ニュース女子の沖縄リポート放送をめぐる騒動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ニュース女子の沖縄リポート放送をめぐる騒動(ニュースじょしのおきなわリポートほうそうをめぐるそうどう)では、有料CS放送DHCシアター[注 1]2017年1月6日に放送された[注 2]ニュース女子』第91回で、沖縄・高江のヘリパッド建設工事に対する反対運動を行っている団体を現地取材した内容をめぐる騒動について記述する。

放送内容[編集]

井上和彦が、市民団体「のりこえねっと」の「往復の飛行機代相当、5万円を支援します。あとは自力でがんばってください![1]」と記載されたチラシを示して本土から反対運動を行う特派員を募集するために交通費を支給していると報じたり、普天間基地周辺で見つけたという茶封筒に「2万」などと書かれていることを示し、反対派は何らかの組織に雇われており日当をもらっている可能性があると報じた[2]。また現地の状況を「機動隊が反対派に暴力を振るわれて(救護にかけつけた)救急車も反対派に止められるという事態がしばらく続いていた」「(反対派は)テロリストみたい」「韓国人はいるわ、中国人はいるわ…なんでこんな奴らがと沖縄の人は怒り心頭」「(沖縄の)大多数の人は、米軍基地に反対という声は聞かない」「ある意味沖縄県民は蚊帳の外」と報じ、反対派の過激さを示すものとしてスタッフが反対派に拘束されそうになったとするエピソードを紹介、高江から約40kmも離れた二見杉田トンネル前では「トラブルに巻き込まれる可能性がある」「ここから先は危険」とリポートした。また、「反対派が村道に車を並べて封鎖するので、救急車が時間通りに行けない、大幅に時間が遅れてしまう」という証言も報じられた[3]

「のりこえねっと」によるBPOへの提訴[編集]

1月5日、この報道に対してのりこえねっとは「在日であるからという理由でその活動を否定的に報道することはヘイトスピーチそのものであることを、東京メトロポリタンテレビジョンは深く認識すべきです」と抗議声明を出し[4]、27日の記者会見では、「まったく取材を受けていない」「歪曲」「徹頭徹尾、何ら事実に基づかず、事実確認のための最低限の取材も怠ったまま高江ヘリパッド建設反対運動参加者らを誹謗中傷するものであるため、総体として、放送倫理を著しく逸脱した」「汚いと思ったのは、沖縄を叩くために沖縄の人を使っている。これは植民者の手口です。私(のりこえねっとの辛淑玉共同代表)もウチナンチューも反日非国民としてともに名指しされたのです。許してはならない」と反発。交通費5万円支給については、一般市民からのカンパで集まったお金であるとし、「5万円集まると1人行かせ、また5万円集まると1人、といった具合にバラバラに行ってもらった。力が足りず、16人しか送れなかった」と述べている[5]。その後、辛は放送倫理・番組向上機構(BPO)へ提訴[6]。BPOは当事者同士で話し合うように、とした[7]。2017年2月10日、BPOの放送倫理検証委員会は当番組の放送分について、強い「勧告」や「見解」を出す「審理」入りは見送られ、見解を「意見」にまとめえるだけの「審議」入りとなった[8][9][10]。委員長の川端和治は、捏造であるとする議論はなかったとし、「きちんと裏取りが出来ていたかどうかが問題になる」と述べている[9][10][8]。東京メトロポリタンテレビジョン編集部は「審議入りを真摯に受けとめ、今後の審議にも誠意をもって協力する」とコメントした[11]

「のりこえねっと」への反論[編集]

番組制作局の見解[編集]

番組制作局であるDHCシアターは2017年1月20日付で、本報道の妥当性を主張する見解をWEB上に公開した[12]

2月22日、DHCシアターは番販ネット局である東京メトロポリタンテレビジョンによる考査が通らなかった「ニュース女子#97」の【地上波NG版】をYoutubeにて公開。主にNGだったのは、東京新聞に2月2日に掲載された長谷川幸洋論説副主幹についての「謎謝罪記事」に関する内容だったという[要出典]

さらに3月13日23時、東京メトロポリタンテレビジョンによる考査が通らなかった「ニュース女子#101」の【地上波NG版】をYoutubeにて公開。独自に検証番組を制作。東京メトロポリタンテレビジョンでの放送を求めていたが、東京メトロポリタンテレビジョン幹部は「BPO放送人権員会の結論が出る前に検証番組を放送してはさらなる混乱を招きかねない」として認めなかった[要出典]

