チャド湖

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座標: 北緯13度05分0秒 東経14度31分0秒 / 北緯13.08333度 東経14.51667度 / 13.08333; 14.51667

チャド湖の位置

チャド湖(チャドこ、フランス語: Lac Tchad英語: Lake Chad)は、チャドニジェールナイジェリアカメルーンの4ヶ国にまたがるアフリカ大陸中央部のである。

現在、灌漑気候変動により面積が10%以下まで激減しており、問題になっている。

概要[編集]

チャドの西部に位置し、ニジェール東北部との国境をなす。湖の中央部に4カ国の国境線が交差する。面積は大きいが、水深は浅い。最も深いところでも7mしかない。従って雨季と乾期での面積・水深の変化は大きく、特に面積は2倍もの差がある。

湖にはシャリ川ロゴーヌ川バル・エル=ガゼル・ワジフランス語版(Barh El Gazel Wadi)などから水が流入している。

周辺の国々に居住する2000万人以上の人々にを供給している。水深が浅いため、漁業は発達していない。湖周辺は雨季には植生が広がり多様な動植物の生息する、アフリカでも重要な湿地帯である。この湿地を利用した農業も行なわれている。

サハラ砂漠周辺地域が湿潤であった1万年前には面積は100万km2であったと推定されているがここ1000年には少なくとも6回は干上がっており、拡大と縮小を繰り返している。歴史的に見ても、面積の変化が大きい。

2001年8月、チャド湖の一部(約16,500km2)がラムサール条約登録地となった。

急激な縮小[編集]

縮むチャド湖、衛星写真で見る1973年から2001年までの変遷

ヨーロッパ人による最初の調査は1823年になされた。以来、世界的に見ても非常に大きい湖の1つだったが、ここ40で著しく面積が縮小している。1960年代には2万6000km2以上の面積があったが、1990年代までに45%の面積を失った。1908年1984年の2度にわたり完全に干上がったことがあり、現在の平均水深は1.5mである。このままでは21世紀中には消滅するとも予想されている。

原因と問題[編集]

チャド湖、及びシャリ川・ロゴーヌ川を利用した周辺諸国での大規模な灌漑があげられる。特にナイジェリアは移住を奨励し周辺人口も増大したが、水の利用効率は極めて低かった。こうした影響で、シャリ川からの流入量は1960年代以前の平均年間400億トンから150億トンに減少している。

加えて砂漠化最前線に立地しており、近年の気候変動(地球温暖化による)の影響も無視できない。ただし、この点に関しては2001年にThe Journal of Geophysical Researchで発表された研究では否定されている。

また植生地域ができたことで、過放牧が行なわれ湖周辺の砂漠化も懸念されている。

このように消滅の危機に瀕しており、チャド湖流域委員会などによる監視が続けられている。しかし関連諸国の経済事情、政情が不安定などにより有効な対策はとられていない。また、残された水がどの国に帰属するかも問題の一つになっている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]