ノート:シボグリヌム科

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分類上の位置づけに関連して[編集]

新たに多毛類の1科としての位置づけが書かれましたが、これは、ほぼ確定なのでしょうか?私はそういった情報に触れることが出来ないのですが、もしそうであれば、と言うことで。

  • 「有鬚動物」=「シボグリヌム科」と言うことなのでしょうか?
  • そうであれば、詳細はむしろ、新たにシボグリヌム科を立てて、そこに書かれた方がいいのではないかと思います。この動物門の名は、それなりの歴史と、かなり面白い議論があったものですから、過去に認められた動物門として、その経緯と議論などに特化させてはどうでしょうか。--Ks 2011年6月19日 (日) 03:29 (UTC)[返信]
確定のようですね。本文にも追加したこのreview article
が言い尽くしています。Google ScholarでPogonophora and Phylumと検索しても、門の階級を保つべきだとする論文はこの5年の間に発表されていないようです。検索で出てくるのはどれにも「以前はPogonophoraとして独立の門になっていた、annelidの科の一つSiboglinidae」と書いてあります。内田亨の『動物系統分類の基礎』で勉強した者としては、隔世の感ですね。当時としても古典でしたけれど(「もう古いんだけれどね、いい本が最近出ていないんだ」とは推薦してくれた先生)。ちなみに、学部学生時代の話で、それ以後に無脊椎動物分類のコミュニティとはつながりがありません。そういえば、内田の教科書には多毛類との関係を示唆する記述があったような。
同じ対象が名前と地位が変わっただけですので、項目の分割はかえって見通しを悪くするように思います。チューブワームホネクイハナムシの発見や分類の変遷をきちんと文中に取り込んで拡充すると、Wikipediaとしては、かなり面白い記事になる可能性があるように思います。Hilário et al. のreviewは、本当、読ませる文章です。月曜日は朝が早いので手短かで失礼。 --Maxima m 2011年6月19日 (日) 16:23 (UTC)[返信]
論文も紹介いただきまして、ありがとうございます。色刷りなんですね、最近は。
それはそれとして、既存の分類群の記事は、正しい分類群名であるべきだと思うのですが。それに、ホネクイハナムシは、有鬚動物として扱われてこなかったのでは?この項目名は、すでに存在しないことになりますから。
あと、内田の「…の基礎」は、なぜかうちの嫁が所有してました。新しいところではバイオバーシティ・シリーズがありますが、これは有鬚動物を書いてますね。ただし、内容的には環形動物だ、と言う論調。この本、どうも新しい情報を入れながらも体系は古いのを取り上げるという、少々変な方針みたい。--Ks 2011年6月21日 (火) 01:28 (UTC)[返信]
PLoS ONEはオンラインジャーナルで、印刷は無縁ですから。有鬚動物という項目名は思案しています。クダヒゲ科という名称もあります ([1]) が、シボグリヌム科というのをよく見ます([2], [3], [4])。『潜水調査船が観た深海生物』に「9章 環形動物門―ANNELIDA」の一節として「ハオリムシ類の進化と系統」があるので、なんと呼んでいるのか確認する必要があるでしょう。ハオリムシ科と呼んでいる人もいるような気もします。いずれは改名するべきものと思っています。 --Maxima m 2011年6月22日 (水) 07:32 (UTC)[返信]
Osedax(ホネクイハナムシ)は、なぜここに書かれたのでしょうね? おっしゃる通り、有鬚動物とされたことはないと思うのですが。Siboglinidaeには違いないので残してあります。シボグリヌム科をここへのリダイレクトとして作成したのはつい4日前のことです。削るのももったいないし、大幅に拡充すれば使えるでしょう。 --Maxima m 2011年6月22日 (水) 07:56 (UTC)[返信]
『潜水調査船が観た深海生物』ではシボグリヌム科と呼んでいます。『無脊椎動物の多様性と系統』では、Siboglinidaeにシボグリヌム科の和名を当てています(ただし、Ksさんご指摘の通りこの本では有鬚動物を独立門にしているので、有鬚動物門ヒゲムシ綱の1科としてのSiboglinidae)。東京化学同人の『生物学辞典』の分類表では、有鬚動物を一応独立した門としていますが、環形動物のクダヒゲ科とする説が有力と注記されています。ほかにヒトツヒゲムシ科という和名もあるようです。--Trca 2011年6月22日 (水) 08:34 (UTC)[返信]
おお、ありがとうございます。東京化学同人の『生物学辞典』も見ておくべき資料でしたね。いろいろありますね。やっぱり和名はあまり重視されていませんね。私も個人的にそうですが、和名は通じればどれを採用してもかまわないという認識が見えているような。印象として、シボグリヌム科が多いでしょうか。 --Maxima m 2011年6月22日 (水) 13:32 (UTC)[返信]

