ドクソグラフィー

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ドクソグラフィー英語: Doxographyドイツ語: Doxographie)は、古典文献学思想史学の専門用語で、日本語では学説誌学説史と翻訳される。

古代の思想家思想史家が、自分よりも過去の思想家たちの学説(意見・見解)をまとめ、あるいはさらに個別のトピックごとに整理した書物を指す。この用語を造ったのは、「ソクラテス以前の哲学者」の研究者として著名な、ドイツの古典文献学者ヘルマン・ディールス(en:Hermann Alexander Diels, 1848年 - 1922年)である。

語源は、古典ギリシア語の「ドクサ」(δόξα、意見・見解)に、「地誌学」(英語: geography、ジオグラフィー)などと同様の「グラフィー」(古典ギリシア語の動詞「グラペイン」γράφειν、書く・記述する)を足したもの。

古代ギリシア哲学[編集]

古代ギリシア哲学のかなり多くの著作が消失している現状、我々が持っている限られた知識は、主に後世の哲学者、注釈家、伝記作家たちの学説誌に依っている。

プラトンアリストテレスといった哲学者さえも学説誌家(ドクソグラファー、doxographer)として業績を残しており、先達たちの信念はこうであると、間接的に先達たちの意見に関する注釈を記していた。たとえば、我々が知っているタレスアナクサゴラス自然哲学についてのほとんどは、アリストテレスの『形而上学』や、プラトンの『ソクラテスの弁明』などに書かれてあったことである。

アリストテレスの後継者である自然学者、テオプラストスは、学説誌家としても知られる。

最も代表的な学説誌として、ディオゲネス・ラエルティオスの『ギリシア哲学者列伝』がある。

イスラム教[編集]

イスラム教のドクソグラフィーには、トルコムスリム神学者Abu Mansur Al Maturidi(en: Abu Mansur Al Maturidi, イスラム暦333年/西暦944年没)による『Kitab al-Maqalat』のような、イスラム教の宗派と流れの中の逸脱に関する神知学の仕事の集合体がある。

外部リンク[編集]