チュクチ語派
表示
チュクチ語派(チュクチごは、Chukotkan languages)はチュクチ・カムチャッカ語族の一部をなす方言群である。ロシアの極東北端に位置する二つの自治地域で話されており、東は太平洋、北は北極に接している。
1930年代にチュクチ語を指すために用いられた「Luorawetlan(Luoravetlan)」という呼称は、実際にはチュクチとコリャーク両民族の民族名に基づいている。
下位言語
[編集]- チュクチ語:チュクチ自治地区内で話される。
- コリャーク語(Nymlanとも):カムチャッカ地方のコリャーク自治地区で話される。主要方言はチャヴチュヴァン方言。
- アリュートル語:Koryakiaで話される。
- ケレク語:チュコトカの南海岸沿いで話されていた。2005年に最後の話者が死亡し消滅した。民族集団もチュクチに同化した。
伝統的には、チュクチ語派はチュクチ語とコリャーク語の二言語と考えられてきた。これは、チュクチ民族とコリャーク民族の間に明確な民族的区分があったためである。しかし、チュクチやコリャークの民族が話すケレク語やアリュートル語の方言は、チュクチ語やコリャーク語からの差異と同程度に互いにも異なっている。そのため、現在チュクチ語派は一般的に四言語として分類されるが、方言差が大きい一つの言語と考えることも可能である。
Bibliography
[編集]- Comrie, Bernard. 1981, The Languages of the Soviet Union. Cambridge University Press.
- Fortescue, Michael. 1998. Language Relations Across Bering Strait. London: Cassell & Co.
- Fortescue, Michael. 2005. Comparative Chukotko–Kamchatkan Dictionary. Trends in Linguistics 23. Berlin: Mouton de Gruyter.