トロットサンダー

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トロットサンダー
欧字表記 Trot Thunder
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1989年5月10日
死没 2004年11月20日?(15歳没)
登録日 1994年6月2日 (JRA)
抹消日 1996年9月26日 (JRA)
ダイナコスモス
ラセーヌワンダ
母の父 テスコボーイ
生国 日本の旗 日本北海道鵡川町
(現:むかわ町
生産 フラット牧場
馬主 (有)有匡
→藤本照男
調教師 津金沢正男(浦和
→相川勝敏(美浦
→内藤一雄(美浦南)
→相川勝敏
厩務員 矢作忠永
競走成績
生涯成績 22戦15勝
地方競馬9戦8勝)
中央競馬13戦7勝)
獲得賞金 3億6436万1000
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トロットサンダー日本競走馬地方競馬から中央競馬に移籍し、マイルチャンピオンシップ安田記念と二つのマイル(1600メートルGI競走に優勝した、マイル戦無敗の名馬である。

※馬齢は旧表記とする。

生涯[編集]

誕生~地方競馬時代[編集]

フラット牧場に繋養されていた繁殖牝馬ラセーヌワンダは1987年に種付けを行ったものの受胎せず、牧場は受胎の確率を上げるために翌1988年の同馬の交配相手に若いダイナコスモスを選択した。その結果誕生したのがトロットサンダーである。

トロットサンダーはデビュー前に育成牧場で大けがを負い、その影響で競走馬としてのデビューが遅れた。1992年7月に浦和競馬場でデビュー。デビュー戦を優勝したのを皮切りに7か月の間に8戦して7勝、2着1回と優秀な成績を収めたが球節を骨折。その症状は競走能力を維持できるかどうか疑わしいほどの重傷であったが1年以上の療養を経てレースに復帰し、復帰戦を優勝した。トロットサンダーには骨折する前から中央競馬へ移籍する計画が持ち上がっており、このレースを最後に移籍することになった。

中央競馬時代[編集]

中央競馬へ移籍後、トロットサンダーは芝のレースにのみ出走した。

1994年7月の移籍初戦で2着に敗れた後、同年12月と翌1995年1月に条件戦を連勝したが、格上挑戦した重賞中山記念では7着に敗れた。その後、再び条件戦の府中ステークス[1]を勝ったが、札幌記念函館記念はいずれも7着に敗れ、移籍当初は重賞では結果が残せなかった。同年秋の毎日王冠で3着に入った後、マイル戦のアイルランドトロフィーに優勝。続くGIマイルチャンピオンシップでは重賞未勝利ながらそれまで同レースの施行条件である芝1600mのレースで無敗だったことが評価され、4番人気に支持された。レースでは出遅れたものの直線で鋭い末脚を見せて優勝し、重賞初制覇とともにGI初制覇を達成した[2]

トロットサンダーは8歳になった1996年も現役を続行することとなり、前半シーズンの目標レースには安田記念が選ばれた。トロットサンダーは年明け初戦の東京新聞杯で優勝。続く京王杯スプリングカップでは前年の安田記念優勝馬ハートレイクから0.1秒差の3着となり、安田記念に出走した。レースでは後方からレースを進め直線でタイキブリザードヒシアケボノと激しい競り合いになるが、ハナ差でタイキブリザードを下し2つ目のGI制覇を果たした。7月、年内に毎日王冠と天皇賞(秋)に出走して競走馬を引退することが発表された。しかし毎日王冠へ向けて調整が進められていた9月に両前脚のトウ骨に骨膜炎を発症[3]し、馬主の藤本照男が所有する藤本牧場へ放牧に出された。その最中の9月末、馬主の名義貸し事件が発覚(詳細は#トロットサンダー名義貸し事件を参照)し、トロットサンダーは競走馬を引退した。

引退後[編集]

引退後は種牡馬となり、地方競馬を中心に数頭の活躍馬を送り出した。しかし種付け数は年々減少し、2004年8月に種牡馬廃用となった。その年の秋に雪に脚を滑らせて骨折し、安楽死の措置が採られたといわれている。2008年に代表産駒のウツミジョーダン種牡馬入りしたが、ほとんど産駒も出さないまま用途変更になっており、父系としては残っていない。

