デイム

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デイム英語: Dame)は、英語における女性の敬称の一つで、ナイトに相当する叙勲を受けた女性に対して使用する[1]

聖ヨハネ騎士団ブランデンブルク代官管轄区英語版[2]聖墳墓騎士団英語版[3]バス勲章聖マイケル・聖ジョージ勲章ロイヤル・ヴィクトリア勲章大英帝国勲章のデイムコマンダーまたはデイムグランドクロスの叙勲を受けた女性がデイムと呼ばれる[4]ナイト・バチェラー英語版騎士団への入団を伴わないナイトの叙任)の制度は女性にはないため、デイムと呼ばれる女性は全て騎士団に入団している[5]ガーター勲章シッスル勲章の叙勲を受けた女性には、デイムではなくレディ英語版の称号が与えられる[6]

デイムの敬称は、名のみ、またはフルネームに対して使用され、姓のみに対しては使用されない。これは、サー(Sir)と同じである[7]

歴史[編集]

正式に女性を受け入れた最初の騎士団は、1381年にブルターニュ公ジャン5世が創設したアーミン騎士団英語版だった。ただし、それよりかなり前から女性の「ナイト」は世界各地に存在した[8]

馬上試合に実際に参加した女性としてアグネス・ホト(1378年生)の名前が伝わっているが、それ以外にも参加した女性は存在した[9][10]

男性のナイトとは異なり、中世において女性が戦いに参加したり、兵士の大隊を指揮したりすることは事実上ほぼなかったが、例外もある。最も有名なのはジャンヌ・ダルクである。鎧をつけた女性や軍隊を指揮した女性もおり、正式に騎士団の団員となった女性もいた。ロンバルディア公爵夫人ガイタ(別名シケルガイタ英語版)は、フルアーマーを着用して戦闘に参加し、夫でノルマン人傭兵ロベルト・イル・グイスカルドと一緒に馬に乗っていた[11]レスター伯爵夫人ペトロニラ・デ・グランメニル英語版は、甲冑を着用し剣と盾を持って、イングランド王ヘンリー2世の侵攻から土地を守った。彼女とその夫は、ヘンリー2世に対する1173年の反乱に参加した[12]。しかし、これは彼女らが男性のように公式にナイトに叙されたという意味ではない。

以前は、ナイトの妻にはデイムの敬称をつけていたが、この用法は17世紀にレディに置き換えられた。

ナイトと同等のデイムの称号は、大英帝国勲章で1917年の創設時に導入され、その後1936年のロイヤル・ヴィクトリア勲章、ついで聖ミカエル・聖ジョージ勲章、1971年にバス勲章に導入された。

脚注[編集]

  1. ^ How to get a Knighthood or Damehood” (English). Awards Intelligence (2016年). 2018年10月25日閲覧。 “A knighthood, and the female equivalent, a damehood, is an award given by The Queen to an individual for a major, long-term, contribution in any activity, usually at a national or international level.”
  2. ^ Karmon, Yehuda (1987) (English). Die Johanniter und Malteser: Ritter und Samariter : die Wandlungen des Ordens vom Heiligen Johannes. Callwey. p. 193. ISBN 9783766708625 
  3. ^ Napier, Gordon (24 October 2011) (English). A to Z of the Knights Templar: A Guide to Their History and Legacy. History Press. p. 193. ISBN 9780752473628 
  4. ^ Dame”. Debretts (n.d.). 2015年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月16日閲覧。
  5. ^ Knights Bachelor”. Debretts (n.d.). 2015年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月16日閲覧。
  6. ^ Ladies of the Garter and Ladies of the Thistle”. Debretts (n.d.). 2015年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月16日閲覧。
  7. ^ Baronetess”. Debretts (n.d.). 2014年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月2日閲覧。
  8. ^ Ackermann, G. A. (1855). Ordensbuch sämmtlicher in Europa blühender und erloschener Orden und Ehrenzeichen. Rudolph & Dieterici.
  9. ^ F.S.W. (1886) Dame Heraldry. Boston, MA: D. Lothrop and Company.
  10. ^ Starling, E. (1856). Noble Deeds of Woman. Phillips, Sampson.
  11. ^ De Marly, D. (1986). Working dress: a history of occupational clothing. Holmes & Meier.
  12. ^ Kasparek, R. (2014). Knight of the Grail Code. WestBow Press.