分類・系統の文献[編集]

日本語の文献と、オンラインで見られる英語の文献を挙げておきます。またそれぞれについて系統・分類に関する言及を引用します。リンク先は論文のページです。

  • Ivanov A.V. Carlisle D.B.訳 (1963). Pogonophora. London: Academic Press. LCCN 61-17717. http://www.archive.org/details/pogonophora00ivan 
    内田 (1965) がそのまま採用している。
  • 内田亨 (1965). “有鬚動物”. 動物系統分類学. 第8巻(上). 中山書店. pp. pp. 293-314 
    3体腔、半索動物に近い独立の門とする。Ivanovの説そのまま。図版はIvanovからの転載。Ivanovが繰り返し否定している多毛類との関連にはほとんど触れていない。
  • 三浦知之 (2000). 山田真弓. ed. 動物系統分類学. 追補版. 中山書店. pp. pp. 157-167. ISBN 4-512-07251-8{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 
    「今日ほとんどの研究ではヒゲムシ類およびハオリムシ類を合わせて多毛類の1グループとして扱っている。ただし、分類学的な位置づけは、環形動物門の1綱(ヒゲムシ類とハオリムシ類を2亜綱)とする場合から、多毛綱の1科とする場合まで様々である。」内田の図(つまりIvanovの図)および名称は本来の姿とは背腹が逆であると指摘(腹側神経が正当)。
  • 三浦知之・白山義久 (2000). “有鬚動物門”. In 白山義久. 無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く). バイオディバーシティ・シリーズ 5. 裳華房. pp. pp. 199-202, 270-271. ISBN4-7853-5828-9 
    「独立の門として扱い、ヒゲムシ綱とハオリムシ綱の2綱に分けて解説する」「環形動物の1綱として扱われることもあり、特に最近では環形動物門多毛綱の中の科レベルの小グループであるとする見解が有力である」
  • 小島茂明 (2008). “ハオリムシ類の進化と系統”. 潜水調査船が観た深海生物−深海生物研究の現在. 東海大学出版会. pp. pp. 158-159. ISBN978-4-486-01787-5 
    「多毛類の一グループ、シボグリヌム科 Siboglinidae とするのが一般的になりつつある (Halanych 2005)。」
  • Barnes R.S.K., Calow P., Olive P.J.W., Spicer J.I. (2001). The Invertebrates: a synthesis (3rd ed.). Blackwell Publishing (邦訳:本川達雄(監訳)「4.13 有鬚動物門 Pogonophora」『図説 無脊椎動物学』朝倉書店、2009年。ISBN9784254171327。 
    「有鬚動物の2つのグループ [ヒゲムシとハオリムシ] は実際には高度に特殊化した環形動物多毛綱であることがかなり明らかになった。しかしここでは特異な解剖学的特徴と生活環から、独立の門として扱うことにする」
  • 三浦知之・藤倉克則 (2008). “化学合成生物群集として出現する環形動物の分類と生態”. 潜水調査船が観た深海生物. pp. pp. 148-149 
    「ハオリムシ類とヒゲムシ類を含めて環形動物門多毛綱(系統学的には環形動物門と多毛綱は同義であるが、現在、分類学上は環帯綱:ミミズ・ヒル類を別に設けている)の1つのシボグリヌム科 Siboglinidae に位置づけられるに至った(Rouse & Fauchald 1997, McHugh 1997, 三浦 2000 [動物系統分類学追補版])」
  • (著者不明) (2010). “有鬚動物”. 生物学事典. 東京化学同人. pp. p. 1291. ISBN97848079-0735-9 
    「ヒゲムシ類とハオリムシ類の2群が含まれ、両者を併せ、もしくはそれぞれ独立の門として扱われたことがある。(中略)3体腔性の後口動物と誤解されることとなったためである。」「さらにハオリムシ類のヘモグロビンの生化学的特性、分子生物学的研究から、環形動物多毛類からの派生が強く支持されるに至り、多毛綱ケヤリムシ目の1科Siboglinidaeとする扱いが有力となっている」
  • Hilário A., Capa M., Dahlgren T.G., Halanych K.M., Little C.T.S.,Thornhill D.J., Verna C., Glover A.G. (2011). “New Perspectives on the Ecology and Evolution of Siboglinid Tubeworms”. PLoS ONE 6 (2): e16309. doi:10.1371/journal.pone.0016309. http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0016309. 
    "Molecular systematic methods now place these animals, formerly known as the phyla Pogonophora and Vestimentifera, within the polychaete clade Siboglinidae."(分子系統学の手法によりこれらの動物、つまり以前に有鬚動物門、Vestimentifera門として知られていたものは、多毛類の中のクレード Siboglinidaeとして位置づけられるようになった)

