チェルノブイリ (テレビドラマ)

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チェルノブイリ
Chernobyl
ジャンル 災害、パニック、ドラマ
脚本 クレイグ・メイジン
監督 ヨハン・レンク
出演者 ジャレッド・ハリス
ステラン・スカルスガルド
エミリー・ワトソン
音楽 ヒドゥル・グドナドッティル
製作
製作総指揮 クレイグ・メイジン
キャロリン・ストラウス
ジェーン・フェザーストーン
制作 HBO
放送
放送国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
日本の旗 日本
放送期間 2019年5月6日~2019年6月3日
放送分 60-72分
回数 5
公式ウェブサイト
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チェルノブイリ』(原題:Chernobyl)は、2019年5月6日から6月3日まで、アメリカ合衆国HBOで制作・放送されたテレビドラマ(ミニシリーズ)。全5回(計330分)。

冷戦下の1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故の際、事態を隠ぺいしようとするソビエト政府の対応や、事故がもたらした人々への影響、被害の拡大を少しでも抑えようと奔走した人々の苦闘を描く。

第71回エミー賞リミテッドシリーズ部門作品賞、監督賞、脚本賞受賞。 主演男優賞(ジャレッド・ハリス)、助演女優賞(エミリー・ワトソン)、助演男優賞(ステラン・スカルスガルド)ノミネートなど高い評価を受けた。

第77回ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門では作品賞と助演男優賞(ステラン・スカルスガルド)受賞。

あらすじ[編集]

第1話「1時23分45秒」[編集]

1988年4月、モスクワで監視下にあった51歳の科学者が、ある告発の録音テープを秘密の場所に隠したのち、首吊り自殺する。彼はチェルノブイリ原発事故の調査と収束を指揮した人物であった。

1986年4月26日未明、ワシリー・イグナテンコ消防士の妻のリュドミラがつわりで目覚めて窓の外を眺めると、遠方のチェルノブイリ原子力発電所から閃光が立ち上り、続いて衝撃波が伝わってくる。ほどなく、建屋に発生した火災を消火するための出動命令が下される。化学事故の発生を疑う消防士。一方、発電所では、咄嗟に何が起きたのか、誰も分からない。責任者のディアトロフ副技師長は、タービンホールから出火という報告を受けて、非常用タンクが爆発したのだと思い込んで、原子炉の爆発の可能性を疑えなくなる。制御棒を炉心に挿入するため、自ら予備室に出向くが、その途中、衝撃波で割れた窓から、炉心で減速材として使うグラファイト(黒鉛)片が地上に散乱しているのを見ても、認識が変わらない。死の灰が飛び散る中、放射線焼けを負う部下たちが次々と最悪の事態を予感し始める一方で、炉心への注水操作の必要に心を奪われてしまう。現場に到着した消防士たちは口々に「金属の味がする」とつぶやき、間もなく、通常の火災にはない、異様な雰囲気を感じ取る。グラファイト片をつかんだ消防士の手は、放射線焼けでボロボロになる。連絡を受けたブリュハーノフ所長とフォーミン技師長が到着するが、非常用タンクの爆発と建屋の火災という話を鵜呑みにする。同じ頃、離れた場所で花火を見物するかのごとく火災を見守る老若男女の上に、死の灰が粉雪のように降り注ぎ始める。爆発の際、命じられるがまま制御棒を操作していたアキーモフ副技師長とトプトゥーノフは、爆発により既に炉心が無くなっていることを知りつつ、自責の念から、手動注水操作を行うために炉心近くの注水バルブに赴く。黙々と作業する2人だが、その身体は次第に放射線焼けに覆われていく。プリピチャチ市執行委員会は、パニックを防ぐため、情報を統制し、市民の避難を禁止するという政治決定を下す。その間、高性能な線量計での測定も行われたが、非常用タンクの爆発説が信じられているので、誰も測定結果を信じない。遂には、ディアトロフ自ら屋上から見下ろして炉心の無事を確認すると言い出すが、放射線障害で嘔吐し、それに至らない。運び出された彼の目には、原子炉から立ち上る、まがまがしい黒煙や被爆して救急車で運ばれる消防士たちの姿が遂に目に入る。嫌がるシトニコフだったが、強要されて、屋上から燃え盛る炉心を見下ろすことになる。その顔も見る間に放射線焼けに覆われていく。その頃、クルチャトフ原子力研究所の第1副所長であるヴァレリー・レガソフ博士の下へ、閣僚会議副議長兼エネルギー部門担当のシチェルビナを名乗る人物から、RBMK原子炉の専門家としての事故処理のための政府委員会への出席を求める電話が掛かってくる。

