国民党 (スペイン)

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 スペインの政党
国民党

Partido Popular(PP)
党首 マリアーノ・ラホイ・ブレイ
書記長 マリア・ドローレス・デ・コスペダル・ガルシーア
創立者 マヌエル・フラガ・イリバルネ
名誉議長 ホセ・マリア・アスナール
国会議員団代表 Carlos Floriano
創立 1989年1月20日
前身 国民同盟
本部 マドリード
青年部 Nuevas Generaciones
党員・党友数 833,000 (2012)[1]
政治的思想 保守主義[2][3][4]
Liberal conservatism[5]
キリスト教民主主義[3][4][6]
経済的自由主義[3]
Spanish unionism
政治的立場 中道右派[7]右派[8][9][10]
国際連携 中道民主インターナショナル
国際民主同盟
欧州連携 欧州人民党
欧州議会会派 欧州人民党グループ
公式カラー Blue
代議院[11]
123 / 350
元老院[12]
124 / 208
自治州議会
338 / 1,268
自治体議会
22,750 / 67,611
自治州政府
7 / 19
欧州議会議席
16 / 54
公式サイト
www.pp.es
スペインの政治
政党一覧
選挙
自治体議会データは内務省ホームページ[13]より

国民党(こくみんとう、スペイン語: Partido Popular、略称:PP)は、スペイン中道右派の政党。中道左派スペイン社会労働党二大政党を形成する。日本の外務省では民衆党との訳語を当てている[14]

歴史[編集]

1976年にマヌエル・フラガ・イリバルネら7人のフランコ体制の政治家を中心に結成された国民同盟(Alianza Popular、AP)を前身とする。1975年にフランコ総統が死去し、フアン・カルロス1世が即位してスペインに君主制が復活した。国王は前国民運動事務局長アドルフォ・スアレスを首相に任命し、国王と首相の協力のもとに民主化が進んだ。国民同盟は、フランコ政権内にいたもののスアレス政府からはずれた保守政治家を集め、フラガを党首として結成されたものである。

フラガもスペインの体制内改革を目指していたが、スアレスに改革の主導権を奪われ、国民同盟は保守層の支持を求めて極端に右傾化した。1977年6月15日に行われた第一回総選挙では、スアレスが率いる民主中道連合(Unión de Centro Democrático、UCD)が第一党、社会労働党が第二党となり、国民同盟は惨敗した。1979年の総選挙でも同様であった。

しかし、1981年にスアレスが首相を辞任すると寄り合い所帯であったUCDは内部分裂を起こし、1982年の総選挙フェリーペ・ゴンサーレスの社会労働党政権が誕生した。この選挙で国民同盟は自壊したUCDに代わって保守票を集め、第二党に躍進した。

支持層を広げた国民同盟は中道右派に路線を変更し、1989年に国民党に改名して、フラガに代わってホセ・マリア・アスナールを党首に選んだ。1993年の総選挙で社会労働党に迫り、1996年の総選挙に勝利して、ゴンサーレス政権に代わってアスナール政権が誕生した。政権獲得後は高い経済成長率を達成し、2000年の総選挙でも再選された。

アスナール政権は、国内ではテロ活動を行うバスク祖国と自由(ETA)に対して強硬な態度を取り、また2003年に始まったイラク戦争ではいち早くブッシュ米政権に同調して対イラク武力行使に賛成し、有志連合の一員としてイラクにスペイン軍を派遣するなど、外交的には親米姿勢を鮮明にした。

2004年3月14日の総選挙では政権続投が確実視されていたが、投票3日前にマドリード列車爆破テロ事件が発生した。イラク派兵に反対するイスラーム過激派による犯行であったにもかかわらず、ETAによる犯行だとの誤った発表をしたこと、またイラク派兵に反対する市民のデモをテロと関連づけて批判するなど有権者の不信を買い、イラク撤兵を公約に掲げた社会労働党に政権を奪還された。

2008年10月22日、それまでナバーラ州内で協力関係にあったナバーラ住民連合(UPN)との関係が崩壊、2008年11月7日にナバーラ支部とも言うべきナバーラ国民党Partido Popular de Navarra)が再結成された。

