コンテンツにスキップ

トルコの競馬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
競馬 > トルコの競馬

トルコの競馬(とるこのけいば)では、トルコにおける競馬について記述する。

歴史

[編集]

特徴

[編集]

トルコの競馬は、1953年に制定された競馬法に基づいて、トルコ政府の権限委任により、農業森林省の監督の下で、民間の非営利団体であるトルコジョッキークラブトルコ語: Türkiye Jokey Kulübü)により統括、施行されている[7]

競馬法では、トルコの国内で競走を主催し、国内外で施行される競走に関する勝馬投票(馬券)を受け入れる権限は農業森林省にある(第1条)。農業森林省は、馬の生産と改良を促進するために設立され、公益法人と認められている団体に対し、大統領決定に基づいて条件を付して30年以内の期間で権限を委任することができる(第5条)とされている。また、農業森林省は、権限委任の対象外となっている地域で地元の地方自治体を通じて競馬を開催して馬券を発売できる(第6条)が、2023年現在はこの規定に基づく地方競馬は行われていない。馬券から控除された金額から国税、地方税、賞金、競馬場設置運営費、競走運営費を除いた金額は、繁殖馬の購入、競馬や馬事の発展に必要かつ有益とみなされる奨励金、施設整備費、補助金に充てられる(第3条)。

ただし、2023年現在、競馬を開催し馬券を発売することのできる権限のライセンス権は、2018年1月1日から49年間の期限でエルドアン政権が国営企業の経営を束ねるために設立した政府系ファンドトルコ・ウエルス・ファンド(TWF)に移譲されており、農業森林省はライセンスに基づく競走と馬券発売が適切に行われることを監督する権限のみを有する(附則第2条)[8][9]

農業森林省による競馬開催の監視は、同省の常任委員会である高等裁決委員会(トルコ語: Yüksek Komiserler Kurulu)によって行われており、競馬場ごとの競走裁決委員会(トルコ語: Yarış Komiserler Kurulu)は高等裁決委員会に属する国家機関である[10][11]

競走

[編集]

2023年現在、全国の主要10都市にある競馬場で毎日(1日ごとに2場。まれに1場または3場)、サラブレッドアラブ(純血アラブ)の平地競走が開催されている[12]

馬場はダートポリトラックがあり、競馬場ごとに異なる[13]。国内 G1 や国際競走など賞金の高い競走は最大都市イスタンブールヴェリエフェンディ競馬場と首都アンカラ75年競馬場で開催されるものがほとんどで、施行コースは芝が主体である[14]

トルコは『国際セリ名簿基準書』のパートII国であり、サラブレッドの競走のうち、国内格付けでG1、G2、G3のグループ競走に格付けされている競走は、同基準書のパートIIに記載されていて、国際的にはブラックタイプで記載することのできるリステッド競走とみなされる。ただし、国際競走の一部は、かつての日本のジャパンカップ安田記念と同様にパートIに認定されており、いわゆる国際グループ競走の格付けを受けている[15]

走破タイムはやや遅い傾向があり、ヴェリエフェンディ競馬場芝2400メートルのコースレコードは1996年に三冠馬ボールドパイロットガジ賞(ガジダービー)で立てた2分26秒22が25年以上更新されていない[16]。ゆったりした展開に適応したトルコの一流馬はドバイワールドカップカーニバルへの遠征において近年苦戦しており、高速化に対応できていないという指摘がされている[17]

