トウ

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トウ
Daemonorops draco - Köhler–s Medizinal-Pflanzen-023.jpg
キリンケツヤシ Daemonorops draco
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
階級なし : ツユクサ類 commelinids
: ヤシ目 Arecales
: ヤシ科 Arecaceae
: トウ連 Calameae
学名
Calameae Kunth ex Lecoq & Juillet
和名
トウ(籐)
英名
rattan
亜連
  • Ancistrophyllinae
  • Calaminae
  • Eugeissoninae
  • Metroxylinae
  • Oncocalaminae
  • Pigafettinae
  • Plectocomiinae
  • Raphiinae

トウ(籐)は、広義にはヤシ科トウ亜科の植物のうち、つる性の茎を伸ばす植物の総称(13属約600種)[1]。ロタンやラタンともいう[1]。英名のラタンマレー語に由来する。そのうち特に代表的なヤシ科トウ属の蔓性木本(300種から400種)をいうこともある[1][2]。トウの繊維は植物中で最長かつ最強ともいわれ家具などの材料にされる[2]

分布[編集]

アフリカアジアジャマイカオーストラリア熱帯域に分布する。トウ亜科の分布の北限は台湾で日本には自生せず栽培もされていない[1]

特徴[編集]

最初は他のヤシ科植物と同じくロゼットである程度太くなると直立した枝を伸ばす[1]。しかし、次の段階で他のヤシ科植物とは異なる、つる植物としての性質が現れ、ほかの樹木などを支えにして成長する[1]は直径 2-5cmほどの細いつる状。トウには節があり表皮にはトゲがある[2]。外見はにも似ているが、内部の構造や生長の仕方はまったく異なる。トゲは他の植物によじ登る際の登攀装置で葉の先端部のものをシルス、不稔の花序をフラジェルムと呼ぶ[1]。また、茎のトゲには動物に踏みつけられたり食べられたりするのを防ぐ役割がある[1]

サゴヤシMetroxylon やピガフェッタ属 Pigafetta、 ラフィア属 Raphia などは太く直立した幹をもつ。

種類[編集]

ウィキスピーシーズより。

利用[編集]

籐の椅子

籐は通常の木材よりも丈夫な素材で、曲げにも強いため、細く割いて籠を編んだり、太いものは杖や家具のフレームに利用されている[2]。樽板や輻、ステッキなどにも使用される。籐製の鞭はシンガポールやマレーシアなどで行われている鞭打ち刑武術などで使用されている。熱気球のゴンドラ(バスケット)は現在においても籐をベースとしたものが主流である。

ふつう、丸籐と割籐とにわけられる。丸籐は太民(たいみん)、双棟(そうかん)、三棟(さんかん)、四棟(よつかん)の4種がある。椅子やテーブルの脚、腕木、持送りに用いられる。割籐は丸芯籐(縦編、横編、小物用)、半芯籐(柱巻、縁巻用)、皮籐(椅子やテーブルなどの小物用)の3種ある。ふつうの籐張りには、皮籐が用いられ、編んで座、背、肘などを張る。座張りは、座枠上端内側を籐の厚み分だけ欠き取り、これに適宜間隔を置いて穴を開け、これに籐を通し、ふつう2筋縦横筋違いにかごめに組んで編んで、縁部へも取り回して編み上げる。

日本には籐は自生していないが椅子や杖、籠などに取り入れられる[1]。なお、南西諸島(トカラ列島の宝島以南)には籐に似たトウツルモドキ科のトウツルモドキが分布しており、かつては籐と同じように民具の素材に利用されていた[1]

いくつかのトウの仲間では、果実から「竜血」と呼ばれる赤い樹脂が得られる。昔はこの樹脂には薬効があると考えられており、また木の染料として明るい桃色に染めるのに使われた。

トウの種類によってはタケノコのように茎の先端部を食用にできるものもある[1]

籐と藤[編集]

漢字の竹冠であり、草冠フジ)とは異なる(トウはヤシ科トウ属の蔓性木本、フジはマメ科フジ属の蔓性落葉木本[2])。ただし、中国語ではトウを藤と書き、フジ属は紫藤という。中国語の籐は第一義では竹の器のことを指し、転じて竹に似たつる植物のことも指す[3]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j k 鹿児島大学総合研究博物館 ニュースレター 第41号 、2020年1月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e 豊田市郷土資料館だより 第99号 、2020年1月9日閲覧。
  3. ^ 《康熙字典·竹部·十五》籐:《集韻》徒登切,音騰。竹器。又《篇海》簬器。又蔓生似竹。或作籘。[1]

外部リンク[編集]