東京メトロポリタンテレビジョンの見解[編集]

2月27日、東京メトロポリタンテレビジョンは批判を受け、同局が新たに取材したうえで数か月間かけて検証番組を制作し放送することを発表している[13][14]。公式サイトに「番組『ニュース女子』に関する当社見解」と題し、映像出典に疑義はなく、合理的根拠が明らかな取材に基づく番組であることを認め、「事実関係に捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず、放送法や放送基準に沿った制作内容だった」と掲載し、一部報道による「虚偽」「捏造」などの指摘は事実無根であるとしている[13]

沖縄市民団体らによる抗議[編集]

2月18日、沖縄市民団体「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」は緊急講演会を開き、同会代表運営委員の我那覇真子は「言論の自由を守らなければならない。沖縄の私たちにその任があることは誇りだ」と述べ、「彼ら(反基地活動家ら)は東京メトロポリタンテレビジョンに流された真実を沖縄ヘイトという嘘にすり替えようとしている。さらに悪質なのは、それを保守に対する言論弾圧に使おうとしていることだ。司会者の懲戒解雇を要求していることなどは、まさしく人権弾圧ではないか」と指摘している[15]

2月24日には都内で記者会見を開き、辛がBPOに番組内容の審議を申し立てたことに対して「辛淑玉氏らの行為は言論弾圧だ」と批判、また、「人権を悪用してMXテレビを弾圧し、人身攻撃をしている」、「東京メトロポリタンテレビジョンへの抗議は、言論弾圧、人身攻撃だ。沖縄を分断させる反日工作活動につながっている。なぜ北朝鮮による日本人の拉致事件や人権弾圧に声をあげずに、こうしたことばかりするのか」とも批判した[16]。同市民団体はのりこえねっとへ以下の反対派活動家による行為を承知しているかとの質問状を送り、公開討論の申し入れをしたが、回答期限を過ぎても連絡がなかったという[16]

  1. 反対派活動家が沖縄県東村高江地区で違法で私的な車両検問を行っている
  2. 同地区で多数の車両を縦横に放置し、地元住民の生活を脅かしている
  3. 日常的に反対派住民が職務中の防衛局、機動隊、建設作業員らに暴行したり、ヘイトスピーチを行っている
  4. 立ち入り禁止区域に不法侵入したこと
  5. 機動隊員が宿泊するホテルで、脅迫などを行っている

また、沖縄のメディアに対して「ニュース女子問題は沖縄タイムス琉球新報ともに連日大きく報じられている。(番組内容は)デマだと決めつけているが、(出演者でもある)私たちには一度も取材がないのはどういうことなのか」と述べている[16]。会見に同席したケント・ギルバートも同様に、「沖縄に行けばこうした事態はすぐに目につく。なぜメディアは報じないのか」と述べた[16]

会見では辛が講演で「爺さん、婆さんは嫌がらせをしてきて下さい」などと話す動画や[17]、反対派の沖縄平和運動センター議長の山城博治沖縄防衛局職員に暴行する「暴力動画」と米軍関係者車両を囲み「米軍、死ね」などと罵声を繰り返し浴びせる動画も公開された[16]。この動画に関し、朝日新聞の編集委員から「いつ、どこであったことなのか。どうやって入手した動画なのか。それが分からないと記事が書けない」との質問があり、ギルバートが「自分で見てくればいいじゃないか」と答える場面もみられたという[16]。会見には対レイシスト行動集団野間易通とフリージャーナリストの安田浩一も最前列で参加していたが、同会代表である我那覇真子は、野間、安田が了解を得ずに我那覇の自宅に訪れ、自宅と家族を写した映像を無許可で配信したとし、その行為を「本来、記者会見に参加すべきではないと考えるが、取材を許したのは我々の寛容を示したものです」と叱責、ギルバートに対する野間の質問を拒絶した[18]

野間のTwitter凍結騒動[編集]

我那覇が会見で「高江騒動のおり、常駐する約100名程度の反対活動家の内、約30名が在日朝鮮人と言われています」と発言したことについて、野間が「ヘイトスピーチで事実に基づいていない」などと批判し[19]、その後Twitterで我那覇を「あなたたちは単なる国賊でありこの国の汚物」「嘘つき」などと罵倒していたところTwitter社によってアカウントを凍結された[18]。これについて野間は、「(我那覇は)年上で、(我那覇より)国に貢献し、税金を納めている辛淑玉に対し、失礼でヘイトスピーチにあたる言い方をしている」ために「わざと傷つけるよう汚物と書いた」などと述べている[20]

