トヨタイムズ
トヨタイムズ(ToyotaTimes)は、2019年からトヨタ自動車(トヨタ)が展開する、CMとネットを融合させたオウンドメディア[1]、企業広告シリーズ。
概要
[編集]トヨタが独自に編集部を社内に設置し、WebサイトやYouTubeと連携し、トヨタに関するより深い情報を伝える[1]。「トヨタイムズ」のコピーはクリエイティブ・ディレクターの篠原誠と電通の藤本宗将によるもの[2]。ロゴデザインはトヨタのかつてのコーポレートロゴのフォントを用いている[3]。
オウンドメディアを立ち上げる背景として、2018年から1年間、ZIP-FMでトヨタ自動車の社長である豊田章男が担当したラジオ番組「DJ MORIZO HANDLE THE MIC」で視聴者の質問に答えるうち、これまでの広報・広告活動では不十分であることを感じたこと[注釈 1]と、自分たちで情報発信することへの手応えを感じたことがあった[1](同番組のアーカイブもトヨタイムズのYouTubeチャンネルに納められている)。オウンドメディアの具体的な立案については、トヨタイムズ編集部の北澤重久は雑誌取材に対して豊田の発案であるとしている[1]一方、電通は自社リクルートサイトの中で、電通がトヨタにオウンドメディアを提案し、これに豊田が興味を示したものであるとしている[3]。編集部はトヨタ社内に置かれ、社長室・営業部・広報部・宣伝部などから部署横断的に人が集められているほか、電通からも多くの社員が参加し、運営に深く関与している[3]。
主な企画
[編集]2026年現在、公式サイトでは内容を以下の5ジャンルに分けて紹介している。
- 最近のトヨタ
- トヨタの取り組みだけではなく、決算発表や株主総会、果ては労使交渉までを取り上げる。豊田がレーシングドライバー「モリゾウ」として活動する模様なども紹介される。
- 特集
- 会長の豊田の対談シリーズ、トヨタで車の製造に関わる職人たちを取り上げるシリーズなどが掲載される。
- 連載
- 2021年1月に追加。社長の豊田の一人語り「TOYOTA'S WORDS あのときのアノコトバ」シリーズが掲載される。
- スポーツ
- 2021年4月に追加。トヨタが支援する様々なスポーツが紹介される。
- 2022年2月からは毎週金曜日に「トヨタイムズスポーツ」が生配信されている。森田京之介がメインキャスターを担当。
- アスリートキャスターとして三好南穂(バスケットボールチーム:トヨタ自動車アンテロープス元選手)が登場している。
- トヨタイムズニュース
- 2022年12月に追加。元テレビ朝日アナウンサーでトヨタに転職した富川悠太をキャスターに迎え、国内外のトヨタに関する話題を伝える。YouTubeの動画は基本毎週月曜17時頃更新予定(それ以外の曜日に追加されることもある)。
- 豊田章男の「声だけのトヨタイムズ」
- 2024年2月から。富川が聞き手となって、トヨタのニュースで気になることを豊田が解説する。YouTube/YouTube Music版以外にSpotify、Apple Podcast、Amazon Music版がある。
- 月イチ!ウーブン・シティ
- 2026年4月から。2026年1月から実際にウーブン・シティの住民となった富川が、実証実験の最新情報や住民としての暮らし等を紹介する。月一回予定。
- トヨタイムズビジネス
- 2025年4月に追加。モビリティ関連の経済のあれこれを有識者とともに解説・議論していく。トヨタイムズニュースの富川がMCを担当。自動車経済評論家の池田直渡がレギュラーコメンテーター。
- nonシナリオ
- 2026年1月から。2025年7月に公開されたトヨタイムズのCMでマツコ・デラックスが富川と森田に対して「視聴者に共感を覚えて貰えるようなトヨタの人間って多分いっぱい居ると思う。その人たちのドラマを見せるのもトヨタイムズな気がする。」と言う提案から始まった。タイトルの通り、カメラが特定の一人に何も伝えず突撃し、対象者の赤裸々な日常に密着する。不定期更新。
