ナイジェル・ラム

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ナイジェル・ラム
Nigel Lamb
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2007年7月28日、ロンドンで開催されたレッドブル・エアレースにて
生誕 (1956-08-17) 1956年8月17日(67歳)
ローデシアの旗 ローデシア(現ジンバブエ
国籍 イギリスの旗 イギリス
レース経歴
初出場 2005年
最高順位 1位(2014年)
機体 MXS-R
公式サイト
nigellamb.com
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ナイジェル・ラムNigel Lamb1956年8月17日 - )は、イギリスパイロット2005年からレッドブル・エアレース・ワールドシリーズに参戦しており、2014年のシーズンではワールドチャンピオンを獲得した。

経歴[編集]

1956年8月17日ローデシア(現在のジンバブエ)に生まれる。イギリス空軍のパイロットで、第二次世界大戦で戦った経験を持つ父の影響を受け、11歳の時にローデシア空軍入隊を志願するも、18歳になるまで認められなかった。1975年、ウムターリ男子高等学校を卒業し、入隊。翌1976年ジェット機ヘリコプターを入手。

1980年、ローデシア空軍を除隊し、イングランドのマールボロ曲技飛行チームに加入。今では、プロの展示飛行パイロットとして30年のキャリアを持ち、世界30か国以上で1750回以上の飛行経験を誇り、1996年には中国で民間機として初めて曲技飛行を披露した。イギリス国内の曲技飛行選手権で1986年から1993年まで8年連続でチャンピオンになった唯一のパイロットである[1]2005年からレッドブル・エアレース・ワールドシリーズブライトリングのチームとして参戦し、2014年には当時すでに60歳近い高齢ながらチャンピオンのタイトルを獲得した。

スピットファイアP-51 マスタングP-40 キティホークなど、数々の古い機体に乗って映画出演をしたこともある[1]

妻のヒラリーも曲技飛行パイロットであり、2人の間には、マックス、ダニエル、ベンの3人の息子がいる。私生活では、スキースキューバ・ダイビングスカッシュなどを楽しむ。

戦績[編集]

  • 1986年 -1993年:イギリス・アンリミティッド・エアロバティック・チャンピオン(8年連続)
  • 1989年:
    • 南アフリカ・マスターズ・オブ・エアロバティック 銀メダル
    • (イギリスチームの一員として)FAI曲技飛行世界選手権英語版(WAC)チャンピオン(3度)、ヨーロッパ選手権チャンピオン(2度)
    • イギリス・フリースタイル・チャンピオン(4度)

レッドブル・エアレース戦績[編集]

金色 銀色 銅色 ポイント圏内完走 ポイント圏外完走
1位 2位 3位 4-8位( - 2015年[注 1]
4-9位(2016年 - )
9位以下( - 2015年[注 1]
10位以下(2016年 - )

2005年 - 2010年[編集]

開催年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ポイント 勝利数 最終順位
2005 アラブ首長国連邦の旗
不参加
オランダの旗
不参加
オーストリアの旗
不参加
アイルランドの旗
不参加
イギリスの旗
9位
0
ハンガリーの旗
8位
0
アメリカ合衆国の旗
7位
0
0 0 8位
2006 アラブ首長国連邦の旗
9位
0
スペインの旗
6位
1
ドイツの旗
8位
0
ロシアの旗
中止
トルコの旗
6位
1
ハンガリーの旗
失格
イギリスの旗
6位
1
アメリカ合衆国の旗
8位
0
オーストラリアの旗
8位
0
3 0 9位
2007 アラブ首長国連邦の旗
11位
0
ブラジルの旗
7位
0
アメリカ合衆国の旗
8位
0
トルコの旗
8位
0
スペインの旗
中止
スイスの旗
10位
0
イギリスの旗
7位
0
ハンガリーの旗
6位
1
ポルトガルの旗
7位
0
アメリカ合衆国の旗
3位
4
メキシコの旗
中止
オーストラリアの旗
8位
0
5 0 9位
2008 アラブ首長国連邦の旗
8位
2
アメリカ合衆国の旗
6位
4
アメリカ合衆国の旗
12位
0
スウェーデンの旗
中止
オランダの旗
8位
2
イギリスの旗
5位
5
ハンガリーの旗
6位
4
ポルトガルの旗
5位
5
スペインの旗
中止
オーストラリアの旗
2位
8
30 0 7位
2009 アラブ首長国連邦の旗
4位
8
アメリカ合衆国の旗
6位
6
カナダの旗
8位
4
ハンガリーの旗
9位
3
ポルトガルの旗
11位
1
スペインの旗
2位
10
32 0 6位
2010 アラブ首長国連邦の旗
2位
10
オーストラリアの旗
4位
8
ブラジルの旗
2位
10
カナダの旗
4位
8+1
アメリカ合衆国の旗
2位
10
ドイツの旗
4位
8
ハンガリーの旗
中止
ポルトガルの旗
中止
55 0 3位
2011年から2013年はレース休止