競走の種別と格付け

[編集]
競走の格付け 競走種別の名称 説明
トルコ語 英語
Maiden Maiden 未勝利競走 未勝利馬のみ登録できる競走。
Şartlı 19 Condition 19 条件競走
Şartlı Koşular
登録に収得賞金の条件があり、収得賞金により負担重量が異なる競走。ただし、Şartlı 19は未勝利が登録の条件で、Maidenとは収得賞金による負担重量が異なる。
Şartlı 1 Condition 1
Şartlı 2 Condition 2
Şartlı 3 Condition 3
Şartlı 4 Condition 4
Şartlı 5 Condition 5
H 13 Handicap 13 ハンデキャップ競走
Handikap Koşuları
ハンデキャッパーが馬に付与したフリーハンデのレーティング順に負担重量が決定される競走。格の数字が大きくなるほど登録できるレーティングの上限が高く、レーティングによる負担重量が軽くなり、H-21以上はレーティングの低い馬が登録できない。
H 14 Handicap 14
H 15 Handicap 15
H 16 Handicap 16
H 17 Handicap 17
H 21 Handicap 21
H 22 Handicap 22
H 24 Handicap 24
KV 6 Condition 6 短期特別登録競走
Kısa Vadeli Koşular
登録馬の馬主が支払った特別登録料が優勝馬の賞金に付加される競走(ステークス競走特別競走)。登録にKV-6・7は収得賞金、KV-8・9はグループ競走成績の条件があり、収得賞金または競走成績により負担重量が異なる。
KV 7 Condition 7
KV 8 Condition 8
KV 9 Condition 9
KV 18 Condition 18
A3 (Açık 3) オープン競走
Açık Koşular
特別登録競走のうち、出走に条件のない競走。A3はG3、A2はG2に準じる。2024年から廃止[18]
A2 (Açık 2)
G3 (Grup 3) グループ競走
Grup Koşuları
オープン競走のうち、グループに格付けされた競走。重賞
G2 (Grup 2)
G1 (Grup 1)
出典
  • その他の種別
    • セール競走(Satış)
      馬主が売却を希望する馬を出走させる競走。未勝利馬のみ出走するMaiden Satışと売却額により階級分けされたSatış 1〜Satış 4の種別がある[19]
    • 女性騎手限定競走(Kadın Binici)
      6月最終日曜日のガジ賞開催日の第1レースに組まれている女性騎手友好カップ(Kadın Binici Dostluk Kupası)のみ[14]
    • アマチュア女性騎手限定競走(Kadın Amatör Binici)
      9月上旬の土曜日・日曜日のインターナショナルレーシングフェスティバルの第1レースに組まれているアマチュア女性騎手ワールドチャンピオンシップ(World Championship Race for Amateur Lady Riders)のみ[14]

競走の名称

[編集]

固有名称はおおむね特別登録競走以上についており、スポンサー、トルコの地名、歴史的事件、記念日、偉人、競馬功労者、名馬などから取られている。

トルコ語では固有名称に「競走」を意味する普通名詞"koşu"を付けた形(固有名称+koşu+所有接辞su)で表される。競走名が英語に訳される場合、直訳になる形(固有名称+race)はあまり用いられず、海外の類似したレース(ダービーオークス2000ギニーなど)の名称が用いられたり、ステークス、カップ、トロフィーなどの意訳が行われる[20]

競走の名称のトルコ語・英語・日本語対照表
トルコ語競走名 英訳競走名 対応する日本語 競走名の由来
Erkek Tay Deneme Koşusu Turkish 2000 Guineas エルケック・タイ・デネメ
トルコ2000ギニー
「牡駒の検定」の意
Gazi Koşusu Gazi Derby ガジ賞
ガジ杯
ガジダービー
初代大統領の称号
Ankara Koşusu Ankara Stakes (Turkish St. Leger) アンカラ賞
アンカラステークス
トルコセントレジャー
開催都市名
Cumhurbaşkanlığı Koşusu Presidency Cup トルコ大統領賞
トルコ大統領杯
プレジデンシーカップ
表彰スポンサー
Uluslararası Boğaziçi Koşusu International Bosphorus Cup ボスポラスカップ
ボスフォラスカップ
ボアズィチ賞
海峡名

馬券

[編集]

馬券(勝馬投票券)は、トルコでは宝くじスポーツくじと並ぶ合法的なギャンブルで、パリミュチュエル方式で行われる[13]