富川と森田が登場するテレビCM・ラジオCMシリーズもあるが、あくまでも「オウンドメディアで発信する内容の要約」であり、取材内容のフルサイズ版の動画はYouTubeを通じて公開している[1]。TVCMとして、富川と森田がマツコ・デラックスに現在のトヨタイムズに対しての提案等を聞くシリーズもある。
トヨタイムズが開始されて以降、豊田はテレビや新聞、雑誌など大手マスメディアのインタビューにほとんど応じておらず、自社からの情報発信をトヨタイムズに事実上集約させている状況にある[4]。新型コロナウイルスのパンデミック後は豊田が会長を務める日本自動車工業会の記者会見、声明発表、2021年年頭に発表された「クルマを走らせる550万人」のメッセージCMもトヨタイムズに掲載されるようになった。
2023年11月には、トヨタが1950年から発行を続けていた社内報の発行を終了し、社内への情報発信もトヨタイムズに集約する方針を明らかにしている[5]。
トヨタ自動車がスポンサーを務めているアルバルク東京のホームアリーナであるTOYOTA ARENA TOKYOにはトヨタイムズのロゴが掲示されている。
過去の企画
[編集]受賞
[編集]- 第87回(2019年度)毎日広告デザイン賞(毎日新聞社主催、経済産業省後援) 広告主参加作品の部・最高賞[6] - 30段新聞広告に対して
- 第49回(2019年度)フジサンケイグループ広告大賞(フジサンケイグループ10社主催)メディアミックス部門グランプリ[7] - 企業広告として
- 2020年度 TCC賞(東京コピーライターズクラブ主催)[2] - コピー「トヨタイムズ」に対して
書籍
[編集]- トヨタイムズmagazine(世界文化社、2021年2月)ISBN 978-4418211128
関連項目
[編集]- Honda Stories、Me and Honda, Career - 本田技研工業のオウンドメディア
- NISSAN OWNERS' MAGAZINE - 日産自動車のオウンドメディア
- MAZDA MIRAI BASE - マツダのオウンドメディア
- SUBARUオンラインミュージアム - SUBARUのオウンドメディア
- Mercedes-Benz LIVE! - メルセデス・ベンツのオウンドメディア
- HATSUDO - ヤマハ発動機のオウンドメディア
- ANSWERS - 川崎重工業のオウンドメディア
脚注
[編集]注記
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 中村勇介 (2020年8月21日). “テレビCMの未来 第5回 テレビCMがオウンドメディアに 「トヨタイムズ」制作の舞台裏”. 日経XTREND. 日経BP. 2020年9月12日閲覧。
- 1 2 “2020年度TCC賞グランプリは、古川雅之氏の金鳥ラジオCM「G 作家の⼩部屋」シリーズ”. AdverTimes (2020年8月20日). 2020年9月12日閲覧。
- 1 2 3 “トヨタイムズ”. DENTSU RECRUIT 2022. 2021年5月12日閲覧。
- ↑ “マスコミはもういらない…トヨタ社長の「ロバの話」を考える”. 現代ビジネス. 講談社 (2020年9月7日). 2020年9月7日閲覧。
- ↑ トヨタ社内報、73年の歴史に幕…今後はネットの「トヨタイムズ」に集約 - 読売新聞・2023年11月24日
- ↑ “第87回入賞作品一覧 広告主参加作品の部”. 毎日広告デザイン賞公式サイト. 2020年9月13日閲覧。
- ↑ “第49回 フジサンケイグループ広告大賞受賞作品一覧”. フジサンケイグループ広告大賞公式サイト. 2020年9月13日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- トヨタイムズ - YouTubeチャンネル
- トヨタイムズスポーツ - YouTubeチャンネル
- トヨタイムズ (@toyotatimes) - X(旧Twitter)