野間が我那覇にTwitterで罵倒した行為について、ケント・ギルバートは「まさに、これこそがヘイトスピーチでしょう」と批判している[21]

出演者への取材[編集]

番組で証言した依田啓示は、「反対派が村道に車を並べて封鎖するので、救急車が時間通りに行けない」とインタビューしたことについて、産経新聞共々毎日放送から「かなり恣意的な取材」を受けたと主張している[3]。依田は、毎日新聞のインタビューについて「途中から目がキリッと変わって(笑)『救急車の件はデマじゃないですか』と聞いてきたんです。ああ、これだけが聞きたかったんだな。悪い言葉で言うと、嵌められたなと思いました。テレビ番組ではデマの発信者のように構成されていました。ショックでした。あまりにもひどい報道だと思いました。」と述べている[22]

検証番組[編集]

『ニュース女子』第101回として、新たに2度沖縄を訪れ再取材して作成した、DHCシアターによる検証番組「ニュース女子 特別編 マスコミが報道しない沖縄続編」が3月13日にYoutubeのDHCシアター公式アカウントにて配信され、同月17日に制作局で放送された[23]。なお、この回は地上波番販ネット局では臨時非ネットの扱いとなったが、BSデジタルでの番販ネット局FOXスポーツ&エンターテイメントでは同月31日に遅れネットされた。番組では、司会を務める東京新聞論説委員の長谷川幸洋が、何が問題だったのかを以下の6項目に分けて検証している[23]。同番組により、「自身の名誉を毀損された」とし、BPOに審議申立てをした辛に出演のオファーをしたが、海外にいたため出演ができなかった[23]

  1. 高齢者を「逮捕されても生活に影響がないシルバー部隊」と表現したこと
  2. 一部の基地反対派の活動を「テロリストみたい」と表現したこと
  3. 「なぜ韓国や朝鮮の人が反対運動しているの?」と疑問を投げかけることはヘイトスピーチなのか
  4. (出演した軍事ジャーナリストが)高江のはるか手前の「二見杉田トンネル」で危険だと引き返したこと
  5. 「反対派は日当をもらっている!?」と疑問を呈すること
  6. 「反対派は救急車の通行も妨害している」という証言の真実性

論争[編集]

"逮捕されても生活の影響のない65~75才を集めた集団"[編集]

辛はBPOへの「申立書」に「ニュース女子」が『「逮捕されても生活の影響のない65~75才を集めた集団」と高齢者を揶揄』したとし「名誉棄損」と主張している[24]

沖縄タイムスも「反対派の過激デモを支えるのが彼ら『シルバー部隊』。万一逮捕されても、生活に影響の少ない65歳以上のお年寄りを集め過激デモ活動に従事させているという。」というテロップに対し、「誰からの情報なのか明示する必要がある」など批判をしていた[25]

なお、同じく沖縄タイムス(2012年9月20日)誌上で、同じくのりこえねっと共同代表の高里鈴代は、沖縄へのオスプレイ配備が迫るなか、「基地・軍隊を許さない行動する女達の会」の活動のために「「逮捕されても生活に影響がない65歳から75歳」を募り、行動に打って出る準備を進める」抗議手法を用いると報じている[26]

"反対運動日当は誰が出している?"[編集]

辛は普天間基地周辺で見つけたという茶封筒に「2万」などと書かれていることを示し、反対派は何らかの組織に雇われており日当をもらっている可能性があると報じた際に流れた「反対運動日当は誰が出している?」というテロップについて、「名誉棄損」と主張している[24]

共同通信の現地取材では、反対派の一般人には日当が支払われている事実は確認出来なかったと報じられている[27]

「反対派は弁当付きで、日当が支払われている」という放送と関連がある報道としては、2013年11月に夕刊フジ大高未貴が、沖縄現地で得た証言として『那覇在住で定職を持たず、自由な生活をしているA氏は「基地反対集会や座り込み運動のバイトはいい金になる。日当2万円プラス弁当がつく日もある。掛け持ちで2つの集会に出なければならない時は、別の人間にいかせて1万円をピンハネするから、私の日当は3万円になるときもある」と明かした』と報じている[28]。またギルバートは、『沖縄タイムス』(2017年1月16日)による「市民団体では少数の固定メンバーが実費の一部を受け取っている」と報じた内容が存在すると述べている[29]

ギルバートは、プロ市民と呼ばれる反対運動員を「サクラ」として雇うためなどのかなりの資金が、中国から拠出されていると主張している[29]