2011年総選挙では欧州危機を背景に過半数を制し、7年ぶりに政権奪回を果たした。

汚職疑惑に抗議して国民党本部前で起こった市民デモ(2013年)

2013年1月、党首マリアーノ・ラホイ・ブレイを含む国民党幹部の汚職疑惑が報じられた。企業献金のうち、建設業界から不正な支払いがラホイ首相など国民党幹部に支払われていたというもので、ラホイには11年にわたって年間2万5200ユーロ(3万4200ドル)が支払われていたとされる。ラホイは不正を否定しているが、野党は政治家の信頼回復のために首相に辞任を要求している[15]。国民の間では抗議デモが起きている[16]

2014年12月18日、マドリード市内の国民党本部ビルにガスボンベを積んだ車が突入したが、爆発には至らず死傷者も生じなかった。犯人は事業に失敗した市民と報じられている[17]

2015年12月10日の総選挙では、得票率28.7%で123議席を獲得し第一党を堅持したものの、創設以来最低の議席数にとどまった。[18]

組織[編集]

全国執行部[編集]

地方組織と代表[編集]

国民党はすべての自治州と2自治都市に地方支部組織を持ち、現在17自治州のうち11自治州と2自治都市で政府与党の座にある。

自治州 地方組織 地方党代表 州政府(単独) 州政府(連立) 野党第一党 少数野党
アンダルシア州の旗 アンダルシーア州 アンダルシーア国民党 フアン・マヌエル・モレーノ・ボニージャes X
 アラゴン州 アラゴン国民党es ルイサ・フェルナンダ・ルディes X
カナリア諸島の旗 カナリアス諸島州 カナリアス国民党es ホセ・マヌエル・ソリアes X
 カンタブリア州 カンタブリア国民党es イグナシオ・ディエーゴes X
カスティーリャ・ラ・マンチャ州の旗 カスティーリャ=ラ・マンチャ州 カスティーリャ=ラ・マンチャ国民党es マリア・ドローレス・デ・コスペダル・ガルシーア X
カスティーリャ・レオン州の旗 カスティーリャ・イ・レオン州 カスティーリャ・イ・レオン国民党es フアン・ビセンテ・エレーラes X
 カタルーニャ州 カタルーニャ国民党es アリシア・サンチェス=カマーチョes X
 セウタ セウタ国民党es フアン・ヘスス・ビーバスes X
 マドリード州 マドリード国民党 エスペランサ・アギーレ X
ナバラ州 ナバーラ州 ナバーラ国民党es パブロ・サルバ・ビデガインes X
 バレンシア州 バレンシア国民党es イサベル・ボニグes X
 エストレマドゥーラ州 エストレマドゥーラ国民党es ホセ・アントーニオ・モナーゴes X
 ガリシア州 ガリシア国民党es アルベルト・ヌーニェス・フェイホーes X
バレアレス諸島の旗 バレアレス諸島州 バレアレス諸島国民党es ホセ・ラモン・バウサーes X
 ラ・リオハ州 ラ・リオハ国民党es ペドロ・サンスes X
メリリャの旗 メリージャ メリージャ国民党es フアン・ホセ・インブローダes X
バスク州の旗 バスク州 バスク国民党es アルフォンソ・アロンソes X
 アストゥリアス州 アストゥリアス国民党es メルセデス・フェルナンデスes X
 ムルシア州 ムルシア国民党es ペドロ・アントニオ・サンチェスes X

選挙結果[編集]

総選挙[編集]