第2話「現場検証」[編集]

地元のプリピチャチ病院には、放射性火傷を負った消防士たちが続々と運ばれてくる。防火服は核汚染されていて、廃棄するために地下室に運ぶ女医たちの手も放射線火傷で赤くただれる。ゴルバチョフ書記長も出席する閣僚会議の政府委員会。レガソフ博士は、楽観的な報告に安堵するメンバーに対し、グラファイト(黒鉛)片が散乱している以上、炉心が爆発して剥き出しとなり、放射性物質が放出されて周囲を激しく汚染している筈だと指摘する。オブザーバーの勝手な発言にいったんは苛立つゴルバチョフだったが、シチェルビナ副議長とレガソフに現地調査を命ずる。ヘリコプターで現地に急行した2人の目には、黒煙を噴き上げる原子炉、建屋の屋上に散乱するグラファイト片、放射性物質によりイオン化されて青白く光る大気など、絶望的な光景が次々と目に入る。出迎えたブリュハーノフ所長とフォーミン技師長は、なお虚勢を張るが、シチェルビナに問い詰められて黙り込む。化学部隊を指揮するピカロフ大将が自ら建屋の近くまで装甲車でいって放射能を測定したところ、15,000レントゲンを記録し、遂に炉心が爆発したことが確認される。火災ではないから放水では消せないと聞いたシチェルビナは、レガソフに言われたとおり、炉心溶融物を封じ込めるための5,000トンのホウ素ケイ素の調達に動き出す。ヘリコプターからの投下作業は、1号機が誤って墜落したものの、続く20機が取り敢えず投下に成功する。意気込むシチェルビナに、レガソフは、近隣住民の避難が不可避であることと、既に自分たちが5年を生きながら得ないだけ被爆したことを告げる。諸外国が原発事故を知るところとなって、ようやく近隣住民の避難が開始された。一方、独自のルートで情報収集して事故の発生と規模を知った白ロシア原子力研究所のウラナ・ホミュック博士は、直ちにチェルノブイリに急行し、シチェルビナとレガソフに、汚染水で溢れる地下タンクに炉心溶融物が流れ込み、核爆発に匹敵する規模の水蒸気爆発が発生するまで2日もないと告げる。ヨーロッパ全土の核汚染につながる大惨事を回避するには、建屋の内部構造に詳しい技師3名が炉心直下の地下タンクに入り、仕切弁を手動操作して排水しなければならない。被爆死が避けられない作業だが、シチェルビナの言葉に意気に感じた3人(アナネンコ、ベルパロフ、バラノフ)が名乗りを上げる。防護を施したウェットスーツに身をつつんで地下タンクに入り込んだ3人だったが、線量計ががなり立てる中、放射能の影響で懐中電灯が次々と消えていき、漆黒の闇の中に取り残される。

第3話「KGB」[編集]

