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ハタンポ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハタンポ科
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ホタルジャコ目 Acropomatiformes
: ハタンポ科 Pempheridae
英名
Sweepers
下位分類
本文参照
岩礁で群れるハタンポ

ハタンポ科学名Pempheridae)は、ホタルジャコ目に所属する魚類の分類群の一つ。キンメモドキツマグロハタンポリュウキュウハタンポなど、沿岸性の底生魚を中心に2属32種が所属する[1]

分布・生態

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ハタンポ科はインド洋太平洋および西部大西洋に分布する海水魚のグループで、一部は汽水域にも進出する[1]。温暖な海の沿岸で生活する種類が多く、浅瀬岩礁が主な住みかとなっている[2]。唐揚げで食べると美味である。

ハタンポ類は一般に夜行性で、昼間は岩陰などで大きな群れを作りながら休んでいる[2]。摂餌は夜間、群れを離れて個別に行われ、動物プランクトンを主に捕食する[3]

形態

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ユメハタンポPempheris oualensis)。高い体高と大きな眼、基底の長い臀鰭が本科魚類の特徴である

ハタンポ科の魚類は著しく側扁した、左右に平たい体型をもつ[1]。全長は最大でも30cm程度と小型だが、腹部はやや突き出しており体高は高い[1]。眼は大きく脂瞼を欠き、上顎の後端は眼の中心を超えない[1]キンメモドキなど一部の種類は発光器をもち、発光バクテリアを介した共生発光を行う[1]

背鰭は1つで起始部は体の中心より前方にあり、4-7本の棘条と7-12本の軟条で構成される[1]。臀鰭の丈は低いが基底は長く、2-3棘17-45軟条からなる[1]側線は尾鰭に達し側線鱗は40-82枚、側線管は幅広で短いことが多い[1]。鰓耙は長く、25-31本[1]。前眼窩骨は滑らかで、椎骨は25個[1]

ハタンポ属の1種(Pempheris poeyi)のみ浮き袋を欠く[1]。ハタンポ属の浮き袋は脊椎と複合体を形成するほか、鰓弓の構造にも特徴がある[4]。同様の形態は近縁のアオバダイ科にも認められ、両グループの密接な関係を示唆する形質と考えられている[4]

分類

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ハタンポ科にはNelson(2016)の体系において、2属32種が認められている[1]。2属(キンメモドキ属とハタンポ属)の区別は、主として体高および全体的な体の大きさに基づいている[2]Pempheris oualensis に以前は「リュウキュウハタンポ」の和名が当てられていたが、分類学的再検討により本種は「ユメハタンポ」、および P. adusta が新たに「リュウキュウハタンポ」と同定された[5]

キンメモドキ(Parapriacanthus ransonneti)。日本では定置網などで漁獲され、食用魚として利用される[2]
キビレハタンポ(Pempheris vanicolensis)。日本では西表島から報告がある
ハタンポ属の1種(Pempheris ornata)。ハタンポ類は昼間、物陰で群れる姿がしばしば観察される

ハタンポ科は、近年のDNA解析に基づく分類の見直しにより、2013年には ハタンポ目Pempheriformes[8]に分類されたが、その後の研究により分類体系が整理され、2016年以降は ホタルジャコ目 Acropomatiformes [9]に含められている。

出典・脚注

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  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 『Fishes of the World Fifth Edition』 p.437
  2. 1 2 3 4 『日本の海水魚』 pp.380-381
  3. Pempheridae”. FishBase. 2016年4月28日閲覧。
  4. 1 2 『Fishes of the World Fifth Edition』 pp.436-437
  5. 『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』 pp.983-984, 2020-2021
  6. 1 2 3 日本産魚類の追加種リスト”. 日本魚類学会. 2016年4月27日閲覧。
  7. シノニム・学名の変更”. 日本魚類学会. 2016年4月27日閲覧。
  8. Ricardo Betancur-R et.al. (2013). “The Tree of Life and a New Classification of Bony Fishes”. PLoS Curr. doi:10.1371/currents.tol.53ba26640df0ccaee75bb165c8c26288 {{doi}}: 明示されていないフリーアクセスDOI (カテゴリ).
  9. Matthew P. Davis ,John S. Sparks,W. Leo Smith (2016). “Repeated and Widespread Evolution of Bioluminescence in Marine Fishes”. PLoS ONE. doi:10.1371/journal.pone.0155154 {{doi}}: 明示されていないフリーアクセスDOI (カテゴリ).

参考文献

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外部リンク

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