ハイボール
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ハイボール (Highball) とはカクテルの一種。広義ではスピリッツ、リキュールをソーダやトニックウォーターなどの炭酸飲料や、フレッシュジュースなどアルコールの含まれていない飲料で割ったものを指す。日本ではウイスキーをソーダ水で割ったもの(ウイスキー・ソーダ)をこう呼ぶのが一般的。
概要[編集]
ウイスキーのハイボール(ウイスキー・ソーダ)の例
語源については諸説ある。
- 開拓時代のアメリカにおいて、蒸気機関車による長距離移動の時に、途中で水の補給のための停車の際、棒の先にボールをつけたものを掲げて合図した。その時に、バーボンのソーダ割りのサービスがあったことから。
- 同じくアメリカの鉄道で、ボール信号というのが一般的に使用されていた。ボールがあがっていれば進行 (go)、あがっていなければ停止 (don't go) である。駅員が隣の駅のボール信号を望遠鏡で見ながらバーボンをチビチビやっている時にボールが上がったら(ボールがハイになったら)列車が来るというので、ソーダ水を入れて一気に飲み干して駅に行ったというのが語源という説。
- イギリスのゴルフ場のカウンターでウイスキーを飲んでいた人が、急に自分の打つ順が来たことを知らされ、慌ててそばにあったチェイサーにウイスキーをあけ飲んだところ非常においしかった。そこに、たまたまハイ・ボール(高く打ち上がったゴルフボール)が飛んできたから。
- 炭酸の泡(玉)が上に揚がっていく様から、列車のボール信号と掛けて、早く飲み干し、出来上がる、出掛ける、といった洒落。
バーテンダー発祥地(アメリカ)のバーテンダー養成学校では、1または2で言及されている「ボール信号」が語源になっていると教えている。一方、サントリーは公式サイトで諸説のうち3が一番有名な説だと述べている[1]。
確認事項[編集]
- ハイボール (Highball) はカクテル (Cocktail) の一種ではない。カクテルと呼ばれるためには決められた材料を満たしている必要がある。例えば「アロマティック (Aromatic) の要素が入っていなければならず、その材料は必ずビター (Bitter) でなければならない」など…(日本語と英語のカクテルのページを参照。英語版にはOriginally a mixture of distilled spirits, sugar, water, and bitters, the word has gradually come to mean almost any mixed drink containing alcohol.と書かれているものの、日本語版では注釈が見当たらない)。これは世界中はもちろん、バーテンダー発祥の地であるアメリカ国内でさえも誤解・誤用されている内容(英語版にもある通り、アルコールの混ぜものをカクテルと呼ぶこと)であり、今となっては「その誤用法が一般的になっている」と書籍にまで書かれるようになっている。しかし厳密に言えば、カクテルとは9種類のアルコールの混ぜ方 (Mixed Drink) のうちの1つであり(ニート (Neat)、ストレート (Straight) は混ぜ物でないため含まれていない)、その他の種類にはサワー (Sour) やクーラー (Cooler) などがある。例えばオールドファッション (Old Fashioned Cocktail)、マンハッタン (Manhattan)、マティーニ (Martini) などはカクテルであるが、ブラックルシアン (Black Russian)、マルガリータ (Margarita)、ソルティードッグ (Salty Dog) などはカクテルではない。おそらく、ご飯といえば厳密には米を指すが、食事としての意味を持ち合わせるようなものと同様に、カクテルという名前がMixed Alcohol Drinkを指すようになりつつあるのかもしれない。
- ハイボールとはアルコールを炭酸飲料ではなく炭酸水で割った飲み物である。ちなみにバーテンダー用語では「ソーダ (Soda) と言えば炭酸水」であるが、一般的にソーダと言えば英語では炭酸飲料を指すため、「ソーダを(甘味料など入った)炭酸飲料」と間違うバーテンダーもいる。ハイボールとは炭酸水に限って使われる語であり、トニックウォーターなどの場合はその名前自身が実際に飲み物の名前(ウォッカトニックなど)として使われるか、条件を満たした場合にはリッキーなどの名前のついたものになる。
脚注[編集]
- ^ 「ハイボール」の名前の由来を教えてください。 サントリーお客様センター(サントリー、2017年3月10日閲覧)