馬券は各競馬場の場間・場外発売が行われているほか、市中に小規模な場外馬券売場(トルコジョッキークラブの代理店)が多数存在し[21][22]、トルコジョッキークラブの運営するインターネット投票サイト[23]もある。

控除率は50%と他の国・地域より高く設定されているが[21][22]2020年代には単勝、馬連、馬単、二重勝の控除率の引き下げが行われ、2023年に25%(払戻率75%)になった[24]

馬券の種類

[編集]

馬券の種別は下記のとおり。マークシートでは馬券の種別はアルファベット1〜2文字の略記号で示されており、連勝単式(馬単、3連単、4連単、5連単)では後ろにKがつく略記号を選ぶとコンビネーション(フォーメーション)購入ができる。種別ごとの買い目の最低金額と別に、馬券の最低金額が決められており、すべての買い目の合計が馬券の最低金額以上でなければならない[25]

種別 トルコ語名 英語名 日本語 説明
単勝式 Ganyan
ガニヤン
G Pick 単勝 1着で入線する馬を当てる。同一馬主が所有する複数の馬が僚馬(eküri エキュリー)に指定されている場合は、エキュリーのうちの1頭に投票すると全馬に投票した扱いとなる。
複勝式 Plase
プラセ
P Place 複勝 1着または2着で入線する馬を当てる。
拡大二連勝複式 Plase İkili
プラセ・イキリ
PI Place Quinella ワイド 3着以上に入線する馬2頭を当てる。
二連勝複式 İkili
イキリ
I Quinella 馬連 1着または2着で入線する馬2頭を当てる。
二連勝単式 Sıralı İkili
スラル・イキリ
Io Exacta 馬単 1着・2着で入線する馬2頭を入線順に当てる。
三連勝単式 Sıralı Üçlü
スラル・ウチュル
U Trifecta 3連単 1着・2着・3着に入線する馬3頭を入線順に当てる。
四連勝単式 Tabela
タベラ
T Superfecta 4連単 1着から4着までに入線する馬4頭を当てる。単式(入線順)のTabelaの払戻と別に複式(順不同)のTabela Sırasız(英語名Quartet)も的中扱いとされて若干の払戻があり、共通の売上金プールから配当される。
五連勝単式 Sıralı 5'li
スラル・べシュリ
5B Quintet 5連単 1着から5着までに入線する馬5頭を入線順に当てる。的中はTabelaと異なり単式のみ。
二重勝単勝式 Çifte
チフテ
Ç Double 2重勝 同一競馬場の連続する2競走でそれぞれ1着で入線する馬2頭を当てる。第1レースから最終レースまで全ての組み合わせで発売される。
三重勝単勝式 3'lü Ganyan
ウチュル・ガニヤン
3G Pick three 3重勝 主催者が指定する同一競馬場の連続する3競走でそれぞれ1着で入線する馬3頭を当てる。
四重勝単勝式 4'lü Ganyan
ドルトル・ガニヤン
4G Pick four 4重勝 主催者が指定する同一競馬場の連続する4競走でそれぞれ1着で入線する馬4頭を当てる。
五重勝単勝式 5'li Ganyan
べシュリ・ガニヤン
5G Pick five 5重勝 主催者が指定する同一競馬場の連続する5競走でそれぞれ1着で入線する馬5頭を当てる。
六重勝単勝式 6'lı Ganyan
アルトゥル・ガニヤン
6G Pick six 6重勝 主催者が指定する同一競馬場の連続する6競走でそれぞれ1着で入線する馬6頭を当てる。
七重勝複勝式 7'li Plase
イェディリ・プラセ
7P Seven Place 7重複 主催者が指定する同一競馬場の連続する7競走でそれぞれ1着または2着で入線する馬14頭を当てる。
出典

メディア

[編集]

