ニコラス・ベアトリゼ

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ミケランジェロの作品に基づくニコラス・ベアトリゼのエングレービング『ガニュメデス』。1550年頃。

ニコラス・ベアトリゼ(Nicolas Béatrizet, 1520年以前-1560年以降)は、16世紀フランス版画家エングレービング作家である。主にローマで活動した。ニコラ・ベアトリゼとも表記される。

生涯[編集]

ベアトリゼは1520年以前にリュネヴィルで生まれた。ベアトリゼの様式からジョルジョ・ギージアゴスティーノ・ヴェネツィアーノの弟子であったと推測されている。1540年から1560年までミケランジェロ・ブオナローティの指導の下でエングレービングを制作し、1560年以降ローマで死去した[1]

18世紀の英国の版画家ジョゼフ・ストラット英語版は、ベアトリゼの作品の重要性は、それらのいくつかが偉大な芸術家たちの作品本来の品質ではなく、そのユニークな記録であるという事実にあると信じていた。ストラットは「私にはそれらは素晴らしいエングレービングに必要な条件、すなわち、描画、キャラクター、効果、および機械的制作を欠いているように思われる」と書いている[2]。ベアトリゼは通常「N. B. L. F.」と署名しており、かなりの数の作品が現存している[1]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Bryan 1886
  2. ^ Joseph Strutt, 1786.

参考文献[編集]

  • Michael Bury and Katherine Lockett, 'Béatrizet's Last Judgement, after Michelangelo, in the Courtauld Gallery', Print Quarterly, XXVIII, 2011, 266-71
  • Strutt, Joseph (1786). “Niccolo Beatrici”. A Biographical Dictionary Containing All the Engravers, From the Earliest Period of the Art of Engraving to the Present Day. 1. London: Robert Faulder. pp. 72–3