ネコぱら

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ネコぱら
対応機種 Windows Vista/7/8/8.1
開発元 NEKO WORKs
発売元 NEKO WORKs(パッケージ版)
Sekai Project(DEMO版)
未来数位(中国語版)
ジャンル 恋愛アドベンチャーゲーム
発売日 2014年12月29日(Vol.1)
2015年8月16日(Vol.0)
2016年2月19日(Vol.2)
2017年5月26日(Vol.3)
レイティング 18禁(通常版)
全年齢(Steam)

ネコぱら』(NEKOPARA)は、さよりが代表を務めるNEKO WORKs制作の美少女アドベンチャーゲームである。

概要[編集]

人型猫がヒロインのアドベンチャーゲームであり、擬人化された猫のハートフルコメディが楽しめる。E-moteシステムを採用しており、キャラクターがアニメーションのように動くのが特徴。日本語、英語、中国語の3ヶ国語に対応している。2014年12月30日からSteamで配信されている[1][2]。2016年12月29日にアニメ化プロジェクトが開始され、クラウドファンディングで資金を募った所42分で目標額10万ドルに到達した[3]

シリーズ累計の売上本数は2017年10月時点で170万本以上で、売上の9割は日本国外(主に北米と中国)からの購入であると発表されている[4]

Steamの運営元であるValve Corporationは性表現を含むゲームの販売を禁じているが、外部で性表現を含むパッチを配布することを禁止してはいない[5]。このため、Steamで配信されている『ネコぱら』シリーズには性表現は含まれておらず、Steam版『ネコぱら』をアダルトゲームとしてプレイする場合は、NEKO WORKsの公式通販サイトから有料でパッチを購入する必要がある[5]。 また、登場人物たちの日常をつづったVol.0は全年齢向けとなっており、性表現を追加するためのパッチは存在しない。

あらすじ[編集]

vol.1 ソレイユ開店しました![編集]

主人公・水無月嘉祥は、実家を離れ、ケーキ屋『ラ・ソレイユ』の準備をしていた。実家から送られてきた荷物を確認したところ、実家で飼育していた人型ネコのショコラとバニラが入っていた。二匹を追い返そうとしたが、彼女たちからの嘆願を受け、嘉祥は二匹を手元に置くことにした。

vol.2 姉妹ネコのシュクレ[編集]

水無月家のアズキとココナツはかつては仲が良かったが、今は喧嘩ばかりだった。そして、ある日、二匹の間に事件が起きた。

vol.3 ネコたちのアロマティゼ[編集]

メイプルは夢に向かって進み始めるが、壁にあたって思い悩む。 それを見たシナモンは、メイプルに協力を申し出たいと考えるが、どのようにすればよいのかわからず困ってしまう。

キャラクター[編集]

水無月 嘉祥(みなづき かしょう)
本作の主人公である青年。実家は和菓子屋だが、vol.1で実家を離れ、ケーキ屋『ラ・ソレイユ』を開店した。
水無月 時雨(みなづき しぐれ)
声:佐倉江美
嘉祥の妹で、ネコたちの飼い主。若いながらも自身の会社を経営している。

水無月家の人型ネコたち[編集]

ショコラ
声:ヒマリ
嘉祥宛の荷物の中にバニラと一緒に紛れこんでいたネコで、水無月家の末妹にあたる。
思考は単純でそそっかしいが、明るく元気な努力家。
バニラ
声:中村あむ
ショコラの双子の姉妹で、水無月家の末妹にあたる。ショコラとは対照的に無口で利口な性格をしている一方、情の深さを見せることもある。
メイプル
声:小倉結衣
水無月家の次女。高飛車ながらもかなりの怖がりで、暗いところを特に怖がる。ネコとして評価されることを嫌がっている。
シナモン
声:有坂羽由
水無月家の三女。穏やかで笑みが絶えないが、性的なことには敏感でよく発情する。マゾヒストだが、暴力を振るわれることを好むわけではない。
メイプルとは特に親しい関係にある。
アズキ
声:成瀬未亜
水無月家のネコ六姉妹の長女。口が悪い上にわがままでめんどくさがり屋だが、肉体労働以外のことであれば何でもできる。マンチカンであるため足が短く、そのことを指摘されると不機嫌になる。
かつてはココナツと仲が良かったが、いつの間にか言い争うようになり、Vol.2ではある事件に発展する。
ココナツ
声:手塚りょうこ
水無月家のネコ六姉妹の四女で、黄色と青のオッドアイが特徴である。大人びた容姿をしているが、実はショコラとバニラより少し年上である。
身体能力が高く、他者の手伝いには積極的だが、手先が不器用という欠点によってトラブルが発生することが多い。
Vol.2の前半までは一人称を「私」、嘉祥を「嘉祥様」と呼んでいた。

開発[編集]

企画[編集]

本シリーズは、さよりが主宰する同人サークルから発売された漫画・イラスト集『NEKO PARADISE』が基になっている[6]