競馬新聞は複数あり、競馬場の場内などで販売されている[21][26]

市中の新聞スタンドで購入できる一般の日刊紙にも競馬欄があり、当日の出馬表などが掲載されているが扱いは大きくない。ガジ賞(ガジダービー)のような大レースが開かれるときのみ、大きな記事が組まれる。一般紙の競馬記事は、トルコジョッキークラブのホームページに転載されている[27]

中継(トルコ語: Canlı Yayın)は衛星放送の『TJK TV』[28]などで行われている。衛星放送番組は国内競馬中継のみYouTubeのTJK TV公式チャンネル(@TJKTVCANLIYAYIN)でも視聴できる。

馬産

[編集]

2023年の生産頭数はサラブレッド2,326頭、アラブ1,102頭の合計約3,400頭である[29]。2010年代[30]と比較するとサラブレッドが増加、アラブが減少する傾向にある。

サラブレッドについては繁殖用の種牡馬を積極的に海外から導入しており、1990年代末以降、マニラ[31]ストライクザゴールド[32]ドユーン[33]シーヒーロー[34]ヴィクトリーギャロップ[35]デヒア[36]ライオンハート[37]プレザントリーパーフェクト[38]オーソライズド[39]スーパーセイヴァー[40]といった名馬が輸入された。

日本産種牡馬もディヴァインライトが産駒ナタゴラの欧州における活躍を受けて2008年にフランスから輸入され[41]、ガジ賞(ダービー)勝ち馬2頭(2013年ディヴァインハート、2015年レンク)を輩出する成功を収めた[42]ことをきっかけに増加しており、2015年にユートピア[43]、2016年にスマートロビン[44]、2021年にヴィクトワールピサクルーガー[45]、2022年にメールドグラース[46]、2023年にサトノアレス[47]が供用開始されている。

リーディングサイアーは、上記のストライクザゴールド(2011年-2012年)、ヴィクトリーギャロップ(2015年-2021年)のほか、1990年のムーラン・ド・ロンシャン賞勝ち馬ディスタントリラティヴ[48](2004年)、1992年のブリーダーズフューチュリティ勝ち馬マウンテンキャット[49](2005年)、1994年のドイツ2000ギニー勝ち馬ロイヤルアブジャー[50](2006年-2008年)、1995年のホイットニーH勝ち馬アンアカウンテッドフォー[51](2009年-2010年、2013年-2014年)、2012年のマクトゥームチャレンジラウンド2勝ち馬メンディップ[52](2022年)、シングスピール産駒でトルコで外国産競走馬として好成績を挙げたトロク[53][54](2023年)など外国産馬が占めている[55]

主な競走

[編集]

2024年の年間レーシングプログラム[14]による。馬場の「ダ」はダート、「ポ」はポリトラックを意味する。賞金単位のTLはトルコリラ

サラブレッド競走

[編集]

国際グループ競走

[編集]

『国際セリ名簿基準書』のパートIに記載された競走[15]。すべて9月上旬に開催されるインターナショナルレーシングフェスティバルの2日間に施行される[56]

格付け 競走名 開催地 馬場・距離 出走条件 1着賞金
G2 ボスポラスカップ
International Bosphorus Cup
Uluslararası Boğaziçi Koşusu
イスタンブール 芝2400m 3歳以上 520万TL
G3 トプカプトロフィー
International Topkapi Torophy
Uluslararası Topkapı Koşusu
イスタンブール 芝1600m 3歳以上 800万TL
G3 イスタンブールトロフィー
International Istanbul Torophy
Uluslararası İstanbul Koşusu
イスタンブール 芝1600m 3歳以上牝 325万TL
出典

国内G1競走

[編集]

『国際セリ名簿基準書』のパートIIに記載された競走のうち、グループ1の国内格付け(TUR G1)が与えられている競走[15]