公安関係者が、辺野古基地の抗議をしている急進的左派のうち沖縄県民以外の人間が1000人いるとし、その中に中国人工作員が潜り込み、「辺野古移設反対闘争」を『日米同盟分断』『安倍晋三政権潰し』の最大のチャンス」と捉えて行動していると述べていることが、夕刊フジで報じられている[30][29]

反響[編集]

ミヤギテレビ(日本テレビ系列)は、内容が一方的であると問題視して放送を見送っている[6][31]

沖縄タイムスは1月12日の社説で「民主主義の根幹を揺るがす危険な動き」と報じている[32]。琉球新報は同月13日に社説で「沖縄に対する許し難い誹謗中傷」と報じている[33]

朝日新聞は1月18日、放送法は「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を義務づけていると述べた上で、番組は「公平な立場で伝えるという大前提が守られていない」「最初から反対派敵視」の内容であったと識者の見解を紹介している[34]、また、1月28日の社説では「根拠のない誹謗中傷」であるとし、「対立をあおり、人々の間に分断をもたらす」報道は、「厳しく批判されなければならない」と批判している[35]

安田浩一と津田大介は1月19日までに、この放送に抗議するとして、コメンテーターを依頼されていた東京MXテレビ『モーニングCROSS』への出演を辞退しており、『モーニングCROSS』の報道姿勢には敬意を示しつつ『ニュース女子』の放送内容を「取材がずさんで、あまりにひどい」と批判し、安田は「ニュース女子はデマと悪意に満ちていた。何らかの検証をテレビ局自身がやらないといけない」、津田は「永遠に出演しないわけじゃないが、局による検証が必要だ」と述べた[36]

ケント・ギルバートは1月21日、のりこえねっとが「市民特派員」に本土から高江までの往復飛行機代相当5万円支給を告知したことを含めて報道内容は全て事実であると主張しており[37][38][39]、夕刊フジ「ニッポンの新常識」紙上で、高江や辺野古の地元住民には県外から来て過激な反対運動を行うのを迷惑と感じる人が存在し[39]、YouTube動画で辛が「運動に在日朝鮮人らが含まれていることを認めて」いることと高江に物資を運ぶヘリに対抗して「みんなで風船飛ばそう」「グライダー飛ばしたり」などと発言している、と述べている[39]。また、朝日新聞の1月28日の社説で「事実に基づかず、特定の人々への差別と偏見を生むような番組をテレビでたれ流す。あってはならないことが起きた。」などと報道したことについて、当の朝日新聞が「慰安婦」を英語版新聞で「日本兵にセックスを強制された女性」と記すなど、慰安婦報道の「大誤報」を反省しておらず、「事実に基づかず、日本人への差別と偏見を生むような英語記事」を、現在進行形で海外にたれ流しているのではないか」、「朝日こそが「あってはならない新聞」として、厳しく批判されなければならないと思う。」と批判している[39]。津田が沖縄現地の基地反対デモ参加者はほとんど沖縄県民であると述べていることについては、(岩上安身が設立したメディア「IWJ」が2016年8月7日に高江を現地取材した際、津田は「「県外からきてくれた人、手を挙げてください」という山城氏の呼びかけに応えて挙手する参加者の方々。18時からの集会が本番。まだまだ増える見込み。」とツイートしており、その添付写真から約30人のうち半数程度の人が挙手しているように見えると反論している[38]。さらに同日には、福島みずほ山本太郎も現地にかけつけていたとしている[38]。また、のりこえねっとの沖縄派遣の資金源は中国であると指摘しており、「左寄りのメディアによる、森友学園アパホテル、DHCシアターなどへの批判的な報道は一連のものだと言っていい」もので「まとめて潰したい、という思惑」に基づく偏向報道であると述べ、「事実を知るほどにバッシングを行っている側がおかしいことが分かってくるはず。ですから、私たちも頑張って事実を広めていかねば」と主張している[37]

神奈川新聞は1月26日、当番組報道をデマ偏見に基づいた「沖縄や在日コリアンに対する差別を助長する内容になって」いると報じ、「(番組の内容は)完全な嘘。反対派が暴力を振るっているとのデマも流されたが、実際は機動隊により反対派が暴力を受けている。」とのりこえねっとの「市民特派員」に応じ反対運動に参加した都民の声を紹介している[4]。また、番組制作会社のDHCシアターおよび親会社DHCの会長は同社ホームページ上で「在日コリアンに対する差別意識をむき出し」にし、「会長メッセージ」として(在日に対する)排斥を煽る「妄言を書き連ね」ているとし、(DHCはMXテレビの最大のスポンサーであり)差別は意図してなされたと報じている[4]

