ノート:エベン (植物)

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記事名について[編集]

 Gilbertiodendron dewevrei には『熱帯植物要覧』(第4版)に掲載されている「ランバリ」という呼称が見られますが、これを用いることには抵抗を覚えた為、記事名とする事は取りやめと致しました。前掲書では「ザイール, 」名の一つとされる "Limbali" が海外における呼称の一つとして挙げられ、これが「ランバリ」の根拠と考えられるのですが、別の出典(Staner 1941)でこれがスワヒリ語名であるという事が判りました。スワヒリ語では "im" あるいは "in" という文字列を日本語転写で「アン」と読むという事は考えられにくく、それはむしろフランス語をカナ転写する場合によく見られる特徴です(例: Couperinクープラン、Lupinパン)。これはコンゴ民主共和国(旧ザイール)の宗主国であるベルギーの公用語がフランス語である為に働いた類推の結果であると考えております。そして何より問題であるのが Gilbertiodendron dewevrei の日本語名として「ランバリ」表記が定着している気配が全くないという点であり、通常のGoogle検索でもGoogle Booksでも外部におけるまともな言及例が何一つ見つかりませんでした。これと似た様な傾向はUser:エリック・キィ/植物の和名で挙げた Gardenia coronariaMangifera caloneura(いずれもビルマ名に基づくとされる転写が記されているが、ビルマ語を調べるとそれらと全く乖離したものであると分かる)でも見られ、これらについて書く必要が出た場合はどうしようか思案中です。この様な転写として妥当ではないと考えられる上に定着している様子も見られないものは、下手に定着させる事を避けるために記事名とすべきではないという考えでございます。そして本種の場合 limbali を見たまま転写した「リンバリ」が最もスワヒリ語の音に近いものと思われますが、記事公開直前までの時点でこの表記が用いられた例として思い当たるのが木材を扱う株式会社マルホンのサイトにおける紹介のみ(しかも今よくよく確認したところ、同属の別種 Gilbertiodendron preussii (『熱帯植物要覧』で「バアVâa (コートジボアール) として紹介されているもの) や同属の不特定の樹種を指したものである事が分かりました。ますますこの様なものを使う訳には参りません)で心許なく、公開後の追加調査でもやっと見つけられたのが税関の資料のみであり、しかも本種の他に先述の G. preussii や同属の不特定の樹種との共通名として用いられている事が判りました。この様な状況では「リンバリ」を本種の日本語名として用いる事すら憚られ、已むを得ず学名そのままを記事名として本記事を公開する事を決断致しました。--Eryk Kij会話) 2021年5月31日 (月) 21:32 (UTC)

コメント 追記 上記の発言は記事名を Gilbertiodendron dewevrei として公開した際のものでございます。先刻Charlesyさんにより京都大学大学院の学位論文である大石 (2014) を根拠としてエベン (植物)への即時改名が行われました。即時改名の是非につきましては現行のプロジェクト:生物#項目名においてアルファベット表記の記事名に関し「日本語版ウィキペディアでは推奨されません。日本語での記述を検討して下さい。ただし和名が存在せず、カタカナで表記した例も見つからない生物では、やむを得ず学名をそのまま項目名としても構いません。」と記されている事もあり、また現在Wikipedia‐ノート:ページの改名#改名提案を行う必要性についての改定提案での議論が進行中ですが、私は出典を示しつつ行うものであれば即時改名されても構わない(むしろ自身もそうしたいと思った局面がいくつもございますがほぼ毎回大事をとって改名提案を行って参りました)という考えでございます上、追認する事も可能でございます。可能でございますが、今少し迷っております。差し戻しを行って強硬な反対意見を唱える事に結び付く程ではないものの、大石 (2014) の挙げている「エベン」が何を根拠としたものであるか不明瞭という懸念要素が存在する為です。恐らく根拠とされた同論文の18頁を参照しますと、ほかにも2種「エッセーブ Uapaca paludosa(この論文が提出されたのは2013年11月の事ですが、丁度その前後から Franciscus Jozef Breteler というオランダの学者が従来独立種とされてきたこの U. paludosaUapaca moleシノニムとして扱い始めた模様で、現在はキュー植物園もこの見解を受け入れています。