チャールズ・A・ライク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チャールズ・アラン・ライク
人物情報
全名 Charles Alan Reich
別名 チャールズ・A・ライク
生誕 (1928-05-20) 1928年5月20日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク
死没 (2019-06-15) 2019年6月15日(91歳没)
出身校 オーバリン大学
イェール大学J.D.、1952年)
学問
研究分野 法学
研究機関 Cravath, Swaine & Moore
Arnold & Porter
イェール・ロー・スクール
カリフォルニア大学サンタバーバラ校
サンフランシスコ大学
主要な作品緑色革命
テンプレートを表示

チャールズ・アラン・ライク(Charles Alan Reich、1928年5月20日 - 2019年6月15日)は、アメリカ合衆国法律家社会科学者著作家で、イェール・ロー・スクールの教授であった1970年に、1960年代の対抗文化英語版と若者の運動を讃えたピーアン(讃歌)の書『緑色革命』を書いた。この本の一部は、雑誌『ザ・ニューヨーカー』に最初に掲載され[1]、それに対する極めて大きな反響もあって[2]、同書は『ニューヨーク・タイムズ』紙の週刊付録『ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー』のベスト・セラー・リスト英語版の首位に立った。

生涯[編集]

ライクはニューヨーク市に生まれた。シティ・アンド・カントリー・スクール英語版リンカーン・スクール英語版に学び、オーバリン大学の学士課程に学んだ[3]。法学校の学生として、1951年から1952年にかけて『Yale Law Journal』の編集長を務め[4]1953年から1954年にかけての学期には合衆国最高裁判所判事の下で事務職員として働いた。学界に進む前に、6年間にわたって弁護士として活動し、ニューヨークのCravath, Swaine & Moore[5]ワシントンD.C.Arnold & Porterといった大きな事務所に所属した[6][7]

1960年から1974年まで、イェール・ロー・スクールの教授を務めた。ビル・クリントンヒラリー・ローダム・クリントンの夫妻はふたりとも、『緑色革命』執筆当時のライク教授の教え子であり、クリントン夫妻それぞれの伝記の中にはライクへの言及がある。ライクは1974年にイェールの教授職を離れ、サンフランシスコへ移り住んだが、1976年までは客員教授として教鞭を執り続けた。その後、1991年から1994年にかけてと、2011年2月に、再びイェールで教鞭を執った[2]2008年には、イェール・ロー・スクール協会 (The Yale Law School Association) が、ライクに功労賞 (Award of Merit) を贈った[8]

ライクはゲイであり、1970年代サンフランシスコで急速にゲイの権利ゲイ解放運動が前進した中で、自らがゲイであることと折り合いをつけた。結局ライクは、現代におけるLGBTの権利を求める社会運動の初期段階でカミングアウトし、自伝の中では詳細にわたって積極行動主義について、また、自身にとって永く心理的に抑圧されていた同性愛について語った[6]。その後、数十年が経過し、積極的にLGBT関係の活動に関わらないようになったライクは、ひとりでいたいという欲求の方が、性的指向よりも自分の人生にとって意味あるものとなった、と明言した[3]

2019年6月15日に死去。91歳没[9]

おもな業績[編集]

論文[編集]

ライクは多数の論文(記事)を書いている。以下はその一部である。

  • 1962: "Bureaucracy and the forests: An occasional paper on the role of the political process in the free society" (Center for the Study of Democratic Institutions)
  • 1964: "The New Property" (Yale Law Journal)
  • 1965: "Individual Rights and Social Welfare: The Emerging Legal Issues" (Yale Law Journal)
  • 1966: "Police Questioning of Law Abiding Citizens" (Yale Law Journal)
  • 1987: "The Liberals' Mistake" - カリフォルニア大学サンタバーバラ校における「Regents' Lecture」講義録[10]
  • 1990: "Symposium: The Legacy of Goldberg v. Kelly: A Twenty Year Perspective: Beyond the New Property: An Ecological View of Due Process" (Brooklyn Law Review)

書籍[編集]

ライクは著書、共著書も多数書いている。以下はその一部である。

脚注[編集]

  1. ^ Reich, Charles A. (1970-09-26). “Reflections: The Greening of America”. The New Yorker: 42. http://www.newyorker.com/archive/1970/09/26/1970_09_26_042_TNY_CARDS_000298460. 
  2. ^ a b Schwartz, Daniel (2010年9月27日). “The Greening of America turns 40: Q&A: Charles Reich”. CBC News. 2015年7月23日閲覧。
  3. ^ a b Ghiglione, Loren (2012年). “Before Occupy Wall Street there was The Greening of America”. Traveling with Twain: In Search of America's Identity. Northwestern University Medill School of Journalism. 2013年2月2日閲覧。
  4. ^ The Yale Law Journal, May 1952, 6 (5)
  5. ^ Swygert, Michael I. (1971). “Charles A. Reich, The Greening of America”. Valparaiso University Law Review 5 (3). http://scholar.valpo.edu/vulr/vol5/iss3/13/. 
  6. ^ a b Reich, Charles A. (1976). The Sorcerer of Bolinas Reef. New York: Random House 
  7. ^ Citron, Rodger D. (Jul 2007). “Charles Reich's Journey From the Yale Law Journal to the New York Times Best-Seller List: The Personal History of The Greening of America”. New York Law School Law Review (New York: New York Law School) 52 (3). オリジナルの2010年6月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100619210758/http://www.nyls.edu/user_files/1/3/4/17/49/NLRvol52-307.pdf. 
  8. ^ Award of Merit
  9. ^ “‘Greening of America’ author Charles Reich dead at 91” (英語). AP NEWS. (2019年6月18日). https://www.apnews.com/d2a9d0b7aa8f4b1fb1a1b095a2190b0e 2019年6月19日閲覧。 
  10. ^ Reich, Charles A. (1987). “The Liberals' Mistake”. The Center Magazine (July-August). http://www.cooperative-individualism.org/reich-charles_liberals-mistake-1987.htm 2015年7月23日閲覧。. 

外部リンク[編集]