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トミー・ポール (テニス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トミー・ポール
Tommy Paul
2021年全仏オープンでのトミー・ポール
基本情報
フルネーム Thomas Tommy Paul
愛称 T-Paul
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニュージャージー州ブーヒーズ・タウンシップ英語版
生年月日 (1997-05-17) 1997年5月17日(28歳)
身長 185cm
体重 82kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2015年
ツアー通算 4勝
シングルス 4勝
生涯獲得賞金 10,647,695 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 ベスト4(2023)
全仏 3回戦(2024)
全英 ベスト8(2024)
全米 4回戦(2023・24)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 2回戦(2021)
全仏 ベスト8(2020)
全英 2回戦(2022)
全米 2回戦(2016)
国別対抗戦最高成績
デビス杯 ベスト8(2022)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 9位(2025年1月27日)
ダブルス 97位(2022年9月12日)
獲得メダル
男子 テニス
オリンピック
2024 パリ ダブルス
2025年4月20日現在

トミー・ポールTommy Paul, 1997年5月17日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州ブーヒーズ・タウンシップ英語版出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高位はシングルス9位、ダブルス97位。これまでにATPツアーでシングルス4勝を挙げている。身長185cm、体重82kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

選手経歴

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ジュニア時代

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全仏オープンジュニアではシングルスの決勝でテイラー・フリッツに勝利して優勝。ダブルスではウィリアム・ブランバーグ英語版とのペアで準優勝した。同年の全米オープンジュニアのシングルスでも決勝に進出したが、フリッツに敗れ準優勝となった[1]

2015年 グランドスラム初出場

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2015年にプロデビュー。全米オープンに出場したが、1回戦でアンドレアス・セッピに4-6, 0-6, 5-7のストレートで敗れた[2]。年間最終ランキングは276位。

2016年 ツアー初勝利

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2016年ウィンブルドン選手権でのトミー・ポール

4月にワイルドカードで全米男子クレーコート選手権に出場し、1回戦で当時世界ランキング53位のパオロ・ロレンツィに勝利。これがATPツアー初勝利となった。年間最終ランキングは282位。

2016年全米オープンでのトミー・ポール

2017年 ツアーベスト8

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7月、アトランタ・オープンの予選を通過し本選に出場。1回戦で第7シードの鄭現、2回戦でマレク・ジャジリに勝利し、ATPツアーで初のベスト8に進出した。準々決勝では第3シードのジレ・ミュラーに敗れた。この大会での活躍が評価され、ムバダラ・シティDCオープンにワイルドカードで出場。1回戦でキャスパー・ルードに勝利すると、2回戦でリュカ・プイユにストレート勝ちし、ATPツアー500で初のベスト8に進出した。準々決勝では錦織圭に敗れた。年間最終ランキングは152位。

2017年ムバダラ・シティDCオープンでのトミー・ポール

2019年 トップ100入り

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4月、ATPチャレンジャーツアーのサラソタ・オープンで優勝。9月に開催されたオラクル・チャレンジャーシリーズでも優勝し、初のATPトップ100入りを果たした年間最終ランキングは90位。

2020年 全仏ダブルスベスト8

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1月のアデレード国際ではベスト4に進出した[3]。世界ランキング80位で臨んだ全豪オープンでは2回戦で第18シードのグリゴール・ディミトロフに6-4, 7-6(6), 3-6, 6-7(3), 7-6(3)のフルセットの末に勝利し、グランドスラムで初の3回戦進出となった[4]。3回戦ではマートン・フチョビッチに1-6, 1-6, 4-6のストレートで敗れた[5]。9月、全豪オープン以来の再戦となる全米オープンではディミトロフに4-6, 3-6, 1-6のストレートで敗れ、初戦敗退なった。全仏オープンでは28シードのキャスパー・ルードに1-6, 6-1, 3-6, 6-1, 3-6のフルセットの末に2回戦敗退となるも、ニコラス・モンロー英語版とのダブルスではベスト8進出を果たした。年間最終ランキングは54位。

2021年 ツアー初優勝 トップ50入り

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1月のデルレイビーチ・オープンでは第5シードで出場したが、2回戦でセバスチャン・コルダに敗れた[6]。ATPランキング53位で臨んだ全豪オープンでは、2回戦でキャスパー・ルードに敗れた。3月、ABNアムロ・オープンでベスト8に進出。メキシコ・オープンでは1回戦で第4シードのミロシュ・ラオニッチに敗れた。マイアミ・オープンではマルコス・ギロンに初戦敗退。

