デガヌイ城

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デガヌイ城
コンウィ北ウェールズ
デガヌイ城
デガヌイ城の位置(コンウィ内)
デガヌイ城
座標北緯53度17分51秒 西経3度49分44秒 / 北緯53.2975度 西経3.8290度 / 53.2975; -3.8290座標: 北緯53度17分51秒 西経3度49分44秒 / 北緯53.2975度 西経3.8290度 / 53.2975; -3.8290
種類城郭
コードGB-UKM
施設情報
現況土盛りの状態
歴史
建築資材石材
飛行場情報
標高110 m (360 ft) AMSL

デガヌイ城中世ラテン語: Arx Deganhui[1]中期ウェールズ語: Caer Ddegannwyウェールズ語: Castell Degannwy)は、グウィネッド王国英語版の拠点であり、北ウェールズカウンティ・バラ・コンウィを流れるコンウィ川英語版河口沿いのデガヌイ英語版にある。標高110メートル (360 ft)の岩栓がある[2]

詳細[編集]

現在ではより小さな水路と塚があるだけの中世前期要塞は、木材、および今日ではランデュドノ英語版と呼ばれている郊外にある非常に重い岩石の露頭を用いて建設された。伝統的にはグウィネッド王国の国王であるメルグン・グウィネッド英語版(在位:紀元520年頃 - 547年頃)の根城だった。ブリン・メイルグイン(Bryn Maelgwyn)と呼ばれた近隣の丘と地域にある他の場所はメルグン国王を連想させる。1979年7月には204シルバー・クヌート・ペニーになる重要な埋蔵金がブリン・メイルグインの丘で発見された。

"塔"のひとつから見たデガンウィ城の正面出入口の遺構と外観

デガヌイ城はおそらく当初はローマ時代に占領されたと思われるが、アイルランド人の奇襲からは逃れることができたため、アイルランド人がいなくなった数年間は評判が良かった。岩盤の真下にあるエリアは農民の開拓地であったのだろう。拠点は稲妻の襲来があった812年に焼き尽くされた[3]

13世紀までに、デガヌイ城はウェールズ大公であるリュウェリン大帝英語版によって要塞化された。1210年に第6代チェスター伯であるラヌルフ・ド・ブロンドヴィル英語版によって占拠されたが、リュウェリン大帝による石材での再強化の後に間もなく奪還した[4]

1241年、城の所有権は£2,200以上をかけた広範囲におよぶ建築計画に着手したヘンリー3世の手に渡った[3]1263年、城はリュウェリン大帝によって破壊された。1283年エドワード1世は河口を越えたところにコンウィ城を建設し、荒廃状態になったデガヌイ城を去っていった。

城壁の一部が見える2つの丘のうちの低い方の丘

後世の歴史と研究[編集]

1961年から1966年の間に、グラスゴー大学考古学教授レスリー・オルコック英語版がデガヌイ城跡の発掘を指導した。

作業計画はウェールズ大学によって作成され、ケルト学研究会(The Board of Celtic Studies)とケルナーヴォンシャー歴史協会(Caernarvonshire Historical Society)からの資金提供を受けた[5]

地中海沿岸から輸入された中世初期の陶磁器と思われる12個の破片が掘削される間にはグウィネッド王朝の広範囲におよぶ関係を指し示すものが発掘された。

2009年、グウィネッド考古学トラスト英語版が城のすぐ北側と南側にある2つの丘と陸地の間で外壁の地球物理学的調査を実行した[6]

関連項目[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ s:la:Annales Cambriae (B Text), 13th century (ラテン語)
  2. ^ Put a cork in it”. Geocaching.com. 2014年9月9日閲覧。
  3. ^ a b Alcock 1968, p. 190
  4. ^ Jones 2022, pp. 52–53, 67
  5. ^ Alcock 1968, pp. 190–191
  6. ^ Degannwy Castle, Degannwy, Conwy: geophysical survey (PDF) (Report). Gwynedd Archaeological Trust. 2009.

参考文献[編集]

  • Alcock, Leslie (1968). “Excavations at Degannwy Castle, Caernarfonshire, 1961–6”. The Archaeological Journal 124: 190–201. doi:10.1080/00665983.1967.11078309. 
  • Jones, Craig (2022). Princely Ambition: Ideology, castle-building, and landscape in Gwynedd, 1194-1283. University of Hertfordshire Press. ISBN 978-1-912260-27-0 

外部リンク[編集]