トヨタ・TS050 HYBRID

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トヨタ・TS050 HYBRID
2016年WECプロローグにて撮影
2016年WECプロローグにて撮影
カテゴリー LMP1
コンストラクター トヨタ
先代 トヨタ・TS040 HYBRID
主要諸元[1][2][3][4]
シャシー カーボンファイバー アルミニウム ハニカム モノコック
サスペンション(前) 独立懸架 ダブルウィッシュボーン プッシュロッド
サスペンション(後) 独立懸架 ダブルウィッシュボーン プッシュロッド
全長 4,650 mm
全幅 1,900 mm
全高 1,050 mm
エンジン トヨタ 2.4 L 90° V6 ツインターボ ミッドシップ, 縦置き
トランスミッション 7速(2016年),6速(2017-2019年) シーケンシャルセミオートマチック
燃料 モービル
タイヤ ミシュラン ラジアル
主要成績
チーム TOYOTA GAZOO Racing
ドライバー
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズタイトル 1(2018-19
初戦 2016年シルバーストーン6時間レース
出走優勝ポールFラップ
26151210
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トヨタ・TS050 HYBRID (Toyota TS050 HYBRID) は、トヨタ自動車トヨタ・モータースポーツ)が2016年のFIA 世界耐久選手権 (WEC) 参戦用に開発したプロトタイプレーシングカートヨタ・TS040 HYBRIDの後継モデルにあたる。

トヨタのル・マン24時間レース初参戦から33年目にして初のル・マン総合優勝車であり、日本車としてもマツダ・787B以来の優勝車となった。

概要[編集]

トヨタは2014年にTS040を投入してWECのチャンピオンに輝いたが、2015年は資金を大量投入したポルシェアウディの競争レベルから取り残されたため、2016年に向けて開発計画の見直しを迫られた。2015年の第3戦ル・マン24時間レースの頃には新車開発を決断し、約10カ月という短い期間でTS050を開発した[5]

前後輪にモーター・ジェネレーター・ユニット (MGU) を搭載する四輪ハイブリッド方式は変わらないが、パワートレイン関連は一新された。燃料流量と燃料の総エネルギー量が約7.5パーセント削減される新レギュレーションに対応し、エンジンは3,700ccのV8自然吸気 (NA) から、2,400ccのV6直噴ツインターボへ変更された[6]。このエンジンはトヨタの東富士研究所で開発され、F1のパワーユニット同様副燃焼室(プレチャンバー)技術が採用されている[7]。蓄電装置は充放電のレスポンスに優れるスーパーキャパシタから、蓄電容量の大きいハイパワー型リチウムイオン電池に変更され[8]ル・マン1周あたりのエネルギー放出量では4段階のうち最大の8メガジュール (MJ) を選択。本来、これらの技術は2017年以降に順次投入される予定だった[8]

トヨタは2015年より「TOYOTA GAZOO Racing」の統一ブランドでモータースポーツに参戦することを発表していたため、カラーリングもTS030以来の白×青パターンに代わり、GAZOO Racingの白×赤×黒パターンにイメージチェンジした。

トヨタは2016年の目標をル・マン24時間レースの初制覇に設定。開発リーダーの村田久武は「絶対に今年のルマンで優勝することを目標に開発しました。我々はルマンのコースレイアウトに集中して、それに特化して開発してきました[5]」と語っている。

レース活動[編集]

2016年[編集]

2016年3月24日、ポール・リカールの合同テストでTS050が一般公開された。引退したアレクサンダー・ヴルツに代わって小林可夢偉が加入し、5号車(中嶋一貴セバスチャン・ブエミアンソニー・デビッドソン)と6号車(小林可夢偉ステファン・サラザンマイク・コンウェイ)のラインナップでWECに参戦する。

開幕戦シルバーストン6時間レースは熟成不足。第2戦スパ6時間レースでは5号車が独走するも、エンジントラブルで勝利を逃した。

2016年のル・マン24時間レースでのTS050 HYBRID(5号車)