東京新聞は2月2日、論説主幹深田実名義で「事実に基づかない論評が含まれている」と評した上で「他メディアで起きたことではあっても責任と反省を深く感じています。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します」と謝罪した[40][41]。これに対し、名指しされた長谷川幸洋は「ニュース女子と東京新聞は全く関係ない。なぜ深く反省するのか」「番組で取り上げた議論と東京新聞の報道姿勢は違うし、私自身も(同紙の主張と)違う。でも(主張の)違いを理由に私を処分するのは言論の自由に対する侵害」「意見が違うことで排除したら北朝鮮と一緒」と反論している[42]

服部孝章立教大名誉教授(メディア法)は、この東京新聞の謝罪について「議論の分かれるテーマについて、取材を尽くさずに一方の主張だけを取り上げるような番組内容には問題があり、長谷川氏も非難を免れない。一方、東京新聞は『事実に基づかない論評が含まれる』と番組を批判するならば、どこが事実に反するのかを明らかにすべきだった。中途半端な謝罪で、かえって読者の信頼を損ねたのではないか」と述べ[43]、「何がいけなかったのか書くべきなのに、本人の釈明もない。謝っただけでは検証になっていない」、「司会として事実をゆがめた内容に異を唱えなかった点は批判すべきだが、社論と違う点を問題にすべきではない」と指摘している[44][45]。また岡田憲治専修大教授(政治学)は、「長谷川さんが申し訳なかったと自己批判しているか、そうでないかで記事の『対処』の意味合いが変わる。本人が仮に悪くないと考えているなら、堂々と紙面で議論したらよい。東京新聞も長谷川さんも筋を通すべきだ」と述べている[44][45]
産経新聞論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比は、東京新聞が2日に掲載した記事について、「東京新聞が具体的に何を問題視しているのかよく分からない」と指摘し、長谷川が、「報道姿勢や社論と異なる他の媒体に出演していたことを今さら重く受け止めるのであれば、今まではなぜ、副主幹の肩書で番組に出ることを容認してきたのだろうか」と述べ、東京新聞の「閉じた言論空間に戦慄を覚えた」と主張している[45]
番組にも出演している武田邦彦は、東京新聞の論説主幹による謝罪は、東京新聞の所属者が司会をやっているにすぎない番組にて他の人が発言したことについて東京新聞が反省するとした誰がみても変な論理であると述べている[46]。また番組に対する批判については、番組はありのまま事実を伝えるメディアであるとした上で、既存のメディアで今まである意味では虚偽を述べてきたところから予想通りの攻撃が行われているとしている[46]
魚住昭は、この放送の問題は沖縄米軍基地に反対する人達へのヘイトであり、論説主幹が反省を紙面で表明したのは良いが、番組のどこが問題だったのか、東京新聞はどう考えているのか、もっときちんと読者に示すべきと述べ、一番の問題は事実に基づかない放送をやっておいてその番組に関わった人が誰も反省していないこととし、東京新聞の論説主幹反省表明や番組内容を批判したり長谷川副主幹の関与を疑問視する識者の記事も掲載された対応は評価しているがまだ足りず、メディア間での検証はとても大事であり、メディアに対する信頼性の問題であると述べており、また、ニュース女子問題も森友学園問題もヘイトスピーチもトランプ大統領の誕生も根っこが共通しており、差別排外主義や歴史修正主義といった同じ根っこの問題が表出していると述べている[47]
山口二郎香山リカ西谷修らは2月9日、「沖縄への偏見をあおる放送を許さない市民有志」として長谷川の謝罪および謝罪しない場合の論説副主幹からの解任を求める申し入れ書を東京新聞に提出した[48]

水島宏明は、取材は公平な立場からなされる必要があるが、本報道は「外国人が基地反対派を雇っている」など陰謀論に支配されており問題が多いとした上で、確認されていない伝聞情報は報道しないというルールを順守すべきと述べている[49]

八幡和郎は、多くのマスメディアが報道していない角度から基地反対運動の実情を捉えたという面はあるとした上で、当事者に取材を行うのは当然で、(そうした当事者取材を欠いた点など)事実関係確認に甘い点があったことから問題となったのではないかとしている[49]