参照: World Checklist of Selected Plant Familiesと「ドゥム Ceiba pentandra」が挙げられていますが、後者には「カポック」等の日本語名が存在する為、これらはカメルーンにおける何らかの現地語名に基づいたものであると考えるのが妥当であるものと存じます。大石氏の調査対象はカメルーンの狩猟採集民バカ・ピグミーと農耕民バクウェレ(Bakwélé, Bakuele, Bekwil; 参照: en:Kwele people)ですが、恐らく既にお気づきの様に同頁の注で「バカ・ピグミーは, ベンバと呼び」とあり(既に本文で示した内容となりますが、興味深い事に Moutsamboté 1996 は Bemba を〈Gilbertiodendron dewevrei単一優占英語版による森林〉を指すバカ・アカAka)・バンゴンベといった人々共通の語彙としています)、「エベン」が少なくともバカ語Baka language)ではないという事は明らかです。となりますとバクウェレ語en:Bekwil language)である可能性が高いですが、この言語の植物語彙はなかなか見つける事ができません。しかし代わりに手掛かりとなりそうなものは見つける事ができましたのでここに掲示しておく事と致します。カメルーンにおける現地語名を集めた資料はGoogle Booksで探すと複数見つかるのですが、最も使いやすそうなものは Eyog Matig, O., O. Ndoye, J. Kengue and A. Awono, ed (2006). Les fruitiers forestiers comestibles du Cameroun. Cotonou, Benin: IPGRI Regional Office for West and Central Africa. ISBN 978-92-9043-707-9, 92-9043-707-3. https://www.google.co.jp/books/edition/Les_fruitiers_forestiers_comestibles_du/1jIkoB0cXoQC?hl=ja&gbpv=0  です。こちらには残念ながら Gilbertiodendron dewevrei は掲載されていないのですが、カポックとウアパカ属の別種が見られます。そこに掲載されている現地語名から関連性の窺われるもののみ抽出致します。また、バカ語はいずれも上記のカナ転写のものと全く似ていないのですが一応参考として挙げておきます。
Eyog Matig et al. (2006) における現地語名
エウォンド語 Kaka語 ドゥアラ語 バギエリ語
en:Gyele language; 備考: 話者のバギエリ (en:Bagyele people) はピグミー
バサ語 ファン語 ブル語 (参考)
バカ語
カポック
(学名: Ceiba pentandra、p. 56)
doum n'doum bouma, boumbo - djôm - doum kulo, kulu
リキオ
(学名: Uapaca guineensis、p. 90; U. mole とは別種)
assam - bossombi lesambo lissamba assam sengui
上の表に登場した言語のうち、バカ語以外は全てバントゥー諸語という括りに入ります。Kaka というのは Ethnologue(第18版、2015年によれば)Kako語の別名・Bakaka語Bakaka方言の別名・Yamba語の蔑称のいずれか3つの事を指し、これらは全てカメルーンで話されるバントゥー語ですが、もしこれがYamba語の事ではない場合、数多くあるバントゥー諸語の中でも更に互いに近縁な(Glottolog 4.4 では "Bantu A-B10-B20-B30" とされているグループ)に入り、更に Ethnologue 付属の言語地図でもカメルーン南部で話されてきた事が確認可能な言語という事になります。そして先のグループにはバクウェレ語も Bekwil の名で見られ、大石氏が用いたカナ表記がバクウェレ語に由来するものである可能性は比較的高そう、という推測を行う事が可能です。--Eryk Kij会話) 2021年6月1日 (火) 10:34 (UTC)
