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ナーゲル点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三角形(黒)とナーゲル点(N で示された青い点)橙色の円は傍接円
ナーゲル点 N を通るフールマン円垂心 H と当該円の直径を構成する。

幾何学におけるナーゲル点(ナーゲルてん、Nagel Point)は、任意の三角形に対し一意的に決定される点の名称である。

三角形 ABC において、BC と傍接円の接点を TA とする。同様に TB, TC を定義したとき、ATA, BTB, CTC の3直線が交わる点がナーゲル点である。名称は1836年にこの点について言及したドイツのクリスティアン・ハインリヒ・フォン・ナーゲルに由来している。

A と TA は三角形の周を等分する。このことからナーゲル点は "bisected perimeter point" とも呼ばれる。同じ理由から ATA などを中界線英語版と呼ぶ。

他の点との関係

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ナーゲル点は重心内心と同一直線上にある。この線をナーゲル線と呼ぶ。三角形の内心は中点三角形のナーゲル点となる。

ジェルゴンヌ点等長共役の関係にある。

座標

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1913年ゲラトゥリはナーゲル点の三線座標が以下の式で表されることを示した。

三辺の長さを a = |BC|, b = |CA|, c = |AB| とすると、以下の式で表すことができる。

重心座標では以下の式となる。

関連項目

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参考文献

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  • Anonymous; Hoover, William; Anthony, O. W (1896). Problem 73. “Geometry: 69-72”. American Mathematical Monthly 3 (12): 329. doi:10.2307/2970994. JSTOR 2970994. 
  • Baptist, Peter (1987). “Historische Anmerkungen zu Gergonne- und Nagel-Punkt”. Sudhoffs Archiv für Geschichte der Medizin und der Naturwissenschaften 71 (2): 230–233. MR0936136. 
  • Gallatly, William (1913). The Modern Geometry of the Triangle (2nd ed.). London: Hodgson. pp. page 20 

外部リンク

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