ハマー (自動車)
ハマー(HUMMER)は、アメリカの自動車メーカー・ゼネラルモーターズ(GM)のSUVブランド。1992年に設立され、18年間使用されたのち2010年に廃止された。一時は中国の騰中重工に売却することで合意されていたが、売却契約は白紙撤回され[1]、GMのハマーブランドそのものは廃止となったが、2017年の上海モーターショーでハンヴィー・エキスポート社とAMゼネラル社は「ハンヴィーCシリーズ」の名で中国の富裕層向けにハマーのレプリカを製造するとして復活させた[2]。
車種一覧[編集]
H1[編集]
| HUMMER H1 | |
|---|---|
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ハマー H1 ハードトップのSUTタイプ ハマー H1 4ドアワゴン | |
| 製造国 |
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| 販売期間 | 1992年-2006年 |
| ボディタイプ | 4ドアワゴン、ピックアップトラック |
| エンジン | 水冷V型8気筒OHVターボ、水冷V型8気筒OHVターボディーゼル |
| 駆動方式 | 4WD |
| 最高出力 |
H1:195hp/3,400rpm H1 ALPHA:300hp/3,000rpm |
| 最大トルク |
H1:59.4kg-m/1,800rpm H1 ALPHA:71.8kg-m/1,500rpm |
| 変速機 | 4速AT、5速AT |
| サスペンション | ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング |
| 全長 | 4,686mm |
| 全幅 | 2,197mm |
| 全高 | 1,956mm |
| ホイールベース | 3,302mm |
| 車両重量 | 3,091-3,684kg |
| タンク容量 |
H1:メイン95L、サブ64L H1 ALPHA:メイン102L、サブ92L |
| 最小回転半径 | 8.1m |
| -自動車のスペック表- | |
アーノルド・シュワルツェネッガーの要望により、ハンヴィーの基本構成部品を共有化した民生仕様。AMゼネラル社が生産し、1992年6月限定版として工場直販にて発売開始。1992年10月より一般ディーラーにて販売開始された。1994年モデルより搭載されているディーゼルエンジンの排気量が6.2Lから6.5Lに変更された。
1995年モデルから5.7Lガソリンエンジンモデルが追加され、その後2年間生産された。1996年モデルにターボディーゼルエンジンが追加され、2004年モデルまで大きな変更を受けなかったが、2005年モデルからいすゞ製8GF1型ディーゼルエンジンに変更され、名称もH1 アルファとなる。H1のエンジンは、ディーゼル、ガソリン共にすべてV型8気筒である。
しかし、2006年、原油価格高騰のあおりを受け、リッターあたりの走行距離がわずか4km前後のH1は深刻な販売不振となり、生産終了と発表された。また、2007年からのディーゼルエンジン排出ガス基準の強化により規制対応の試作を行ったが、基準を満たすめどが立たなかったことも販売終了の一因である。ただし、これはH1のみで、基本部分に同じボディー、フレームを使用している軍用型ハンヴィーの生産は継続されている。
4ドアのオープントップ(キャンバストップ化可能)ルーフとリアカーゴを持つピックアップトラックの「4ドアオープントップ」の他に、4ドア+後部ドアのフルハードトップを持つ「4ドアワゴン」の2モデルが存在し、4ドアオープントップには純正オプションによりハードトップに改装したSUT(Sport Utility Truck.後述)タイプや、ベースとなったハンヴィーに似た、ハードトップと傾斜した車体後部にハッチバック式のリアゲートを持つ「スラントバック(Slant Back)」タイプも存在する。
原型の軍用車型であるハンヴィーと違い公的機関での使用例は多くないが、日本の公的機関(国土交通省北海道開発局、北海道警察など)や企業(NTTドコモなど)で災害対策用車両として採用例がある。
似たような外観の車種として、トヨタ・メガクルーザーがあり、ときおりH1とも混同されるが、それぞれのベースは、中東の砂漠での運用を想定したハンヴィーと、自衛隊での運用を想定した高機動車であり、設計方針では異なる点が多い。
車両重量が重いため、この型の一部は準中型車に分類される。2017年3月以降に普通自動車免許を取得した場合、運転できない(それ以前に取得した場合は運転可能)。