アルファベットの記事名だったため拙速に移動してしまいました。申し訳ありません。記事名は中立的なギルベルティオデンドロン・デウェウレイでもギルベルティオデンドロン・デウェヴレイでもよいと思われます。--Charlesy会話) 2021年6月2日 (水) 00:36 (UTC)
(追記)人名の原語表記は他国語版の記事が存在する場合、そちらから確認できますので文が見やすくなるように仮リンクとしました。--Charlesy会話) 2021年6月2日 (水) 00:39 (UTC)
返信 (Charlesyさん宛) まず、Charlesyさんが謝られる必要は全くありません。私が記事名を決定するまでの過程には、用意された文書には全く触れられていない要素(言ってしまえば現在は不文律と呼べるかどうかすら怪しいもの)もいくつか入っている為です。ただ生物名の場合は学名をカナ転写することすら中立的かどうか怪しい為に避けてしまいました。私の植物名の記事名決定に関する考え方は以下の様なチャートで表されるものです。
  1. YListに和名が登録されている? - はい→ その和名を記事名とする(例: オキナヨモギ); いいえ→ 2.へ
  2. 信頼できる情報源である書籍やウェブ上の学者による日本語名あるいは学名カナ転写による言及例がある? - はい→ 3.へ; いいえ→7.へ
  3. それは日本語の和名?海外名のカナ転写?学名のカナ転写? - 和名→ その和名を記事名とする(例: タナガワトウダイグサ 実際には木本だがこの名称パタゴニアヒバベルノキウダノキ); 海外名のカナ転写→ 4.へ; 学名のカナ転写→ その学名カナ転写を記事名とする(例: ミルシネ・アフリカナメトロシデロス・エクスケルサ この例の場合、後から書籍において「ケムニンフトモモ」なる和名の使用例が1例だけ存在するという事が判明してしまったのですが、この学名転写の方が知られていそうという事もあり、今に至るまで改名提案を行っておりませんヌクシア・コンゲスタ
  4. その海外名のカナ転写は他の文献(Google Booksで確認できるものも含む)でも確認できるものか(参考: Wikipedia:記事名の付け方#記事名の付け方の目安)? - はい→ 5.へ; いいえ→ 6.へ
  5. その海外名は日本語文献でも複数種を指し得るものか? - はい → 7.へ(この場合曖昧さ回避ページ等を作成しておくことが望ましい、例: イロコココボロ; また属の記事が存在する場合はそこに共通する情報を掲載するのも望ましい、例:「メンクラン」の情報をサキシマスオウノキ属に記述); いいえ→ その名称を記事名とする(例: モバンギオベチェオクメカマトグ
  6. その海外名は原語の発音と照らし合わせて妥当と考えられるか? - はい→ その呼称を記事名とする(例: モワポエ (植物)); いいえ→ 7.へ
  7. ラテン文字(アルファベット)の学名はラテン語や古典ギリシア語のみからなり、それ以外の言語圏の人名や地名と思われる要素が一切含まれていないと考えられる? - はい→ ラテン語や古典ギリシア語の転写に則ってカナ転写しても、アルファベットのままでも構わない(但しWikipedia:独自研究は載せないにあたらないか考慮の必要あり); いいえ→ ラテン語やギリシア語の転写の規則に従おうとすると特に元の言語における人名とかけ離れたものになりそうと考えられるものはアルファベットのまま記事名とした方が良い(例: Rytigynia uhligii
今回の場合、Charlesyさんが「エベン」の名を持ち出される前の時点では上記チャートでいう「1.→2.→3.→4.→6.→7.→いいえ」という通り方をした為にラテン文字のまま記事を出すのが妥当と判断致しました。基準標本の採取者でこの種小名 dewevrei の由来と考えられるベルギー人の Alfred Dewèvre の姓は恐らくフランス語圏のものでカナ転写すると「ドウェーヴル」となると考えられます(残念な事にこれまでに日本語圏で転写された例を見つける事が全くできませんでした。この様な前例が確認できないものに関しては閲覧者がリンク先を確かめるか保証がない為、すぐ見える位置に元の綴りを示しておいた方が良いというのが私の考えでございます)が、見たままの転写「デウェヴレイ」と乖離した読み方となってしまいます。「デウェヴレイ」という転写は外部サイトでアカネ科コーヒーノキ属の Coffea dewevrei という学名の転写に用いられていますが、これを転用すると独自研究にあたるかも問題になって参ります(実は私は後述するコルディア・ドデカンドラでそれをやってしまいましたが、現在はこれは良くなかったと考えております)。