チャンス (1979年の映画)
| チャンス | |
|---|---|
| Being There | |
| 監督 | ハル・アシュビー |
| 脚本 | ジャージ・コジンスキー |
| 原作 | ジャージ・コジンスキー |
| 製作 | アンドリュー・ブラウンズバーグ |
| 製作総指揮 | ジャック・シュワルツマン |
| 出演者 |
ピーター・セラーズ シャーリー・マクレーン メルヴィン・ダグラス |
| 音楽 | ジョニー・マンデル |
| 撮影 | キャレブ・デシャネル |
| 編集 | ドン・ジマーマン |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 130分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 英語 |
| 興行収入 | $30,177,511[1] |
『チャンス』(Being There)は、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』を下敷きにしたジャージ・コジンスキー原作・脚色のコメディー映画。
愚者が山から下り教師となって、エンディングではツァラトゥストラに則り超人となってしまう。そんな主人公を取り巻く人々の姿を20世紀後半のワシントンD.C.を舞台に活写した。
ストーリー[編集]
テレビから「未完成交響曲」の演奏が放送されている。知的障害があって読み書きもできないでテレビばかり見ている庭師のチャンスは物心ついた頃から住み込みで働いていた家の当主の死を知らされるが、意味を理解できないでいる。女中ルイーズからは年上の女性と結婚しなさいよと忠告され、代理人の弁護士から命じられて、今まで出たことがなかった屋敷を出されることになった。
チャンスは町に出て、さ迷い歩いているところ高級車に接触し、乗っていたエヴァから治療を家ですることを勧められる。名前を問われて「庭師のチャンスです」と応えるが、「チョンシー・ガードナー」という姓名であると勘違いされる。そこで病気で寝ているエヴァの夫であり経済界の立役者であるベンジャミンとも知り合うことになる。
ベンジャミンはチャンスを事業に失敗して家財を失った実業家であると早合点し、チャンスの単なる庭の手入れや植物の生長の話を「経営者は庭師みたいなものだ」と「経済畑」の話と曲解し、不況下にある米国を立て直す暗喩であると考えて大統領・経済人に彼を紹介する。経歴不詳のチャンスは周囲の注目を集めテレビ出演までするようになり、樹木が育つには季節があるなどという庭師の言葉が誤解され、国民的な人気を得る。医師ロバートはチャンスの純朴さに奇妙な不整合さを感じるが、ベンジャミンは彼のおかげで死が怖くなくなったという。そして、エヴァとともにその人間的魅力に惹かれて行く。また再生不良性貧血により自宅で長患いをしていたベンジャミンは二人が近しくなるのを好ましくも感じていた。周りは情報がないので調べ回るが何も出てこなくて、CIAかFBIが重要機密を消した大物と思わせる。エヴァが言い寄るが、「見ることが好きだ」といわれて、脱いでみせる。
時まもなくベンジャミンが死去したとき、エヴァを頼むといわれる。葬儀の棺を運ぶ時に、チャンスは次期大統領候補と決まっていく。一方、そんな話に無頓着なチャンスは湖水の上を歩いて(水上を歩く奇跡を行ったというイエス・キリストの引用)去っていく。ベンジャミンの「人生とは心の姿なり」という遺言が響く。
キャスト[編集]
| 役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
|---|---|---|---|
| TBS版 | テレビ朝日版 | ||
| 庭師のチャンス(チャンス・ザ・ガーディナー チョンシー・ガードナー) | ピーター・セラーズ | 納谷六朗 | 佐野浅夫 |
| エヴァ・ランド | シャーリー・マクレーン | 宗形智子 | 小原乃梨子 |
| ベンジャミン・ターンブル・ランド | メルヴィン・ダグラス | 大木民夫 | 巖金四郎 |
| ボビー大統領 | ジャック・ウォーデン | 神山卓三 | 原田一夫 |
| ロバート・アレンビー | リチャード・ダイサート | ||
| ウラディミール | リチャード・ベースハート | ||
| ルイーズ | ルース・アタウェイ | ||
| トマス・フランクリン | デイヴィッド・クレノン | ||
| サリー・ヘイズ | フラン・ブリル | ||
エンディング[編集]
- 通常、映画の最後の場面では音楽を流しながらスタッフや出演者の名前を流し画面がやがて暗くなる方式をとる。しかし、本作では冒頭で背景を意図的に乱した画像に「A HAL ASHBY FILM」という表示を入れ、それに続く形で病人の格好をしたセラーズが本人でさえ笑ってしまうようなせりふ(白人に対する差別語であるhonkyという言葉も使われている)を途中で笑い声を入れないで話せるようになるまでの様子を入れている。時間は約3分半。
- 2009年『チャンス 30周年記念版』(DVD及びブルーレイ)が発売された。ブルーレイ版の映像特典には劇場公開版とは異なる「もう一つのエンディング」が含まれ、一種ハッピーエンドになっている。同映像特典中の「イレーナ・ダグラス“チャンス”を語る」(DVDと共通)で、メルヴィン・ダグラスの孫娘であり、当時の撮影現場を見学したイレーナ・ダグラスが劇場公開版エンディングになった経緯などについても触れている。
関連情報[編集]
- ソ連大使との会話で出てくる「クルィロフの寓話」は、イヴァン・クルィロフ(Иван Андреевич Крылов)の「寓話」を指している。クルイロフは反体制の思想を「イソップの言葉」で表現し、真実を屈折させ自分の感情を隠しながら、真実を語る手法を編み出したと言われている。
- ワシントン・ポスト社のシーンで、編集長の後ろで書類をチェックしている白髪の男がハル・アシュビー監督である。
- 英語タイトルの「Being There」は、ドイツの哲学者マルティン・ハイデッガーの未完の主著『存在と時間』から採られている。
- チャンスが家を出てワシントンに向かうシーンでは、リヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはこう語った』(1896年)をアレンジした曲が流れる。
参考文献[編集]
- ^ “Being There”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年1月1日閲覧。
外部リンク[編集]
- Review by Roger Ebert, who puts Being There on his Greatest Movies list
- NC Film
- WGA article on the ending of Hal Ashby's Being There
- チャンス - allcinema
- チャンス - KINENOTE
- Being There - オールムービー(英語)
- Being There - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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