2021年全仏オープンでのトミー・ポール

世界ランキング52位で臨んだ全仏オープンでは初戦を突破して、2回戦で当時世界2位のダニール・メドベージェフに敗れたものの、6月14日には自身初となる世界ランキングでトップ50入りを果たした。グラスコートシーズンは足の怪我により、試合に出場しなかった。7月から8月にかけて開催された東京オリンピックに出場したが、1回戦でアスラン・カラツェフに敗れた。世界ランキング54位で臨んだ全米オープンではロベルト・カルバリェス・バエナに初戦敗退。BNPパリバ・オープンでは3回戦で当時世界5位のアンドレイ・ルブレフに勝利したことでATPツアー・マスターズ1000で初の4回戦進出及びトップ5選手から初勝利を挙げた。4回戦ではキャメロン・ノリーに敗れた。シーズン最後に出場したストックホルム・オープンでは2回戦でテイラー・フリッツ、準々決勝で元世界ランキング1位のアンディ・マリー、準決勝でフランシス・ティアフォー、決勝でデニス・シャポバロフに6-4, 2-6, 6-4で勝利し、ツアー初優勝を果たした[7]。年間最終ランキングは43位。

2022年 トップ30入り

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シーズン最初に出場したアデレード国際ではベスト8進出。準々決勝でガエル・モンフィスに敗れた。世界ランキング41位で臨んだ全豪オープンでは2回戦でミオミル・ケツマノビッチに敗れた。メキシコ・オープンでは準々決勝で元世界ランキング1位のラファエル・ナダルに敗れた。BNPパリバ・オープンでは2回戦で当時世界ランキング3位のアレクサンダー・ズベレフに勝利するも、3回戦でアレックス・デミノーに敗れた。翌週のマイアミ・オープンでは大会初の3回戦進出をした。テイラー・フリッツに敗れたものの、4月4日に更新された世界ランキングではトップ35を達成した。

ムチュア・マドリード・オープンでは1回戦でヤニック・シナーを相手に最初の2セットを先取したが、その後に逆転負けを喫した。第30シードで出場した全仏オープンではクリスチャン・ガリンに初戦敗退。クイーンズ・クラブ選手権では1回戦で第6シードのデニス・シャポバロフに勝利。2回戦ではグランドスラムで3度の優勝歴がある元世界ランキング3位のスタン・ワウリンカに勝利した。準々決勝ではマッテオ・ベレッティーニに敗れた。イーストボーン国際では2回戦で第2シードのシナーに勝利するも、準々決勝でデミノーに敗れた。第30シードで出場したウィンブルドン選手権では3回戦でイジー・ベセリーに勝利し、グランドスラムで初の4回戦進出を果たした。4回戦では当時世界ランキング12位のキャメロン・ノリーに敗れた[8]

ナショナル・バンク・オープンでは2回戦で当時世界ランキング4位のカルロス・アルカラスに勝利したことで通算3度目となるトップ5相手の勝利となった。3回戦でマリン・チリッチに勝利し、マスターズ1000における初のベスト8進出を果たした。準々決勝ではダニエル・エバンスに敗れた。8月15日に更新されたATPランキングでは自己最高の31位にランクインした[9]。第29シードで出場した全米オープンでは1回戦でベルナベ・サパタ・ミラジェス、2回戦でセバスチャン・コルダに勝利し、初の3回戦に進出した。3回戦ではキャスパー・ルード相手に4時間30分を超える激闘の末、敗れた。パリ・マスターズ2回戦では当時世界ランキング2位のナダルに勝利したことでトップ10相手にシーズン4度目の勝利となった。3回戦でパブロ・カレーニョ・ブスタに勝利し、ベスト8進出。準々決勝でロベルト・バウティスタ・アグートに敗れた。年間最終ランキングは32位。