また、Charlesyさんは属名の転写を「ギルベルオデンドロン属」とされ私もその裏付けを見つけましたが、その状態の上で Gilbertiodendron demonstrans のリンク先を「ギルベルティオデンドロン・デモンストランス」とされたり、本種の改名先として「ギルベルティオデンドロン・~」を提案されたりしたのは、お言葉ですが整合性に欠けると存じます。従ってカナ転写も行わない方が問題が起こらないと考えられるのです。ここからは私の活動に関するお話となりますが、以前に有用樹種である Brachylaena huillensis(スワヒリ語由来の「ムフフ」での言及例あり)や Cordia dodecandra(メキシコのスペイン語由来である「ジリコテ」)の記事を投稿する際に先述のプロジェクト:生物#項目名の文書(実はここに書かれているものもさほど拘束力はありません)の「アルファベット - × 日本語版ウィキペディアでは推奨されません。日本語での記述を検討して下さい。ただし和名が存在せず、カタカナで表記した例も見つからない生物では、やむを得ず学名をそのまま項目名としても構いません。」や「俗称 - × 推奨されません。標準和名や学名を使いましょう。」という文言があり、YListにも和名として掲載されていない為解釈に悩みまして、結局左の2例はそれぞれ外部サイトで属名と種小名が別々にカナ転写された例を見つけた為にそれぞれ「ブラキラエナ・フイレンシス」(こちらに関しては後に書籍におけるカナ転写例が偶然見つかりました)、「コルディア・ドデカンドラ」の名で出しました。しかし、その後『植物レファレンス事典』(日外アソシエーツ)という書籍の存在を知り、そこでYListにも登録されていない数々の植物に和名や学名転写による言及例があるという事を知りました。それ以来他の方が提起されたプロジェクト‐ノート:生物#学名ラテン語の記事名についてに参加したり(結局この議論は私が後から様々な個別例を見つけてしまった為にまとめきれずに停滞させてしまいました)、自身の中のYList至上主義を薄めつつ上記のチャートの様な基準を徐々に形成していったりしたのですが、今振り返りますと先述 Cordia dodecandra の場合は「1.→2.→3.→4.→5.→いいえ」ですのでやはり「ジリコテ」にしておけば良かったと考えております(但し改名の際は大事を取って改名提案を提出する予定でございます)。他にも私の作成記事で現在の私の考え方とは合致しないものもいくつか存在し、それらに関しても今後どの様にしようか思案中でございます。
 脱線しかけましたので話を Gilbertiodendron dewevrei に戻す事と致しましょう。「エベン」という呼称に関しては根拠となった論文を示されている為、上記のチャートでいえば Cordia dodecandra に対する「ジリコテ」と同様の「1.→2.→3.→4.→5.→いいえ」という通り方となり、形の上では妥当な範囲となります為、私もわざわざCharlesyさんを捕まえて上記の様にくどくど述べるのはやり過ぎかもしれないという自覚はございます。ただ根拠とされたページ内で筆者の大石氏が既に日本語名が存在する筈の他の植物(カポック)にもわざわざ現地語名をあてて紹介を行っている点や、何語に基づいた名称であるのか明記されていないという細かい点でほんのり懸念を抱いているという程度でございます。分布情報からすると limbali は本来 G. dewevrei を指してつけられたスワヒリ語であり、スワヒリ語が用いられる地域でバア(G. preussii)の分布が確認されていない事から考えると海外の文献では主流と思われる呼称 limbali に基づく「リンバリ」を記事名としたかったところではあるのですが、日本語資料での扱いがその様になっていない以上は潔く「エベン」を追認すべきであるとは考えております。--Eryk Kij会話) 2021年6月2日 (水) 11:44 (UTC)
  • コメント 現在の記事名への改名プロセス自体はプロジェクトの指針に沿ったものなのですが、一方で現状として日本語における定着した名称は存在しない状態であり、Wikipedia発で本種の名称が「エベン」として定着してしまうことを懸念しています。現在の記事名である「エベン」の根拠となっている文献が1つしか挙げられておらず、また、その文献が本種を主題としたものでないことも不安材料です。本種に関する知識は全くないのですがわかる範囲で調べたところ、「エベン」に近い記載例としては、OPAL(Oil Palm Adaptive Landscapes)プロジェクトによるカメルーンのNgwéiという地域(住民はバサ族とMpo'o、大石氏の調査地域よりかなり沿岸に近い地域ですが)のプランテーションの環境影響に関する報告書[1]において、Gilbertiodendron dewevreiの現地名として"Ebem"が記されており、Eryk Kijさんが指摘されているように「エベン」は現地語のカナ転写の可能性が高いと推測します。