放送法遵守を求める視聴者の会は、沖縄基地反対デモ問題に関し、これまで在京キー6局が反対側の論調のみによる一方的な報道を行っており、反対派の不法行為や地元住民とのトラブル等の反対派の問題点、賛成派の見解などがほとんど紹介されない「沖縄報道の全体主義」とも言える中、当番組の報道は一石を投じたと評価した上で、交通費5万円の資金源についてのりこえねっとが「カンパによる」と明記していることに触れず、番組中で「わからない」と疑惑を強調する議論を展開したことについて、放送法第4条1項3号「報道は事実を曲げないですること」に違反している恐れがあると指摘。また、のりこえねっとや反対派に取材せずに、ナレーションやテロップで一方的に批判し揶揄したことについて「この番組の編集は拙速であったと言わざるをえません」と批判した。それを踏まえて、番組制作者に対して「真摯な自己検証を行って、誤りは正し、反省すべきは大いに反省した上で、「沖縄報道の全体主義」に対抗する果敢な試みが潰えることがないよう、今後は確かな根拠に立脚し、放送法が求める公平性に配慮した厳正な番組作りを確立されるよう、強く希望いたします」と述べている[50]。また、同時にTBSサンデーモーニング」やNHKニュースウオッチ9」といった(米軍基地)反対派の意見のみを取り上げて一方的な報道を行っている実例を挙げた上で(報道における)「多角性」に寄与する当番組だけを放送法第4条に基づいて指弾するのは適切ではないとし、朝日新聞の1月28日の社説にて放送法第4条を持ちだして当番組を批判したことに関しては、前々年、安全保障制度に関連した報道で9割が反対意見の報道であったことについて同会が問題提起した際、放送事業者に検証や説明を求めることなく「放送法を一方的に解釈して組織的に働きかけようとしている」と問題提起を排除する社説を掲載した事例をあげて、ダブルスタンダードであると批判している[50]

杉田水脈は、しんぶん赤旗が1月20日にニュース女子の批判記事を掲載したことについて、「赤旗は『極左論客ばかりを起用』し、その論客がニュース女子で報道した真実に『「デマ」というレッテル貼りをし、デモなどで圧力をかける。いつもの左翼活動家の手法』である」と述べている[2]。また、「アパホテルやニュース女子に対する攻撃をやってる人たち」も、森友学園に絡む問題の背後に存在する在日団体や部落解放同盟も、「アイヌ民族、同和部落、在日韓国人・朝鮮人、琉球民族」の「マイノリティ差別を利用した被害者ビジネスを国内で実施している人たち」も、沖縄の反基地闘争をやってる人も、「慰安婦問題などの反日プロパガンダを世界で広げる人たち」も、やってる人は同じですべてつながっていると述べている[51]

2月20日の衆院予算委員会で、民進党本村賢太郎衆院議員は「政権に厳しい放送に対しては厳しい姿勢で臨み、政府と同じ方向である(ニュース女子のような)番組は守るようなイメージを与えかねない」「番組は(編集の際の政治的公平などを求めた)放送法4条に抵触するか」と質問、これに対し高市早苗総務相は「東京メトロポリタンテレビジョンからは、総務省に対して、『取材や放送での取り扱いに問題がなかったか社内で検証中である』ということで、自発的に報告をいただいた。総務省としては、個別の番組にかかわる問題については、まずは放送事業者における自主的、自律的な取り組みによって適切な対応が行われることが重要だと考えている。なお、当該番組については、2月10日にBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会が審議入りを決定していると聞いていたので、こういった自主的な取り組みについても見守っていただき、改めてMXテレビからご報告をいただけるものと思っている」「その取り組みによって、必要があれば、総務省のほうからも助言をしたりさらなる取り組みを求めるということは想定できるかと思う」「今回の場合は、事実に基づかなかったかどうかということも含めて、現在検証中であると承知しているので、その結果を待ちたいと思っている」と答えている[52]

ジャーナリストの木村太郎は、この放送を批判し、「番組を制作会社に任せ、考査して放送した放送局の責任が最も大きい。放送の公正さを求めた放送法の下で許されるのか。同じマスコミとして追求していい。メディアの問題だけでなく、いろいろな意味で民主主義を考える事例になるのではないか」とし、また、ニュースのバラエティー化が加速しているのがニュース女子であるとして「テレビがジャーナリズムから遠ざかっている気がする」と述べている[47]

吉田俊実東京工科大学教授(文化研究・英文学)は、この放送について事実が軽視されているというよりも自らに都合のいいことをどんどん主張してくるという現象であるとし、「オルタナティブ・ファクトポスト真実と言われる現象の1つ」と述べている[47]


DHC製品への影響[編集]