2023年 全豪ベスト4 ツアー通算100勝 トップ15入り

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1月、全豪オープンでは1回戦でヤン=レナード・ストルフを6-1, 7-6(6), 6-2、2回戦で第30シードのアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナを6-2, 2-6, 6-7(4), 6-3, 6-4、3回戦で同胞のジェンソン・ブルックスビーを6-1, 6-4, 6-3、4回戦で第24シードのロベルト・バウティスタ・アグートを6-2, 4-6, 6-2, 7-5でそれぞれ下して、グランドスラムベスト8進出となる。準々決勝ではベン・シェルトンを7-6(6), 6-3, 5-7, 6-4で破り、自身初となる四大大会準決勝進出を果たした[10]。試合後の会見では「テニスを始めた時のみんなの夢」と明かした。また、アメリカ人男子選手としては2009年のアンディ・ロディック以来となるベスト4進出を果たした[11]。準決勝では第4シードのノバク・ジョコビッチに5-7, 1-6, 2-6のストレートで敗れた。

2月、デルレイビーチ・オープンでは2回戦で同胞のデニス・クドラを6-3, 6-4のストレートで破り、ベスト8進出するも、準々決勝でラドゥ・アルボットを2-6, 2-6のストレートで敗れた。

3月、アカプルコでは準々決勝でマッケンジー・マクドナルド、準決勝でテイラー・フリッツといった同胞らをそれぞれ下して決勝進出。決勝ではアレックス・デミノーに6-3, 4-6, 1-6の逆転で敗れ、準優勝となったが、同大会2回戦を勝利したことでツアー通算100勝を達成した。BNPパリバ・オープンでは2回戦でストルフを6-3, 6-3、3回戦でホベルト・ホルカシュを4-6, 6-2, 6-4でそれぞれ下して、4回戦進出するも、フェリックス・オジェ=アリアシムに6-3, 3-6, 6-7(6)の逆転で敗れた。続くマイアミ・オープンでは3回戦でアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナを6-3, 7-5のストレートで破るも、4回戦でカルロス・アルカラスに4-6, 4-6のストレートで敗れた。

4月、全米男子クレーコート選手権ではヤニック・ハンフマン英語版に6-7(6), 2-6のストレートで初戦敗退。同月末のマドリード・オープンではロマン・サフィウリン英語版に3-6, 6-7(3)のストレートで初戦敗退が続いた。

5月、エクス=アン=プロヴァンス・チャレンジャー英語版では第1シードとして出場し、決勝進出。決勝では元世界ランキング1位のアンディ・マリーに6-2, 1-6, 2-6の逆転で敗れ、準優勝[12]BNLイタリア国際ではクリスチャン・ガリンに6-4, 3-6, 4-6の逆転で敗れ、初戦敗退。全仏オープンでは第16シードとして出場。1回戦ではドミニク・シュトリッカーを6-3, 6-2, 6-4のストレートで破り、初戦突破するも、ニコラス・ジャリーに6-3, 1-6, 4-6, 5-7の逆転で敗れて2回戦敗退。

6月、シュトゥットガルト・オープンではストルフに6-7(4), 6-7(5)の熱戦の末に2回戦敗退。クイーンズ・クラブ選手権では予選から第1シードとして出場し、予選2試合を突破するも、フランシスコ・セルンドロに6-7(2), 6-4, 4-6で初戦敗退。

7月、イーストボーン国際では決勝進出するも、前述のセルンドロに4-6, 6-1, 4-6で敗れて準優勝となった。ウィンブルドン選手権では第16シードとして出場。1回戦で望月慎太郎を7-5, 6-3, 6-1、2回戦でミロシュ・ラオニッチを6-4, 7-6(4), 6-7(4), 6-4で下すも、3回戦ではイジー・レヘチカに2-6, 6-7(2), 7-6(5), 7-6(9), 2-6のフルセットの末に敗れた。

8月、ロス・カボス・オープンではベスト8進出するも、準々決勝ではデミノーに3-6, 6-3, 3-6で敗れた。ナショナル・バンク・オープンでは1回戦でディエゴ・シュワルツマンを6-3, 3-6, 6-4、2回戦でセルンドロを7-6(2), 6-7(2), 6-3、3回戦でマルコス・ギロンを6-3, 6-2でそれぞれ下し、ベスト8進出。準々決勝では第1シードのカルロス・アルカラスを6-3, 4-6, 6-3で破る金星を挙げ[13]、ベスト4進出。準決勝ではヤニック・シナーに4-6, 4-6のストレートで敗退。続くウエスタン・アンド・サザン・オープン3回戦でアルカラスに6-7(6), 7-6(0), 3-6で敗れた。

