コンテンツにスキップ

バクシャーリー写本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バクシャーリー写本
バクシャーリー写本

バクシャーリー写本(バクシャーリーしゃほん)は、今のパキスタンバクシャーリー英語版付近で発見された文献である。サンスクリット語シャーラダー文字で書かれており、古代インドのヴェーダ時代と古典期をつなぐ数学の貴重な文献として知られている。放射性炭素年代測定によって西暦3世紀から4世紀頃に書かれたとされる[1]

概要

[編集]
バクシャーリー写本で使用された数字。オックスフォード大学のチームによって右端の黒い点が最古の「ゼロ」表記であることが特定された[1]

1881年、バクシャーリー村の付近で廃墟を掘り起こしていた農夫が発見した。の樹皮に書かれた70枚ほどの文献があり、1902年からオクスフォード大学ボドリアン図書館に収められている[1][2]。発見後にルドルフ・ヘルンレによって一部が英訳され、その後、注釈つきでジョージ・ラスビー・ケイ (George Rusby Kaye, 1866-1929) が英訳(Kate 1927)[2]した。写本の著者は知られていない。

バクシャーリー写本は、規則(スートラ)と、その例題が集められており、次のような順番で書かれている。規則、例題(はじめは言語、次に記号)、解、検算。

算術代数が中心で、幾何学的な求積問題も含まれている。算術の例題には、分数平方根損益勘定利息三数法などがある。代数の例題には、1次方程式2次方程式連立方程式不定方程式等差数列などがある。記数法においては、0未知数を表すために点が用いられており、位取りに発展がみられる。

ヴェーダ時代やジャイナ教の数学とくらべ、世俗的、実用的な問題に適用される問題が多い。またシュルバ・スートラにも見られた無理数の近似値について精度を増し、ジャイナ教時代の数列の研究が進められた。

脚注

[編集]

参考文献

[編集]
  • ジョーゼフ, ジョージ・G 著、垣田高夫大町比佐栄 訳『非ヨーロッパ起源の数学 : もう一つの数学史』講談社〈ブルーバックス, B-1120〉、1996年(原著1990年)。ISBN 406257120X 
  • 最古の「ゼロ」文字、3~4世紀のインド書物に 英大学が特定”. AFPBB News. フランス通信社 (2017年9月16日). 2017年9月20日閲覧。
  • Kaye, George Rusby (1927) (英語), The Bakhsh Manuscript; a Study in Medieval Mathematics., New Imperial Series. Vol. 43, Parts 1 and 2, Calcutta: Government of India Central Publication Branch, pp. iv + 156 + 48 plates.28 rupees; 43s. 6d.(via Nature volume 122, pages638–639 (1928)) 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]