ケント・ギルバートは、騒動により、インターネットで不買運動の呼びかけたが見られたが、逆に、「DHC爆買い運動」を宣言する人物もいたとしている[37]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2017年3月31日に放送事業者としての放送を終了した。現:DHCテレビジョン(非放送事業者)。
  2. ^ 東京メトロポリタンテレビジョン〈独立局〉では同月2日にTOKYO MX1〈091ch〉で先行放送。

出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 緊急イベント「ないちゃー大作戦!全員集合!!」 のりこえねっと(PDF)
  2. ^ a b しんぶん赤旗 「ニュース女子」沖縄報道をどう伝えたか 杉田水脈氏 産経新聞 2017年2月5日
  3. ^ a b 村道で検問した基地移設反対派とトラブル→警察、検察から取り調べを受けた依田啓示さん 「福島瑞穂衆院議員の公設秘書にはツイッターで『そこで食べるな…』と」「逆境を支えた妻には感謝しています」 産経新聞 2017年6月18日
  4. ^ a b c <時代の正体> 沖縄ヘイトの「ニュース女子」に批判 東京MXテレビ前で抗議集会 神奈川新聞 2017年1月27日
  5. ^ 「ニュース女子」沖縄報道でBPOに人権侵害申し立て 「放送局の体をなしていない」と辛淑玉さん ハフィントンポスト 2017年1月27日
  6. ^ a b 「沖縄ヘイト」批判、MX幹部「チェック甘かった」 朝日新聞 2017年1月27日
  7. ^ 東京MXに協議要請 のりこえねっと、ニュース女子問題で 沖縄タイムス 2017年2月7日
  8. ^ a b 「ニュース女子」BPO審議へ 基地反対運動めぐる放送 朝日新聞 2017年2月10日
  9. ^ a b 「ニュース女子」沖縄報道批判に徹底反論 ネット放送1時間、沖縄メディアへの疑問 J-castニュース 2017年3月14日
  10. ^ a b 「ニュース女子」BPOが審議入りへ MXテレビ「裏付け適切でなかった」と報告 ハフィントンポスト 2017年2月10日
  11. ^ <BPO> MX「ニュース女子」を審議入り決定 毎日新聞 2017年2月10日
  12. ^ 「ニュース女子」#91についての見解 DHCシアター
  13. ^ a b 東京MXテレビ、「ニュース女子」検証番組放送へ 「虚偽・捏造認められず」との見解も発表 産経新聞 2017年2月27日
  14. ^ 「ニュース女子」虚偽ない=東京MXテレビが見解 時事通信 2017年2月27日
  15. ^ 「『ニュース女子』への言論弾圧許すな」 沖縄で緊急講演会「沖縄ヘイトにすり替え」 産経新聞 2017年2月18日20時45分
  16. ^ a b c d e f 「辛淑玉氏の抗議行動は言論弾圧」「ニュース女子」出演の沖縄県民らが会見 基地反対派の「暴力動画」に息をのむ会場 産経新聞 2017年2月24日
  17. ^ 「辛淑玉氏の抗議行動は言論弾圧」「ニュース女子」出演の沖縄県民らが会見 基地反対派の「暴力動画」に息をのむ会場 産経新聞 2017年2月24日
  18. ^ a b 野間易通氏のツイッターが凍結 我那覇真子さんを「汚物」「国賊」と罵倒したのが原因か? 産経新聞 2017年3月5日11時4分
  19. ^ 「ニュース女子」問題で評論家・篠原章氏が対ヘイトの野間易通氏らと大激論 野間氏「ヘイトスピーチで失礼」 篠原氏「沖縄の言論空間は歪んでいる」(2/2ページ) 産経新聞 2017年3月8日
  20. ^ 「ニュース女子」問題で評論家・篠原章氏が対ヘイトの野間易通氏らと大激論 野間氏「ヘイトスピーチで失礼」 篠原氏「沖縄の言論空間は歪んでいる」(1/2ページ) 産経新聞 2017年3月8日
  21. ^ 米軍基地が沖縄に多く置かれていることが差別なのか「沖縄ヘイト」という言葉に隠されたもの(3/6ページ) ケント・ギルバート 正論5月号 産経デジタル 2017年4月22日
  22. ^ 村道で検問した基地移設反対派とトラブル→警察、検察から取り調べを受けた依田啓示さん 「福島瑞穂衆院議員の公設秘書にはツイッターで『そこで食べるな…』と」「逆境を支えた妻には感謝しています」 産経新聞 2017年6月18日
  23. ^ a b c 検証番組公開「なぜ韓国や朝鮮の人が反対運動しているの?」の疑問はヘイトスピーチか 産経新聞 2017年3月13日