開催月 競走名 開催地 馬場・距離 出走条件 1着賞金
3月中旬 エーゲ海ダービー
Ege Derbisi
イズミル ダ2100m 4歳以上 160万TL
4月上旬 地中海ダービー
Akdeniz Derbisi
アダナ ダ2100m 4歳以上 160万TL
5月中旬 エルケック・タイ・デネメ
Erkek Tay Deneme
(トルコ2000ギニー)
イスタンブール 芝1600m 3歳牡 275万TL
5月中旬 ディシ・タイ・デネメ
Dişi Tay Deneme
(トルコ1000ギニー)
イスタンブール 芝1600m 3歳牝 275万TL
5月下旬 五月十九日賞
19 Mayıs Koşusu
イスタンブール ポ2000m 3歳以上 195万TL
6月上旬 クスラック賞
Kısrak Koşusu
(トルコオークス)
イスタンブール 芝2100m 3歳牝 330万TL
6月下旬 ガジ賞
Gazi Koşusu
(ガジダービー)
イスタンブール 芝2400m 3歳内国産牡牝 1350万TL
6月下旬 アナファルタラル賞
Anafartalar Koşusu
イスタンブール ポ2000m 3歳 195万TL
6月下旬 ハリチ賞
Haliç Koşusu
イスタンブール 芝1600m 3歳以上 195万TL
7月中旬 ヤヴズ・スルタン・セリム賞
Yavuz Sultan Selim Koşusu
イスタンブール ポ1500m 3歳以上 195万TL
7月下旬 アヴラシア賞
Avrasya Koşusu
(ユーラシア賞)
イスタンブール 芝2000m 3歳以上 225万TL
8月中旬 カライェル賞
Karayel Koşusu
アンカラ 芝1300m 2歳 195万TL
8月中旬 黒海賞
Karadeniz Koşusu
アンカラ 芝1600m 3歳以上牝 195万TL
8月中旬 ファーティフ・スルタン・メフメト賞
Fatih Sultan Mehmet Koşusu
イスタンブール 芝1600m 3歳以上 220万TL
9月中旬 イュルドゥルム・バヤズィト賞
Yıldırım Bayezid Koşusu
アンカラ ダ2200m 3歳以上 195万TL
9月下旬 アンカラ賞
Ankara Koşusu
(トルコセントレジャー)
アンカラ 芝2800m 3歳内国産牡牝 195万TL
9月下旬 スラト賞
Sürat Koşusu
アンカラ 芝1000m 2歳以上 195万TL
9月下旬 トルコジョッキークラブ賞
Türkiye Jokey Kulübü Koşusu
(ジョッキークラブカップ)
イスタンブール 芝2400m 3歳以上 260万TL
10月中旬 バイアリーターク賞
Buerley Turk Koşusu
イスタンブール ポ2000m 3歳以上 195万TL
10月中旬 ハレム賞
Harem Koşusu
イスタンブール 芝2100m 3歳以上牝 195万TL
10月下旬 アンカラ城賞
Ankara Kalesi Koşusu
アンカラ ダ1500m 3歳以上 195万TL
10月下旬 チャルディラン賞
Çaldıran Koşusu
イスタンブール 芝1600m 2歳 275万TL
11月上旬 トルコ大統領賞
Cumhurbaşkanlığı Koşusu
(プレジデンシーカップ)
アンカラ 芝2400m 3歳以上内国産牡牝 360万TL
出典

アラブ競走

[編集]

国際グループ競走

[編集]

国際アラブ競馬連盟(IFAHR)のパターンレースカレンダーに記載された競走[57]。すべて9月上旬に開催されるインターナショナルレーシングフェスティバルの2日間に施行される[56]

格付け 競走名 開催地 馬場・距離 出走条件 1着賞金
G3 マラズギルトトロフィー
International Malazgirt Trophy
Uluslararası Malazgirt Koşusu
イスタンブール 芝1600m 3歳以上 100万TL
非重賞 IFAHRトロフィー
International IFAHR Torophy
Uluslararası IFAHR Koşusu
イスタンブール ポ2100m 3歳以上 55万TL
出典