H2[編集]
| HUMMER H2 | |
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ハマー H2 フロント ハマー H2 リア | |
| 製造国 |
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| 販売期間 | 2002年 - 2010年 |
| ボディタイプ | SUV、ピックアップトラック |
| エンジン | Vortec 6,000 V型8気筒 OHV |
| 駆動方式 | 4WD |
| 最高出力 | 242 hp/5,200 rpm |
| 最大トルク | 50.5 kg-m/4,000 rpm |
| 変速機 | 4速AT |
| サスペンション |
前:ダブルウィッシュボーン+トーションバー 後5リンクコイルリジッド |
| 全長 | 5,171 mm |
| 全幅 | 2,062 mm |
| 全高 | 2,012 mm |
| ホイールベース | 3,119 mm |
| 車両重量 | 2,903 kg |
| タンク容量 | 121L |
| ステアリング | リサーキュレーティングボール |
| -自動車のスペック表- | |
シボレー・タホをベースとして、H1の雰囲気を踏襲したフルサイズSUVであり、軍用車との関連は無い。そのため、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアは5リンクリジッドと極一般的なものとなり、ハブリダクションも持っていない。アクスル間に見えるはしご型フレームは低く、さらにはトランスファーケースなどがぶら下がっており、そのシルエットはH1とはまったく異なるものになった。
しかし、それと引き換えに、低く平らなフロアによる良好な居住性と、アメリカ人が好むGM製SUVの乗り味を獲得し、マニア以外からはむしろ歓迎される結果となり、高所得者層を中心に、当初からセールスは好調を維持した。
2002年よりGMが生産。日本では三井物産オートモーティブが輸入。米国ではキャデラック・エスカレードやフォード社のリンカーン・ナビゲーターと並ぶ高級SUVである。
SUVのH2のほか、ピックアップトラックの「H2 SUT」も販売されている。「SUT」とは「Sport Utility Truck(スポーツユーティリティトラック)」の略で、SUVとピックアップトラックを掛け合わせたタイプの車を意味している。H2 SUTはH2の2列目座席より後ろからそのままルーフを取り払ったデザインになっており、フロントウインドシールド上部に専用のマーカーランプが付いている。
GMのSUV部門の女性チーフが「室内がゴム臭い」と言ったことから、2006年モデルからスペアタイヤが車外に出されることとなり、バックドアの使い勝手は悪化した。この変更による室内の変化はなく、サードシートも片側1脚のままで、スペアタイヤのなくなったあとは空きスペースとなっている(2008年よりサードシートは片側2脚の仕様となった)。
H3[編集]
| HUMMER H3 | |
|---|---|
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ハマー H3 ハマー H3 リア | |
| 製造国 |
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| 販売期間 | 2006年-2010年 |
| ボディタイプ | SUV、ピックアップトラック |
| エンジン | 直列5気筒、V型8気筒 |
| 駆動方式 | 4WD |
| 最高出力 |
3.5L:164hp/5,600rpm(SAE) H3 ALPHA:295hp |
| 最大トルク | 305Nm/2,800rpm |
| 変速機 | 5速MT、4速AT |
| サスペンション |
前:独立SLAトーションバー 後:マルチリーフ、セミエリプティックシングルステージリーフスプリング |
| 全長 | 4,742mm |
| 全幅 | 1,897mm |
| 全高 | 1,872mm |
| ホイールベース | 2,842mm |
| 車両重量 | 2,654kg |
| -自動車のスペック表- | |
シボレー・コロラドのシャーシをベースにH2をさらに小型化したモデルで、ルイジアナ州シュリーブポートで生産されていた。コロラドとの部品共用は9%ほどであるという(パーセンテージは、点数、重量、価格のいずれかは不明)。
