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ヌーディストビーチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アメリカ合衆国・フロリダ州のホーローバー公園

ヌーディストビーチ(英語: nudist beach / nude beach)とは、利用者が自由に全裸で過ごすことが認められている海水浴場(ビーチ)のことである。原則として男女共用となっている。その多くは公有地内に位置している。特定の運動への参加や個人的な思想・信念の有無を問わず、誰でも事前予約や会員登録なしで匿名かつ自由に利用できる点が特徴です。設置や運用の形態には以下のような多様なレベルが存在します。

公式ビーチ: 行政や自治体によって法的に正式認可された場所

非公式(黙認)ビーチ: 法的公認はないものの、地域住民や警察・行政当局によって実質的に容認・黙認されている場所

違法ビーチ: 法令違反でありながら、不法・過激に全裸利用が行われている場所

地理的傾向と「トップレスビーチ」との違い

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一部の国では、数が比較的少なく、都市部から離れた場所にあることが多いため、通常のビーチよりもアクセスが困難な場合があり、施設もごく基本的なものであることが多い。全裸水泳(ヌードスイミング)は、公共の場で裸になる最も一般的な形態の一つである。

ヌーディストビーチは、トップレスビーチとは異なる。トップレスビーチでは、女性も男性も上半身の衣服は脱いでもよいが、下半身の性器を覆う水着の着用が義務付けられている。ヌーディストビーチでは、下半身も着衣をする必要がない。

境界の物理的分離とマナー・表記

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一般の海水浴場と物理的にスペースが仕切られていたり、境界線に明示的な「標識(看板)」が設置されているケースが多い。

この背景には、服を着て過ごしたい一般利用者が意図せず入り込むことを防ぐ配慮だけでなく、全裸で過ごす利用者側が「他者の無遠慮な視線(盗撮覗きなど)」に晒されることなく、心理的に快適な空間とプライバシーを確保するという相互の配慮が存在します。

【名称・表記】

日本語では「ヌーディストビーチ」の呼称が一般的であるが、英語圏ではnude beach(ヌードビーチ)のほか、clothing-optional(服装自由)やfree beachなどの名称も広く用いられる。

ヌーディストビーチの種類

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ヌーディストのグループ(ホーローバー・ビーチ)

ヌーディストビーチは、全裸利用に関するルールや法的扱いに応じて、主に以下の4つのタイプに分類されます。

全裸義務型(Nudity Obligatory)

天候などの条件に問題がない限り、原則として全裸になることが義務付けられているビーチです。主に会員制や管理の行き届いた「ヌーディスト・リゾート」などの私有地・専用施設で多く見られます。

全裸推奨型(Nudity Encouraged)

全裸での利用が推奨されているものの、必須(義務)とまではされないビーチです。プライベートリゾートや私有地の一部に多く、利用者の大部分は全裸で過ごしますが、水着や衣服を着用したままの利用者が混在することもあります。

全裸許可・服装自由型(Clothing-Optional)

全裸になることが公的に「許可」されている一方で、着衣での利用も認められている(服装選択自由の)ビーチです。デンマークのほぼ全てのビーチやノルウェーの一部ビーチがこの形態に該当します。また、アメリカフロリダ州マイアミ・デイド郡の「ホーローバー公園(Haulover Park)」内にも、自治体が公的に指定した服装自由区画が存在します。全裸と着衣の利用者が混在するため、周囲の目線に対する心理的抵抗感が薄れ、着替えなどの短時間であれば公衆の前で全裸になることに抵抗を感じにくくなる効果も指摘されています。

非公式・黙認型(Tolerated / Unofficial)

法律上は全裸での利用が禁止(違法)されているものの、警察や行政などの公的機関が実質的に法律を適用せず、黙認している公共ビーチです。

【補足用語:テキスタイルビーチ】

ヌーディストビーチ(または服装自由ビーチ)と通常の海水浴場が同一エリア内で区分されている際、衣服・水着の着用が義務付けられている一般的なビーチゾーンのことを、織物(水着・衣服)を意味する「テキスタイル」を用いてテキスタイルビーチ(Textile Beach)と呼んで区別します[1]

ビーチの公有地性とリゾートによる利用規制の限界

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フランス南部のアグド市に位置するキャプ・ダグド(Cap d'Agde)「ナチュリストビーチ/全裸義務」を示す標識

ヌーディストビーチを含め、世界中のほとんどのビーチ(水際・砂浜エリア)は公有地に属しています。そのため、ビーチに隣接する民間のリゾートホテルなどは、自らの所有敷地内をフェンスで囲って立ち入りを制限することはできても、実際のビーチエリアそのものを私有地として独占・所有することは多くの国で認められていません。

したがって、リゾート側が所有敷地内において独自のドレスコード(服装基準)を設けることは可能ですが、その基準が隣接する公有地であるビーチにまで適用されるとは限らず、最終的には現地の法律や慣習に従うことになります。また、ビーチ自体への一般市民の立ち入りや通行が制限されないのが一般的です。