総選挙
選挙年 筆頭候補者 得票数 得票率 下院 上院 備考
1989年 ホセ・マリア・アスナール 5,285,972 25.79%
107 / 350
77 / 264
ナバーラ住民連合(UPN)とガリシア中道者CdG)との選挙連合で[注 1]
1993年 ホセ・マリア・アスナール 8,201,463 34.76%
141 / 350
93 / 264
ナバーラ住民連合(UPN)との選挙連合で[注 2]
1996年 ホセ・マリア・アスナール 9,716,006 38.79%
156 / 350
112 / 264
ナバーラ住民連合(UPN)とアラゴン党PAR)との選挙連合で[注 3]
2000年 ホセ・マリア・アスナール 10,321,178 44.52%
183 / 350
127 / 264
ナバーラ住民連合(UPN)、メリージャ住民連合UPM)、アラゴン党
PAR)との選挙連合で[注 4]
2004年 マリアーノ・ラホイ 9,763,144 37.71%
148 / 350
102 / 264
ナバーラ住民連合(UPN)、メリージャ住民連合UPM)、ヴァレンシア連
UV)、フエルテベントゥーラ無所属者IdF)との選挙連合で[注 5]
2008年 マリアーノ・ラホイ 10,278,010 39.44%
154 / 350
101 / 266
ナバーラ住民連合(UPN)との選挙連合で[注 6]
2011年 マリアーノ・ラホイ 10,866,566 44.63%
186 / 350
136 / 266
ナバーラ住民連合(UPN)、アラゴン党PAR)、統一エストレマドゥーラ
EU)、カナリアス民族主義中道CCN)、フエルテベントゥーラ自治体
評議会
AMF)との選挙連合で[注 7]

* 太字はPPが勝利した選挙。

地方自治体選挙[編集]

選挙年 党代表 得票数 得票率 獲得議席/議席総数 備考
1991年 ホセ・マリア・アスナール 4,775,051 25.3%
19,298 / 66,308
1995年 ホセ・マリア・アスナール 7,334,135 34.4%
24,772 / 65,869
1999年 ホセ・マリア・アスナール 7,334,135 34.4%
24,623 / 65,201
2003年 ホセ・マリア・アスナール 7,875,762 34.3%
23,615 / 65,510
2007年 マリアーノ・ラホイ 7,916,075 35.6%
23,348 / 66,131
2011年 マリアーノ・ラホイ 8,476,138 37.5%
26,507 / 68,230
2015年 マリアーノ・ラホイ 6,057,767 27.1%
22,750 / 67,611

欧州議会選挙[編集]

選挙年 筆頭候補者 得票数 得票率 議席数 備考
1989年 マルセリーノ・オレハ・アギーレ 3,395,015 21.41%
15 / 60
UPNCdGとの連合で。
1994年 アベル・マトゥーテス 7,453,900 40.12%
28 / 64
UPNとの連合で。
1999年 ロジョーラ・デ・パラシオ 8,410,993 39.74%
27 / 64
UPNとの連合で。
2004年 ハイメ・マジョール・オレハ 6,393,192 41.21%
24 / 54
UPNとの連合で。
2009年 ハイメ・マジョール・オレハ 6,670,232 42.12%
23 / 50
2014年 ミゲル・アリアス・カニェーテ 4,074,363 26.06%
16 / 54

出典:1989年-2009年Consulta de Resultados Electorales(スペイン内務省)、2014年Resultados provisionales 2014(スペイン内務省)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 下院でUPNに2議席、CdGに2議席割り当て。上院でUPNに3議席、CdGに1議席に割り当て。
  2. ^ 下院でUPNに3議席割り当て。上院でUPNに3議席割り当て。
  3. ^ 下院でUPNに3議席、PARに1議席割り当て。上院でUPNに3議席、PARに3議席割り当て。
  4. ^ 下院でUPNに3議席、PARに1議席割り当て。上院でUPNに3議席、UPMに1議席割り当て。
  5. ^ 下院でUPNに2議席割り当て。上院でUPNに3議席、UPMに1議席、UVに1議席割り当て。
  6. ^ 下院でUPNに2議席割り当て。上院でUPNに3議席割り当て。
  7. ^ 下院でUPNに1議席。上院でUPNに2議席、PARに3議席、CCNに2議席割り当て。

出典[編集]

