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チタン酸ストロンチウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チタン酸ストロンチウム
Sample of strontium titanite as tausonite
Sample of strontium titanite as tausonite
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.031.846 ウィキデータを編集
EC番号
  • 235-044-1
MeSH Strontium+titanium+oxide
UNII
性質
SrTiO3
モル質量 183.49 g/mol
外観 白色の不透明結晶
密度 5.11 g/cm3
融点 2,080 °C (3,780 °F; 2,350 K)
溶けない
屈折率 (nD) 2.394
構造
立方晶系 ペロブスカイト構造
Pm3m, No. 221
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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チタン酸ストロンチウム(チタンさんストロンチウム、SrTiO3英語: strontium titanate)はストロンチウムチタンの複合酸化物で、ペロブスカイト構造をとる化合物である。三酸化チタン(IV)ストロンチウムともいい、天然鉱物として産出するものはタウソン石 (Tausonite) と呼ばれる。

誘電率が室温で300程度と高く、かつ常誘電体でありキュリー点を持たないために誘電率の温度変化が小さいことからセラミックコンデンサの材料に用いられる。また、バンド絶縁体だがニオブなどの添加物を加えることで容易に半導体化するためバリスタセンサ熱電素子などに用いられる。

単結晶屈折率が2.409とダイヤモンドに近く、ダイヤモンド類似石に用いられる。硬度が低く傷がつきやすいことからダイヤモンドと区別できる。

可視光線を照射することにより、水を還元し水素を発生する光触媒であることが発見され、同様に可視光で酸素を発生するバナジン酸ビスマスと組み合わせることにより、水の分解に成功している。太陽光エネルギーの変換効率は0.1%ほどであるが、この性質は人工光合成系の構築に役割を果たすと考えられている[1]

脚注

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  1. ^ 「水素を作る -ソーラー水素(工藤昭彦)」『光と界面がおりなす新しい化学の世界 -光触媒と光エネルギー変換』(初版)クバプロ、2008年1月30日、p20頁。ISBN 978-4-87805-090-9 

外部リンク

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