地下タンクに入り込んだ3人は排水操作に成功し、しかも、奇跡的な生還を果たす。火災は鎮火に向かい、ヨウ素131セシウム137の放出量は減るが、炉心の温度が上昇し、被覆管に使うジルコニウム95が検出される。遂にメルトダウンが始まったということ。炉心溶融物が最下部のコンクリート床を突き抜けると、地下水と接触し、ドニエプル川に沿って、キエフから黒海までが核汚染される。電話で報告を受けたゴルバチョフは、事故により権力基盤が揺らぎ始めたことを感じているから不機嫌。避難区域の拡大を求めるレガソフを全く相手にしないで電話を切る。憤るレガソフをシチェルビナは半ば強引に散歩に誘い出す。技師や消防士など重度の被爆者の末路をたずねるシチェルビナ。潜伏期間を経て皮膚に水疱が浮かんで黒ずむなど容態が急変、細胞組織が損傷し、骨髄が破壊されて免疫不全となり、臓器や軟組織の腐敗が進み、血管が破壊されて出血などした末に、モルヒネも効かない激痛に襲われて落命することになる。それを聞いたシチェルビナは、「ガンや再生不良性貧血で死ねる我々は幸せ」と冗談を飛ばす。空気が和んだところで、自分たちには常時、尾行がついていることを示し、室内での会話も全て盗聴されていることを伝える。レガソフがホテルに戻ると、ウラナ・ホミュックがまんじりともせずに事故の原因を検討している。原子炉の爆発という、理屈の上では起こり得ない事故の原因は、当直だった技師たちから事情聴取しないと分からない。レガソフは、再発防止のためにも、モスクワの第6病院に出向いて生存者が死ぬ前にヒアリングすることを勧める。炉心溶融物をコンクリート床で食い止めるため、液体窒素を用いる熱交換器を地下に設置することになる。建屋内には入れないから、外からトンネルを掘らねばならない。ただ、地盤を破壊する重機が使えないので、手掘りによるしかない。シャドフ石炭相がトゥーラ炭鉱に出向いて、棟梁のグルコフ率いる炭鉱夫たちを動員してくる。「暗闇で働く者は全てを見透かす」との言葉どおり、既に発電所の周辺は汚染されていて、防護服やマスクもあまり意味がないことを察するグルコフ。坑内の温度は50度に達するも、放射能を含んだ粉塵が舞い上がるという理由で送風機を使わせてもらえない。炭鉱夫たちは遂に、作業服やマスクを脱ぎ捨てて、全裸になって掘り始める。あっけにとられるシチェルビナとレガソフに、グルコフは死後の保障を求めるが、シチェルビナも既に約束できる身ではない。ワシリー・イグナテンコ消防士の妻のリュドミラは、転院先のモスクワの第6病院を訪れる。面会謝絶で追い返されかけるが、「30分だけ、決して触らない」と約束して病室に入れてもらう。夫は、痛々しい姿ながら、相部屋の同僚たちとゲームに興じている。安堵するリュドミラだったが、その晩、病室そばの給湯室で仮眠していると、全身の痛みを訴える夫の悲鳴が聞こえてくる。あわてて病室に駆け込むと、看護師たちの間から夫の皮膚が真っ黒になっているのが見える。同じ第6病院で、ホミュックが事情聴取を行っている。ディアトロフは証言を拒む。頭髪は抜け落ちているものの、食事に不平をこぼし、寝返りも打てる状態。一方、トプトゥーノフは辛うじて人の形を保っているに過ぎない。証言の途中で鼻血が噴き出てくる。アキーモフも協力的だが、既に顔面が崩れてしまっている。2人の技師はいずれも、出力が急上昇したので、緊急停止AZ5ボタンを押下したところ、原子炉が爆発した、と証言する。容体が急変したワシリーは、同僚たちと同じく、別室に移される。既に人の形を失い始めている。死期が近いのをみて、プラスチックカーテンの中に入り込んで手を握り、妊娠していることを告げるリュドミラ。たまたまそれを見つけたホミュックが、あわてて連れ出すが、妊婦を被爆の危険に曝した怠慢行為として報告・公表しなければならないと声高に騒いだため、監視していたKGBに逮捕されてしまう。政府委員会の席上、シチェルビナは、関係者の献身的な努力で火災が鎮火し、メルトダウンを回避するための作業が続けられていることを報告する。終了後にレガソフは、チェルコーフKGB第一副議長に詰め寄って、ホミュックの釈放を求める。レガソフが「実直なバカ」であることを看て取ったチェルコーフは、釈放の求めに応じる。レガソフとホミュックは、どんなに疎んじられても逃げ出さずに真相を解明するのが科学者の責務であることを互いに確認する。レガソフの提言どおり、広い地域で住民の避難が始まる。ワシリーは死亡する。同僚たちの棺桶とともに、鉛で封印され、埋められた後、直ちにコンクリートで覆われる。