トロットサンダー名義貸し事件[編集]

名義貸しとは、馬主資格を持つ者が資格を持たない実質的な所有者のために名義を貸す行為をいい、競馬法第11条の規定[4]に違反する。トロットサンダーの場合、地方競馬から中央競馬へ移籍する際に名義貸しが行われた。

ある馬が地方競馬から中央競馬に転厩する場合、それまでの馬主が中央競馬の馬主資格を持っていれば、そのまま継続して所有を続けられるが、そうでない場合は資格を持つ別の馬主への譲渡が必要となる。トロットサンダーの地方競馬時代の馬主は「有限会社有匡」であったが、同社は中央競馬の馬主資格を所持していなかったため、移籍の際にその所有権が中央競馬馬主の藤本照男に移されたとされていた。しかし1996年秋になってトロットサンダーの実質所有が未だ有限会社有匡であり、藤本は名義を貸しているのみであったことが判明。藤本は競馬法第11条に違反したとして馬主資格を剥奪された。またその影響でトロットサンダーが半ば強制的に引退に追い込まれたといわれている。

なお、相川調教師も他の馬の名義貸しに関わっていたとして4ヶ月の調教停止処分を受けたため、その間トロットサンダーは内藤一雄厩舎に移籍していた。

競走馬としての特徴[編集]

現役時代のマイル戦における成績は、地方2戦2勝、中央6戦6勝と全勝だった。一方、中央でのマイル以外の距離は6戦して1勝のみ。距離が1ハロン違うだけで同じ相手に負けることもあり、「マイルのスペシャリスト」として知られた。引退後に発売されたDVDソフトには『PERFECT MILER』というタイトルが付けられている。

2000年に日本中央競馬会が行ったファン投票による名馬選定企画「Dream Horses 2000」では、1469票を集めて61位に付けられた。

主な産駒[編集]

競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
1992.07.01 浦和 サラ系4歳七 10 (1人) 1着 桃井十四秋 54 ダ1400m(稍) 1:28.9 (00.0) -0.4 (ワンダースラッガー)
0000.07.29 浦和 サラ系4歳四 9 (1人) 1着 本間光雄 54 ダ1400m(良) 1:28.8 (00.0) -1.8 (マコールビー)
0000.08.17 浦和 サラ系4歳二 6 (1人) 1着 桃井十四秋 54 ダ1400m(良) 1:29.2 (00.0) -1.0 (ムサシワンダー)
0000.09.08 浦和 若武蔵特別一 6 (1人) 1着 桃井十四秋 54 ダ1400m(良) 1:28.2 (00.0) -0.6 (ミタカダンサー)
0000.10.10 浦和 サラ系一般C1六C 11 (1人) 1着 桃井十四秋 56 ダ1400m(良) 1:27.2 (00.0) -0.7 (シーガルレコード)
1993.01.03 浦和 サラ系一般C1四 10 (1人) 2着 本間光雄 55 ダ1400m(良) 1:29.4 (00.0) -0.1 コスモチユー
0000.01.21 浦和 サラ系一般C1三 11 (1人) 1着 本間光雄 55 ダ1400m(良) 1:29.1 (00.0) -0.3 (ヘイセイソブリン)
0000.02.21 浦和 ヒヤシンス特別C1 9 (1人) 1着 本間光雄 55 ダ1600m(良) 1:42.9 (00.0) -0.1 (イシノハワイアン)
1994.05.23 浦和 あやめ特別C1一 9 (1人) 1着 桃井十四秋 56 ダ1600m(良) 1:40.6 (00.0) -0.8 (ハシモクロタカ)
0000.07.17 札幌 日高特別 10 06.7 (4人) 2着 横山典弘 57 芝1800m(良) 1:48.7 (36.0) -0.1 タケノクラウン
0000.12.04 中山 美浦特別 14 03.4 (1人) 1着 横山典弘 56 芝1800m(良) 1:47.7 (35.6) -0.0 (マイネルロカビリー)
1995.01.21 中山 初富士S 14 03.4 (1人) 1着 横山典弘 55 芝1600m(良) 1:33.6 (35.4) -0.3 (クアドリフォリオ)
0000.03.12 中山 中山記念 GII 12 12.0 (4人) 7着 横山典弘 57 芝1800m(稍) 1:50.8 (35.1) -0.5 フジヤマケンザン
0000.05.20 東京 府中S 18 02.9 (1人) 1着 横山典弘 56 芝1600m(良) 1:33.8 (35.3) -0.4 シンコウキング
0000.07.02 札幌 札幌記念 GIII 13 02.0 (1人) 7着 横山典弘 53 芝2000m(良) 2:01.8 (37.1) -0.4 スーパープレイ
0000.08.20 函館 函館記念 GIII 16 07.6 (3人) 7着 横山典弘 56 芝2000m(重) 2:03.4 (37.1) -1.0 インターマイウェイ
0000.10.08 東京 毎日王冠 GII 14 19.6 (6人) 3着 横山典弘 57 芝1800m(重) 1:48.9 (35.0) -0.5 スガノオージ
0000.10.28 東京 アイルランドT OP 11 02.3 (1人) 1着 横山典弘 55 芝1600m(良) 1:33.3 (34.5) -0.5 (エアチャリオット)
0000.11.19 京都 マイルCS GI 18 08.5 (4人) 1着 横山典弘 57 芝1600m(良) 1:33.7 (34.8) -0.2 (メイショウテゾロ)
1996.02.04 東京 東京新聞杯 GIII 16 02.2 (1人) 1着 横山典弘 58 芝1600m(良) 1:34.4 (34.1) -0.1 (メイショウユウシ)
0000.05.11 東京 京王杯SC GII 15 03.3 (2人) 3着 横山典弘 59 芝1400m(良) 1:21.2 (34.1) -0.1 ハートレイク
0000.06.09 東京 安田記念 GI 17 03.4 (1人) 1着 横山典弘 58 芝1600m(良) 1:33.1 (34.5) -0.0 タイキブリザード

