ノート:自明群

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G の自明な部分群に関して、森田康夫『代数概論』裳華房、桂利行『群と環』東大出版、雪江明彦『群論入門』日本評論社、などでは G と {e} のこととなっています。つまり自明に部分群になるものとして自明という言葉を使っていると思います。一方英語では(例えば Lang の Algebra や Artin の Algebra など) {e} のことを trivial と呼んでいます。群として自明であるような部分群といったところでしょうか。今まで気づいていなかったのですが、これは日本語と英語で用語が対応していないということでいいのでしょうか。--新規作成会話2014年11月11日 (火) 15:14 (UTC)[返信]

それは日本語と英語の対応問題ではなくて"the trivial group"と"trivial subgroup(s)"の使い分け,「自明な群」と「自明な部分群」の使い分けを意識していないことから生じる齟齬ではないでしょうか.--ARAKI Satoru会話2014年11月12日 (水) 14:54 (UTC)[返信]
仰りたいことがよくわかりません.英語で「"the trivial group"と"trivial subgroup(s)"の使い分け」(あるいは群自身を群の trivial な部分群と言うこと)は一般的なのでしょうか?例えばグーグルで"a trivial subgroup"を検索すると(僕の環境では今)約 4,080 件出てきて,そのうち上位のものをいくつか見ても,単位元のみからなる部分群を指しているものがほとんどで,群自身も指しているものはあまり見つかりません.--新規作成会話2014年11月12日 (水) 16:04 (UTC)[返信]
個人的な語感としては"the trivial group"は位数1の群を,"trivial subgroup(s)"は位数1の部分群と全体からなる部分群を指すと思っていました(後者の使用例はたとえばhttp://www.rowan.edu/open/depts/math/howe/BookChapters/Subgroups.pdfの3ページにあります).けれども確かめるつもりで検索してみた結果,この使い分けはとても一般的とは言えないように感じたので上に書いたことは聞き流してください.仰るように日本語と英語で用語が対応していないのかもしれません.--ARAKI Satoru会話2014年11月12日 (水) 17:09 (UTC)[返信]
検索してあまり見つからないのは,そもそも群自身を trivial な部分群と言う機会や必要がないということも影響していると気付きました.ある群の部分群が群全体になるなら whole などを使いますし,ならないなら proper で済みます.trivial subgroup に群自身も入れた方が都合がよくなりそうなのは,今思いつく限りでは,群自身でも単位群でもない部分群について何か言いたいようなときです.例えば記事にもあるような「非自明な真の部分群をもたない」とか,「HG の自明でない真の部分群とする」とかでしょうか.真の,proper と言わずに済むという意味で便利です.が,群自身のみ(部分群としての)について言うときには,whole(全体)や proper(真の)といった言葉があるので(日本語でも英語でも)trivial という用語を使う理由が見当たりませんし実際使われていないと思います.結局僕の考えをまとめると,自明な部分群が群全体を指し得るのは(日本語でも英語でも)自明な部分群を定義するときと,群自身でも自明でもない部分群について何か言いたいようなときの2つに限ると思います.(英語文献に関して)1つ目については両方見つかるが単位群のみを指しているものが多く,2つ目に関しては proper をつけることが多いという状況です.(後者は trivial subgroup が単位元のみからなる部分群を指すのなら proper は必須なので前者から当然の帰結ではありますが.)日本語に関しては単位元のみからなる群を自明(な)群と言うことがそもそも少ないような気がします.単位群ということが多いような気がします.--新規作成会話2014年11月13日 (木) 09:58 (UTC)[返信]
コメントARAKI Satoruさんの意見に賛成.群自身の構造が自明である「自明群」と,それを含む群との関係が自明である「自明な部分群」は別の概念です(その意味で本項に「自明な部分群」を含めることには慎重であるべきと思う).
部分としての入り方が一意に決まっているものがある,しかも任意の群に対して普遍的にあるということは,(当たり前に見えても)群という構造に対して特筆するに値すべき性質であり,その観点からわざわざ名前をつけて定義しているものだと思います.proper/whole で記述できるからいいとか,実用上の必要で定義されているとかいう話ではありません.
ちなみに,一般の代数系(環とイデアル,加群と部分加群など)でも「自明な部分代数系」にはそれ自身を自明な部分系として数えることが多いかと思います.NGiraffe会話2014年11月13日 (木) 15:58 (UTC)[返信]
そのような「自明な部分群」の定義は一般的でないという話をしているのですが?--新規作成会話2014年11月13日 (木) 16:55 (UTC)[返信]
"non-trivial subgroup" で検索すると,上位の 20件の記述のうち,non-trivial subgroup に群自身を含めているもの 3件,含めていないもの 5件でした.浅い調査ではありますが,その群自身を trivial subgroup として扱うことはそれなりにあるようです.新規作成さんの書かれているように「自明な部分群が群全体を指し得るのは(日本語でも英語でも)自明な部分群を定義するときと,群自身でも自明でもない部分群について何か言いたいようなときの2つに限る」としても,一定の数学者が群自身を部分群として自明であると考えていて,数学コミュニティがそれを認めているということでしょう.