第4話「掃討作戦」[編集]

原子炉爆発から数ヵ月が過ぎ、プリピャチ市周辺では、住民の避難に続き、除染作業が行われている。放射線除けに効き目があると信じられるウォッカをがぶ飲みし、くすねた鉛板で作った「卵のカゴ」で生殖器を覆って作業する兵士たち。動物駆除チームに、若い兵士パヴェルが配属されてくる。出征経験のない素人で、ライフル銃へ弾込めする手つきも覚束ない。駆除する動物の多くは避難の際に見捨てられたペット。人気を察して集まってくるところを片端から狙い撃ちし、その後で一軒ずつ回って、屋内に隠れたものを射殺していく。パヴェルも次第に駆除にも慣れていくが、さすがに飛び込んだ廃屋内で子犬たちを見つけても手が出せない。外へ出て思わずウォッカを口にするパヴェルの耳に、代わった古参兵が撃ち続ける銃声が聞こえてくる。モスクワ第6病院のディアトロフは、回復したものの、相変わらずホミュックへの証言を拒んでいる。どうせ銃殺刑と決めていて、真相究明に関心を示さない。そのホミュックは、モスクワ大学図書館で1976年の論文「極限状況下のRMBK炉について」を探し出す。著者不詳で、肝心の部分が削除されている。ただ、削除されなかった目次から、AZ-5ボタンを押すことで、却って原子炉内の核分裂反応を促進してしまう事象が論じられていたことを知る。一方の原子炉。建屋屋上に散らばるグラファイト(黒鉛)片を片付けないと、爆発した原子炉を覆う建造物のための工事を始められない。もっとも、重さで屋根が抜け落ちてしまうため、遠隔操作のブルドーザーは使えない。汚染度が低い箇所は、ルノホート計画で使用した月面車をブルドーザー代わりに使って、グラファイト片を屋上端から建屋下に落としていくことができる。一方、汚染度が高い箇所は、ガンマ線が電子回路を焼き切ってしまうため、月面車が使えない。アメリカを頼れないので、西ドイツからロボット「ジョーカー」を導入する。しかし、ヘリコプターで建屋屋上におろして、さあ作業開始という数秒後に、電子回路が焼き切れて動かなくなってしまう。モスクワへの電話口で激高するシチェルビナ。「ソ連で核災害は起きていない」という建て前に沿って、放射線の量を、実際の毎時12,000レントゲンでなく、毎時2,000レントゲンと偽って導入したことを知る。現場で凄惨な光景を目の当たりにしているシチェルビナは、思わず悪態をついて受話器を壁に叩きつける。レガソフは、苦悩の末、生身の人間に作業させるほかないという結論に至る。防護策を施しても2分作業すれば寿命が半減し、3分作業すれば余命数ヵ月となるような過酷な環境。1人あたりわずか90秒しか作業できないから、1人が2~3回、グラファイト片をスコップで投げ落とすと、もう時間切れになる。ところが、建屋屋上は大小、無数のグラファイト片で覆われている。兵士の1人は、時間切れを告げる合図を聞いて、あわてて戻る途中で、グラファイト片に足が挟まって転んでしまう。ようやく室内に戻るが、見ると長靴が破れている。「君は終わりだ」と告げられる。任務を果たしたのか、寿命が尽きたのか、誰にも分からない。「バイオロボット」による作業は、3828名の兵士によって、10月から翌年春まで続けられることになる。12月になって、調査を終えたホミュックがプリピャチ市に戻ってくる。盗聴の心配のない廃屋内で顔を合わせるレガソフ、シチェルビナ、ホミュックの3人。事故発生時の当直員に安全規則違反はあったが、爆発の原因は別にあるとの結論。その根拠となった論文「極限状況下のRBMK炉について」は、レガソフの元同僚ヴァルコフが、1975年のレニングラード原子力発電所で起きた圧力管破損事故の後、執筆したもの。RBMK原子炉は、低出力での運転を続けると不安定になり、そこでAZ-5ボタンを押すと、制御棒が炉心に挿入されるが、減速材の水が制御棒先端の黒鉛に押し出される結果、意図せず核分裂反応が促進されてしまうという欠陥を抱えていた。通常の運転を行う限り、この欠陥は表面化しないが、事故発生時のチェルノブイリ原子力発電所では、テストにむけて、低下する出力を維持しようと、炉心から制御棒を引き抜いていた。その後、AZ-5ボタンが押下され、原子炉が爆発した。論文はRBMK原子炉の欠陥を告発するものだったが、KGBによって機密扱いされていた。ホミュックは、間もなく行われるIAEA本部への報告で告発して、運転中の16基のRBMK原子炉の改修を政府に促さないと犠牲者が浮かばれないという意見。だが、シチェルビナは告発者とその家族に生命の危険がある以上、信念を曲げねばならないと諭す。原子炉爆発の2週間後にワシリー・イグナテンコ消防士は死に、未亡人となったその妻のリュドミラは、独りで出産するためキエフに引っ越してくる。公園で産気づくが、出生後4時間で胎児は死ぬ。被爆の後遺症は母体でなく、胎児にあらわれるのだ。