2023年全米オープンでのトミー・ポール

9月、全米オープンでは第14シードとして出場。1回戦でステファノ・トラヴァーリャを6-2, 6-3, 4-6, 6-1、2回戦ではサフィウリンを3-6, 2-6, 6-2, 6-4, 6-3の2セットダウンからの逆転で下し、3回戦では第21シードのダビドビッチ・フォキナに6-1, 6-0, 3-6, 6-3で破り、4回戦進出。4回戦では同胞のベン・シェルトンに4-6, 3-6, 6-4, 4-6で敗れた。

10月、上海マスターズでは4回戦でルブレフに5-7, 5-7のストレートで敗れた。木下グループジャパンオープンテニスでは1回戦でダニエル・アルトマイアーを3-6, 6-1, 6-3、2回戦でマクドナルドを6-4, 6-2のストレートで下して、ベスト8進出するも、準々決勝でシェルトンに6-7(4), 3-6のストレートで敗退。

11月、パリ・マスターズでは1回戦でリシャール・ガスケを0-6, 6-2, 7-6(6)で初戦突破するも、2回戦でボーティック・ファン・デ・ザンスフルプに4-6, 6-2, 3-6で敗れた。年間最終ランキングは13位。

2024年 ツアー通算150勝 五輪銅メダル ウィンブルドンベスト8

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1月、アデレード国際では第1シードとして出場し、ベスト8進出するも、準々決勝でジャック・ドレイパーに1-6, 4-6のストレートで敗れた。第14シードとして迎えた全豪オープンでは2回戦でドレイパーを6-2, 3-6, 6-3, 7-5で勝利し、リベンジを果たしたが、3回戦ではミオミル・キツマノビッチに4-6, 6-3, 6-2, 6-7(7), 0-6のフルセットの末に敗退。

2月、2024年ダラス・オープン英語版では決勝進出。決勝ではマルコス・ギロンに6-7(3), 7-5, 3-6で敗れ、準優勝。デルレイビーチ・オープンでも決勝進出。テイラー・フリッツに2-6, 3-6のストレートで敗れ、2週連続で準優勝となった。

3月、BNPパリバ・オープンでは準々決勝でキャスパー・ルードを6-2, 1-6, 6-3で下して、ATPマスターズ1000で2度目のベスト4進出を果たした。準決勝ではダニール・メドベージェフに6-1, 6-7(3), 2-6の逆転で敗れた。マイアミ・オープン2回戦ではマーティン・ダム・ジュニア英語版戦で6-4, 2-1の時点で左脚の負傷により途中棄権を余儀なくされた。

4月、マドリード・オープンでは3回戦でフランシスコ・セルンドロに7-6(4), 4-6, 2-6の逆転で敗れた。

5月、BNLイタリア国際では4回戦でメドベージェフを1-6, 4-6のストレートで破り、準々決勝でホベルト・ホルカシュを7-5, 3-6, 6-3で下して、自身3度目のマスターズベスト4進出を果たした[14]。準決勝ではニコラス・ジャリーに3-6, 7-6(3), 3-6で敗れたが、大会中にツアー通算150勝を達成した。第14シードとして迎えた全仏オープンでは2回戦でファビオ・フォニーニを6-1, 6-0, 6-2のストレートで圧倒し、大会初の3回戦進出をするも、第23シードのセルンドロに6-3, 3-6, 3-6, 2-6の逆転で敗れた。

6月、クイーンズ・クラブ選手権では準々決勝でドレイパーを6-3, 5-7, 6-4、準決勝でセバスチャン・コーダを6-4, 7-6(2)のストレートで下して決勝進出。決勝ではロレンツォ・ムゼッティを6-1, 7-6(8)のストレートで破り、ツアー3勝目を挙げた。また、芝コートでの初タイトルとなった。

7月、ウィンブルドン選手権では第12シードとして出場。1回戦ではペドロ・マルティネスを6-2, 6-1, 4-6, 6-3、2回戦でオットー・ヴィルタネン英語版を4-6, 6-3, 5-7, 7-5, 6-4、3回戦では第23シードのアレクサンダー・ブブリクを6-3, 6-4, 6-2、4回戦でロベルト・バウティスタ・アグートを6-2, 7-6(3), 6-2でそれぞれ下してウィンブルドン選手権初のベスト8進出[15]。準々決勝では第3シードのカルロス・アルカラスに7-5, 4-6, 2-6, 2-6の逆転で敗れた。

