて、2022年4月22日より連載されている[8]。
- 肘原えるぼ(著)・バブル製作委員会(原作) 『バブル』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊1巻(2022年5月2日現在)
- 2022年5月2日発売[9]、ISBN 978-4-08-883134-3
小説[編集]
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ “圧巻のグラビティ・アクション新体験映画『バブル』 2022年5月13日(金) 劇場版公開決‼”. 映画『バブル』オフィシャルサイト (2021年12月7日). 2021年12月11日閲覧。
- ^ a b c “虚淵玄×小畑健×荒木哲郎によるアニメ映画『バブル』が2022年5月13日に全国公開”. ファミ通. KADOKAWA (2021年12月7日). 2022年1月20日閲覧。
- ^ a b “志尊淳、来年5月13日に日本公開の映画「バブル」でアニメ主演声優!”. 産経新聞社. (2021年12月7日) 2022年1月20日閲覧。
- ^ a b c “脚本は虚淵玄、キャラデザ原案が小畑健の新作アニメ映画『バブル』が2022年5月13日に上映決定”. 電ファミニコゲーマー. 株式会社マレ (2021年12月7日). 2022年1月20日閲覧。
- ^ a b “アニメ映画『バブル』志尊淳主演"重力が壊れた"東京で少年少女は跳ぶ、荒木哲郎×虚淵玄×小畑健(1)”. FASHION PRESS. 株式会社カーリン (2022年3月7日). 2022年3月10日閲覧。
- ^ “「バブル」ベルリン国際映画祭正式出品! 広瀬アリス&千本木彩花&井上麻里奈が荒木哲郎監督とタッグ”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム (2022年1月15日). 2022年1月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x “映画『バブル』オフィシャルサイト”. 2022年3月1日閲覧。
- ^ “映画「バブル」のコミカライズがジャンプ+でスタート、描くのは肘原えるぼ”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年4月22日) 2022年4月22日閲覧。
- ^ “バブル 1/肘原 えるぼ”. 集英社. 2022年5月2日閲覧。
- ^ “バブル/武田 綾乃”. 集英社. 2022年4月29日閲覧。
外部リンク[編集]
- 映画『バブル』オフィシャルサイト
- バブル (@bubblemovie_jp) - Twitter