テッド・チャン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
テッド・チャン
Ted Chiang
Chiang, Ted (WFA).jpg
テッド・チャン、2007年世界幻想文学会議にて
誕生 1967年10月20日(46歳)
アメリカ合衆国の旗ニューヨーク州ポート・ジェファーソン
職業 小説家SF作家
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジャンル SF
代表作 『あなたの人生の物語』
主な受賞歴 ヒューゴー賞ネビュラ賞ローカス賞
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

テッド・チャン (英語: Ted Chiang中国語: 姜峯楠[1]1967年10月20日 - ) は、中国アメリカ人のSF作家。

生い立ち[編集]

ニューヨーク州ポート・ジェファーソン生まれ。両親は中国からの移民である。小学校6年生の時にアイザック・アシモフアーサー・C・クラークによるSF小説を好んで読みはじめ、自分でも書くようになった。大学時代にはジーン・ウルフジョン・クロウリー(英:John Crowley)に影響を受け、現在も尊敬しているという。グレッグ・イーガンカレン・ジョイ・ファウラー英:Karen Joy Fowler)も好きな作家として挙げている。ブラウン大学では当初、物理学コンピュータ科学を学んでいたが、最終的にコンピュータ科学に絞り1989年に卒業する。

作家活動[編集]

大学を卒業した年に、SFやファンタジーの新人作家を対象にした6週間の講座、クラリオン・ワークショップに参加した。チャンはこの時までSF小説が好きな人間に会ったことがなく、また雑誌や出版社に自分の作品を受け入れてもらえず挫折しかけていたため、自分や自分の作品を受け入れてくれるワークショップは「見知らぬ家族に再会したような気持ち」だったという。

翌年の1990年に短編『バビロンの塔』(Tower of Babylon)でデビュー、同年のネビュラ賞短編小説部門で受賞する。しかし次の作品の発表まで7年近く経っており、デビュー作でいきなりネビュラ賞を取ったことでかなりのプレッシャーがあったことを本人も認めている。テクニカル・ライターの仕事を持ち長時間勤務だったこともあり、そちらに本腰を入れていたと語っている。

1999年の短編『あなたの人生の物語』(Story of Your Life)で1999年ネビュラ賞中編小説部門受賞、シオドア・スタージョン記念賞受賞。2001年の短編『地獄とは神の不在なり』(Hell Is the Absence of God)で2002年ネビュラ賞・ヒューゴー賞短編小説部門ダブル受賞、2004年星雲賞海外短編部門受賞。

2007年8月現在、短編・中編合わせて10作を発表したのみの、寡作な作家である。単行本は、日本語訳され、ネビュラ賞受賞3作など8作が収録されている。短編集『あなたの人生の物語』(Stories of Your Life, and Others)のほかに、2005年に『ネイチャー』に掲載された超短編と2007年に発行された短編がある(下記の著作リスト参照)。

現在、ワシントン州シアトル近郊のベルビュー(英:Bellevue)に住み、フリーランスのテクニカル・ライターとして働いている。小説にするだけの良いアイディアが浮かんだら短い話を書くつもりだと語っている。

2007年に日本で初めて世界SF大会(ワールドコン)が開催され、ゲスト作家の一人としてチャンも来日した。同行したエレン・ダトロウ(英:Ellen Datlow)などと共に東京宝塚劇場宙組公演の『バレンシアの熱い花』と『宙 FANTASISTA!!』を鑑賞した。

作品世界[編集]

論理的で緻密な構成を得意とする。作品には物理や数学をモチーフにしたものが多い一方、バベルの塔天使などが登場するが、チャンは「現在 無神論者」と答えている。「罪のない人がなぜ苦しまなければいけないのか」という問いに対する満足した答えが宗教の中にみつからないことをその理由としている。これは『地獄とは神の不在なり』の主題にもなっている。チャンは実生活とは関係のない抽象的なレベルでは宗教を興味深いと思っており、作品のベースとなる旧約聖書カバラなどを研究している。また作品によってはチャンがヘブライ語など外国語に詳しい印象を与えるが、幼少の頃に多少中国語を話したが現在はまったく話せず、外国語も高校でラテン語を勉強した程度である。外国語より言語学に興味があると語っており、それは『あなたの人生の物語』に顕著に現れている。

著作[編集]

短編集[編集]

  • あなたの人生の物語 (Stories of Your Life and Others 2002) - 2003年ローカス賞受賞

短編[編集]

参考文献[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]