国内G1競走

[編集]

すべて国営牧場生産のアラブ馬または国営牧場生産馬の血統を継いでいるアラブ馬のみが出走できる競走[14]

開催月 競走名 開催地 馬場・距離 出走条件 1着賞金
5月中旬 トルコ大国民議会賞
Türkiye Büyük Millet Meclisi Koşusu
アンカラ 芝1600m 4歳以上牡牝 187万TL
5月中旬 母の日賞
Anneler Günü Koşusu
イスタンブール 芝1600m 4歳以上牝 195万TL
6月上旬 農業森林省賞
Tarım ve Orman Bakanlığı
アンカラ 芝2400m 4歳以上牡牝 260万TL
6月下旬 トルコ独立戦争賞
İstiklal Savaş Koşusu
イスタンブール 芝2100m 4歳 245万TL
7月中旬 高等裁決委員会賞
Yüksek Komiserler Kurulu Koşusu
アンカラ ダ2100m 4歳以上 195万TL
7月下旬 ニーボル賞
Niğbolu Koşusu
イスタンブール 芝2400m 4歳 195万TL
8月上旬 チャナッカレ勝利賞
Çanakkale Zaferi Koşusu
イスタンブール 芝1600m 3歳 195万TL
9月下旬 ヴェリエフェンディ賞
Veliefendi Koşusu
イスタンブール 芝2800m 4歳以上 195万TL
10月上旬 トルコ国軍賞
Türk Silahlı Kuvvetleri Koşusu
アンカラ ダ1500m 4歳以上 195万TL
10月上旬 ハタイ賞
Hatay Koşusu
イスタンブール 芝1600m 3歳 275万TL
10月中旬 ハララル賞
Haralar Koşusu
アンカラ ダ1400m 3歳 195万TL
10月中旬 カーヌーニー・スルタン・スレイマン賞
Kanuni Sultan Süleyman Koşusu
イスタンブール ポ1500m 4歳以上 195万TL
11月上旬 トルコ共和国賞
Cumhuriyet Koşusu
アンカラ 芝1600m 3歳以上牡牝 330万TL
出典

主な競馬場

[編集]

2023年現在は地方自治体の主催する競馬は開催がなく、トルコジョッキークラブのみが全国の主要10都市にある競馬場を運営している[13]

コースは比較的平坦・小回りの楕円形で欧州諸国よりもアジア諸国に近い。芝コースがあるのはイスタンブール1912年開場)、アンカラ1998年開場)、イズミル1856年開場)、ブルサ1984年開場)、アダナ1962年開場)の5場のみ[13]

1979年に再開発で閉鎖されたアンカラ競馬場を1998年に移転再開して以降、トルコジョッキークラブはダート(ファイバーサンド、ポリトラックを含む)コースのみのローカル競馬場を増やしており、2000年シャンルウルファ2002年エラズー2009年ディヤルバクル2013年コジャエリ2022年アンタルヤの各競馬場を開場して競馬場の数を倍増させ[58]、冬季も毎日降雪の少ない地域の複数の競馬場で競馬を開催するようになった[12]

トルコジョッキークラブはさらにエルズィンジャンに競馬場を建設中で(2018年着工)[59]コンヤサムスン(両都市はかつてあった競馬場が廃止されている[1])にも競馬場を開設して競馬場の数を13にまで増やす計画がある[60]