第5話「真実」[編集]

放射線障害に侵されるレガソフだったが、原子炉の欠陥を修理するとの言質をチャルコーフから取り付け、IAEA本部へは「職員のミス」が原因である旨の報告を行う。チェルコーフKGB第一副議長は、裁判が終わり次第、表彰し、所長への昇進を行うと言うが、修理の実施については言を左右して答えない。ホミュックは、来る裁判を傍聴する科学者に真相を告げ、修理を求める声を上げさせるしかないと説くが、レガソフは御用学者たちを信ずる気にはなれない。1987年7月、共産党中央委員会と最高会議幹部会による裁判がチェルノブイリにて開催される。証人として出廷したシチェルビナ、ホミュック、レガソフの3人によって、ブリュハーノフ、ディアトロフ、フォーミンら被告3名の罪状が明らかにされる。途中、シチェルビナが咳込んで退席したため、裁判は30分間の休廷となる。あわてて後を追ってきたレガソフに、シチェルビナは余命1年を宣告された旨を告げる。単なる捨て石だったゆえに事故処理の責任者とされたと自嘲するシチェルビナ。しかしレガソフは、原子炉爆発の事態収拾など、他の誰にもできなかったと励ます一方で、真実を告発する意思を固める。時を遡って事故発生当日の朝、出勤したディアトロフは、失敗続きで未完となっている安全性試験が終了すれば、ブリュハーノフ所長が栄転し、フォーミン技師長が所長に昇格するも、技師長に昇格するのはディアトロフでなく、シトニコフである可能性が高いと告げられる。電源喪失の事態を想定し、タービンの惰性回転による電力で、非常用ディーゼル発電機が起動するまでの約1分間、冷却水を送り続けられるかを試すテストであるが、功を焦る3人は未完のまま、竣工証明書に署名していた。おりしもキエフ電力局からは、月末を控えてノルマ達成にむけた生産活動に影響を及ぼしてはならないと、テストの実施を10時間遅らせるよう連絡がある。追い詰められるディアトロフ。10時間遅れた結果、テストに関する知識を持たない夜勤組に全てが委ねられる。アキーモフやトプトゥーノフが初めて目にする指示書は、作業手順の多くが説明なく線で消されている。あわてて日勤組の技師に電話をかけると、線が引かれる前の指示に従えと助言される。安全規則を無視してテスト強行のための指示を出し続けるディアトロフに対し、不安を募らせるアキーモフだったが、一切の反論が許されない。この間、低出力運転が続けられていた原子炉では、蓄積されたキセノンが中性子を吸収して反応を阻害し、出力が上がりにくくなっている(キセノンオーバーライド)。そこへテストに向けて出力低下操作が行われたため、原子炉はいったんエンスト寸前に陥る。出力を回復させるため、制御棒の大半が炉心から引き抜かれたが、それでもテストの条件を満たすまでには出力が回復しない。システムの警告を無視して、いよいよテストが開始され、タービンが停止される。冷却水が炉心に回らなくなって温度が上昇し、キセノンが焼滅すると、今度は逆に、出力が急上昇する。