さよりは同人誌の人気を認識していた一方、ページ数制限のある同人誌では猫たちの日常を描けないと感じており、ゲームならば内容を長くすることができるうえ、動きや音声もつけられるのでファンを満足させることができると考え、『NEKO PARADISE』のゲーム化を考えた[7]

アージュを退社した後の2012年、さよりはスミレの代表であるシナリオライター・雪仁から声をかけられ、『NEKO PARADISE』のゲーム化を望んでいることを伝えたところ、やってみようかという話になった[6]。それからしばらくたった2014年4月、雪仁から「手が空いているので『NEKO PARADISE』のゲーム化計画を進められる」という連絡があり、当時妊娠中で仕事が少なかったさよりは「趣味だから、自分たちのペースでゆっくり開発しても大丈夫だ」と考え、同年末のコミックマーケットで発売することを目標にした開発をはじめた[7]。だが、開発を進める中でやりたいことを突き詰めるうちに規模が大きくなり、E-moteの導入に伴うゲームエンジンの変更といった品質強化を進めた結果、開発費もフルプライスゲーム並みに高くついた[6]。それでも、メインスタッフにして原画家であるさよりがCGを増やすことを厭わない姿勢をとっていたため、原画代が発生することはなかった[6]

機能・演出[編集]

本作は、E-moteAdobe After Effectsなどの、商業作品でも使われるツールを利用して開発された[7]。 さよりは、ういんどみるOasisの『ウィッチズガーデン』がE-mote導入のきっかけだったとテックジャイアンとのインタビューの中で述べており、「当時はまだE-moteが一般に公開されていなかったものの、どうしてもアニメーションを導入したかったため、手書きアニメーションで代用を考えていた。その時、E-moteが公開されたため、体験版で動く絵をサンプルとして公開したところ、反応が良かったので導入を決めた」と振り返っている[7]。ただし、E-moteはそれに追従するエンジンでないと単体では動作せず、最終的に本作専用のカスタマイズエンジンを開発せざるを得なかったため、開発を始めた時点で見積もった費用がより高くなる結果を招いた[7]

「胸を揺らす」という隠し機能を導入した理由について、さよりは「私はゲーマーとして時間が長かったため、『どの要素もつまらないというのは悲しい』と考えており、細かな部分でも楽しめる『救い』として『胸を揺らす』という機能を導入した」と、電ファミニコゲーマーとのインタビューの中で述べている[4]

シナリオ・キャラクター設定[編集]

本シリーズに登場するキャラクターのうち、ショコラとバニラは『NEKO PARADISE』よりも昔にあたる2008年夏のコミックマーケットで発売された同人誌を初出としており、ショコラとバニラという名前はその同人誌のおまけ本で初めて登場したほか、この時点で二人はケーキ屋に勤務しているという設定が存在していた[7]。 さよりはテックジャイアンとのインタビューの中で、ショコラとバニラの服装について、「過去にゴスロリを描いていたころから白黒の色味を多用しており、今回のソレイユの制服でもそれを採用したら、メイド服っぽくなってしまった」と振り返っている[7]

ゲーム化に当たり、さよりは「同人誌のキャラクターと別人だと思われる分には問題ない」と考え、シナリオライターの雪仁に「これまでの同人誌の設定は気にしなくてよい」と話し、最低限の設定を伝えた後は雪仁に任せた[7]。 雪仁は、一から設定を作り直すつもりでキャラクターの設定を構築したが、さよりのキャラクターを自分が動かしてしまってもよいのかという不安から、何度もさよりに問い合わせたとテックジャイアンとのインタビューの中で述べている[7]。 また、前述のインタビューの中で、雪仁は「シナリオを執筆するにあたり、キャラクターの可愛さとエロさを引き立てることを意識した」と述べている[7]。 主人公の実妹である時雨について、さよりは「雪仁さんに『この作品は猫たちがメインであって、時雨は攻略対象じゃないから、あまりいい子にしないでほしい』と頼んだはずなのに、すごくヒロインらしい妹に仕上がってしまった」と、同人ゲームサークル・moarea88とのインタビューの中で述べており[8]、雪仁もテックジャイアンとのインタビューの中で「さよりからは『時雨は、猫を嘗め回しかねないほどの変態にしてほしい』という指定があったが、それはちょっと辛いのではないかとさよりに話した」と振り返っている[7]

本シリーズのキャストはさよりの要望を基に選出されており、「ショコラとバニラは最初の段階から中村あむとヒマリにすると決めていた」とさよりはテックジャイアンとのインタビューの中で振り返っている[9]。 また、ショコラとバニラ以外のキャラクターも、さよりが過去に関わった作品の出演者や、さよりが気に入っているゲームのサンプルボイスを聞いたうえで選出されており、最終的に美少女ゲームで活躍する声優が多用された[9]

Steamでの配信および多言語対応[編集]

元々本作は外国語に対応する予定はなかったが、2014年7月にティザーサイトと公式Twitterアカウントを公開したところ、Steamで話題になっていた海外製のギャルゲー『SAKURA SPIRIT』のパブリッシャーであるSekai Projectから「我々が翻訳するから、Steamで公開しないか」とTwitterを通じて持ち掛けられた[7]。スケジュールを検討した結果可能であると判断したさよりは、自身の母国である中国に美少女ゲームの愛好家が多いことを理解していたため、「英語版も出すなら中国語版も出してはどうか」と提案したところ、その提案は受け入れられた[7]