トルコの競馬場所在地

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m Tarihçe” (トルコ語). TJK. 2023年8月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Reşat Köstem. “At Yarışlarının Kısa Târihi” (トルコ語). Z Dergisi. 2023年8月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Hipodromlar” (トルコ語). TJK. 2023年8月10日閲覧。
  4. ^ Reşat Yurday Köstem (2020年8月7日). “Rüzgar Gibi Geçenler – 11 / Gerçek Değerini Bilemediğimiz Şampiyon…” (トルコ語). Yarış Dergisi. 2023年8月10日閲覧。
  5. ^ Sadettin Atığ (2019年9月5日). “Enternasyonal Koşularımız” (トルコ語). At Dünyası. 2023年8月10日閲覧。
  6. ^ The Blue Book - Previous Years” (英語). IFHA. 2023年8月10日閲覧。
  7. ^ History” (英語). TJK. 2023年8月8日閲覧。
  8. ^ At Yarışları Hakkında Kanun” (トルコ語). Mevzuat Bilgi Sistemi. T.C. Cumhurbaşkanlığı. 2023年8月8日閲覧。
  9. ^ Law on Horse Racing” (英語). Lawyer Saim Incekas Law Office. 2023年8月8日閲覧。
  10. ^ At Yarışları Yönetmeliği” (トルコ語). Mevzuat Bilgi Sistemi. T.C. Cumhurbaşkanlığı. 2023年8月8日閲覧。
  11. ^ The Bylaw on Horse Racing” (PDF) (英語). TJK. 2023年8月8日閲覧。
  12. ^ a b Takvim” (トルコ語). TJK. 2023年7月29日閲覧。
  13. ^ a b c d トルコの競馬場”. 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2023年7月29日閲覧。
  14. ^ a b c d e Yıllık Yarış Programı” (トルコ語). TJK. 2023年12月23日閲覧。
  15. ^ a b c 2023 International Cataloguing Standards Book” (英語). IFHA. 2023年7月29日閲覧。
  16. ^ Detaylı Derece İstatistikleri” (トルコ語). TJK. 2023年7月29日閲覧。
  17. ^ Reşat Köstem (2022年4月8日). “Dubai’nin Ardından Gerçeklerle Yüzleşmek…”. Yarış Dergisi. 2023年7月29日閲覧。
  18. ^ 2024 Yılı Yarış Programı Hakkında Bilgi ve Aydınlatma Metni” (トルコ語). TJK (2023年12月22日). 2023年12月23日閲覧。
  19. ^ 2023 Yılı At Yarışları Genel Hükümleri” (PDF) (トルコ語). TJK. 2023年7月29日閲覧。
  20. ^ Major Races” (英語). TJK. 2023年7月29日閲覧。
  21. ^ a b c 須田鷹雄 (2021年1月). “世界旅打ち気分 第31回・イスタンブールとイズミル” (PDF). グリーンファーム. 2023年8月6日閲覧。
  22. ^ a b 須田鷹雄 (2022年5月29日). “当てても当てても儲からない……なのにトルコ競馬は国内で大人気!隠れた馬券王国は観光先にもオススメ”. 婦人公論.jp. 2023年8月6日閲覧。
  23. ^ TJK e-Bayi” (トルコ語). TJK. 2023年8月6日閲覧。
  24. ^ Ganyan, ikili ve çifte bahis oyunlarında büyük fırsat zamanı” (トルコ語). TJK. 2023年12月8日閲覧。
  25. ^ Bahisler” (トルコ語). TJK. 2023年8月6日閲覧。
  26. ^ イスタンブール競馬場・場内紹介”. 須田鷹雄の日常・非日常 (2013年2月9日). 2023年8月9日閲覧。
  27. ^ Basında Biz” (トルコ語). TJK. 2023年8月9日閲覧。
  28. ^ Canlı Yayın” (トルコ語). TJK. 2013年6月30日閲覧。
  29. ^ New Born Foals” (英語). TJK. 2023年8月10日閲覧。