また、日本語における他の言及例としては、一般向け書籍ですが三谷雅純氏のゴリラの森の歩き方:私の見たコンゴの人と自然では本種の通称として「リンバリ」、リンバリのみの森林に対する現地(コンゴ・カメルーン・中央アフリカ国境地帯、おそらくアカ・ピグミー)の呼称として「ベンバ」・「ブーマ」を記載しています。いずれにせよ本種を主題とした文献で和名が提示されていない現状としては学名が無難であると考えますが、それを避けるのであれば「リンバリ」または「ランバリ」の方がふさわしいのではないかと思います。--Smilesworth会話) 2021年6月9日 (水) 08:08 (UTC)一部修正--Smilesworth会話) 2021年6月9日 (水) 08:16 (UTC)
    • 返信 (Smilesworthさん宛) ありがとうございます。ファン語名 abem からの類推で「dewevrei ebem」の組み合わせによるも一度は試しておりましたが、出てきたのがGoogle Books上の「Gilbertiodendron dewevrei А Fb R , C Bemba ( 3 ) Ebem ( 3 ) Ebem ( 3 )」(Guerci, Antonio (1999). Il cibo e il corpo. Erga Edizioni. p. 139. ISBN 88-8163-172-5. https://www.google.co.jp/books/edition/Food_and_body/3LGBAAAAMAAJ?hl=ja&gbpv=1&bsq=dewevrei+ebem&dq=dewevrei+ebem&printsec=frontcover ; 少なくともこちらの環境ではプレビューしても真っ白の状態で本当に私達が想定している関連性があるのか不明) くらいで諦めかけておりました。ただ、残念な事に提示された資料のうち、Mesmin Tchindjang氏の報告書から言語名を特定する事は不可能です。Ebem の呼称が見られる p. 57 や p. 59 付近にはニオベ(Niové; 学名: Staudtia kamerunensis)の名も見えるのですが、実は Niové という呼称は隣国ガボン起源の商業名で、厳密にはミエネ語(これはカメルーンでは全く話されていません)の nyowè に由来すると見られます(Meunier, Moumbogou & Doucet 2015: 311)。パラソリエMusanga cecropioides)の Asseng であればカメルーンとガボンの両国に話者がいるファン語の呼称であるのですが、ニオベのファン語名は mbon もしくは mbona(ここまでの情報も Meunier, Moumbougou & Doucet 2015: 311, 313 より)であり、報告書の "Local name" は特定の一言語どころかカメルーン国内の呼称であるかさえ統一されていないという事になります。この報告書では漠然と Brummitt (2001:37f) のいう Central-West Tropical Africa 地域の呼称という意味合いで "Local name" という言い回しが用いられているのではないかと思われます。そして「リンバリ」はこれまで述べて参りました通りウェブ検索すると日本語圏では同属の別種(本来はこの名前では呼ばれていなかったとさえ考えられるにもかかわらず)も含む呼称として扱われている例ばかり出てきますので、使おうに使えない状況になってしまっていると見ております。一方で、三谷氏の著作はコンゴ地域における本種のみによる森林の存在やそれに対するピグミーの言語による呼称(うち一方は私が頑張って集めて記事中に反映する事ができた情報とも辻褄が合いますね)への言及がなされているという点が興味深いです。念のために確認致しますが、著作内で「リンバリ」に対する学名は明記されていますでしょうか?そうである場合、更に他の信頼できる情報源による情報が集まれば、「リンバリ」の名称を支持する材料の一つとして使用する事が可能となると存じます。--Eryk Kij会話) 2021年6月9日 (水) 11:34 (UTC)
