ニガクリタケ
| ニガクリタケ | |||||||||||||||||||||||||||
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| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Hypholoma fasciculare (Hudson: Fr.) Kummer |
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| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||
| ニガクリタケ |
ニガクリタケ(苦栗茸、Hypholoma fasciculare(Hudson:Fr.)Kummer)はハラタケ目モエギタケ科モエギタケ亜科クリタケ属のキノコ。有毒。毒性は強く多くの死亡例がある[1] 。ニガコ(東北)、スズメタケ(青森)などの地方名がある。
特徴[編集]
ほぼ一年中見ることが出来る。針葉樹および広葉樹の木材や切り株などに発生する傘の直径が2~5cm程度小型のキノコ。傘は鮮黄色から淡褐色。幼菌時の皮膜の名残が傘の縁や柄にあるが、消失しやすい。名前の通り生のものは味が苦く、飲み込まずに味見をすることで区別できる。加熱すると苦みは消えるが、毒性はそのままである。
発生場所や、苦味の強弱などに差異が多く見られることから、形態がよく似た複数の類似種の存在が指摘されていたが、2014年になって日本産のニガクリタケにはHypholoma fasciculareの他に日本未報告種のH. subviride が含まれていることが判明した[2]。同種はアメリカ合衆国、コスタリカ、ベリーズに分布する。
分布[編集]
有毒種[編集]
毒成分としてはトリテルペンでステロイド骨格を持つファシクロール(ファシキュロール、fasciculol)E、F [3][4] が分離されており、カルモジュリン阻害作用を持つ。ファシクロール類は苦味の元でもある。しかし、ファシクロール類だけでは多彩な中毒症状を説明できず、致死性の毒成分は現在のところ未解明(鳥取大学により培養・成分抽出などの研究が続けられている[5])。1983年に千葉大学の藤本らの研究によりマウスに対する毒性が確認される。
中毒症状[編集]
食後3時間程度で症状が現れる。消化器系の症状が中心で強い腹痛、激しい嘔吐、下痢、悪寒など。重症の場合は、脱水症状、アシドーシス、痙攣、ショック、手足の麻痺などを経て神経麻痺、肝障害などを引き起こし、最悪の場合死に至る。しかし、一部には毒抜きをして食べる習慣のある地域もある。[1]
中毒例[編集]
青森県の一家の中毒例。佃煮にして6名で食したところ、子供3人(5、7、10歳)が2日後に死亡、13歳長女は4日後に死亡。ともに6-8時間後に舌の痺れ、激しい嘔吐、その後意識不明、腹部から首にかけての紫斑などが現れ、急死。38歳の母親は一時意識不明になるが4日後に回復。46歳の父親も同様の症状を発症するが20時間で回復。両親が子供たちのために、自分たちは少しだけ食べて残りを食べさせたことが子供だけ死亡した原因とみられ、今関六也は「涙ぐましい親心があだとなってしまった」と評している[6]。
類似の食用種[編集]
食用であるクリタケと外見が良く似ている。ほかにナラタケ、ナラタケモドキと誤認される。
その他[編集]
参考画像[編集]
出典[編集]
脚注[編集]
- ^ a b 胃腸障害を引き起こすきのこ-財団法人 日本中毒情報センター
- ^ 西田麻理奈他、日本産 Hypholoma fasciculare (ニガクリタケ) の分類学的再評価、日本菌学会第57回大会
- ^ 中毒の原因となる毒キノコ ニガクリタケ(猛毒)モエギタケ科 東京都福祉保健局
- ^ Grünblättriger Schwefelkopf (Hypholoma fasciculare)
- ^ 毒きのこの子実体生産と化合物ライブラリの商品化、鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター、2011年
- ^ 今関六也、1974.カラー日本のキノコ(山溪カラーガイド64).山と溪谷社、東京. ISBN 9-784-63502-664-2
- ^ Substrate role in the accumulation of heavy metals in sporocarps of wild fungi.Biometals. 2009 Oct;22(5):835-41. Epub 2009 Mar 31