  30. ^ Turkey Year 2019 Breeding Statistics” (英語). International Federation of Horseracing Authorities. 2023年8月10日閲覧。
  31. ^ Hall of Famer Manila Dead” (英語). BloodHorse.com (2009年3月2日). 2023年8月10日閲覧。
  32. ^ KY Derby Winner Strike the Gold Dead at 23” (英語). BloodHorse.com (2011年12月14日). 2023年8月10日閲覧。
  33. ^ Turkish Stallion Doyoun Dead” (英語). BloodHorse.com (2002年12月10日). 2023年8月10日閲覧。
  34. ^ Oldest Living Derby Winner Sea Hero Dies at 29” (英語). BloodHorse.com (2019年7月12日). 2023年8月10日閲覧。
  35. ^ Victory Gallop Sold to Turkey” (英語). BloodHorse.com (2008年2月1日). 2023年8月10日閲覧。
  36. ^ Champion Dehere Dead at 23 in Turkey” (英語). BloodHorse.com (2014年5月16日). 2023年8月10日閲覧。
  37. ^ Expatriate Sire Lion Heart Dies in Turkey at 22” (英語). BloodHorse.com (2023年6月19日). 2023年8月10日閲覧。
  38. ^ Pleasantly Perfect Dies in Turkey at 22” (英語). BloodHorse.com (2020年6月3日). 2023年8月10日閲覧。
  39. ^ Authorized Latest Stallion Sold to Turkish Jockey Club” (英語). BloodHorse.com (2019年12月10日). 2023年8月10日閲覧。
  40. ^ Derby Winner Super Saver, Daredevil to Turkey” (英語). BloodHorse.com (2019年11月27日). 2023年8月10日閲覧。
  41. ^ ディヴァインライトがトルコへ”. netkeiba.com (2007年12月11日). 2023年8月10日閲覧。
  42. ^ ディヴァインライト産駒レンク、父の2頭目のトルコダービー馬に”. 競馬ブックweb. 2023年7月3日閲覧。
  43. ^ 米国で供用中のユートピア、新天地トルコへの移動が決定”. 競馬ブックweb. 2023年7月3日閲覧。
  44. ^ スマートロビンが優駿スタリオンステーションを退厩”. 競走馬のふるさと案内所 (2015年8月18日). 2023年7月3日閲覧。
  45. ^ ヴィクトワールピサ、クルーガー トルコで種牡馬に「クラブからラブコール」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年12月24日閲覧。
  46. ^ 乗馬予定のメールドグラースがトルコで種牡馬入り|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2021年3月30日閲覧。
  47. ^ サトノアレス号は新天地トルコへ旅立ち!”. サラブレッド・ブリーダーズ・クラブ (2023年2月1日). 2023年7月3日閲覧。
  48. ^ Distamt Relative(IRE)”. JBIS. 2023年8月10日閲覧。
  49. ^ Mountain Cat(USA)”. JBIS. 2023年8月10日閲覧。
  50. ^ Royal Abjar(USA)”. JBIS. 2023年8月10日閲覧。
  51. ^ Unaccounted For(USA)”. JBIS. 2023年8月10日閲覧。
  52. ^ Mendip(USA)”. JBIS. 2023年8月10日閲覧。
  53. ^ Torok(IRE)”. JBIS. 2024年1月9日閲覧。
  54. ^ TOROK (IRE)”. TJK. 2024年1月9日閲覧。
  55. ^ Sire Statistics”. TJK. 2024年1月9日閲覧。
  56. ^ a b International Races in Turkey 2023” (英語). TJK. 2023年7月11日閲覧。
  57. ^ 2022 Pattern Race Calendars” (英語). IFAHR. 2023年7月11日閲覧。
  58. ^ Racecourses” (英語). TJK. 2023年8月6日閲覧。
  59. ^ Erzincan Hipodromu’nun temeli atıldı” (トルコ語). TJK (2018年6月13日). 2023年8月6日閲覧。
  60. ^ Türkiye'deki hipodrom sayısını 13'e çıkaracağız” (トルコ語). TJK (2016年11月28日). 2023年8月6日閲覧。

外部リンク

[編集]