ティルネシュ・ディババ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ティルネシュ・ディババ Portal:陸上競技
Tirunesh Dibaba Bislett Games 2008.jpg
選手情報
フルネーム ティルネシュ・ディババ
ラテン文字 Tirunesh Dibaba
愛称 ティル
国籍 エチオピアの旗 エチオピア
種目 長距離走
生年月日 (1985-10-01) 1985年10月1日(31歳)
生誕地 エチオピア オロミア州アルシ県ベコジ
身長 155cm
体重 44kg
自己ベスト
3000m 8分29秒55(2006年)
5000m 14分11秒15(2008年)世界記録
10000m 29分42秒56(2016年)
ハーフマラソン 1時間06分55秒(2013年)
マラソン 2時間17分56秒(2017年)エチオピア記録
 
獲得メダル
女子 陸上競技
オリンピック
2004 アテネ 5000m
2008 北京 10000m
2008 北京 5000m
2012 ロンドン 10000m
2012 ロンドン 5000m
2016 リオ 10000m
世界選手権
2003 パリ 5000m
2005 ヘルシンキ 5000m
2005 ヘルシンキ 10000m
2007 大阪 10000m
2013 モスクワ 10000m
2017 ロンドン 10000m
編集 テンプレートのヘルプを表示する

ティルネシュ・ディババ(Tirunesh Dibaba、1985年10月1日 - )は、エチオピアの陸上競技選手。5000mの世界記録保持者。ディババは、オリンピックで2個の金メダルを獲得しているデラルツ・ツルのいとこであり、姉のエジェガエフ・ディババアテネオリンピックの10000mの銀メダリスト、妹のゲンゼベ・ディババも陸上選手である。北京オリンピック10000m銀メダリストのシレシ・シヒネを夫に持つ。ティルの愛称で親しまれている。

なお、名前は「ティルネシュ」が本人の名前で、「ディババ」はいわゆる「姓(ファミリーネーム)」ではなく父親の名前(父称)である(人名#その他の文化圏における名前を参照)。そのため、本人を特定するという意味では「ティルネシュ」と略するのが正しいが、日本のマスメディアでは「ディババ」をファミリーネームのように扱って略称とすることが一般的であるため、以下の文中もそれに従う。

人物[編集]

ディババは、14歳で陸上をはじめ15歳のときに出場した2001年の世界クロスカントリーのジュニアで5位に入っている。

2003年に14分39秒94、2004年に14分30秒88のジュニア世界記録をマークした。

2003年の世界陸上5000mでは、スプリント勝負でマルタ・ドミンゲス(スペイン)とエディス・マサイ(ケニア)に競り勝ち金メダルを獲得。大会史上最年少(18歳90日)での個人種目金メダリストとなった。

2004年のアテネオリンピック5000mでは、先輩のメセレト・デファーイザベラ・オチチ(ケニア)に敗れたものの銅メダルを獲得。19歳での五輪メダル獲得はエチオピアの選手としては最年少であった。

2005年の世界クロスカントリー選手権にて、女子では1998年のソニア・オサリバン以来となるシニアロング・ショートの2冠を達成。同年、5kmロードで、ポーラ・ラドクリフが持っていた世界最高記録に並ぶ14分51秒をマーク。

その2005年の世界陸上5000mでは、猛烈な末足で先輩のベルハネ・アデレ(エチオピア)と姉のエジェガエフを下している。また10000mでも金メダルを獲得。世界陸上での5000m、10000mの両方で優勝した選手は男女を通じて彼女が初めてである。

2007年アメリカボストンで開かれたリーボック・ボストン室内5000mで、自身が樹立した記録を5秒以上短縮する14分27秒42の室内世界新で優勝。

2007年の世界陸上10000mは、腹痛を伴いさらに靴が脱げた選手に巻き込またことも原因で一時は集団から1人大きく引き離された。しかし終盤に集団に追いつき、最終的にはラスト1周のスパートで2連覇を果たした。驚異的なラストスパートもさることながら、勝負を諦めない粘り強さも光るレースであった。一方で上記の腹痛が原因で5000mは欠場し、3連覇ならびに2大会連続の長距離種目2冠はならなかった。

2008年6月6日、オスロGL5000mで14分11秒15の世界記録を達成した。

ディババの走りの特徴は、ファイナルラップまで先頭に出ないことと、ラストの400mのスプリントの強さがあげられる。2005年世界陸上の10000mのラスト400mは58秒33という猛烈なものであった。

2008年の北京オリンピックの10000mでは速いラップでエルバン・アベイレゲッセとレースを引っ張り、終盤はこの二人の一騎討ちとなったが、ラスト一周のスパートでアベイレゲッセを振り切り、王軍霞以来2人目となる29分台のオリンピック新記録(29分54秒66)で金メダルに輝いた。世界記録を持つ5000mも15分41秒40で制し、長距離種目の2冠を獲得した。