第3戦ル・マン24時間レースの前には「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」というキャッチフレーズを掲げ[9]、ル・マン初優勝に賭ける意気込みを見せた。決勝はトヨタの2台とポルシェ・919(2号車)がスプリントレース並みの接戦を続けたが、ポルシェより1周分多く周回するトヨタが、最終盤で計算上ピット一回分のマージンを稼いだ。しかし終盤、プッシュしていたトヨタ6号車の小林がスピンして脱落した。最後の30分でポルシェ2号車がピットインし、トヨタ5号車が1分半のリードを保ち栄光のチェッカーを目指したが、残り6分でエンジントラブルのためスローダウンし、最終ラップに入るホームストレートでポルシェ2号車に抜かれるというル・マンの歴史に残る悲劇的な結末を迎えた[10]。優勝したポルシェを含め、WEC関係者からはトヨタに対する称賛や労いの声が寄せられた[11][12][13]。トラブルの原因はエンジン左バンクのコンプレッサーインタークーラーをつなぐカーボン製のパイプが脱落し、過給圧が低下したためと判明した[14]。この部品は17,000kmのテストをパスし、レース前に新品に交換していたにもかかわらず、問題が発生してしまった[14]

第7戦富士6時間レースでは、6号車の最終スティントで小林可夢偉のドライブにより、ポルシェ(1号車)、アウディ(8号車)が新品タイヤを使う中、唯一ユーズドタイヤでありながらも、迫り来るアウディ(8号車)をギリギリまで抑え、1.6秒差で6号車が今期初優勝を飾った。トヨタの優勝は、2014年の第7戦バーレーン以来のものとなった。

6号車は次戦上海6時間レースでも2位を獲得し、ポルシェ2号車とドライバーズチャンピオンを争ったが、最終戦でランキング3位に後退。マニュファクチャラー部門も3位でシーズンを終えた。

2017年[編集]

2017年3月31日、モンツァ・サーキットの合同テストで2017年仕様のTS050 HYBRIDが一般公開された。ドライバーは7号車にマイク・コンウェイ、小林可夢偉、新加入のホセ・マリア・ロペス、8号車にセバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン、中嶋一貴という組み合わせでシリーズ参戦する。また、第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースと第3戦ル・マン24時間レースには3台目として9号車を投入する。ドライバーはステファン・サラザン、国本雄資ニコラ・ラピエール[15]

開幕戦シルバーストン6時間レースで7号車がTS050初のポールポジションを獲得。しかし7号車は3時間を経過した所でホセ・マリア・ロペスがクラッシュしてしまう。その後首位に躍り出た8号車が優勝した。7号車もなんとか修復し23位完走。

第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースでは3台体制で参戦。9号車はル・マンを見据えたローダウンフォース仕様を導入した。予選では1号車のポルシェにポールを譲るも、7号車がすぐさまオーバーテイク。それに続く形で8号車もポルシェを抜き1-2体制を構築。7号車はそのまま後続を引き離す走りを見せるもフルコーションイエローの際のピットタイミングをミスし8号車に先行を許してしまう。8号車はそのまま首位をキープし開幕2連勝。7号車が2位に続き、9号車は5位で完走を果たした。

第3戦ル・マンでは練習走行、予選、決勝から優れたペースを見せ、特に予選では小林可夢偉が従来のコースレコードを2秒縮めるという成果をあげた。決勝でも前半を1-2体制で走り続けたが、8時間ほどで2位の8号車はトラブルにより長期ピットイン。1位の7号車は、10時間経過後の夜間のセーフティカー走行中にピット出口の赤信号で待機していたところ、マーシャルと同じ黒・オレンジ色のレーシングスーツを着たアルガルヴェ・プロ・レーシングの地元ドライバー、ヴァンサン・キャピレールフランス語版が駆け寄ってきて親指を立ててエールを送った。しかしこれを搭乗していた小林が発進の合図と勘違いし、慌ててピットが無線で小林を制止。この結果想定していない手順で発進してしまい、クラッチを破損。しかもこのトラブルの発生は、セーフティーカー走行が終了したホームストレート上でスローダウンしたことにより発覚、結果ピットには還れずリタイアとなった[16]。残った9号車も、オープニングラップでバイコレスが落下させたパーツで右カウルを破損したり、ドアが空いてしまうなどのトラブルに見舞われていた。それでも8号車のリタイア時にはトヨタ勢最上位となっていたものの、直後にホームストレート上でLMP2の追突を受け、右リアをバースト。ズルズルと這う様に走りながらピットへの帰還を試みたが、ピット進入口でわずかに届かずリタイアとなった。この年のル・マンは結局、先にトラブルに見舞われた8号車が最後まで生き残り、総合9位(クラス2位)で終わったが、総合3位でフィニッシュしたネルソン・ピケJr.デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン、マティアス・ベシェがドライブを担当したLMP2クラスの13号車バイヨン・レベリオンがレース中に違反行為をしたため失格処分となり、総合8位に繰り上がった。このレース後、現地に訪れていたトヨタ自動車社長の豊田章男は、ドライバーに「思い切り走らせてあげられなくてごめん」と謝罪する声明を出す一方、チームを「クルマを速くするだけではルマンには勝てないんだ! 我々には“強さ”がない! 強いチームにはなれていない!」と厳しく叱責した[17]

