チェルシー (菓子)

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チェルシーCHELSEA)は、明治が販売したキャンディー。1971年(昭和46年)に当時の明治製菓により発売され、2024年(令和6年)3月で出荷を終了した[1]

英国北部スコットランドスカッチキャンディーを参考に開発された[2]。「バタースカッチ」「ヨーグルトスカッチ」や「コーヒースカッチ」を加えた3種類詰め合わせなど、終売直前時点で6商品[1]。これ以外に、半世紀の間に数多くの味のキャンディーが発売されたほか、チェルシーを基にしたチョコレートやビスケットも作られた[3]

概要[編集]

練り合わせた原料をそのまま型に入れる「流し込み」という、当時日本では行われていなかった製法が採用された[2]。従来は5〜6%が限界だったバターの含有量を増やし、より滑らかなキャンディーを作ることに成功した[2]。商品名は英国首都ロンドンの地区チェルシーからきており、約3,000個のネーミング案の中から選定された[2]。最終候補に残った2案のうちもう1つはキングス・ロードであった[2]

2010年代のパッケージは、川路ヨウセイデザインオフィスによるもの[4][5]

発売開始当初から外国人の少女がテレビCMにて『チェルシーの唄』をBGMに「あなたにも、チェルシー、あげたい」というフレーズを述べ、人気を博した[6]

2024年(令和6年)3月に販売終了予定であることが同月報じられた[7]。その後、明治から同月末の出荷分をもって販売を終了し、半世紀以上の歴史に幕を下ろすことが正式発表された[8]。明治の広報部はねとらぼによる取材に対して、市場環境や顧客ニーズの変化に伴う販売規模の低迷により、収益性が悪化したことを理由として挙げている[7]。調査会社によれば、2002年(平成14年)以後のピーク時で25億円ほどの売り上げがあったが、2022年(令和4年)度には5億円ほどに落ち込んでいたという[9]

バリエーション[編集]

  • チェルシー・バタースカッチ
  • チェルシー・ヨーグルトスカッチ
  • チェルシー・コーヒースカッチ
  • チェルシー・スカッチアソート
    • バタースカッチ、ヨーグルトスカッチに加えコーヒースカッチが加わった3種類が入っている。

過去のバリエーション[編集]

  • チェルシー・アーモンド(1980年頃発売)

脚注[編集]

  1. ^ a b ♪あなたにもチェルシー♪53年の歴史に幕 明治「販売低迷」毎日新聞』朝刊2024年3月5日(経済面)2024年3月14日閲覧
  2. ^ a b c d e チェルシー誕生物語|CHELSEA(チェルシー)”. 株式会社 明治. 2024年3月14日閲覧。
  3. ^ チェルシーの歴史|CHELSEA(チェルシー)”. 株式会社 明治. 2024年3月14日閲覧。
  4. ^ 川路ヨウセイ 展(Gallery 5610) Tokyo Art Beat
  5. ^ WORKS KAWAJI YOSEI DESIGN OFFICE
  6. ^ スコットランド伝統のおいしさチェルシーのブランド戦略 | 宣伝会議 2016年4月号”. 宣伝会議. 2022年8月12日閲覧。
  7. ^ a b 明治のキャンディー「チェルシー」3月に終売 「販売を終了せざるを得ない状況」で53年の歴史に幕”. ねとらぼ (2024年3月4日). 2024年3月4日閲覧。
  8. ^ 明治「チェルシー」、出荷停止へ 販売低迷、半世紀余りの歴史に幕”. 共同通信 (2024年3月4日). 2024年3月5日閲覧。
  9. ^ TBSテレビ (2024年3月4日). “明治「チェルシー」が3月で販売終了へ 「販売規模の低迷により収益性が悪化したため」”. TBS NEWS DIG. 2024年3月5日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]