ハルジオン

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ハルジオン
Harujion.jpg
ハルジオン
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: シオン連 Astereae
: ムカシヨモギ属 Erigeron
: ハルジオン E. philadelphicus
学名
Erigeron philadelphicus L.[1]
和名
ハルジオン(春紫
英名
Philadelphia fleabane

ハルジオン(ハルジョオンとも、春紫学名Erigeron philadelphicus L.[1]、)は、キク科ムカシヨモギ属分類される多年草の1[2]北アメリカ原産で、日本では帰化植物となっている。ヒメジョオンと共に、道端や空地でよく見かける雑草である。一部の地域では「貧乏草」と呼ばれ、「折ったり、摘んだりすると貧乏になってしまう」と言い伝えている。

分布[編集]

北アメリカを原産地とする[3]。日本を含めた東アジア外来種として移入分布している[4]

形態[編集]

多年草で、背の高さが30 - 80センチくらいになる[4]

根元には篦型の根出葉があり、花の時期にも残ることが多い。葉と茎は黄緑色で、まばらに毛が生える。茎はあまり枝分かれせずに伸び、先の方で何回か枝分かれして、花をつける。花はヒメジョオンと同じく、細い舌状花を持つヒマワリのような花だが、白とピンクのものがある。また、ヒメジョオンより一回り花が大きい。

ヒメジョオンとの見分け方[編集]

上:ハルジオン(花弁の幅が細い)
下:ヒメジョオン(花弁の幅が太い)

ハルジオンとヒメジョオンは、花がよく似ていて混同してしまうことがある。 花びらの幅の違いで見分ければ直ぐに解る。1㎜以下の細い花びらがハルジオンで 約1.5㎜で幅が広いのがヒメジョオン。花びらの幅で見分けるのが一番解りやすく誰にでも簡単にできる方法。

標準的には、ヒメジョオンの方が背が高く、花は小さくて数が多く、根本がすっきりしている。これに対して、ハルジオンは背は低く、花は大きくて少なく、根本に葉がある。また、ハルジオンのは下を向いて項垂れているような特徴がある。従って、しっかりと比べて見れば、はっきりと見分けがつく。

分かりにくい場合は、を折ってみるとよい。ヒメジョオンの茎には空洞がないが、ハルジオンの茎には真ん中に空洞がある[4]。葉の付き方も違い、ヒメジョオンの葉は茎を抱かないが、ハルジオンは茎を抱くように付く[4]

最近では、デジタルカメラで花をマクロレンズで撮影する人が増え、花だけを拡大して写すことがよくある。そのような花だけの写真では、この両者の区別がとても難しい。標準的な花では、ハルジオンはヒメジョオンより花が一回り大きく、舌状花の数も多いので、見分けられるが、判断が難しい場合もある。

なお、ハルジオンとヒメジョオン以外にも、近縁のものがあるので、注意が必要。

また、花弁の白い部分がやや紫がかる(ピンクや薄紫)の個体が見られることもあるが、これは清浄な空気の中で育った時に出来るものである。このため、ある程度ではあるが地域の大気汚染の度合いの目安とすることもできる。同一地域であっても、道路わきの個体とそこから少し離れた場所の個体では花の色に違いが見られることも多く、本種が車の排ガスなどの大気汚染物質に対し敏感であることが見て取れる。

生態[編集]

牧草地や畑、道端など窒素分の多い場所を好んで生育する[3]。花の時期は4-6月頃で、ヒメジョオンの6-10月頃よりも早い[2]

利用[編集]

葉、茎、新芽や若芽、蕾など大半が可食部位となる。野草と同じように天ぷら、お浸しなどにして食べることが出来る。春菊のような苦みとアクの強さが特徴。

外来種問題[編集]

日本では1920年代に観賞用として持ち込まれた[3]。1980年代には除草剤に耐性のある個体が出現し、関東地方を中心に全国へ分布が拡大した[3]

農作物や牧草の生育を妨害するため、厄介な雑草として扱われている[4]。さらに、在来の植物と競合し駆逐する恐れがある[4]

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律により要注意外来生物に指定されている。また、日本生態学会では本種を日本の侵略的外来種ワースト100に選定している。

名前の由来[編集]

ハルジオンは漢字に直すと「春紫」となる[5]。「に咲く、キク科のシオン(紫)」という意味。但し、ハルジオンはキク科シオン連ムカシヨモギ属であり、シオン(キク科シオン連シオン属)とは全く別種であるので、注意が必要である。

標準和名ハルジオンであるが、植物学者の牧野富太郎が、同類のヒメジョオンとの類似からハルジョオンの名が普及している、としている[6]

なお、同じようにヒメジョオンを「ヒメジオン」と呼ぶのは、ヒメジョオン(姫女・キク科シオン連ムカシヨモギ属)とは全く別種のヒメシオン(姫紫・キク科シオン連シオン属)との混同となるので、間違いである。

同じキク科シオン連ムカシヨモギ属であるハルジオン(俗称・ハルジョオン)とヒメジョオンは、見た目が非常に似ている上に、名称も紛らわしい。さらにヒメジョオンとは別種であるヒメシオンとも名称が紛らわしく、中国における「」が日本におけるヒメシオン(姫)を表す[5]ので、注意が必要である。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “キスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月23日閲覧。
  2. ^ a b 林 (2009)、42頁
  3. ^ a b c d 多紀保彦(監修)、財団法人自然環境研究センター(編著) 『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日、364-365頁。ISBN 978-4-582-54241-7 
  4. ^ a b c d e f ハルジオン / 国立環境研究所 侵入生物DB”. 侵入生物データベース. 国立環境研究所 (2009年7月23日). 2016年2月23日閲覧。
  5. ^ a b シオン()のことを中国でも「」と表すが、中国ではハルジオン(春)に相当する単語は無い。なお、ヒメシオン(姫)のことを中国では「」と表し、ヒメジョオン(姫)のことを中国では「一年蓬」と表す。
  6. ^ ハルジオン“春紫の意で、著者の命名だが、ヒメジョオン(姫女)との類似からハルジョオンの名が普及している。”(牧野富太郎『牧野新日本植物図鑑 』629頁、北隆館(1961年))

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]