事例(カリブ海リゾート)

カリブ海の島々、メキシコフロリダなどがそうである。例えば、ジャマイカネグリルにあるセブンマイル・ビーチでは、ビーチにはプライベート・リゾートが立ち並び、砂浜や水際までフェンスが張り巡らされているが、ビーチ自体は一般に開放されている。服装の基準はリゾートごとに異なるが、ビーチエリアは公式に「トップフリー」と定められており、一般の人も自由に利用することができる。

INFの行動規範と公有地における限界

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国際ナチュリスト連盟(INF)は、加盟団体のために行動規範英語版を作成している。INFの行動規範では、ビーチにおけるあらゆる形態のセクシャルハラスメントや、自慰性交などの性的行為を避けることを求めている。また、セクシャル・プレデターや対象者の許可を得ない写真撮影も許していない[2]。一般的には、他の来場者のプライバシーを尊重することが求められている。規則や社会的圧力によって、他の人を凝視することは嫌がられる[3]

管理者が存在し行動規範を直接強制できるプライベートな「ヌーディスト・リゾート」や「専用ホテル」の敷地内とは異なり、公有地にあるヌーディストビーチでは、連盟の行動規範の遵守は個人の道徳・倫理観に依存せざるを得ません。そのため、実際の現場では連盟の規範以上に、現地の公的法律(公然わいせつ罪盗撮防止法、軽犯罪法など)による法規制が秩序維持の基準となります。

歴史的発祥と普及

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ドイツのヌーディストビーチ(1984年)

1936年、イギリス国王エドワード8世とその愛人ウォリス・シンプソンアドリア海クルーズの途中でクロアチアラブ島(ラプ島)に立ち寄った際、エドワード8世は地元政府から特別に許可を得てカンダロラ・ビーチ(Kandarola Beach)で全裸での遊泳を行いました。この出来事が契機となり、同地は世界初の公認ヌーディストビーチとして知られるようになりました[4]

その後、1950年代にかけてフランスの海岸地域を中心にナチュリズム運動(自由裸体主義)とともに人気を博し[5]、ヨーロッパをはじめ世界中へと広まった。しかし、現代においても一般的な海水浴場と比較すると、その数は限られた少数である。

全裸利用・服装自由の事例

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ヨーロッパを中心とする世界各地のビーチや公共空間では、地域や文化に応じて全裸での滞在や日光浴が認められているエリアが存在します。

フランスのキャプ・ダグド

世界最大級のリゾート型ナチュリスト地区として知られるキャプ・ダグドのように、ビーチ単体ではなく、街全体や広大なリゾートエリア全体がヌーディストエリアとして機能している事例があります。

北欧(デンマーク・ノルウェー)

デンマークではほとんどのビーチ[6][7]、ノルウェーでは一部のビーチ[8]において「服装自由(Clothing-Optional:全裸になってもよいが義務ではない)」のルールが適用されています。

ドイツ(公園・FKK文化)

ミュンヘン[9](イングリッシャーガルテンなど)やベルリン[10]をはじめとする都市部の公共公園内に、全裸での日光浴が公式に認められたエリアが設けられています。

ギリシャ(クレタ島)

クレタ島などの主要な観光リゾート地では、都市中心部の一般的なビーチを除く多くの海岸で、全裸での滞在や水泳が容認されています[11]

スペイン(バルセロナ)

バルセロナでは、都市中心部に位置するビーチのうち2カ所で全裸利用が認められている区画が存在します[12]

脚注

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  1. Definition of Textile.”. Oxford University Press. 2011年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月13日閲覧。 “... Adjective... ...2 informal used by nudists in reference to non-nudists.”
  2. Appropriate Behavior at Clothing-Optional Beaches”. The Naturist Society. 2007年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月18日閲覧。
  3. California nude beach guide”. Gocalifornia.about.com (2012年4月9日). 2012年8月1日閲覧。
  4. A King who fell in love in Dubrovnik”. The Dubrovnik Times. 2019年1月7日閲覧。
  5. Mize, Melanie. Nude Beaches – Don't be Shy: Take Everything Off!”. Travel Channel. 2011年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月23日閲覧。
  6. Naturism and free beaches in Denmark.”. 2005年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月23日閲覧。
  7. Nude Beaches in Scandinavia”. 2012年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月9日閲覧。
  8. Nude Beaches in Norway”. 2012年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月24日閲覧。
  9. FKK baden in und rund um München - das Nacktbaden Special”. ganz-muenchen.de. 2015年9月9日閲覧。
  10. Berlin”. Active naturists (2008年7月8日). 2016年8月8日閲覧。
  11. Crete”. Active naturists (2009年1月24日). 2013年3月14日閲覧。
  12. Barcelona”. Active naturists (2012年4月20日). 2013年3月14日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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