デ・ソト・カウンティ級戦車揚陸艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デ・ソト・カウンティ級戦車揚陸艦
基本情報
艦種 戦車揚陸艦(LST)
命名基準 アメリカ合衆国の郡
就役期間 アメリカ合衆国の旗 1957年 - 1977年
計画数 8隻
建造数 7隻
前級 テレボーン・パリッシュ級
次級 ニューポート級
要目
軽荷排水量 4,164 t
満載排水量 8,000 t
全長 134.7 m
水線長 129.8 m
最大幅 18.9 m
吃水 5.03 m
機関方式 マルチプル・ディーゼル方式
主機 FM 38D 8-1/8 12ディーゼルエンジン×6基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 15,000 bhp
電力 900 kW
速力 17.2ノット
航続距離 13,000海里 (10kt巡航時)
乗員
  • 個艦要員: 士官11名+曹士164名
  • 揚陸部隊: 634名
兵装 50口径3インチ連装速射砲×3基
レーダー AN/SPS-21
テンプレートを表示

デ・ソト・カウンティ級戦車揚陸艦英語: De Soto County-class tank landing ships)は、アメリカ海軍が運用していた戦車揚陸艦の艦級。基本計画番号はSCB-119[1]

設計[編集]

本級は、LST-1級以降アメリカ海軍が整備してきた艦首門扉方式LSTの最終発達型である。堪航性向上のため、前級であるテレボーン・パリッシュ級と比して排水量にして5割近く大型化し、船首楼が設けられたほか、艦首設計を更に洗練するとともに主機出力を増強することで、更なる速力向上を図っている。主機出力15,000馬力を確保するため、ディーゼルエンジン6基を減速機で2軸の推進器にまとめるマルチプル・ディーゼル方式が採用された。しかしこれでも最大速力は17ノットが限界であり、アメリカ海軍揚陸艦部隊が求める20ノットでの艦隊行動の実現には他の方策が必要であることが明白になった[1]

車両甲板は全長88メートル弱で1両あたり75トンまでの車両に対応でき、中戦車23両、兵員634名を含めて500トンの搭載能力があった。また、テレボーン・パリッシュ級と同様に上陸用舟艇用のダビット(通常は車両人員揚陸艇(LCVP)を搭載)を両舷2基ずつ設置していたのに加えて、上甲板には汎用揚陸艇(LCU)なら1隻、ヘリコプターなら5機まで搭載することができた[1]

同型艦[編集]

1954年・1955年度計画で8隻の建造が認められたが、後にLST-1172は建造中止となった[1]

 アメリカ海軍 退役/再就役後
# 艦名 起工 就役 退役 再就役先 # 艦名
LST-1171 デ・ソト・カウンティ
USS De Soto County
1956年9月 1958年6月 1972年7月  イタリア海軍 L 9890 グラド
NMM Nave Grado
LST-1172 1955年建造中止
LST-1173 サフォーク・カウンティ
USS Suffolk County
1955年7月 1957年8月 1972年8月
LST-1174 グラント・カウンティ
USS Grant County
1956年3月 1957年12月 1973年1月  ブラジル海軍 G 26 ドゥケ・デ・カシアス
Duque de Caxias
LST-1175 ヨーク・カウンティ
USS York County
1956年6月 1957年11月 1972年7月  イタリア海軍 L 9891 カオルレ
NMM Caorle
LST-1176 グラハム・カウンティ
USS Graham County
1957年2月 1958年4月 1977年3月
LST-1177 ロレイン・カウンティ
USS Lorain County
1956年8月 1958年10月 1972年9月
LST-1178 ウッド・カウンティ
USS Wood County
1956年10月 1959年8月 1972年5月

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d 「アメリカ揚陸艦史」『世界の艦船』第669号、海人社、2007年1月、1-135頁、NAID 40015212119 

関連項目[編集]