8月、ナショナル・バンク・オープンでは2回戦でブランドン・ナカシマに2-6, 7-6(5), 1-6で敗れた。ウエスタン・アンド・サザン・オープンではフラビオ・コボッリに2-6, 6-4, 5-7で初戦敗退。

9月、全米オープンでは第14シードとして出場。1回戦でロレンツォ・ソネゴを6-4, 6-2, 5-7, 6-2、2回戦でマックス・パーセル英語版を7-5, 6-0, 1-0(不戦勝)、3回戦でガブリエル・ディアロを6-7(5), 6-3, 6-1, 7-6(3)でそれぞれ下して、2年連続4回戦進出をするも、第1シードのヤニック・シナーに6-7(3), 6-7(5), 1-6のストレートで敗れ、ベスト8進出を逃した。

10月、上海マスターズでは2回戦でフォニーニを6-1, 6-3、3回戦でアレハンドロ・タビロ英語版を6-7(2), 7-6(6), 6-2でそれぞれ下して2年連続4回進出するも、トマーシュ・マハーチに6-3, 4-6, 3-6の逆転で敗れ、ベスト8進出を逃した。パリ・マスターズではアドリアン・マナリノに3-6, 5-7のストレートで初戦敗退。年間最終ランキングは12位。

2024年パリオリンピックのテニス競技ではアメリカ代表として初出場。シングルスではベスト8進出。準々決勝でスペイン代表のカルロス・アルカラスに3-6, 6-7(7)のストレートで敗退したものの、ダブルスではテイラー・フリッツと組み、ベスト8進出。準々決勝ではイギリス代表のアンディ・マレー/ダニエル・エバンス組を6-2, 6-4のストレートで破り、準決勝でオーストラリア代表のジョン・ピアース/マックス・パーセル英語版組に5-7, 2-6のストレートで敗れたが、3位決定戦ではチェコ代表のアダム・パブラセク英語版/トマーシュ・マハーチ組を6-3, 6-4のストレートで下し、3位となり、銅メダルを獲得した[16]

2025年 全豪ベスト8 トップ10入り

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1月、第1シードとして参戦したアデレード国際ではベスト4進出。準決勝ではフェリックス・オジェ=アリアシムに6-7(3), 6-3, 4-6の接戦の末に敗れた。全豪オープンでは第12シードとして出場し、1回戦でクリストファー・オコネル英語版に6-2, 3-6, 6-1, 6-7(5), 7-5のフルセットの熱戦の末に初戦突破し、2回戦で錦織圭を6-7(3), 6-0, 6-3, 6-1、3回戦でロベルト・カルバレス・バエナを7-6(0), 6-2, 6-0、4回戦でアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナを6-1, 6-1, 6-1のストレートの快勝で2年ぶり2度の大会ベスト8進出を果たした。準々決勝では第2シードのアレクサンダー・ズベレフに6-7(1), 6-7(0), 6-2, 1-6の第3セットを奪うも、敗退となったが、大会後の1月27日には世界ランキング9位を更新し、初のトップ10入りを果たした。

2月、2025年ダラス・オープン英語版では1回戦でジェンソン・ブルックスビーを6-7(6), 6-3, 6-4、準々決勝でライリー・オペルカを7-6(3), 6-2でそれぞれ同胞たちを下して、ベスト4進出をするも[17]、 準決勝ではデニス・シャポバロフに5-7, 3-6のストレートで敗れた。

3月、BNPパリバ・オープンでは3回戦でキャメロン・ノリーを6-3, 7-5のストレートで下して、4回戦進出するも、4回戦でダニール・メドベージェフに4-6, 0-6のストレートで敗れた。続くマイアミ・オープンでは2回戦でアレクサンダー・ブブリクを5-7, 7-5, 6-4で破るも、3回戦ではフランシスコ・セルンドロに2-6, 6-7(4)のストレートで敗れた。

4月、全米男子クレーコート選手権では第1シードとして出場し、今季3度目のベスト4進出をするも[18]、準決勝でブルックスビーに6-7(5), 6-3, 6-7(6)の熱戦の末に敗れた。