ご参考までに --Maxima m 2011年6月26日 (日) 04:32 (UTC)/1本追加、時系列に整序 --Maxima m 2011年7月2日 (土) 13:52 (UTC)[返信]

Vestimentiferaの和名[編集]

Vestimentifera(ハオリムシ)は独立の門とされたこともあるようです。門としての日本語の名称をどなたかご存知でしょうか。 --Maxima m 2011年6月22日 (水) 13:32 (UTC)[返信]

今更ですが、Beer(2011)p.71で「ハオリムシ動物門」とされていることが確認できました。Vestimentiferaの学名と併記されています。国会図書館リサーチナビで索引[5]が公開されているので、そちらでも確認できます。また三浦(2012)p.68には、「1985年には新しい動物門としてハオリムシ動物門が米国人研究者ジョーンズによりつくられた。」とあります。学名は併記されていませんが、年と著者名からVestimentiferaを指しているのは間違いないでしょう。
  • Beer, Amy-Jane 著、石田惣 訳『単細胞生物・クラゲ・サンゴ・ゴカイのなかま』〈知られざる動物の世界5〉2011年。ISBN 9784254177657 
  • 三浦知之『サツマハオリムシってどんな生きもの? 目も口もない奇妙な動物』恒星社厚生閣〈もっと知りたい!海の生きものシリーズ3〉、2012年。ISBN 9784769912774 
--Trca会話2015年1月4日 (日) 02:25 (UTC)[返信]

「有鬚動物」を「シボグリヌム科」へ改名提案[編集]

この項目(「有鬚動物」)を「シボグリヌム科」に改名することを提案します(現状「有鬚動物」へのリダイレクト)。上の節での議論にもありますように、独立の有鬚動物門ではなく環形動物門の中の科の一つとするのが最近の見解です。項目名は現行の分類体系にあわせるべきでしょう。単系統群で、属する種は門としても科としても同じですので、「シボグリヌム科」を「有鬚動物」とは別に新しく立てて研究の流れを分断するのは得策でないと思います。科としての和名はシボグリヌム科が多く使われるようですので、項目名はそれに合わせることを考えていますが、他の案がありましたらご遠慮なくどうぞ。 --Maxima m 2011年6月24日 (金) 10:42 (UTC)[返信]

賛成 有鬚動物には歴史の記述を残すという案も、うまく相補的な記事にできれば面白いとは思いますが、現時点では改名が優先でしょう。そのうえで、動物群ではなく有鬚動物という門・分類階級について分割すべきほど記述が充実してから検討すればよいと思います。和名はとりあえず用例の多さからシボグリヌム科が妥当と思います。--Trca 2011年6月24日 (金) 19:16 (UTC)[返信]
反対 :例えば三体腔性の体の構成であると見なされた、なんて言うのは事実ではない訳だし、この項に残しておく必要もないのでは、と思います。--Ks 2011年6月24日 (金) 20:33 (UTC)[返信]
そういった記述を修正すれば問題はないということですか? --Maxima m 2011年6月26日 (日) 04:31 (UTC)[返信]
お返事を頂けないまま1週間過ぎてしまいました。メッセージを残してきましたのでもう少し待ちましょう。
差分ではごちゃごちゃしていて見にくいですが、提案以後の加筆は内容の変更については最小限にとどめ、Wikiソースの変更と出典の追加を主にしています。--Maxima m 2011年7月3日 (日) 04:34 (UTC)[返信]
具体的な内容をはかりかねて、返事が出来ませんでした。つまり、どのような修正をする、と言うことをお考えですか?--Ks 2011年7月3日 (日) 07:32 (UTC)[返信]
具体的な反対の理由は何でしょう? 個々の文言をとりあげて不適当であると指摘されていると読めますが、それでしたら本文を修正すればよいのではありませんか。改名に反対されるということは、この項目の名称と、取り上げている対象の実体に乖離があるなどとお考えなのだと思いますが、いかがでしょう?
分類上の階級が変わり、それに応じて名称が変わっただけなのですから、取り上げているグループに属する種が変わるわけではありません。幸いにも単系統群でしたから、再編成もありませんでした。門として扱って少し昔の名前で呼ぶか、科と扱って今の(大昔の、でもある)名前で呼ぶか、それだけの違いです。今の名前にしましょうと提案しております。 --Maxima m 2011年7月3日 (日) 08:43 (UTC)[返信]

