ハクソー・リッジ

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ハクソー・リッジ
Hacksaw Ridge
Hacksaw Ridge Logo.png
監督 メル・ギブソン
脚本 アンドリュー・ナイト英語版
ロバート・シェンカン英語版
ランダル・ウォレス
原案 グレゴリー・クロスビー
製作 テリー・ベネディクト
ポール・カリー英語版
ブルース・デイヴィ英語版
ウィリアム・D・ジョンソン
ビル・メカニック英語版
ブライアン・オリヴァー英語版
デヴィッド・パーマット英語版
タイラー・トンプソン
製作総指揮 マイケル・バシック
デヴィッド・S・グレートハウス
マーク・C・マヌエル
テッド・オニール
バディ・パトリック
ジェームズ・M・ヴァーノン
スザンヌ・ウォーレン
クリストファー・ウッドロウ
出演者
音楽 ルパート・グレグソン=ウィリアムズ英語版
撮影 サイモン・ダガン
編集 ジョン・ギルバート
製作会社
配給 アメリカ合衆国の旗 サミット・エンターテインメント
日本の旗 キノフィルムズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2016年11月4日
日本の旗 2017年6月24日
上映時間 139分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 4000万ドル
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ハクソー・リッジ』(Hacksaw Ridge)は、2016年公開のアメリカ映画。監督はメル・ギブソン[1]。出演はアンドリュー・ガーフィールドヴィンス・ヴォーンサム・ワーシントンら。

太平洋戦争沖縄戦衛生兵(Combat Medic)として従軍したデズモンド・T・ドスの実体験を描いた戦争映画。デズモンドはセブンスデー・アドベンチスト教会の敬虔な信徒であり、沖縄戦で多くの人命を救ったことから、「良心的兵役拒否者(Conscientious objector)」として初めて名誉勲章が与えられた人物である。

「ハクソー・リッジ」とは、沖縄戦において、浦添城址の南東にある「前田高地」と呼ばれた日本軍陣地。北側が急峻な崖地となっており、日米両軍の激戦地となったことから、米軍がこの崖につけた呼称(Hacksaw=弓鋸)である。

2017年の第89回アカデミー賞において録音賞編集賞を受賞した。[2]

ストーリー[編集]

アメリカ・ヴァージニア州の緑豊かな町で生まれ育ったデズモンド・ドス。兄とともに野山を駆け回る活発な少年だったが、家族に問題を抱えていた。父親のトムは、兵士として戦った第一次世界大戦で心に傷を負い、酒に溺れ、母バーサとの喧嘩が絶えない日々を送っていた。ある日、兄との喧嘩で彼を死なせそうになる出来事が起き、自らを責め、「汝、殺すことなかれ」という教えを胸に刻む。

月日は流れ、成長したデズモンドは、看護師のドロシー・シュッテと恋に落ち、心躍る時を過ごしていた。だが、第二次世界大戦が日に日に激化し、デズモンドの兄も周りの友人達も次々と出征する。そんな中、教えを大切にしつつも、デズモンドは「衛生兵であれば自分も国に尽くすことができる」と陸軍に志願する。 グローヴァー大尉の部隊に配属され、ジャクソン基地で上官のハウエル軍曹から厳しい訓練を受けるデズモンド。体力には自信があり、戦場に見立てた泥道を這いずり回り、全速力で障害物によじ登るのは何の苦もなかった。だが、ライフルの訓練が始まったとき、デズモンドは断固として銃に触れることを拒絶する。デズモンドは、モーセの十戒以外にも銃に触れない理由があった。

軍服や軍務には何の問題もなく「人を殺せないだけです」と主張するデズモンド。グローヴァー大尉は「戦争は人を殺すことだ」と告げ、命令に従えないのなら、除隊しろと宣告される。その日から、上官と兵士たちの嫌がらせが始まるが、デズモンドの決意は微塵も揺るがず、その姿を見ていた周囲もその姿勢を認め、そのうえで除隊を勧めるがデズモンドは従軍する意思を示す。

しかし、出征前に約束したドロシーとの結婚式の日、デズモンドはライフルの訓練を終えないと休暇は許可できないといわれ、命令拒否として軍法会議にかけられることになる。面会に訪れたドロシーに、銃に触れないのはプライドが邪魔しているからだと指摘されたデズモンドは、その”プライド”こそが大切だと気付く。「信念を曲げたら生きていけない」というデズモンドの深い思いに心を打たれたドロシーは「何があろうと、あなたを愛し続けるわ」と励ますのだった。「皆は殺すが、僕は助けたい」と軍法会議で堂々と宣言するデズモンド。窮地に陥るが、意外な人物の尽力でデズモンドの主張は認められる。