あわてるアキーモフとトプトゥーノフは、手順に従って緊急停止のためのAZ-5ボタンを押下するが、制御棒が強制挿入されて核分裂反応が止まるどころか、出力上昇が続き、高まった圧力に耐えられなくなった炉心の自重1000トンの蓋がまず吹き飛び、炉心に流れ込んだ酸素が水素と黒鉛に反応して、大爆発が発生した。再び法廷に戻る。求める証言を得た裁判長と検察官は、証言を終えさせようとするが、これをレガソフが拒み、すかさずシチェルビナも証言を続けさせるよう指示する。レガソフは、RBMK原子炉には欠陥があって、極限状況下でAZ-5ボタンが押下されると、制御棒の先端を安価な黒鉛としているため、核分裂反応が止まるどころか、先端が炉心に入ることによって、却って反応が促進されてしまうことを明らかにする。チェルノブイリ原子力発電所では、出力の急上昇によって圧力管が破裂し、そのために制御棒の残りが炉心に挿入されないままとなった。レガソフは、RBMK原子炉の欠陥が、KGBと共産党中央委員会によって隠蔽されていたと告発する。静まりかえる法廷。「危険な橋」を渡ったレガソフは、閉廷後、別室に連行される。そこに現れたチェルコーフは、「科学者の愚かしさ」を非難するも、社会的に抹殺するのみで、処刑などせず、放射線障害で寿命が尽きるのを待つことになると告げる。ただ、シチェルビナとホミュックの2人も真相告発に協力していたことを知りつつ、それは不問にする。レガソフがKGBによっていずこともなく連行されるのを遠く見守る2人。事故発生の2年後、独り「嘘の代償」を問い続けたレガソフは、失意の中で自ら命を絶つ。エンドクレジットで、レガソフの死後、その回想録が知られることとなり、科学者たちが声を上げた結果、ようやく運転中のRMBK原子炉が修理された事実が語られる。

エピソードリスト[編集]

邦題 原題 放送時間 放送日(アメリカ)
1 1時23分45秒 1:23:45 63分 2019年5月6日
2 現場検証 Please Remain Calm 69分 2019年5月13日
3 KGB Open Wide, O Earth 66分 2019年5月20日
4 掃討作戦 The Happiness of All Mankind 66分 2019年5月27日
5 真実 Vichnaya Pamyat[1] 76分 2019年6月3日

キャスト[編集]

登場人物のうちホミュック博士のみ作劇と尺の都合により実在したいく人かの科学者を一人に纏めた架空の人物となっている。

日本での放送[編集]

日本ではスターチャンネルで2019年9月25日からSTAR2で字幕版が、2019年9月30日からSTAR3で吹替版が放送された[2][3]

吹替キャスト

その他[編集]

チェルノブイリ原子力発電所内のシーンは、廃炉となったリトアニアイグナリナ原子力発電所跡で撮影された[4][5]

2019年12月現在、YouTube/Google Play ムービーで、日本語字幕版が有料配信中[6]。1話250円~。

脚注[編集]

外部リンク[編集]