ル・マン後も、ハイダウンフォース仕様のホモロゲーションを先に取得したトヨタは、後に取得したポルシェに大幅に後れを取った。終盤のローダウンフォース向けサーキットで挽回したものの、ル・マンでの大敗の影響もあって最終戦前にポルシェにタイトルを決められてしまった。一方で勝利数ではポルシェを上回った。なおこの年のWECはポルシェのチームオーダーもあって、優勝できたのはトヨタ8号車とポルシェ2号車の2台のみであった。

2018-2019年[編集]

1月30日、2018-2019年シーズンを戦うドライバーが発表された[18]。7号車は去年と同様、8号車はセバスチャン・ブエミと中嶋一貴に加え、新たにトリプル・クラウン(世界三大レース制覇)の野望を持つ元F1王者で現役ドライバーとしても活躍するフェルナンド・アロンソが加入した。アロンソはF1と重複するラウンド以外全戦に参戦する。TMGは前年のトラブルの多さ以上に、トラブルに対処できなかったことが敗因に繋がったという反省から、一輪が脱輪した状態で走る、燃料が殆ど無い状態で走るなど、様々なトラブルを想定した訓練を行った[19]

ノンハイブリッド車両の規則が大幅に緩和されたことでLMP1にはレベリオン・レーシングSMPレーシングなどのプライベーターが大挙した一方、前年までの王者ポルシェが撤退したことで、ワークスチームはトヨタのみになってしまった。そのためACOはEoTを大きく変更し、シーズンを通してワークスとプライベーターの差を縮めようと様々な変更を行った。

開幕戦スパ・フランコルシャンではトヨタ2台がフロントローを占めたが、事務的な申告ミスにより7号車がピットスタート+1ラップダウンという重いペナルティが課せられた。決勝では7号車が圧倒的なペースで8号車に迫ったが、チーム内の「バトルは最終スティント前のピットインまで」という取り決めもあり、8号車が優勝を収めた。またアロンソにとってはデビューウィンとなった。

第2戦ル・マンでは、中嶋一貴が2014年以来2度目のポールポジションを獲得。決勝ではトヨタはライバルより1ラップ2秒以上速く走り、終始レースを支配した。8号車は一時7号車にトップを奪われ、ペナルティで2分以上遅れたが、その後アロンソの鬼神のような速さや黄旗のタイミングなどもあり、8号車がトップに返り咲いた。また小林がピットインし忘れてガス欠の危機に陥ったが、前述の徹底した対トラブル訓練により事なきを得た。最後は中嶋と小林がランデブー走行でチェッカーを受け、トヨタは30年越しの悲願の総合優勝を果たした。日本車としてのル・マン総合優勝はマツダ・787に次ぐ2例目、日本人は荒聖治に次ぐ3例目だが、日本車と日本人の組み合わせでの総合優勝は史上初で、日本車又は日本人の1-2フィニッシュもまた史上初となった。翌日のNHKや民放、新聞などではトップニュースに大きく取り上げられた。なおレース展開・レギュレーションの違いもあって一概に比較はできないが、8号車の記録した周回数388は、TS050が戦ってきたポルシェ・919ハイブリッドの2016年の384周、2017年の367周を凌ぐ数字であり、トヨタがトヨタ・TS010で参戦した1991年以降では2010年のアウディ・R15 TDIによる397周、2015年のポルシェ・919ハイブリッドの395周に次ぐ三番目に多い周回数である。