NEKO Worksの社長であるアンコウは元々Steamのユーザーであり、いつかSteamでゲームを出したいと考えていたところ、『SAKURA SPIRIT』が世界中で大きな注目を集めたことを知り、自分たちでもできるのではないかと思い、まずはユーザーの反応を見るためにSteam Greenlightに本シリーズの情報を投稿した[4]。 投稿して間もなく、本シリーズに対する支持が集まり、正式リリースが決定した[4]。また、これに合わせて多言語対応も決定し、英訳はSekai Projectのスタッフが、中国語訳はさよりの同人誌を台湾で代理販売する同人サークルがそれぞれ担当した[7]

翻訳作業が開始されたのは発売3か月前の9月であった上、元の日本語のテキストに誤字や脱字が見つかると他の言語版のテキストも翻訳しなおす必要があったため、マスターアップ直前までデバッグに追われたと雪仁はテックジャイアンとのインタビューの中で振り返っている[7]

音楽[編集]

本シリーズの楽曲はスミレに所属する水城新人が手掛けた[9]。 また、Vol.1のオープニング曲である『タイヨウパラダイス』はnaoが、エンディングテーマである『ねこまんま日和』の歌唱は霜月はるかがそれぞれ担当した[9]。 霜月の起用は、雪仁と霜月に共通の知り合いがたまたまいたことで実現したことである[9]

反響[編集]

本シリーズ累計の売上本数は2017年10月時点で170万本以上で、売上の9割は日本国外(主に北米と中国)からの購入であると発表されている[4]。 アンコウは電ファミニコゲーマーとのインタビューの中で、「Vol.1の時点では北米からの購入者が多かったが、Vol.2、3と進むにつれて中国から購入者が増えていた」と述べており、ヒットの要因として「980円という価格帯で多言語対応のギャルゲーを出したことと、アニメーションツールであるE-moteを導入したことが大きかったのではないか」と推測している[4]

評価[編集]

moarea88はVol.1の体験版について、「従来のスミレの作品では序盤から個性的なサブキャラクターが勢いよく物語を動かすのに対し、Vol.1の体験版はヒロインの二人とした物語が展開するため、彼女たちの可愛さに惹かれた」とGetchu.comに寄せた記事の中で述べている[8]

脚注[編集]

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  1. ^ “ネコ耳ADV『NEKOPARA Vol. 1』がSteamで配信開始!3ヶ国語に対応し、立ち絵のアニメーションも”. iNSIDE. (2015年1月5日). http://www.inside-games.jp/article/2015/01/05/83886.html 2017年1月7日閲覧。 
  2. ^ “ネコ耳美少女と恋愛するADV『NEKOPARA』がSteamに登場!世界中のOTAKUが早くも反応”. iNSIDE. (2014年11月12日). http://www.inside-games.jp/article/2014/11/12/82482.html 2017年1月7日閲覧。 
  3. ^ “同人ゲーム「ネコぱら」のアニメ化プロジェクトがわずか42分で目標達成! 現在もアニメの尺延長に向け支援を受付中”. ねとらぼ. (2016年12月30日). http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1612/30/news030.html 2017年1月7日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f 春山優花里@haruYasy. (2017年10月25日). “同人PCギャルゲー『ネコぱら』が170万本の大ヒット! 売上の9割が海外、ヒット理由は猫だから?【インタビュー:イラストさより氏&シナリオ雪仁氏】”. 電ファミニコゲーマー. 2017年10月26日閲覧。
  5. ^ a b Minoru Umise (2016年10月14日). “アダルトVRゲーム『VRカノジョ』がSteam Greenlightに進出。その狙いは? 意気込みは? イリュージョンに聞いてみた”. AUTOMATON. 2017年1月8日閲覧。
  6. ^ a b c d 春山優花里@haruYasy. (2017年10月25日). “同人PCギャルゲー『ネコぱら』が170万本の大ヒット! 売上の9割が海外、ヒット理由は猫だから?【インタビュー:イラストさより氏&シナリオ雪仁氏】(2ページ目)”. 電ファミニコゲーマー. 2017年10月26日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 【バカ売れ!】『ネコぱら』(NEKO WORKs)に迫る!![第5回]/開発スタッフインタビュー<前編>)”. テックジャイアン. エンターブレイン (2015年5月22日). 2017年10月27日閲覧。
  8. ^ a b moarea88 (2014年12月26日). “同人ゲーム『ネコぱら』中の人インタビュー&体験版レビュー(寄稿:同人ゲームサークルmoarea88)”. Getchu.com. げっちゅ屋. 2017年10月28日閲覧。
  9. ^ a b c d e 【バカ売れ!】『ネコぱら』(NEKO WORKs)に迫る!![第6回]/開発スタッフインタビュー<後編>)”. テックジャイアン. エンターブレイン (2015年5月22日). 2017年10月27日閲覧。

外部リンク[編集]