1945年5月、沖縄。グローヴァー大尉に率いられて、「ハクソー・リッジ」に到着した第77師団英語版のデズモンドとスミティら兵士達。先発部隊が6回登って6回撃退された末に壊滅した激戦地であった。150メートルの絶壁を登ると、そこには百戦錬磨の軍曹さえ見たことのない異界が広がっていた。前進した瞬間、四方八方からの攻撃で、瞬く間に倒れてゆく兵士達。衛生兵として重傷の兵士達を助けてゆくデズモンド。しかし、一度はハクソー・リッジを占領するも厳しい戦況に部隊は退却を余儀なくされる。その最中、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たった一人で戦場へ留まることを決意する。

キャスト[編集]

製作[編集]

2014年11月20日、実話を基にした戦争映画『Hacksaw Ridge』の監督としてメル・ギブソンに交渉中であり、また第二次世界大戦沖縄戦で多くの命を救ってトルーマン大統領から名誉勲章を授与された米軍衛生兵のデズモンド・T・ドス役としてアンドリュー・ガーフィールドへのオファーが出ていることが発表された[8]。グレゴリー・クロスビーが原案を書き、その後ロバート・シェンカン英語版ランダル・ウォレスが脚本を執筆した。プロジェクトはウォールデン・メディアがパンデモニウム・フィルムズのビル・メカニック英語版とパーマット・プレゼンテーションズのデヴィッド・パーマット英語版と共同で進め、またプロデューサーは他にグレゴリー・クロスビー、スティーヴ・ロンギ、エレクサ・ルースが務めている[8]。プロジェクトはもともとセブンスデー・アドベンチスト教会のスタン・ジェンセンの後押しを受けたクロスビーによってハリウッドに持ち込まれた[1]

2015年2月9日、IMグローバル英語版が映画への出資契約を結び、また国際市場へと売り込まれた[9]。同日、ライオンズゲートが北米配給権を獲得した[10]。中国での配給権は上海を拠点とする映画製作・配給会社のブリス・メディアが獲得した[11]。2015年7月29日、ヴィンス・ヴォーンサム・ワーシントンがキャストに追加された[4]。ギブソンは2006年の『アポカリプト』以来となる監督に就任した[3]アンドリュー・ナイト英語版が脚本を手直し、またギブソンのパートナーであるブルース・デイヴィ英語版ポール・カリー英語版と共にプロデューサーに加わった[3]。2015年8月25日、ルーク・ブレイシー英語版がスミッティ役での出演契約を交わした[5]。2015年9月29日、テリーサ・パーマーレイチェル・グリフィスリチャード・ロクスバーグルーク・ペグラー英語版, リチャード・パイロス英語版ベン・ミンゲイ英語版フィラス・ディラーニ英語版、ニコ・コルテス、マイケル・シースビー、ゴラン・クルート、ジェイコブ・ワーナー、ヘンリー・グリーンウッド、ダミアン・トムリンソン、ベン・オトゥール、ベネディクト・ハーディー、ロバート・モーガン英語版、オリ・プフェファー、ミロ・ギブソン、ナサニエル・ブゾリック英語版の出演が発表された[7]。2015年10月19日、ヒューゴ・ウィーヴィングがデズモンドの父のトム役で加わり、さらにライアン・コア英語版がマンヴィル中尉役での出演契約を交わした[6]。またクロス・クリーク・ピクチャーズが出資者に加わり[6]、さらに10月21日、クロス・クリークは映画の製作・出資のためにデマレスト・メディア、ウィンディ・ヒル・ピクチャーズ、キルバーン・メディアと提携した[12]

撮影[編集]

主要撮影は2015年9月5日にオーストラリアのニューサウスウェールズ州で始まった[3]。製作はフォックス・スタジオ・オーストラリア英語版を拠点に行われている。ニューサウスウェールズ副首相のトロイ・グラント英語版は製作に関係する仕事により2600万オーストラリアドルがもたらされるだろうと予測した[3]。2015年9月21日、シドニーでの撮影が始まった[13]

公開[編集]

北米ではライオンズゲート配給により2016年11月4日に封切られた[14]

本作は高い評価を得ており、Rotten Tomatoesでは86%の数値を得ている[15]ローリング・ストーン誌ピーター・トラヴァースは星3.5(星4つ満点)と評価している。日本の予告編ではトラヴァースは「『プライベート・ライアン』を超える戦闘シーン」と評したと宣伝されているが、正しくは「ブレイブハート』と『プライベート・ライアン』以来、最も暴虐で血まみれた殺戮」と評価している[16]

備考[編集]