  24. ^ a b 辛淑玉による申立書 ページはアーカイブ。
  25. ^ 社説[「沖縄ヘイト」番組]真偽不明 悪意むき出し 沖縄タイムス 2017年1月28日
  26. ^ 「県民への挑戦状」 平和団体、抗議方法検討 沖縄タイムス 2012年9月20日
  27. ^ 【リポート】辺野古から「抗議活動に日当」は本当か 共同通信 2016年8月31日
  28. ^ “反対運動の日当は「2万円」だった…なぜ高額な報酬がもらえるのか?”. iza. (2017年1月17日). http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/170117/plt17011713340011-n1.html 
  29. ^ a b c ケント・ギルバート 2015, p. 113.
  30. ^ 【スクープ最前線】菅官房長官×翁長知事会談の衝撃舞台裏 急進的左派や中国工作員“暗躍”か(3/3ページ) 夕刊フジ 2015年4月7日
  31. ^ 「内容一方的」と判断…ニュース女子放送せず ミヤギテレビ 沖縄タイムス 2017年1月28日
  32. ^ 社説[「沖縄ヘイト」番組]真偽不明 悪意むき出し 沖縄タイムス 2017年1月12日
  33. ^ <社説>ヘイト番組放送 沖縄への偏見拡大恐れる 琉球新報 2017年1月13日
  34. ^ (Media Times)「虚偽・ヘイト放送」沖縄で反発 MXテレビ「ニュース女子」 朝日新聞 2017年1月18日05時00分
  35. ^ 放送の責任わきまえよ 朝日新聞 2017年2月18日
  36. ^ 東京MX 安田、津田氏が出演を辞退 沖縄ヘイト放送受け 琉球新報 2017年1月20日
  37. ^ a b c 米軍基地が沖縄に多く置かれていることが差別なのか「沖縄ヘイト」という言葉に隠されたもの ケント・ギルバート 正論5月号 産経デジタル 2017年4月22日
  38. ^ a b c ケント・ギルバート (2017年1月21日). “沖縄の反米軍基地活動家と「ニュース女子」騒動 食い違う沖縄の現状”. zakzak. http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170121/dms1701211000004-n1.htm 
  39. ^ a b c d ケント・ギルバート (2017年2月4日). “「ニュース女子」騒動と朝日社説 慰安婦の「大誤報」反省せず、現在進行形で海外にたれ流し”. zakzak. http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170204/dms1702041000002-n1.htm 
  40. ^ 「ニュース女子」問題 深く反省 沖縄報道 本紙の姿勢は変わらず 東京新聞 2017年2月2日
  41. ^ 東京新聞「『ニュース女子』問題 深く反省」と朝刊1面で掲載 論説副主幹司会の東京MXテレビ番組 産経新聞 2017年2月2日
  42. ^ 「ニュース女子と東京新聞は関係ない」 副主幹が反論 朝日新聞 2017年2月6日
  43. ^ 東京新聞「深く反省」記事…論説幹部司会の番組 読売新聞 2017年2月3日
  44. ^ a b MX番組問題 東京新聞謝罪に「本人の釈明もない」の声 毎日新聞 2017年2月2日
  45. ^ a b c 「ニュース女子」問題 東京新聞の閉じた言論空間に戦慄を覚えた! 産経新聞 2017年2月9日
  46. ^ a b ニュース女子の問題を考える:リベラルの攻撃性 武田邦彦 (中部大学)
  47. ^ a b c 東京新聞 2017年4月6日朝刊
  48. ^ 「論説副主幹 解任を」 沖縄ヘイト番組 市民、東京新聞へ要求 琉球新報 2017年2月10日
  49. ^ a b 放送局側は番組の妥当性強調 MX「議論の一環」、DHCシアター「言論活動」 産経新聞 2017年2月2日
  50. ^ a b ニュース女子の沖縄報道をめぐる問題について 放送法遵守を求める視聴者の会 2017年2月3日
  51. ^ 森友学園に絡む左翼勢力は、反基地闘争や反日プロパガンダと1本の線でつながるのです 産経新聞 2017年4月2日
  52. ^ ニュース女子問題で民進党議員と高市早苗総務相がバトル 「政権寄りの番組を守るのか」vs「自民党に有利な報道にも行政指導がなされている」 産経新聞 2017年2月20日12時49分

参考文献[編集]

外部リンク[編集]