ネギバクテリア

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ネギバクテリア亜界
Desulfovibrio vulgaris
分類修正六界説
: 原核生物帝 Prokaryota
: 細菌界 Bacteria
亜界 : グラム陰性細菌亜界 Negibacteria
学名
Negibacteria Cavalier-Smith, 1997
下位分類(下界)
  • グリドバクテリア下界 Glidobacteria
  • エウリバクテリア下界 Eurybacteria
  • グラキリクテス下界 Gracilicutes

ネギバクテリアNegibacteria)とは、原核生物の系統及び分類についての仮説である。外膜を持つ原核生物と定義され[1]1997年キャバリエ=スミスが提唱した[2]。亜界の階級が与えられているが、現在の合意体系では認められていない。

真核生物の起源を説明するネオムラ説に基づく修正六界説において、ウニバクテリア原核生物を2分する。プロテオバクテリア門藍色細菌門バクテロイデス門などのグラム陰性菌のほとんどがここに含まれる[3]。ネオムラ説は多くの研究者に支持されていないが、非常に有名であり、一般書籍でも時折取り上げられることがある[4]。ネオムラ説以外でもグラム陰性菌に対してネギバクテリアという分類名を使用することがあるが、含まれる生物は異なる場合がある。

特徴[編集]

最大の特徴は外膜を持つことである。また、グラム陰性に染色されることも特徴である。ただし、デイノコックス・テルムス門クロロフレクサス門の一部は外膜を欠損しているもの、グラム陽性に染色されるものがいくらか含まれる。

進化[編集]

ネオムラ説では、全生物の共通祖先グラム陰性菌と想定している。ウニバクテリアはグリドバクテリアの一系統が外膜を失ったものと考えており、そのためネギバクテリアはウニバクテリアと真核生物に対して側系統となっている[3]

参考文献[編集]

  • Cavalier-Smith, Thomas (2006). "Rooting the tree of life by transition analyses". Biology Direct 1: 19.
  1. ^ ただし、クロロフレクサス門は外膜を持たない
  2. ^ Thomas Cavalier-Smith, 1998. A revised six-kingdom system of life. Biol. Rev. 73: 203-266.
  3. ^ a b Cavalier-Smith T (2002). “The neomuran origin of archaebacteria, the negibacterial root of the universal tree and bacterial megaclassification”. Int J Syst Evol Microbiol 52 (Pt 1): 7–76.
  4. ^ 井上勲 『藻類30億年の自然史(第2版) - 藻類から見る生物進化・地球・環境』 東海大学出版会、2007年。ISBN 978-4-486-01777-6