ドライアイ

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Dry eye syndrome
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
眼科学
ICD-10 H19.3
ICD-9-CM 370.33
MedlinePlus 000426
eMedicine article/1196733 article/1210417
MeSH D007638

ドライアイ(Dry eye, Keratoconjunctivitis sicca)は、眼疾患の一つ。「ドライアイは,さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障 害を伴うことがある」と定義されている[1]の量が少なくなったり、成分が変化する事により、眼球の表面が乾燥し、傷や障害が生じる病気

症状[編集]

以下の症状が発生する。

  • 目がゴロゴロする
  • 光がまぶしい
  • 目の痛み
  • 視界がかすむ
  • 10秒間以上目をあけていられない
  • 目の乾き
  • 目が重たくなる
  • 視力の低下
  • 結膜炎など、目の感染症にかかりやすくなる

病態と発生[編集]

角膜上の涙液は、油層、水層、粘液ムチン)層で構成され、いずれかの要素が欠乏しても安定性が崩れドライアイとなる[2]。 主にテレビコンピュータの画面を見る行為等による目の酷使、冷暖房による空気の乾燥化、コンタクトレンズの装着により発生が増加するといわれる。 コンピュータ作業(VDT作業)によるドライアイは、画面を凝視し瞬きの回数が減少することによると考えられている。また、コンタクト装着によるドライアイのうち、ソフトコンタクトレンズでは表面から涙液の蒸発量が増すため症状を引き起こす[2]。 現代人は目を酷使する事が多く、一般的なオフィスでは約30%がドライアイと言われる。 コンタクトレンズを装着していると、その率は約40%と更に上がる。

主な病因[編集]

薬や他の病気によって症状がでることもある。代表的な病因は以下のとおり[2]

診断[編集]

患者背景や、以下のことを参考に診断する。

  • 涙液の産生量低下
  • 涙液の蒸発量の上昇
  • 角結膜の異常(角膜上のキズなど)

また最近ではドライアイの自動診断装置(TSAS)を使い、10秒程で診断が出来るようになった。 今までは5分以上かかる上に、ろ紙を目に挟むなど患者の痛みを伴ったり、目に触れない場合でも医師の主観が入るなどの課題があった。 それを改良するため、角膜上に広がる涙の層が薄くなって拡散する様子を測定することで、ドライアイかどうかを判定できる手法も開発されている。

診断基準[編集]

ドライアイの診断基準
試験法等 判定 広義ドライアイ[1] シェーグレン症候群[3]
1.自覚症状 眼不快感、視機能異常 あり
2.涙液 涙液層破壊時間(BUT) 5秒以下 参考
シルマー試験第I法 5mm以下 参考
3.角結膜上皮障害 フルオレセイン染色スコア(9点満点) 3点以上 いずれかを
満たすもの
参考
ローズベンガル染色スコア(9点満点) 3点以上 参考
リサミングリーン染色スコア(9点満点) 3点以上 参考 参考

ドライアイの中で涙液分泌量が正常でBUTの短縮の見られるものが多分に含まれ、また角結膜上皮障害の有無に関わらずBUT短縮型でも同様に眼不快感、視機能異常をもたらすため、広義ドライアイの診断基準からこれらの検査は外された。一方で涙液分泌の絶対量が低下するシェーグレン症候群の診断のためには、シルマー試験が重要であり、BUTは参考所見となる。

治療[編集]

また最近では、ジクアホソルナトリウム(ジクアス)や本来胃腸薬であるレバミピド(ムコスタ)がドライアイの治療にも有効であることが確認されており、いずれも目薬として製品化されている[4][5]

予防[編集]

  • 長時間のデスクワークを避け、毎時間おきに目を休める。目を静かに瞑り、蒸しタオルをかけると良い。
  • 加湿器や濡れタオルなどで湿度を上げる。特に冬場の暖房使用時には乾燥を避ける。
  • 意識してまばたきをする。
  • エアコンの風が直接当たる場所での作業を避ける。
  • タバコの煙を避ける。
  • パソコンのモニタはOAフィルターを使用し、室内照明や日光の映り込みを避け、自分の目の高さより低い位置に設置する。
  • コンタクトレンズの使用時間を短くする。パソコン使用時にはなるべくコンタクトレンズを外す。

ヒト以外のドライアイ[編集]

イヌネコもドライアイになることが知られている。点眼治療が一般的であるが、獣医師の判断でピロカルピン等の経口投与も行われている。

脚注[編集]

  1. ^ a b 日本のドライアイの定義と診断基準の改訂(2016 年版) (PDF)”. 2018年6月12日閲覧。
  2. ^ a b c 工藤かんな、島﨑潤「病気について知りたい!臨床講座1:ドライアイ」『PharmaTribune』2009年、1巻、1号、p28-32
  3. ^ シェーグレン症候群診療ガイドライン2017年版 (PDF)”. 2018年6月12日閲覧。
  4. ^ ドライアイ治療剤「ジクアス点眼液3%」製造販売承認取得 - 参天製薬・2010年12月
  5. ^ ドライアイ治療剤「ムコスタ®点眼液UD2%」製造販売承認取得 - 大塚製薬・2011年9月26日

関連項目[編集]