2019年5月に行われた第7戦スパ・フランコルシャンでは7号車がポールポジションを獲得すると、決勝ではそのまま好ペースを保ち8号車を突き離していくが、セーフティーカーやフルコースイエロー、さらには天候の急激な変化によって度々レースリーダーが入れ替わる事となった。残り3時間というところでトップを走っていた7号車にハイブリッドシステムのトラブルが発生、ガレージで修復し復帰するものの、新たにトップとなった8号車には周回遅れにされてしまった。結果は8号車がトップでゴール、7号車は3周遅れの6位となった。この時点で既にランキング2位のレベリオンとの差が39ポイント以上に広がっていたため、トヨタはWECのチームタイトルを獲得した。

最終戦となる第8戦ル・マンでは、7号車がポールポジションを獲得。決勝でも7号車が終始トップを走っていたものの、残り1時間で右リヤタイヤがパンク。しかもそのタイヤ交換のためのピットインで、誤って右リヤではなく右フロントタイヤを交換するというミスを犯してしまい(後にセンサーの配線ミスだと判明する)再度のピットインが必要となり、結果として大半のリードを築いていたにも関わらず8号車に逆転を許してしまった[20]。最終的に前年同様に8号車がトップでゴールし2連覇を達成、同時に同車を駆るブエミ/中嶋/アロンソ組が2018 - 2019年のシリーズチャンピオンを獲得した。これによりブエミは2回目、中嶋とアロンソは初のシリーズチャンピオンとなった。これにより全戦トップチェッカーを達成したが、第3戦シルバーストン・サーキットではトップチェッカーを受けるも車両規定違反で2台とも失格となっている。

2019-2020年[編集]

2019年5月1日、トヨタは2019年の最終戦ル・マンを最後にアロンソが離脱、そして後任にポルシェのファクトリードライバーで元F1ドライバーのブレンドン・ハートレイが就くことを併せて発表した[21]。なお、アロンソ以外のメンバーは全員残留することが決定している。メンバー編成については、7号車はそのままに、8号車はアロンソが抜けた枠にハートレイが入ることとなった。

2019年7月、カタロニア・サーキットで行われたWECのプロローグテストで、2019 - 2020シーズン用マシンが公開された。見た目の変更点としてはフロント部分に大きく手が加えられ、フロントノーズの形状変更や、サイドミラーが前輪のフェンダーに埋め込みになったほか、サイドからリヤにつながるダクトが消滅している[22]

スペック[編集]

詳細はトヨタモータースポーツ公式サイト[23]を参照。

シャシー[編集]

  • 名称 TS050 HYBRID
  • 参戦カテゴリー ル・マン・プロトタイプ (LMP1)
  • ギヤボックス 横置き7速シーケンシャルトランスミッション(2016),横置き6速シーケンシャルトランスミッション(2017-2019)

エンジン[編集]

  • パワートレイン トヨタハイブリッドシステム・レーシング (THS-R)
  • エンジン・バンク角 90° V6 ツインターボエンジン
  • 燃料 ガソリン
  • エンジン排気量 2.4 L
  • バルブ数 4
  • エンジン最高出力 367 kW/500 PS
  • ハイブリッドパワー 前輪モーター+後輪モーター:367 kW/500 PS
  • パワーユニット最高出力 735 kW/1,000 PS(エンジン+ハイブリッドモーター)
  • 蓄電装置 ハイパワー型リチウムイオン電池
  • 前輪ハイブリッド・モーター&インバータ (アイシン・エィ・ダブリュ製)
  • 後輪ハイブリッド・モーター&インバータ (デンソー製)
  • 後エンジン・モーター総合最大出力 735 kW/1,000 PS

ブレーキ[編集]

  • モノブロック軽合金キャリパー(曙ブレーキ製)
  • ベンチレーテッド・カーボンディスク

戦績[編集]