  • 前述のように沖縄戦を舞台にしているが、日本版の予告編では沖縄を舞台にしていることは全く紹介されず、日本兵の姿もあまり映らないなど巧妙に隠されている。理由は沖縄県民を考慮してとのこと[17]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b http://religiousliberty.tv/gibson-filming-project-based-on-war-hero-who-refused-to-carry-weapon.html
  2. ^ 【随時更新中】2017年アカデミー賞受賞結果発表!
  3. ^ a b c d e Bulbeck, Pip (2015年7月30日). “Mel Gibson Ready to Honor Desmond T. Doss with 'Hacksaw Ridge'”. hollywoodreporter.com. http://www.hollywoodreporter.com/news/mel-gibson-ready-honor-desmond-812094 2015年8月1日閲覧。 
  4. ^ a b c Fleming Jr, Mike (2015年7月29日). “Vince Vaughn To Star In Mel Gibson-Directed ‘Hacksaw Ridge’”. deadline.com. http://deadline.com/2015/07/vince-vaughn-hacksaw-ridge-mel-gibson-true-detective-desmond-doss-andrew-garfield-1201486729/ 2015年8月1日閲覧。 
  5. ^ a b Fleming Jr, Mike (2015年8月25日). “Luke Bracey Lands Lead In Mel Gibson’s ‘Hacksaw Ridge’”. deadline.com. http://deadline.com/2015/08/luke-bracey-hacksaw-ridge-mel-gibson-point-break-1201506182/ 2015年8月26日閲覧。 
  6. ^ a b c d McNary, Dave (2015年10月19日). “Hugo Weaving Joins Mel Gibson’s ‘Hacksaw Ridge’”. variety.com. http://variety.com/2015/film/news/hugo-weaving-hacksaw-ridge-mel-gibson-1201621457/ 2015年11月9日閲覧。 
  7. ^ a b c d e f g h McNary, Dave (2015年9月29日). “First Look: Andrew Garfield and Vince Vaughn in Mel Gibson’s ‘Hacksaw Ridge’”. variety.com. http://variety.com/2015/film/news/hacksaw-ridge-photos-mel-gibson-andrew-garfield-1201605561/ 2015年11月9日閲覧。 
  8. ^ a b Jaafar, Ali (2014年11月20日). “Mel Gibson In Talks To Direct ‘Hacksaw Ridge’ With Andrew Garfield Starring In War Hero Pic”. deadline.com. http://deadline.com/2014/11/mel-gibson-and-andrew-garfield-circling-hacksaw-ridge-1201290454/ 2014年11月23日閲覧。 
  9. ^ Hopewell, John (2015年2月9日). “Berlin: IM Global Sells Much of the World on ‘Hacksaw Ridge’”. variety.com. http://variety.com/2015/film/news/im-global-sells-much-of-the-world-on-mel-gibson-pic-hacksaw-ridge-1201428535/ 2015年2月10日閲覧。 
  10. ^ McClintock, Pamela (2015年2月9日). “Berlin: Lionsgate in Final Talks for Mel Gibson's 'Hacksaw Ridge' (Exclusive)”. hollywoodreporter.com. http://www.hollywoodreporter.com/news/berlin-lionsgate-final-talks-mel-770857 2015年2月10日閲覧。 
  11. ^ China's Bliss Media Takes Stake in Wild Bunch's Insiders”. 2016年3月18日閲覧。
  12. ^ Fleming Jr, Mike (2015年10月21日). “Mel Gibson’s ‘Hacksaw Ridge’ Gets Funding Infusion From Demarest Media & Kilburn Media”. deadline.com. http://deadline.com/2015/10/mel-gibson-hacksaw-ridge-demarest-media-kilburn-media-cross-creek-1201589811/ 2015年11月9日閲覧。 
  13. ^ “Mel Gibson begins work on World War II drama Hacksaw Ridge as uniform clad actors film assault course scene in Sydney”. dailymail.co.uk. (2015年9月23日). http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-3245725/Mel-Gibson-begins-work-World-War-II-drama-Hacksaw-Ridge-uniform-clad-actors-film-assault-course-scene-Sydney.html 2015年9月24日閲覧。 
  14. ^ D'Alessandro, Anthony (2016年5月5日). “Mel Gibson WWII Movie ‘Hacksaw Ridge’ Jumps Into November Awards Season; ‘The Shack’ To Open In March 2017” (en-US). Deadline. http://deadline.com/2016/05/mel-gibson-hacksaw-ridge-the-shack-sam-worthington-lionsgate-1201749798/ 2016年5月6日閲覧。 
  15. ^ “Hacksaw Ridge (2016) - Rotten Tomatoes” (en-US). Rotten Tomatoes. https://www.rottentomatoes.com/m/hacksaw_ridge/ 2017年6月18日閲覧。 
  16. ^ “Peter Travers 'Hacksaw Ridge' Movie Review -” (en-US). Rolling Stone. (2016年11月1日). http://www.rollingstone.com/movies/reviews/peter-travers-hacksaw-ridge-movie-review-w447541 2017年6月18日閲覧。 
  17. ^ 沖縄戦を描いた映画『ハクソー・リッジ』が“沖縄”を隠して宣伝…背景にはネトウヨの“反日”攻撃への恐怖リテラ公式ホームページ

外部リンク[編集]