血統表[編集]

トロットサンダー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ネアルコ系ダンテ系
[§ 2]

ダイナコスモス
1983 鹿毛
父の父
*ハンターコム
Huntercombe
1967 黒鹿毛
Derring-Do Darius
Sipsey Bridge
Ergina Fair Trial
Ballechin
父の母
シャダイワーデン
1977 栗毛
*ノーザンテースト
Northern Taste
Northern Dancer
Lady Victoria
シヤダイプリマ *マリーノ
ナイトアンドデイ

ラセーヌワンダ
1969 栃栗毛
*テスコボーイ
Tesco Boy
1963 黒鹿毛
Princely Gift Nasrullah
Blue Gem
Suncourt Hyperion
Inquisition
母の母
ラ・セーヌ
1956 栗毛
*リンボー
Limbo
War Admiral
Boojie
ラシフォード *アスフオード
ラシモア
母系(F-No.) 1号族(FN:1-b) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ トロットサンダー 5代血統表2017年9月6日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com トロットサンダー 5代血統表2017年9月6日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ トロットサンダー 5代血統表2017年9月6日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ トロットサンダー 5代血統表2017年9月6日閲覧。

脚注[編集]

  1. ^ なお、このレースにはトロットサンダーを含め後に重賞を優勝する競走馬が5頭(トロットサンダーの他にシンコウキングショウリノメガミトーワウィナードージマムテキ
  2. ^ 2着に16番人気のメイショウテゾロが入り、馬連馬券の払い戻しは、GI競走史上2番目(当時)となる10万4390円の高額配当となった。
  3. ^ トロットサンダーは以前から慢性的な骨膜炎を抱えていた
  4. ^ 「日本中央競馬会が行う登録を受けた者でなければ、中央競馬の競走に馬を出走させることができない」

参考文献[編集]

  • 和田稔夫「記憶の中の名馬 トロットサンダー」『週刊Gallop』2008年2月10日号 - 3月9日号、産業経済新聞社

関連項目[編集]

外部リンク[編集]