2016年 FIA 世界耐久選手権[編集]

マニュファクチャラーズチャンピオンシップ(LMP1部門)
No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ポイント ランキング
SIL
イギリスの旗
SPA
ベルギーの旗
LMS
フランスの旗
NUR
ドイツの旗
MEX
メキシコの旗
COA
アメリカ合衆国の旗
FUJ
日本の旗
SHA
中華人民共和国の旗
BHR
バーレーンの旗
2016年 5 16 17 NC[24] 5 Ret 5 4 3 4 229 3位
6 2 Ret 2 6 3 3 1 2 5

2017年 FIA 世界耐久選手権[編集]

マニュファクチャラーズチャンピオンシップ(LMP1部門)
No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ポイント ランキング
SIL
イギリスの旗
SPA
ベルギーの旗
LMS
フランスの旗
NUR
ドイツの旗
MEX
メキシコの旗
COA
アメリカ合衆国の旗
FUJ
日本の旗
SHA
中華人民共和国の旗
BHR
バーレーンの旗
2017年 7 23 2 Ret 3 4 4 2 4 4 286.5 2位
アルゼンチンの旗 J.M.ロペス WD
フランスの旗 S.サラザン Ret
8 1 1 6 4 3 3 1 1 1
イギリスの旗 A.デビッドソン WD
9 フランスの旗 S.サラザン WD 5 WD WD WD WD WD WD
Ret
アルゼンチンの旗 J.M.ロペス

2018-19年 FIA 世界耐久選手権[編集]

チームズチャンピオンシップ(LMP1部門)
No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 ポイント ランキング
SPA
ベルギーの旗
LMS
フランスの旗
SIL
イギリスの旗
FUJ
日本の旗
SHA
中華人民共和国の旗
SEB
アメリカ合衆国の旗
SPA
ベルギーの旗
LMS
フランスの旗
2018–19年 7 2 2 DSQ 1 1 2 6 2 216 1位
8 1 1 DSQ 2 2 1 1 1

GRスーパースポーツ[編集]

Osaka Auto Messe 2018 (310) - Toyota GR SUPER SPORTS Concept.jpg

トヨタでは2018年の東京オートサロンにて、TS050と主要パーツをほぼ同じくするハイパーカーコンセプトカーとして「GRスーパースポーツコンセプト」を発表している[25]。同年のル・マンにおいて改めてお披露目が行われたほか、市販化に向けた開発に着手したことも明らかにされた[26]。具体的な販売時期や価格等は未定だが、メディアでは「2021年頃に販売開始、価格は1台1億円を超える」と予想されている[27]。仮にこの価格が実現すると、過去のトヨタ車で最高価格だったレクサス・LFA(約3,750万円)を大きく上回り、トヨタ史上最高額となる[28]

2019年のル・マンでは、フランス西部自動車クラブ(ACO)が2020 - 2021年以降の新車両規定として「ハイパーカー」規定を発表したことに伴い、正式に同規定に従う車両として「GRスーパースポーツ(仮称)」の開発、並びに同車両によるWECへの参戦を明らかにした[29]。既に富士スピードウェイにおいて小林可夢偉らをドライバーに走行テストなども行われており、今後レギュレーションや各種法規に合わせた煮詰め作業を行っていくとしている。

脚注[編集]