      • 返信 (Eryk Kijさん宛) 詳細な解説、恐れ入ります。当該書籍では少なくとも2か所で学名への言及があり、p.255『リンバリとは、ある豆の木(Gilbertiodendron dewevrei ジャケツイバラ科)の通称で、』とあり、もう1か所はp.177『川辺や湿地性草原の近くに生える豆の木、リンリ(ジルヴェルティオデンドロン・デウェヴレイ)の下に集まる。』(下線は私が入れたもの)です。後者は少し残念な状態となっていますですが、他の箇所では一貫して「リンバリ」が用いられているため「リンベリ」は単なる誤植であり、学名のカナ転写もありがちなミス(おそらく正しくは「ジルベルティオデンドロン・デウェヴレイ」)と考えられます。Gilbertiodendronに対する「ジルベルティオデンドロン」という表記は、他にも使用例(市川光雄 (1998) 生態史研究へのアプローチ 中央アフリカ熱帯雨林の例から)があるようです。一助となれば幸いです。--Smilesworth会話) 2021年6月10日 (木) 16:12 (UTC)
そういえばこの属名、どうもジョルジュ・シャルル・クレマン・ジルベールGeorges Charles Clément Gilbert)という植物学者への献名である模様ですので、「ギ」を「ジ」に変えて検索、というのは試しておけば良かったですね。ところで実はこちらも手元に一つだけイトゥリの森のムブティに関して述べた資料(原子, 令三「森の民ムブティ・ピグミー」『黒人アフリカの歴史世界』川田順三 編、山川出版社〈民族の世界史12〉、1987年、156-177頁。ISBN 4-634-44120-9)がございまして、まさかと思って参照したところ、種の限定やラテン文字表記こそされていないものの160頁に「ジルベルテオデンドロン属」がありました(ついでに同頁の同じ個所には「サイノメトラ属」= ナムナム属 Cynometra や、今回は直接関係ないものの熱帯アフリカ東部および南部の植物相として重要なミオンボ en:Miombo を形成する「ブラキステギア属Brachystegia も見られます)。モノタイプではないので「ジルベルティオデンドロン」も「ジルベルテオデンドロン属」も記事名とする訳には参りませんが、一方で同属の他の種が単一優占で森林を形成するという話も聞かず、これらの呼称は事実上ほぼ Gilbertiodendron dewevrei を指しているとも考えられますね。
 ここからは余談的に現段階では記事に反映する事が到底不可能な独自研究を開陳致しますが、上で提示頂いたTchindjang氏の報告書中で使用されていた Ebem はファン語名 Abem の訛りではないかと私は見る事に致しました。カメルーンやガボンはアフリカの中でも一国内における民族語の数が多い部類に入る国々と思われますが、公用語とされているヨーロッパ起源の言語(両国ともフランス語。カメルーンの西部では英語も通用)の他に複数の集団により共通語として用いられ比較的勢いのある言語(例: エウォンド語ドゥアラ語)や、カメルーンのみに留まらずガボン・更には赤道ギニアやコンゴ共和国サンガ地方といった広域に話者がいる言語(ファン語)、キリスト教の伝道活動の対象・手段となったのが比較的早い言語(例: ドゥアラ語、1872年から1970の間にこの言語による聖書が発行; ミエネ語ンポングウェ方言、1927年にこの言語による聖書が発行)といったものが見られ、植民地時代の林業の都合によりこの辺りの言語による樹名が商業名等として通用するようになっていったのではないかと見ております(日本でも Lophira alata の材はドゥアラ語起源の「ボンゴシ」として通用します)。対照的にバクウェレ語由来の樹名が商業名として使われるようになった例はまるで確認できておりませんし、商業的に流通する樹種というものは比較的広い地域に分布しているものから選ばれると考えられますので、局地的な集団内でしか使用されない言語からよりは自然と広域で通じる言語による呼称の方から広く通用する名称の選択が行われるものと存じます。--Eryk Kij会話) 2021年6月10日 (木) 18:52 (UTC)
コメント 追記 Google Booksを「ジルベルティオデンドロン」で検索した際に出てくる文献を更に二つ特定することができました。
  • 原子, 令三「ムブティ・ピグミーの生態と社会」『生態』渡辺仁 編集責任、雄山閣出版〈人類学講座12〉、1977年、188・190・194。NCID BN00680953(このうち188頁では「~属」という書き方がなされながら Gilbertiodendron dewevrei という種の指定が行われており、残り2ページでも「バントゥー系農耕民ビラフランス語版」(BilaBira かで言語は異なるが、いずれも居住地域はほぼ同じ) や「ムブティ」といったイトゥリ周辺に暮らす民族・集団名と共に言及)