(インデント戻します)三体腔は実例です。要するに、有髭動物は後生動物全体の系統をかき回すような格好で多方面から論議された訳ですが、その内容のほとんどは間違いになった訳です。であれば、その間違った議論そのものにも価値はあるものの、それをその分類分の記事にする必要はないのではないですか?この群の記事はこの群固有の分類群名の下にまとめ、「歴史的には色々論議があった、それについては有髭動物という記事を参照」ではどうか、と言うことです。--Ks 2011年7月3日 (日) 08:48 (UTC)[返信]

Trcaさんのおっしゃるように、量が増えれば、それもありと思います。系統分類上の位置づけで研究者を振り回し、消化管がない自由生活生物としてScience同一号にまとめて5本が掲載され、人間とは実利上の関係が全くない生物としてここまで注目を集めるものは稀でしょう。分類の変遷は一通り記しました。このあとは形態と生理・生態が残っています。現状では、改名が優先と思いますが、いかがでしょうか。 --Maxima m 2011年7月10日 (日) 10:44 (UTC)[返信]
お返事を頂けておりませんが、もう少し待ってみようと思います。 --Maxima m 2011年7月20日 (水) 13:52 (UTC)[返信]

(インデント戻し)議論が停滞していますので、プロジェクト‐ノート:生物#有鬚動物の改名提案に関する議論に参加お待ちしていますWikipedia:コメント依頼#議_2011年7月に告知してきました。 --Maxima m 2011年7月25日 (月) 15:37 (UTC)[返信]

賛成 この分類群についての知識があまりなく、悩みましたが、賛成票を投じさせていただきます。有鬚動物という名称が分類学的な位置づけの変更によって過去の名称になったことから、あたらしい名前のシボグリヌム科に改名すべきと考えます。有鬚動物という名称もよく使われていたと推測されるため、改名すべきか否か迷いましたが、タレントなどでは活動名義が変わると改名されることが通例となっているため、やはり現在使用されている名称を記事名とするべきとの結論にいたりました。--蒋龍 2011年8月3日 (水) 14:39 (UTC)[返信]
賛成 提案者票をすっかり忘れていました。今までの私の発言は賛成の立場であるとご理解いただけると思いますが、瑕疵がありましたらご指摘下さい。--Maxima m 2011年8月12日 (金) 12:13 (UTC)[返信]
皆様には意見を頂きありがとうございました。提案より50日、各所に告知してからも20日が経とうとしていますので結果をまとめます(敬称略)。賛成3票(Trca・蒋龍・Maxima m)、反対1票(Ks)。反対の方には合意を探るべく議論を試みましたがお返事を頂けないまま、ここでの対話を中断されています。対話継続の意思無しと看做して、賛成多数で1週間後をめどに提案の通りの名称に移動します。 --Maxima m 2011年8月14日 (日) 00:30 (UTC)[返信]
そういういわれ方は辛いなあ。私としては、非常にかみ合わない会話であり、返答のしようがない、という印象を持っていたのですが。ただ、この動物群の項目の名称を、現在のものにする、ということそのものは賛成します。ただ、その場合、新たに書き起こすべきである、という気もする。現在の内容を引きずると、ひどく混乱したものになりはしないか、また、それを整理すると面白いところが抜け落ちはしないか、そう考えたもので。判断がでたのであれば、それに異を唱えるものではありません。--Ks 2011年8月14日 (日) 12:46 (UTC)[返信]

終了 議論に参加された皆様、ありがとうございました。移動については合意が出来たものと判断し、移動依頼に出しました。 --Maxima m 2011年8月23日 (火) 02:21 (UTC)[返信]

報告 Wikipedia:移動依頼での依頼に基づき、有鬚動物からシボグリヌム科へ移動しました。--Penn Station 2011年8月23日 (火) 13:00 (UTC)[返信]