バクー (空母)

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バクー
Carrier Baku.jpg
イタリア半島南方海域を航行中のバクー
基本情報
運用者  ソビエト連邦海軍
種別 航空巡洋艦(軽空母
艦級 キエフ級
前級 1123型(モスクワ級)
次級 1143.5型(アドミラル・クズネツォフ級)
経歴
起工 1978年12月26日
進水 1982年3月31日
就役 1987年12月20日
退役 1995年7月
除籍 1996年
その後 2005年3月10日インドへ売却 
現況 インド海軍で就役中
要目
基準排水量 38,000t
満載排水量 45,500t
全長 273.1m
水線長 242.8m
全幅 53m
水線幅 31m
吃水 8.2-12m
機関 蒸気タービン 4基
主機 8缶
推進 スクリュープロペラ 4軸
出力 200,000hp
最大速力 32.5ノット
航続距離 7,590海里(巡航速度:18ノット)
乗員 1,615名
兵装 AK-100 100mm単装砲 2門
AK-630 30mmCIWS 8基
P-500SSM連装発射筒 8基
3K95SAMVLS(16セル) 24基
533mm5連装魚雷発射管 2基
RBU-12000SUM10連装発射機 2基
搭載機 Yak-38M 12機
ヘリコプター 20機
C4ISTAR  
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バクーロシア語Баку; 改名後の艦名 アドミラール・ゴルシュコーフアドミラル・ゴルシコフАдмирал Горшков)は、ソ連ロシア海軍キエフ級航空母艦4番艦に当たるが、搭載機の変更(Yak-38からYak-141)を前提に設計されたため、他の同型艦とはエレベーターの位置や大きさなどが異なっており、「改キエフ級」と呼ばれるケースが多い。

なお、「バクー」は現在は独立国アゼルバイジャンの首都であるが、この艦の建造当時はソ連邦構成共和国のひとつであった。ソ連の解体にともない、旧構成共和国の首都にちなんだ艦名から、セルゲイ・ゴルシコフ提督にちなんだ艦名へと改名された。

艦歴[ソースを編集]

1987年の試験運転時のバクー

「バクー」は1978年12月26日にチェルノモールスキイ造船所(ニコラーエフ南、第444海軍工廠)で起工され、1982年3月31日に進水し、1987年12月20日に就役した(ちなみに、就役前の海上テストの際、蒸気タービンボイラーに亀裂が入るという事故を起こしている)。

1988年3月3日、「バクー」は黒海艦隊に編入された。そして、5月下旬には艦載機(Yak-38、Yak-38U 計12機、Ka-27PL 16機、Ka-27PS 2機、Ka-27RLD 2機が配備された。12月、「バクー」は北洋艦隊に編入された。

1990年10月1日、「バクー」は北方艦隊の第44対潜師団に編入され、10月4日、艦名がソ連海軍の提督セルゲイ・ゴルシコフにちなみ、アドミラール・フロータ・ソヴェーツコヴォ・ソユーザ・ゴルシュコーフ(Адмирал флота Советского Союза Горшковアドミラール・フロータ・サヴィェーツカヴァ・サユーザ・ガルシュコーフ)に改名された。

なお、「バクー」に搭載されるはずだった新型の超音速VTOL艦上戦闘機Yak-141は、シートライアルが精力的に行われていたが、「バク-」艦上で事故を起こして大破してしまい、折からの財政難も有って、以後、開発計画は尻すぼみになっていき、ついには中止された。

1991年ごろからは行動も不活発になり、1992年から1995年までは岸壁に係留されたままになっていた。この間、機関室で火災が発生し、退役した同型艦「キエフ」の部品を剥ぎ取って修理した。艦載機Yak-38もこの間に退役してしまい、「バクー」の搭載機はヘリコプターだけという有様になった。

1995年にはどうにかカムバックし、同年5月、ムルマンスク観艦式に参加したのが「バクー」の最後の花道になった。7月、予備役となった。

インドへの売却[ソースを編集]

試験航行中のヴィクラマーディティヤ

1996年からロシア政府はインドとこの艦の売却交渉を開始し、1998年12月に仮契約が結ばれた。そして、7月全通型空母への改装が決定した。

2004年1月、「艦そのものは無償でインドに譲渡し、全通甲板空母への改造費用と搭載機MiG-29K等の代金(合計で約15億USドル)だけ払って頂く」という内容の本契約が結ばれ、セヴマシュ・プレドプリヤーチエ(北方機械建造会社、旧第402海軍工廠、セーヴェロドヴィンスク市)において改造工事が始まった。

最初は2005年にはインドに引き渡される予定であったが[1]、改装コストの高沸や改装自体にトラブルによって何度も引渡しが延期され、最終的に2013年11月16日、インド海軍へ正式に引き渡された[2]

なお、改修後はインド海軍艦船として艦名がヴィクラマーディティヤ(INS Vikramaditya)に改められている。

設計[ソースを編集]

バクーの艦橋部

「バクー」は、新開発のフェーズドアレイレーダー「マルス・パッサート」や、その他の新型各種電子機器など、次に建造される「アドミラル・クズネツォフ」のテスト艦も兼ねており、装備などに変更が加えられている。

主レーダーとしては、パッシブ・フェイズド・アレイ(PESA)式の固定型アンテナ(4面)を採用したマルス・パッサート(NATO名「スカイ・ウォッチ」)が搭載され、レーダーの装備要領は一変している。副レーダーも、改良型のMR-710M「フレガート-M」に更新されたほか、低空警戒・対水上捜索用のMR-350「ポドカット」ロシア語版(NATO名「クロス・ソード」)も併載された[3]

主砲は100mm単装速射砲とされ、艦対艦ミサイルは12発に増備、対潜ロケット砲も新型のRBU-12000ロシア語版とされた。また艦隊防空ミサイルが廃される一方で個艦防空ミサイルは「キンジャール」に更新されている[3]

Yak-141の運用を想定し、飛行甲板面積が6,200m²に拡張されるとともに、エレベータも拡張された。試験的にブラスト・デフレクターと着艦拘束装置が装備された時期もあったが、これは撤去された。搭載機数は36機とされ、内訳はYak-38×14機、Yak-38U×2機、Ka-27PL×14機、Ka-27PS×2機、Ka-27RLD×4機であった[3]

[ソースを編集]

  1. ^ AFPBB News「ロシアの退役空母、譲渡予定のインドでとんでもない厄介者に」2009年8月3日
  2. ^ ロシアの声 (2013年11月16日). “空母「ヴィクラマーディティヤ」インドに引き渡し”. 2013年12月1日閲覧。
  3. ^ a b c Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア空母建造秘話(6・最終回)」、『世界の艦船』第642号、海人社、2005年5月、 110-118頁、 NAID 40006680081

外部リンク[ソースを編集]