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  1. ^ Ruiz Castro, M. (2013年5月27日). “La militancia en tiempos de crisis (spanish)”. ABC. http://www.abc.es/espana/20130526/abci-afiliados-partidos-crisis-201305242232.html 2013年12月12日閲覧。 
  2. ^ Parties and Elections in Europe: The database about parliamentary elections and political parties in Europe, by Wolfram Nordsieck
  3. ^ a b c Hloušek, Vít; Kopeček, Lubomír (2010), Origin, Ideology and Transformation of Political Parties: East-Central and Western Europe Compared, Ashgate, p. 159, http://books.google.co.uk/books?id=K79sdX-amEgC&printsec=frontcover&dq=hlousek+kopecek&hl=en&sa=X&ei=OCpiT_68OoaChQejzNGiCA&ved=0CDIQ6AEwAA#v=onepage&q=people%27s%20party%20spain&f=false, "From its original emphasis on a 'united and Catholic Spain', in the 1980s and 1990s it gradually evolved under the leadership of José Maria Aznar into a pragmatically-oriented conservative formation, with Christian democratic and, even more strongly, economically liberal elements." 
  4. ^ a b Wolfram Nordsieck. “Parties and Elections in Europe: The database about parliamentary elections and political parties in Europe”. Parties and elections. 2011年11月21日閲覧。
  5. ^ Annesley, Claire (2005), A Political And Economic Dictionary Of Western Europe, Routledge, p. 260 
  6. ^ José María Magone (1 January 2003). The Politics of Southern Europe: Integration Into the European Union. Greenwood Publishing Group. p. 145. ISBN 978-0-275-97787-0. http://books.google.com/books?id=KOj2BwVxczUC&pg=PA145 2013年7月25日閲覧。. 
  7. ^ Ari-Veikko Anttiroiko; Matti Mälkiä (2007). Encyclopedia of Digital Government. Idea Group Inc (IGI). p. 397. ISBN 978-1-59140-790-4. http://books.google.com/books?id=iDrTMazYhdkC&pg=PA397 2013年7月18日閲覧。. 
  8. ^ Sanders, Doug (21 November 2011), “‘Hard times’ await Spain’s PM-designate after landslide win”, The Globe and Mail, http://www.theglobeandmail.com/news/world/worldview/hard-times-await-spains-pm-designate-after-landslide-win/article2243520/ 2011年11月22日閲覧。 
  9. ^ ‘No miracles’ warns Spain’s new prime minister-elect, France24, (21 November 2011), http://iphone.france24.com/en/20111121-elections-spain-prime-minister-rajoy-no-miracles-europe-debt-economy-finance-conservatives 2011年11月22日閲覧。 
  10. ^ Woodworth, Paddy (21 November 2011), “Spain's People's Party takes power with big majority”, Irish Times, http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2011/1121/1224307909087.html 2011年11月22日閲覧。 
  11. ^ Elecciones generales 2015, Congreso” (スペイン語). Gobierno de España. Ministerio del Interior. Subsecretaría. Dirección General de Política Interior. 2015年12月25日閲覧。
  12. ^ Elecciones generales 2015, Senado” (スペイン語). Gobierno de España. Ministerio del Interior. Subsecretaría. Dirección General de Política Interior. 2015年12月25日閲覧。
  13. ^ Consulta de Resultados Electorales, Municipales / Mayo 2011, Total nacional” (スペイン語). Gobierno de España, Ministerio de Interior, Subsecretaría Dirección General de Política Interior. 2011年11月24日閲覧。
  14. ^ スペイン、外務省
  15. ^ Andrew Blackman (2013年2月4日). “ラホイ首相批判収まらず、野党は辞任要求-不正疑惑否定で”. ブルームバーグ. http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MHODFU6JTSFD01.html 2013年2月5日閲覧。 
  16. ^ “スペイン首相に不正資金疑惑 辞任求める声も”. 産経新聞. (2013年2月4日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/130204/erp13020419210002-n1.htm 2013年2月5日閲覧。 
  17. ^ “スペイン与党本部にガスボンベ積んだ車突っ込む、負傷者はなし”. AFPBBNews (フランス通信社). (2014年12月19日). http://www.afpbb.com/articles/-/3034790?ctm_campaign=txt_topics 2014年12月19日閲覧。 
  18. ^ スペイン国民は「連立」を選んだ 岩波書店 世界 2016年3月号 29頁

参考文献[編集]

  • 若松隆『スペイン現代史』岩波新書、1992年
  • 立石博高編『スペイン・ポルトガル史』山川出版社、2000年
  • Gilmour, John, Manuel Fraga Iribarne and the Rebirth of the Spanish Conservatism 1939-2000, The Edwin Mellen Press, 1999.

外部リンク[編集]