ツリガネニンジン

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ツリガネニンジン
Adenophora triphylla var. japonica 11.JPG
福島県会津地方 2008年8月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asterdiae
: キキョウ目 Campanulales
: キキョウ科 Campanulaceae
: ツリガネニンジン属
Adenophora
: サイヨウシャジン
A. triphylla
変種 : ツリガネニンジン
var. japonica
学名
Adenophora triphylla (Thunb.) A.DC.
var. japonica (Regel) H.Hara
シノニム

本文記載

和名
ツリガネニンジン(釣鐘人参)

ツリガネニンジン(釣鐘人参、学名: Adenophora triphylla var. japonica )はキキョウ科ツリガネニンジン属多年草

特徴[編集]

根は白く肥厚し、花茎の高さは40–100 cmになり、全体に毛がある[1]。根生葉は円心形で花期には枯れてしまう[1]。茎は茎に3–5枚輪生し、上部は互生または対生する[1]。茎葉の形は長楕円形、卵形、楕円形、披針形と変化が多く[1]、やや厚みがあってつやがない。長さは4–8cmで縁に鋸歯がある。植物体を切ると白い乳液が出る[1]

花期は8–10月で、淡紫色の下を向いた鐘形のを咲かせ、数段に分かれて葉と同じように茎に輪生する枝の先に少数ずつをつける。花冠は長さ15–20 mmで先端はやや広がり、裂片は反り返る。萼片は糸状で鋸歯があり、花柱が花冠から突出する。

分布と生育環境[編集]

日本では、北海道、本州、四国、九州に、国外では樺太、千島列島に分布し、山地の草原、林縁や草刈などの管理された河川堤防などに自生する。排水が良く、日当たりの良い所を好む[1]

シノニム[編集]

  • Adenophora triphylla (Thunb.) A.DC. var. kurilensis (Nakai) Kitam.
  • Adenophora triphylla (Thunb.) A.DC. subsp. aperticampanulata Kitam.

変異[編集]

非常に変異の大きい種である。特に花期以外の時期には葉の形、葉序などが大きく異なるものがあり、混乱させられることがたびたびある。

種としても変異が大きく、以下のような変種がある。

  • 基本変種はサイヨウシャジン(var. triphylla)で、花冠がやや細い壺型であること、花柱が長く突き出すことで区別される。本州では中国地方、九州、琉球列島に、また国外では中国、台湾に分布する。
  • 本州中部地方以北の高山や北海道には高山植物的になったものがあり、ハクサンシャジン、あるいはタカネツリガネニンジン(var. hakusanensis Kitam.)という。花茎の高さ30-60cm、花冠は広鐘状で花序の小枝が短く、密集した総状花序になる。
  • 四国の一部の蛇紋岩地帯には背丈が低く、葉が線形で花冠の長さが1cmたらずと小柄なものがあり、オトメシャジン(var. puellaris Hara)と呼ばれる。

利用[編集]

食用[編集]

春の若い芽は、山菜トトキとして食用にされる。

生薬[編集]

2年以上経った長い紡錘形から円柱形の根は沙参(しゃじん)とよばれ、生薬として利用される[1]。秋に地上部が枯れたときに根を掘り出し、細根を取り除いたものを天日乾燥させたものが使われ、少量を煎じたものを1日数回に分けて服用すると、健胃、痰きり、鎮咳に効能があるとされ、強壮効果もあるといわれる[1]。昔は朝鮮人参の偽物に用いたといわれるが、朝鮮人参とは薬効は異なり代用にはならない[1]

近縁種[編集]

ギャラリー[編集]

春の若い芽 
ハクサンシャジン 

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i 馬場篤 1996, p. 76.

関連項目[編集]

  • ツルニンジン:朝鮮でトドックと呼ばれる代表的な山菜。呼び名がトトキと似ているが関係の有無は不明。

参考文献[編集]