2008年10月、北京オリンピック男子10000m銀メダリストのシレシ・シヒネとの結婚式を盛大に行った。

結婚後もレース出場回数を落としているものの競技生活を続け、2012年のロンドンオリンピックの5000mでは3大会連続のメダルとなる銅メダルを獲得し、10000mでは大会2連覇となる金メダルを獲得している。

2013年のモスクワ世界陸上10000mでは、新谷仁美のペースに他の選手と付いていき、ラスト1周の猛烈なスパートで2007年以来となる3回目の優勝を果たした。

2016年、産後に臨んだリオオリンピック10000mでは、途中から世界新記録を達成することになるアルマズ・アヤナに引き離されるも、自己ベスト・世界歴代4位のタイムで走破し、銅メダルを獲得した[1][2]

主な実績[編集]

大会 場所 種目 結果 記録
2001 世界クロスカントリー選手権 ベルギーの旗 オーステンデ ジュニア 5位 22分08秒
2002 世界クロスカントリー選手権 アイルランドの旗 ダブリン ジュニア 2位 20分14秒
2002 世界ジュニア選手権 ジャマイカの旗 キングストン 5000m 2位 15分55秒99
2003 世界クロスカントリー選手権 スイスの旗 ローザンヌ ジュニア 優勝 20分21秒
2003 世界クロスカントリー選手権 スイスの旗 ローザンヌ シニアショート 7位 12分54秒
2003 世界選手権 フランスの旗 パリ 5000m 優勝 14分51秒72
2003 IAAFワールドアスレチックファイナル モナコの旗 モンテカルロ 5000m 3位 14分57秒87
2004 世界クロスカントリー選手権 ベルギーの旗 ブリュッセル シニアショート 2位 13分09秒
2004 オリンピック ギリシャの旗 アテネ 5000m 3位 14分51秒83
2005 世界クロスカントリー選手権 フランスの旗 サン=ガルミエ シニアロング 優勝 26分34秒
2005 世界クロスカントリー選手権 フランスの旗 サン=ガルミエ シニアショート 優勝 13分15秒
2005 世界選手権 フィンランドの旗 ヘルシンキ 5000m 優勝 14分38秒59
2005 世界選手権 フィンランドの旗 ヘルシンキ 10000m 優勝 30分24秒02
2005 IAAFワールドアスレチックファイナル モナコの旗 モンテカルロ 5000m 2位 14分46秒84
2006 世界クロスカントリー選手権 日本の旗 福岡 シニアロング 優勝 25分21秒
2006 アフリカ選手権 モーリシャスの旗 バンブー 5000m 2位 15分56秒04
2006 IAAFワールドアスレチックファイナル ドイツの旗 シュトゥットガルト 3000m 2位 8分34秒74
2006 IAAFワールドアスレチックファイナル ドイツの旗 シュトゥットガルト 5000m 優勝 16分04秒77
2006 IAAFワールドカップ ギリシャの旗 アテネ 3000m 優勝 8分33秒78
2007 世界クロスカントリー選手権 ケニアの旗 モンバサ シニアロング 2位 26分47秒
2007 世界選手権 日本の旗 大阪 10000m 優勝 31分55秒41
2008 アフリカ選手権 エチオピアの旗 アディスアベバ 10000m 優勝 32分49秒08
2008 オリンピック 中華人民共和国の旗 北京 10000m 優勝 29分54秒66
2008 オリンピック 中華人民共和国の旗 北京 5000m 優勝 15分41秒40
2010 アフリカ選手権 ケニアの旗 ナイロビ 10000m 優勝 31分51秒39
2012 ロンドンオリンピック イギリスの旗 ロンドン 10000m 優勝 30分20秒75
2012 ロンドンオリンピック イギリスの旗 ロンドン 5000m 3位 15分5秒15
2013 世界選手権 ロシアの旗 モスクワ 10000m 優勝 30分43秒35
2016 リオオリンピック ブラジルの旗 リオデジャネイロ 10000m 3位 29分42秒56
2017 ロンドンマラソン イギリスの旗 ロンドン マラソン 2位 2時間17分56秒
2017 世界選手権 イギリスの旗 ロンドン 10000m 2位 31分02秒69

自己ベスト[編集]

  • 3000m 8分29秒55 (2006年)
  • 5000m 14分11秒15 (2008年)=世界記録
  • 10000m 29分42秒56 (2016年)=世界歴代4位
  • ハーフマラソン 1時間6分55秒 (2013年)
  • マラソン 2時間17分56秒(2017年)=世界歴代3位
  • 室内3000m 8分33秒37 (2008年)
  • 室内2マイル 9分12秒23 (2010年)
  • 室内5000m 14分27秒42 (2007年)

脚注[編集]

  1. ^ Women's 10,000m Final”. Rio 2016 (2016年8月12日). 2016年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月13日閲覧。
  2. ^ senior outdoor 10,000 Metres women”. IAAF. 2016年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月13日閲覧。

外部リンク[編集]