ハッショウマメ

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ハッショウマメ
Mucuna pruriens flower.jpg
花序
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: トビカズラ属 Mucuna
: ビロードマメ Mucuna pruriens
変種 : ハッショウマメ Mucuna prurens var. utilis
学名
Mucuna prurens (L.) DC. var. utilis (Wall. ex Wight) Baker ex Burck[1]

ハッショウマメ(ムクナ)はマメ亜科トビカズラ属に属する植物で、ビロードマメ(Mucuna prurens)の変種の一つである。学名はMucuna prurens var. utilis。英名のひとつにはYokohama velvet beanの名がある。「ハッショウマメ」という名前の由来には、豊作で八升取れるから、あるいは八丈島から渡来したため、など諸説がある[2]

強健かつ多収性の作物であり、種実の収量は1アールあたり100リットルに達する。しかし高温生で短日型なので日本での栽培は少ない。[3]

かつてはトビカズラ属とは異なる植物とされ、栽培品種によってStizolobium hassjooMucuna hassjoo など複数の属、種に分類されていたが、現在ではすべてビロードマメ(Mucuna prurens)の変種ハッショウマメ(Mucuna prurens var. utilis)として一つの種と考え、それを5つの栽培品種群に分ける見解が支持されている[2]

特徴[編集]

茎葉は全面白い毛に覆われる。茎は所々茶色が混じる薄緑で蔓性。長さは数メートルに達する。葉は三出複葉で互生し托葉は披針形で小さい。小葉は長さ16cm、幅11cm。花は総状花序で腋生する。花は黒紫の蝶型花で長さ3-4cm。萼は鐘形。子房は細い白毛が生える。果実は長いS字形の鞘で、5-6個の種子を含み、長さ10cmほど。熟すと黒変化し、革質で硬くなる。種子は長さ15-19mm、幅10-12mm、厚さ8mmほど。灰白色でつやがある。[3]

栽培と利用[編集]

東南アジア中国大陸南部の熱帯が原産地であり、日本でも沖縄を中心に温暖な地域で栽培されていたが、近年ではほとんど栽培されない。高温生で低温に弱く、日本で栽培できるのは関東が北限であり、暖地ほど豊産になる[3]。播種、移植の適期は6月中旬で、15°から20°は必要[3]。 豆は食用となるが中毒成分を含むため下痢を催し、よくゆでて何度も煮こぼしたのちに食用とする[3][4]。豆には5%ものドーパが含まれ、葉や根には1%のドーパが含まれている。ドーパはパーキンソン病の特効薬になる。インドでは豆をリューマチ薬、喘息薬、解熱剤、強壮剤、催淫剤として用いている[5]。茎や葉は飼料や緑肥としても使用される[6]

脚注[編集]

  1. ^ YList
  2. ^ a b 園芸植物大事典 (1999), pp. 580-581
  3. ^ a b c d e 野菜園芸大事典 (1977), pp. 1019-1021
  4. ^ 食材図典 生鮮食材篇 (2003), p. 323
  5. ^ 藤井 義晴、「未利用植物の有効利用と調理科学への期待」、『日本調理科学会誌』Vol. 41 (2008) No. 3 p. 204-209
  6. ^ 国分 (2010), p. 428

参考文献 [編集]

  • 『野菜園芸大事典』 野菜園芸大事典編集委員会、養賢堂、1977年
  • 『新版 食材図典 生鮮食材篇』 小学館、2003年ISBN 409526084X
  • 国分 牧衛 『新訂 食用作物』 養賢堂、2010年ISBN 4842504730