ツァイガルニク効果

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ツァイガルニク効果(ツァイガルニクこうか、: Zeigarnik effect)とは達成できた事柄より達成できていない事柄・中断している事柄を意識している状態[1]ツァイガルニック効果ゼイガルニク効果ゼイガルニック効果とも表記する。

ドイツのゲシュタルト心理学クルト・レヴィンの「人は欲求によって目標指向的に行動するとき 緊張感 が生じ持続するが、目標が達成されると緊張感は解消する」という考えに基づき、リトアニア出身で旧ソビエト連邦の心理学者ブリューマ・ゼイガルニクが「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」との事実を実験的に示した[注釈 1]

さらに、ツァイガルニクらには、未完成の図形と完成した図形についての記憶研究もある。知覚の実験にあっては、未完成図形の方が完成図形に比べて記憶の度合いが悪い。

自分自身の行為を記憶する過程と、視覚像を記憶する過程とは、相異なる法則性に従っている[2]

注釈[編集]

  1. ^ (ルビンシュテイン『一般心理学の基礎2』 1982)には、「明らかに逆のこと、つまり、やり終え、完結し、現実性を失ったことは、なによりもはやく忘れるという傾向もある」との付言がある。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 樺沢, 紫苑『精神科医が教える ストレスフリー超大全』ダイヤモンド社、2020年7月2日。ISBN 9784478107324 
  • ルビンシュテイン, セルゲイ・レオニドヴィッチ『一般心理学の基礎2』秋元晴朝・秋山道彦・足立自朗・天野清・佐藤芳男・松野豊・吉田章宏 (翻訳)、明治図書出版、1982年4月。ISBN 9784181087036 
  • ヴィゴツキー, レフ・セミョーノヴィチ『子どもの心はつくられる―ヴィゴツキー心理学講義』菅田洋一郎(監訳)・広瀬信雄(訳)、新読書社、2002年3月23日。ISBN 9784788041110 

関連項目[編集]