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  1. ^ WEC 2016年 レース車両解説”. TOYOTA GAZOO Racing. 2018年6月20日閲覧。
  2. ^ WEC 2017年 レース車両解説”. TOYOTA GAZOO Racing. 2018年6月20日閲覧。
  3. ^ WEC 2018-19 レース車両解説”. TOYOTA GAZOO Racing. 2018年6月20日閲覧。
  4. ^ WEC 2014年 トヨタ・レーシング ハンドブック PDF版”. トヨタ自動車. 2015年2月13日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ a b "【ルマン24時間 2016】トヨタ TS050 は「ルマン勝利のために超短期開発した」…開発リーダー語る". レスポンス. (2016年5月21日) 2016年6月21日閲覧。
  6. ^ "「V6直噴ツインターボこそが最善」とトヨタ。フロントの空力コンセプトも大変更". AUTOSPORT Web. (2016年3月24日) 2016年6月21日閲覧。
  7. ^ トヨタ・ホンダも照準、超希薄燃焼の有力技術プレチャンバー 欧州エンジニアリング大手IAVが“激安”技術を提案 日経Xtec 2018年6月27日
  8. ^ a b ""だから、ハイブリッドで走る" TS050 HYBRIDと市販ハイブリッド車が紡ぐ絆(3/3)". TOYOTA GAZOO Racing.(2016年3月) 2016年6月21日閲覧。
  9. ^ "「トヨタよ敗者のままでいいのか。」トヨタが本気でル・マン24時間を勝ちにいくと発表!". WEB CARTOP. (2016年5月20日) 2016年6月21日閲覧。
  10. ^ "ル・マン24時間決勝レポート:ポルシェ2号車優勝。トヨタ目前の勝利を逃す". Motorsport.com.(2016年6月19日) 2016年6月22日閲覧。
  11. ^ 田口浩次 "トヨタへ敬意を表したライバル2チーム 劇的な幕切れのル・マン24時間から一夜". スポーツナビ. (2016年6月21日) 2016年6月22日閲覧。
  12. ^ "ポルシェ、豊田章男社長のコメントを添えトヨタに敬意を表す「素晴らしいレースをありがとう」". TopNews. (2016年6月22日) 2016年6月22日閲覧。
  13. ^ "FIA WEC、「真の勝者」トヨタを讃える". TopNews.(2016年6月22日) 2016年6月22日閲覧。
  14. ^ a b 『オートスポーツ 8/5号 (No.1436) 』、三栄書房、2016年7月22日。
  15. ^ "TOYOTA GAZOO Racing 2017年の勝利を目指す全面改良型TS050 HYBRIDを発表". TOYOTA GAZOO Racing(2017年3月31日) 2017年3月31日。
  16. ^ ル・マン:7号車トヨタのリタイアは、LMP2ドライバーの紛らわしい“仕草”が発端か
  17. ^ 【ルマン24時間】豊田社長「強さを得るためチームが辿り着いた考え方は、やはり『改善』でした」…初優勝トヨタ祝談 RESPONSE 2018年6月18日
  18. ^ TOYOTA GAZOO Racing WEC 2018-19 シーズンの参戦ドライバーを決定 フェルナンド・アロンソが#8号車のドライバーに
  19. ^ WECトヨタ、”3輪走行”を練習!? ル・マンに向けトラブル対策進めるmotorsport.com 2018年4月11日
  20. ^ トヨタ、7号車の全タイヤを交換しなかった理由を説明 - motorsport.com 2019年6月17日
  21. ^ フェルナンド・アロンソ、今季限りでトヨタWECを離脱。後任にはブレンドン・ハートレーが加入” (日本語). jp.motorsport.com. 2019年5月1日閲覧。
  22. ^ 【ブログ】ル・マンから約1カ月、早くも2019/20年シーズン始動。トヨタの新車は後ろが見えない!?/WECプロローグ現地情報(1) - オートスポーツ・2019年7月24日
  23. ^ 車両解説 - トヨタ自動車 2016年閲覧。
  24. ^ 優勝者がチェッカーを受けてから6分以内に最終周回を終えなければ、完走しても失格となる。
  25. ^ CAR LINEUP - Toyota Gazoo Racing
  26. ^ TOYOTA GAZOO Racing、GRスーパースポーツコンセプトの市販化に向け、開発着手 - トヨタ自動車・2018年6月15日
  27. ^ トヨタ「GRスーパースポーツ」市販化に向け開発着手と発表 - ベストカーWEB・2018年6月16日
  28. ^ 1,000馬力で7,000万円超、トヨタ GRスーパースポーツコンセプト…東京オートサロン2018詳細画像 - Response・2018年1月28日
  29. ^ 【ル・マン24時間 2019】トヨタ GRカンパニー 友山プレジデント、ル・マンで「ハイパーカー」参戦発表。市販予定の「GRスーパースポーツ」ベース - Car Watch・2019年6月15日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]