コンテンツにスキップ

ドリズラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ドリズラー: drizzler jacket)は、小雨・霧雨(drizzle)時にアウターに羽織る1940年代に登場した薄手のスポーツ用ジャケット名称。ハリントンジャケットの一種。オリジナルは米マックレガー(MacGregor)社製。主にゴルフ用ジャケットとして使用されたが、メーカーは釣りやスポーツ観戦など野外活動における多目的ジャケットを想定していた。

また、「DRIZZLER」(ドリズラー)は双日インフィニティ株式会社が1987年に商標を登録している。

逸話

[編集]
  • 日本ではジェームズ・ディーンが着た赤いジャケットとして知られているが、これは完全なる誤認[1][2]であった。映画『理由なき反抗』でジェームズ・ディーンが着用していたのは、同じマックレガー社の「ナイロン・アンチフリーズ」という商品で、裏地にフリースを貼ったナイロン製の防寒用スポーツ・ジャケットである。ドリズラーの特徴であるポケットまわりのアウター・ステッチがないことや、背中のレインショルダーがないなど、高画質DVDや写真集[3]から、映画に登場するジャケットがドリズラーではないことがわかっている。同映画に一応ドリズラーは登場している。プラネタリウムの建物で不良グループとディーンがからむシーンがあるが、その中の不良グループの一人が、ライト・ネイビーのドリズラーを着ている。
  • 映画『クレージーだよ天下無敵』(1967年)に、高橋紀子が赤いマックレガーのドリズラーを着て登場している。
  • TVシリーズ『逃亡者』で、主演のデビッド・ジャンセンがマックレガーのドリズラーを着用していたことから日本でも人気のアイテムとなった。
  • 米TVシリーズ『ハッピーデイズ』(東京12チャンネルで放送)において、ヘンリー・ウィンクラー演じるフォンジーがマックレガー製ドリズラーを着用。リーゼントスタイルでハーレーに乗る生徒を演じ、50年代のティディ・ボーイスタイルを70年代に再び流行させた。革ジャンと襟を立てたベージュのドリズラーは、フォンジーのトレードマークになっていた。

生地

[編集]
  • オリジナル・マックレガー製品の生地は、レーヨンコットンの混紡が一般的だが、時代によってその混紡率は変化している。また、ナイロンとコットンの混紡製品もリリースされていた。

脚注

[編集]
  1. ^ ライトニング2005年3月号Vol.131
  2. ^ 別冊ライトニングVol.21「ザ・リアルマッコイズ ファンブック2006」
  3. ^ スクリーン特別編集「ジェームズ・ディーンスタイル 」近代映画社刊

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]