トビカズラ属

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トビカズラ属
Mucuna macrocarpa Tenerife Botanical Garden 1.jpg
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: トビカズラ属 Mucuna
学名
Mucuna
和名
トビカズラ属

トビカズラ属 Mucunaマメ科植物の1属。多くは蔓になり、大きな濃い色の花を房状につけた花序をぶら下げる。

特長[編集]

図版・ハッショウマメ

つる性の植物が多いが、若干の直立の常緑樹草本がある[1]羽状複葉だが3小葉で、腺点はなく、托葉があり、多くのものでは小托葉がある。花序は葉脇から出て円錐状、総状、偽総状、あるいは散形花序となる。節はこぶ状で、これは元々が円錐花序であったものが、その側枝が退化してしまった痕跡と考えられ、ここに苞を着ける。花は蝶型、いわゆる豆の花の形で、大きくて暗紫色など強い色を持つものが多いが、黄緑色の花をつけるものもある。は椀型で、先端は4つに裂け、その背面、花軸に面した側の先端は丸いか、あるいは小さく2つに裂ける。また反対側の列片が他より長い。旗弁、上側に立つ花弁は丸っこく、竜骨弁より短い。雄しべは10本あり、旗弁側の1本だけは離れ、残り9本は互いにくっついて出ており、これには長短の2形があって交互に並ぶ。短い方の雄しべではは長くて長楕円形で、その端の方かやや半ばで細くて短い花糸に繋がる。長い方の雄しべでは葯は短くてほぼ円形をしており、その中ほどで花糸に繋がる。雌しべは1個で基部には花盤があり、柄はなく、花柱は往々にしてとても細長く、先端に小さな頭状の柱頭がある。豆果は大型になるものが多く、卵形、楕円形、あるいは細長く線形になる。その表面には刺毛があり、また縫合線や側面に翼が出るものが多い。

学名の属名はブラジルでの呼称による[2]

分類[編集]

デイゴ属やホドイモ属に近縁なものと考えられている。

種と分布[編集]

世界の熱帯から亜熱帯に分布し、約100種が知られる。日本には野生のものでは4種がある。

利用[編集]

実用的に重要なのはハッショウマメ M. pruriens var. utilis で、豆が食用とされる。日本でも第二次大戦終了後に食糧増産のために導入されたものの、今日では九州以東で見ることはまずない[3]

観賞用には真っ赤な大きい花を咲かせる M. bennetti や、M. nova-guineensis などがハワイシンガポールで栽培される。温室栽培が必要である上、大きくなるので日本ではほとんど普及していない[4]

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として大橋他編(2016),p.284
  2. ^ 相賀編(1989),p.567
  3. ^ 相賀編(1989),p.567
  4. ^ 相賀編(1989),p.567

参考文献[編集]

  • 大橋広好他編、『改訂新版 日本の野生植物 2 イネ科~イラクサ科』,(2016)、平凡社
  • 相賀徹夫編著、『園芸植物大事典 5』、(1989)、小学館