  • 伊谷, 純一郎「雑食と偏食――動物とヒトの食性をめぐって」『生活学論集・3――食の生活と文化』日本生活学会 編、ドメス出版、1979年、23頁。NCID BN00626131, BN00626153
そして伊谷 (1979) の方を色々工夫して内部検索を試みた結果、この文献では「イトゥリ・フォレストのジルベルティオデンドロン」として言及されている事が分かりました。Plants of the World Online によりますと、Gilbertiodendron属は G. dewevrei 以外にもコンゴ民主共和国(旧ザイール)に分布する種がいくつか存在します。
しかしこのうちレオナールにより分類し直された4種以外は全て1980年以降に新種として記載もしくは現在の属へ組み替えられたもので、その4種に関しても「Ituri + 学名」でGoogle Books を検索を行っても何も情報が出てこない状況であり、故・伊谷氏の「ジルベルティオデンドロン」は事実上 G. dewevrei のみを指していると考えられます。これにより、先程作成した転送ページ「ジルベルティオデンドロン」のリンク先はこの記事としたものの、敢えて属の節への指定は行いませんでした。--Eryk Kij会話) 2021年6月11日 (金) 11:50 (UTC)
コメント 追記2 G. grandistipulatum に関してもIUCNレッドリストでコンゴ民主共和国に関しては西部という限定がつけられています。イトゥリの森は同国の北東部ですので、コンゴ民主共和国産であっても「イトゥリの」といった類の限定がつけられている場合の「ジルベルティオデンドロン」は少なくとも G. ecoukenseG. grandistipulatum の事は指していないと考えるのが妥当でしょう。他、文章として明記はされていないものの同レッドリストのマッピングでは G. bambolense(コンゴ民主共和国固有種)は同国に広く分布するとはされているもののイトゥリ方面には目印がなく、G. mayombenseG. stipulaceum に至っては他のアフリカ大陸西海岸に面する国々と近い西部に目印が偏っています。後は残りの G. grandiflorum についても詳細な分布情報が欲しいところで、また G. dewevrei と同定されてきた既知の標本が実は記載済みの同属の別種であるという再鑑定結果が出された場合も注意が必要ですが、今のところ集める事ができている情報の範囲内では日本語文献における「ジルベルティオデンドロン」は事実上 G. dewevrei のみを指していると依然考えられます。--Eryk Kij会話) 2021年6月12日 (土) 08:47 (UTC)
コメント 追記3 更に関連性のある言及例が二つ見つかりました。
伊谷 (1974) のいう Gilbertiodendron dawenii ですがGoogle等で検索して頂ければお分かりの通りその様な学名は存在せず、種小名は dewevrei の書き間違いと考えられます。ムブティに関する文献ではとにかく Gilbertiodendron dewevrei が出てくる際には Cynometra alexandri(『熱帯植物要覧』第4版では「ムヒンビ」として掲載)や Brachystegia laurentii(『熱帯植物要覧』第4版では「ボマンガ」として掲載)への言及も必ずといって良いほど一緒に見られますが、これは先日私がイトゥリ州の記事に植生と民族分布に関する加筆を行った(参照: Special:Diff/84018796/84058521)際に典拠として使用した原子 (1977:188) が述べています通り、3種とも優占林がイトゥリの森においてそれぞれ決まった地域に見られるという共通点が存在する事が根本的な要因であると考えられます。本記事でもコンゴ民主共和国における現地語名の出典として使用した Staner (1941) を確認してもムバウ(mbau)という呼称はイトゥリ州に暮らすもののさほどムブティとの関わりは深くないと思われるナンデのことばと共通しているという程度ですが、Staner は p. 334 でムヒンビ(Cynometra alexandri)の現地語名も挙げており、その中にはムブティとの交流が明白に認められるビラのことばBila; 別名: Kibila)として tembu が見られます(ちなみにナンデ語では似ているものの少々異なる tembwa とされています)。--Eryk Kij会話) 2021年6月19日 (土) 07:32 (UTC)