トークンリング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
トークンリングで使われるコネクタ

トークンリング (Token Ring) は、LANの物理層およびデータリンク層の規格の一つ。 IBMが開発したもので、IEEE 802.5で規格化されている。通信速度は4Mbpsおよび16Mbps。ノードがリング状に接続されている点が特徴。

物理的にはハブで集線したスター型の構成をとる。ハブや壁面端子のコネクタは独特の大型のものが使われる。このコネクタにはオスメスの区別がなく、同じ形の2つのコネクタを接続する点に特徴がある。

論理的にはリング型トポロジーで構成され、そのリングをトークンと呼ばれる信号が高速で周回している(トークンパッシング)。

情報の送信権はトークンを得たノードが持つ。従って、物理的に「衝突」が発生しない。トークンと呼ばれるデータが常にリング状のネットワーク上を回っている為、データが送受信されていない時は、トークンは、ただネットワーク上を回っているだけである。データを送信するノードはまず空いているトークンを捕まえて、それをフレームに変えてデータを搭載して送り出す。ノードでは回ってくるフレームを監視していて、フレーム・ヘッダに自分宛のアドレスが記載されている場合にのみ、それを取り込む仕組みになっており、自分宛ではないデータについては、そのまま次のノードに回してしまう。情報はトークンに付加して次のノードに渡す。受信は自ノード宛ての情報だけを受信し、他ノード宛のものはトークンごと次のノードにまわす。データが壊れた場合など、どのノード宛の情報か不明のものが永久にネットワークを回り続けるのを防ぐため、ペイロードは何周かした後に破棄されるようになっている。従って、ネットワークの帯域を無駄なく使い切ることが出来る。

ネットワークの高速化のために、2つ以上のトークンを巡回させることも可能である。

通信速度(リングスピードという)の設定を誤った機器を接続すると、ネットワーク全体がダウンしてしまうという欠点があった。

CSMA/CD方式と違ってパケットの衝突(コリジョン)が生じないため、初期の10BASEイーサネットと比べると性能や安定性の面で優れていたが、イーサネットの高速化・低価格化やスイッチングハブの登場により優位性を失った。

日本ではIBM PCやLANの普及が遅れたため、あまり使われていない。

インターネット普及が進むにつれて、殆どのトークンリングがイーサネットに置換された。従って、世界的にも利用されなくなった技術と言え

長所と欠点(CSMA/CD方式と比較して)[編集]

長所[編集]

  • 前述したように、トークンリングは、パケットの衝突が生じない。そのため、アクセスが集中しても、速度が落ちずに安定しているため、ストレスを感じない。

欠点[編集]

  • たった一台の機器の設定違いやダウンが、ネットワーク全体に影響を及ぼしてしまう。
  • ネットワークから機器を撤去する場合や、逆にネットワークに機器を新規に追加するような場合、ハブにLANケーブルを抜き挿しすれば良いだけのCSMA/CD方式に対し、トークンリングはその度に、ネットワーク全ての機器の設定を変えなくてはいけないなど、保守の負担が大きい。

関連項目[編集]