2006年モデルは、3.5Lの直列5気筒エンジンが搭載されているが、2007年モデルからは、3.7Lに排気量がアップされている。排気量が小さく、また、V型エンジンでもないので、アメ車らしいフィールには欠ける。トルク不足からアメリカでも評判が悪く、2007年9月に、5.3L V型8気筒エンジン(295PS)が搭載されたH3 ALPHAが登場した。また、ヨーロッパ向けには、ディーゼルエンジンの搭載も予定されていた。
H2と比較するとボディは一回り小さい。ハンドル切れ角が大きく、最小回転半径は5.6mしかない。車幅は、三井物産オートモーティブが輸入するモデルは1,980mmであるが、大型フェンダー込みの寸法であり、室内はそれほど広くはない。また、全長は、スペアタイヤ込みでも4,720mmと短く、カーゴルームのスペースも狭い。
2005年秋より三井物産オートモーティブが輸入。また、南アフリカ共和国でも生産され、2007年以降右ハンドルモデルも生産されたが、2007年モデルは正規の日本導入はなし。2008年モデルよりGMアジア・パシィフィック・ジャパンが輸入を担当。
高い悪路走破性からラリーレイドでも活躍しており、NASCAR レーサーのロビー・ゴードンがH3でダカール・ラリーに参戦、2007年のダカール・ラリーでは四輪部門総合8位で完走した。 同クラスの車種は、トヨタ・FJクルーザー。
2008年9月に2009年モデルとして、H3のカーゴルーム部分から屋根を取り払った、ピックアップトラック版の「H3T」が登場した。H2 SUTと同様、スポーツユーティリティトラック(SUT)として位置づけられている。
2010年2月、三井物産のHP上でハマーの日本での輸入販売を停止すると発表した。同年5月24日に生産終了となった。
絶対的な燃費は非常に悪いが、日本の場合、重量に対しての燃費で計算されたため、エコカー補助金を受けることができた。
HX コンセプト[編集]
| 2008 HUMMER HX CONCEPT | |
|---|---|
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ハマー HX コンセプト | |
| 製造国 |
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| ボディタイプ | SUV |
| エンジン | 3.6LV型8気筒 |
| 駆動方式 | 4WD |
| 最高出力 | 304hp/6,300rpm |
| 最大トルク | 37.75kg-m/5,200rpm |
| 変速機 | 6速AT |
| 全長 | 4,343mm |
| 全幅 | 2,057mm |
| 全高 | 1,829mm |
| ホイールベース | 2,616mm |
| -自動車のスペック表- | |
2008年のデトロイトショーで発表された、近い将来導入される予定であったハマー H4を意識して作られたコンセプトモデル。
H3よりも全長、高さがコンパクトになったボディに、より優れたオフロード走破性能が与えられており、若年層がターゲットとされた。
搭載されたエンジンはE85 エタノール混合燃料に対応した3.6LのV型8気筒DOHC、足回りにはブレンボ製のキャリパーを採用、サスペンションにはFoxレーシングのコイルオーバーが採用されている。
ボディタイプは2ドアの2+2仕様であり、前席のルーフ部分は取り外しが可能になっており、後部ルーフ部分もスライドが可能となっている。
2010年のハマーブランドの廃止により、市販化はされなかった。
2011年、米My Electronic Vehicle社がゼネラルモーターズの公式ライセンスを受け、電動カートのシャシにHX コンセプトをデザインモチーフとしたELECTRIC HUMMER HX-Tと呼ばれる電気カートを制作し、販売した。
出典[編集]
- ^ “ハマーの売却契約が破綻 ブランド廃止か”. オートックワン (2010年2月25日). 2015年5月30日閲覧。
- ^ “米国で復刻製造される新車の「ハマー H1」、中国で販売開始へ!”. Autoblog 日本版 (2017年5月11日). 2017年12月31日閲覧。
関連項目[編集]
- ハブリダクション - ハマーH1に採用されている技術
外部リンク[編集]
- GMアジア・パシフィック・ジャパン HUMMER H3
- HUMMER H2-H3 サイト 三井物産オートモーティブ株式会社 - データなし(2010年8月20日時点のアーカイブ)