デグー

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デグー
Degu eating a piece of dried banana.jpg
デグー
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 齧歯目(ネズミ目) Rodentia
亜目 : ヤマアラシ亜目 Hystricognathi
上科 : デグー上科 Octodontoidea
: デグー科 Octodontidae
学名
Octodon degus
和名
デグー
英名
Degu

デグーはデグー科に属する齧歯類で、デグー属またはその1種を指す。原産はチリの山岳地帯。

生態[編集]

体長は尻尾を含めなければ12cm - 20cmほどで、体重は350g以下である。寿命は5年から8年。近年、日本でもペットとして人気が出ている。歯は黄色いのが普通で、白いと病気の可能性がある。

毛色はもともとの色であるアグーチ色に加え、稀に青や銀に近い色味をもったブルーが存在する。その他、主にペット用にブラック、ホワイト、サンド、パッチド(斑)などの色変種も生まれている[1]

野生下では山脈に暮らすため、リスやチンチラほどではないが高い脚力がある。齧歯類としては耳が非常によく、視力もラットやハムスターに比べると高いが、嗅覚は齧歯類としては飛び抜けたものではない。このため出来るだけ高地に登って聴覚・視覚を生かして周囲を警戒しようとする習性をもつ。

体を綺麗にするため、定期的に砂浴びをする。糞尿の臭いや体臭はほとんどない。ヤマアラシ亜目の多くの種同様、基本的にトイレの概念は薄く糞尿は垂れ流しであるが、巣に糞が溜まる事は嫌い、巣の入り口に排泄する個体が多い。

完全な草食性。過酷な環境で暮らしているため粗食であり、チモシーなどの牧草と水だけで一生を過ごす。糖分の代謝をしにくい体質であるため、栄養過多な餌を与えると却って糖尿病の原因となる危険がある。

野生下ではチンチラと巣を共有することもある。

このサイズの齧歯類・哺乳類としては知能が高いことで知られる。社会的に行動し、気の合う仲間とは寄りついて離れない。キィーといった甲高い警戒音、ピピピピといったなれ合いの声、プーといった抗議の声など、何種類かの鳴き声を使い分けて仲間とコミュニケーションをとる。この鳴き声を由来にして、アンデスの歌うネズミとも言われる。鳴き声以外にも毛づくろいや鬼ごっこなどコミュニケーションの幅は個体差があり、多くの個体は就寝時には体をどんどん縦に重ね合って団子になって眠る習性を持つ。

ある程度の集中力・学習性があり、道具を使う(届かない餌を木の棒で寄せる)・芸をする(餌づけして輪くぐりをさせる)など、頭の良い個体であれば簡素な学習行動が可能[2]

ペット[編集]

ヨーロッパなどではペットとして比較的人気のある種だが、近年日本でも人気が高い。

好奇心が非常に旺盛で、社会性があることから、同サイズのハムスターリスなどとは比べものにならないほど人によく懐く。飼い主への信頼の表明の仕方はラットなどに近く、マッサージされることを好む。反面、学習能力があるため、嫌な記憶があるとその対象には馴れず、根気よく世話をし続けないと信頼を戻すことは難しい。

その性質から別種の齧歯類などに自分から寄って行ってコミュニケーション行動をとることがあるが、同サイズの齧歯類の多くはデグーより知能が低く、単独行動をとる雑食性が多い(デグーに攻撃行動をとる)ため、怪我する危険性が大きいので注意が必要。ミニウサギなどの同サイズの草食性動物とは散歩などで一緒に放しても問題なく過ごす事はあるが、他方のストレスにもなりやすい。

接するとき、上から鷲掴みにしたり尻尾を掴んではならない。鷲掴みすると天敵の猛禽に捕食される時の状態となり激しく暴れるため、下から包むように持ったり、エサで釣って箱に入れて戻したりするべきである。尻尾を掴むと尻尾の皮が抜けて大怪我する事もあり極めて危険。

老化以外の理由でめったに病気をしないが、糖尿病不正咬合などの習慣病には注意する必要がある。また社交性が高い動物だがそれ相応に喧嘩もあるため、多頭飼いで相性が悪いと思ったら怪我する前に別居させるべきである。

最近でこそメジャーになってきたデグーだが、動物病院でしっかりと診察できるところは多くない。不正咬合の治療の場合麻酔を使用しないと口腔内の検査及び治療が出来ない場合があり、歯のトリミングをする場合は麻酔が必須となる。小動物に対する全身麻酔は知識と経験が必要なためペットとして迎え入れる前にデグーの診療ができる動物病院を探しておく必要がある。

飼育環境[編集]

ハムスターやマウスの要領では飼育できない。背の高いケージを必要とする。リス用のものよりもやや広めのものが好ましい。給水器の他、回し車(ハムスター用のものではなく、直径30cm程度の大きなもの)が必要。巣になる木箱などを入れるとよい。

砂浴びするための容器や設備が必要で、砂はチンチラ用のものがよいとされる。適温は20℃ほどで、10℃以下になる場合は小動物用ヒーターが必要。また、寒さよりさらに暑さに弱いため、30℃以上になる地域ならば夏はクーラーが必須。35℃を超える環境ではデグーは熱死してしまう。なお、扇風機は発汗能力のないデグーには効果的ではない。

同性で2匹 - 4匹程度一緒に飼うのが最も良い。オス同士だと喧嘩をすることが多いが、メスはオスに比べるとあまり喧嘩はしない。相性が悪く、喧嘩が絶えないようなら別居させるべきである。1匹で飼う場合寂しがるため、マメに優しくコミュニケーションをとってやる必要がある。繁殖させる時は1ペアが好ましい。

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完全草食性であり、チモシームラサキウマゴヤシ(アルファルファ)といった牧草と水だけで飼育するのが好ましい。原産地方の環境は過酷であり、デグーは糖の代謝能力が非常に低いので、簡素な食事が最も健康的である。野菜や果物といった牧草以外の草食や、特に果物は極めて糖尿病の原因となりやすいので与えないのが望ましい。飼い主の無知ゆえに生の果物を丸ごと与えての急性糖尿病による死亡例などは多く診られる。

専用のデグーフードは与えても良いが、嗜好性が高すぎる製品が多いため、それだけを与え過ぎるとそれしか食べなくなり、糖尿病白内障・奥歯が摩耗しないがゆえの不正咬合・肥満など多くの弊害が起こりやすい。ウサギやチンチラなど他の草食性動物の専用フードも一応食べられる(デグーフードと基礎成分は同じものが多いため)が、あくまで代用品とする。もちろんハムスター用フードなど雑食性の動物の餌は代用にならない。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]