2014年 - 2016年[編集]

開催年 1 2 3 4 5 6 7 8 ポイント 勝利数 最終
順位
2014 アラブ首長国連邦の旗
5位
4
クロアチアの旗
8位 (DNS)
1
マレーシアの旗
1位
12
ポーランドの旗
2位
9
イギリスの旗
2位
9
アメリカ合衆国の旗
2位
9
アメリカ合衆国の旗
2位
9
オーストリアの旗
2位
9
62 1 1位
2015 アラブ首長国連邦の旗
5位[2]
4
日本の旗
5位[3]
4
クロアチアの旗
5位[4]
4
ハンガリーの旗
8位[5](DNF)
1
イギリスの旗
5位[6]
4
オーストリアの旗
13位[7]
0
アメリカ合衆国の旗
6位[8]
3
アメリカ合衆国の旗
10位[9]
0
20 0 7位
2016 アラブ首長国連邦の旗
11位[10]
0
オーストリアの旗
3位[11]
9
日本の旗
4位[12]
7
ハンガリーの旗
6位[13]
3.75
イギリスの旗
6位[14]
5
ドイツの旗
10位[15]
1
アメリカ合衆国の旗
2位[16]
12
アメリカ合衆国の旗
中止[17]
37.75 0 4位

出演映画[編集]

MXS-Rを操縦するナイジェル・ラム(2008年)

出典・脚注[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 2009年・2010年は11位までポイント圏内。

出典[編集]

  1. ^ a b ナイジェル・ラム:10のトリビア”. Red Bull Air Race (2016年8月11日). 2017年1月15日閲覧。
  2. ^ 浅田真樹 (2015年2月15日). “エアレース・開幕戦で室屋義秀6位。次戦の日本で飛躍の予感!”. Web Sportiva. 集英社. 2015年8月18日閲覧。
  3. ^ 6万人の大観衆を前にボノムが優勝”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年10月10日閲覧。
  4. ^ 第3戦ロヴィニ:決勝レース終了後パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2015年5月30日). 2015年9月9日閲覧。
  5. ^ 浅田真樹 (2015年7月8日). “【エアレース】室屋義秀が強くなったからこそ味わう「勝つことの難しさ」”. Web Sportiva. 集英社. 2015年8月18日閲覧。
  6. ^ 浅田真樹 (2015年8月19日). “【エアレース】今季初の表彰台獲得。室屋義秀が「さらに上を狙える」根拠”. Web Sportiva. 集英社. 2015年9月6日閲覧。
  7. ^ 第6戦シュピールベルク:決勝レース後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年9月6日). 2015年9月15日閲覧。
  8. ^ Bonhomme takes decisive win in Fort Worth”. Red Bull Air Race (2015年9月27日). 2015年9月29日閲覧。
  9. ^ 第8戦ラスベガス:決勝レース後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月20日閲覧。
  10. ^ アブダビ決勝: パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2016年3月12日). 2016年3月14日閲覧。
  11. ^ シュピールベルク決勝:パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2016年4月24日). 2016年4月25日閲覧。
  12. ^ Muroya celebrates stunning home victory”. Red Bull Air Race (2016年6月5日). 2016年6月6日閲覧。
  13. ^ Dolderer unstoppable in Budapest”. Red Bull Air Race (2016年7月17日). 2016年7月18日閲覧。
  14. ^ アスコット:決勝レース・リアクション”. Red Bull Air Race (2016年8月14日). 2016年8月15日閲覧。
  15. ^ Lausitz 2016: Master Class Race Day reactions”. Red Bull Air Race (2016年9月4日). 2016年9月5日閲覧。
  16. ^ インディアナポリス:決勝レース・リアクション”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2016年10月3日閲覧。
  17. ^ NEWS UPDATE: Las Vegas race cancelled due to desert wind”. Red Bull Air Race (2016年10月17日). 2016年10月17日閲覧。

外部リンク[編集]

タイトル
先代
ポール・ボノム
(2009 - 2010)
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ チャンピオン
2014
次代
ポール・ボノム
(2015)