余談.「単位群ということが多いような気がします.」私のつたない記憶ではむしろ「自明な群」を使っていましたよ.「基本群が自明になる」とか「自明でない群だから云々」とか.NGiraffe会話2014年11月15日 (土) 13:57 (UTC)[返信]
群自身を部分群として自明である」と考えない数学者はいないのでは.問題は用語の使い方です.trivial group が単位元のみからなる群であるのに、群 G の trivial subgroup は単位元のみからなる部分群と群全体 G というのは非常に紛らわしい.(少し話がそれますが、紛らわしいついでに,proper subgroup で単位元のみからなる部分群を除くのも紛らわしい.)例えばフランス語版では2通りの定義があることについて言及されていますが,英語版では proofwiki や groupprops を含めて言及すらされていません.
余談.「基本群が自明になる」のような使い方は除いたつもりでした.「自明(な)群」という3文字あるいは4文字のこの順番での文字列(ただし否定語はいれてもかまわない,つまり自明でない群はOK(自明な群の否定なので))と,「単位群」という3文字の文字列では,後者の方が見た回数が多いような気がする,ということでした.(「基本群が単位的である」というのは聞いたことがありません.)実際はどちらもあまり見聞きした記憶がないので,「気がする」という弱めの言い回しにしたのですが.trivial group のことを単位群というのが一般的で自明(な)群というが一般的でないならば,日本語では自明な部分群と言ったときに群自身を含めても(あまり)紛らわしくないですから,そのことを意図してのコメントでした.--新規作成会話2014年11月15日 (土) 16:31 (UTC)[返信]
群 G の trivial subgroup は単位元のみからなる部分群と群全体 G というのは非常に紛らわしい.」とのご意見や,「「群自身を部分群として自明である」と考え」ているのに率直に trivial subgroup と記述しないという状況は,非常に奇妙に見えます.もしかして,「自明な部分群」を単一の用語として,特定の部分群を指す用語として扱っていらっしゃいますか? 正規部分群の「正規」と同じように,「自明な」は「部分群」に関する一つの性質を表しているに過ぎない(結局『自明性』をみたすものが一般に決まってしまうにせよ)と思うのですが.NGiraffe会話2014年11月17日 (月) 15:07 (UTC)[返信]
話がかみ合わないですね……自明な群というという用語があるから自明な部分群という用語が(群全体も指すなら)紛らわしいと言っているのですが,NGiraffeさんはそのように思われないのですか?--新規作成会話2014年11月17日 (月) 15:33 (UTC)[返信]
11月17日のコメントに書きましたように,自明な群とは単位元のみからなる特定の群の名称,自明な部分群とは自明性を持つ部分群一般を指す名称だと私は考えています(よって「自明な部分群」が複数あってもおかしくない).概念の種類が異なるので文脈から容易に判別できますし,紛らわしさは感じません.また11月15日にコメントしたように non-trivial subgroup に群自身を含めない(=自明な部分群に群自身を含める)文献もそれなりにありますし,前述の理解のもとで何か誤解が起きたり苦労したりといったこともありません.NGiraffe会話2014年11月18日 (火) 16:25 (UTC)[返信]
英語(と日本語)に対する感覚が私とあなたで異なるようです.--新規作成会話2014年11月18日 (火) 23:36 (UTC)[返信]
proper subgroup で non-trivial proper subgroup を指すこともありますね,忘れてました.2014年11月13日 (木) 09:58 (UTC) のコメントはすべて「群全体でない」の意味で用いています.--新規作成会話2014年11月14日 (金) 12:27 (UTC)[返信]
今更ながら。trivial group という用語がなかったとしてもやはり trivial subgroup は単位元のみからなる部分群であるべきと考えます。直積群 G × H において G ×1 が部分群であることは「自明」ではないのか?trivial という一単語の形容詞が(主語あるいは係る名詞を限定しない一般的状況、例えば次の文の 1 つ目、で用いる)何か定義のある数学用語でない以上結局主観によることになってしまうのかもしれませんが。It is trivial (or obvious, clear, etc.) that G ×1 is a subgroup .... とは言えても ... is a trivial subgroup ... とは言わないでしょう。(en:Triviality (mathematics) 6 October 2014 at 20:34) の冒頭部では次のように書かれています。
In mathematics, the adjective trivial is frequently used for objects (for example, groups or topological spaces) that have a very simple structure.
これを信用するならば、"very simple" ということですから、trivial subgroup は単位元のみからなる部分群ということになる、と思います((very) simple (structure) が数学用語でないからこれも個人の意見なのでしょう)。ちなみに trivial topology は密着位相ですね。離散位相も位相であることは自明でしょうが自明な位相とは言いません。ある構造(部分群や位相(開集合系))をもつことが"明らか"であるからといってそれを trivial と呼ぶということにはならないということは(部分群や位相の例からもわかるように)事実です。--新規作成会話2014年12月15日 (月) 14:53 (UTC)[返信]