人物

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ジュニア時代のトミー・ポール

2024年、3月24日に西岡良仁が自身のYouTubeチャンネルでポールの選手紹介をしていた。そのチャネルでは「ジュニア時代からおちゃらけた性格だった。ふざけていたので絶対強くならないだろうと思っていたが、かなり強くなってビックリした。プロになって真面目に頑張ったんだな」と彼のことを述べており、陽気で無邪気な様子が伺える[19]

プレースタイル

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2023年全米オープンでのトミー・ポールのフットワーク

フットワークとストロークが比較的に良く、安定したプレーをしている。どのサーフェスでもオールラウンドにプレーできる。癖のある打ち方のフォアハンドが非常に良く、バックハンドは読みにくく、ラケットの先の方で打っており、かなり効いている。メンタル面も強く、試合中もあまりイライラしている印象はない。ラケットは長年、ウィルソン「Wilson Blade 98」を使用し続けていたが、2023年からヨネックス「VCORE98」を使用している[20]

ATPツアー決勝進出結果

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シングルス: 7回(4勝3敗)

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大会グレード
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー500 (1–1)
ATPツアー250 (3–2)
サーフェス別タイトル
ハード (3–2)
クレー (0–0)
芝 (1–1)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2021年11月14日 スウェーデンの旗 ストックホルム ハード (室内) カナダの旗 デニス・シャポバロフ 6-4, 2-6, 6-4
準優勝 1. 2023年3月5日 メキシコの旗 アカプルコ ハード オーストラリアの旗 アレックス・デミノー 6-3, 4-6, 1-6
準優勝 2. 2023年7月1日 イギリスの旗 イーストボーン アルゼンチンの旗 フランシスコ・セルンドロ 4-6, 6-1, 4-6
優勝 2. 2024年2月12日 アメリカ合衆国の旗 ダラス ハード (室内) アメリカ合衆国の旗 マルコス・ギロン 7-6(7-3), 5-7, 6-3
準優勝 3. 2024年2月19日 アメリカ合衆国の旗 デルレイビーチ ハード アメリカ合衆国の旗 テイラー・フリッツ 2-6, 3-6
優勝 3. 2024年6月23日 イギリスの旗 ロンドン イタリアの旗 ロレンツォ・ムゼッティ 6-1, 7-6(10-8)
優勝 4. 2024年10月20日 スウェーデンの旗 ストックホルム ハード (室内) ブルガリアの旗 グリゴール・ディミトロフ 6-4, 6-3

成績

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略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

シングルス

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グランドスラム大会

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大会 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 通算成績
全豪オープン A A A Q2 Q2 3R 2R 2R SF 3R QF 15–6
全仏オープン A Q2 A A 1R 2R 2R 1R 2R 3R 5–6
ウィンブルドン A Q1 A A Q3 NH A 4R 3R QF 9–3
全米オープン 1R Q1 1R A Q2 1R 1R 3R 4R 4R 8–7

大会最高成績

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大会 成績
ATPファイナルズ A 出場なし
インディアンウェルズ SF 2024
マイアミ 4R 2023
モンテカルロ 2R 2021
マドリード 4R 2025
ローマ SF 2024, 2025
カナダ SF 2023
シンシナティ 3R 2023
上海 4R 2023, 2024
パリ QF 2022
オリンピック QF 2024
デビスカップ QF 2022, 2024

脚注

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  1. ^ Tommy Paul: Get To Know The American Tennis Prospect”. Tennis Tourtalk (2020年9月23日). 2022年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月16日閲覧。
  2. ^ An "Unreal" Experience at the US Open for French Open Junior Champion Tommy Paul, Inspired by Roddick's 2003 US Open Outfit” (2015年9月1日). 2024年12月16日閲覧。
  3. ^ “South Africa's Lloyd Harris Through to His First ATP Final… in Adelaide, Australia”. www.sapeople.com. (2020年1月17日). https://www.sapeople.com/2020/01/17/south-africas-lloyd-harris-through-to-his-first-atp-final-in-adelaide-australia/ 2024年12月16日閲覧。 
  4. ^ Braden, Jonathon (2020年1月22日). “Paul Survives Dimitrov Comeback For Career-Best Slam Showing”. www.atptour.com. https://www.atptour.com/en/news/dimitrov-paul-australian-open-2020-wednesday 2024年12月16日閲覧。 
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外部リンク

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