オトマート (ミサイル)

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オトマート
Otomat Mk 2 MGP 2007.jpg
種類 対艦ミサイル
製造 MBDA
性能諸元
ミサイル直径 46 cm
ミサイル全長 4.46 m
ミサイル翼幅 1.35 m
ミサイル重量 発射重量: 770 kg
弾体重量: 660 kg
弾頭 210 kg (炸薬量60 kg)
射程 Mk.1: 6〜60 km
Mk.2L: 100〜180 km
推進方式 ターボジェット・サステナー
固体ロケットブースター
誘導方式 中間航程: INS
終末航程: ARH
飛翔速度 マッハ0.9
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オトマートOtomat)は、イタリアオート・メラーラ社とフランスマトラ社によって開発された対艦ミサイル艦対艦ミサイル地対艦ミサイル)。名称はOTOmelaraとMATraのアクロニムである。現在ではMBDA社によって製造されている。1990年時点での単価は、フランス版で52万3900ドル(約7974万円)、イタリア版で51万4800ドル(約7835万円)であった[1]

来歴[編集]

オート・メラーラ社とマトラ社のプライベート・ベンチャーとして、まず1967年より研究が着手され、1969年より本格的な開発が開始された。誘導試射は1972年2月より開始され、オトマートMk.1は1976年に就役した[1]

また、1973年5月からは改良型のオトマートMk.2の開発も開始されており、1974年1月より試験に入った。また、超音速化したオトマック(Otomach)の開発も計画されていたが、これは1992年に断念された[1]

2015年現在最新のオトマートMk.2ブロックIVは、2006年に試射に成功、イタリア海軍では2007年に装備化されている[2]

設計[編集]

初期型であるオトマートMk.1はファイア・アンド・フォーゲットの対艦ミサイルであり、中間航程では慣性誘導、終末航程ではXバンドレーダーによるアクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)誘導となっている。一方、オトマートMk.2は中間慣性誘導に目標情報の更新機能を付与するとともに、翼を折り畳み式にすることで発射筒もコンパクトになっており、オトマートMk.1なら1発分であったスペースに2発を搭載することができる[1]

オトマートMk.2には、目標情報の送受信方式の違いから、フランスのERATOとイタリアのTESEOの2種類があるが、ERATOを採用しているのはサウジアラビア海軍のみである[1]

ERATO(Extended Range Targeting of Otomat
中間航程では母艦からのリンクによって目標情報を受信することから、ミサイルは900メートルの高度を飛翔する。最後の目標情報を受信したのち、ミサイルは高度20メートルまで降下してシースキミングに入る。このような誘導方式であることから、母艦とのリンクを保つ必要上、最大射程は166 km程度に制約される一方、同時に複数目標との交戦が可能となっており、16発のミサイルで6個の目標を攻撃することができる[1]
なお、目標は母艦の水平線外(OTH)にあたることから、測的はヘリコプターによって行われる[1]
TESEO(テーセウスのイタリア語表記)
中間航程では、ヘリコプターとのリンクを介して目標情報を受信する。このため、ERATOと異なり、全航程でシースキミングを行うことが可能となり、途中で探知・撃墜されるリスクを低減している。一方で同時多目標交戦は困難であり、事実上、発射艦1隻につき1個の目標しか攻撃できない[1]

オトマートMk.2ブロックIVでは、中間誘導にGPSを選択可能として、対地攻撃にも対応した。また電子防護能力の強化や攻撃プロファイルの精緻化(3次元的ウェイポイントの設定や同時弾着射撃(TOT)能力の確保、要撃回避機動の導入)が図られている[2][3]

搭載艦[編集]

 イタリア海軍

 フランス海軍

 サウジアラビア海軍

 リビア海軍

 マレーシア海軍

 ナイジェリア海軍

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e f g h Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. pp. 231-232. ISBN 9781557502681. http://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC. 
  2. ^ a b 「世界の艦載兵器」、『世界の艦船』第811号、海人社、2015年1月、 37頁、 NAID 40020297435
  3. ^ MBDA missile systems (2015年). “OTOMAT Mk.2 Block IV - long range ship-borne anti-ship missile system (PDF)” (英語). 2015年6月18日閲覧。

関連項目[編集]