ダーティペア
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ダーティペア | |
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ジャンル | スペースオペラ |
小説 | |
著者 | 高千穂遙 |
イラスト | 安彦良和 |
出版社 | 早川書房 |
掲載誌 | S-Fマガジン |
レーベル | ハヤカワ文庫 |
掲載号 | 1979年2月号 |
刊行期間 | 1980年5月 - 2018年12月 |
巻数 | 既刊8巻 + 外伝3巻 |
漫画 | |
作者 | 池田一成 たまきひさお |
出版社 | 講談社(池田一成) 徳間書店(たまきひさお) |
掲載誌 | 月刊少年マガジン(池田一成) 月刊COMICリュウ(たまきひさお) |
レーベル | 講談社コミックス月刊マガジン |
発表号 | 2010年5月号(たまきひさお) - 2011年7月号 |
発表期間 | 1985年6月(池田一成) - 11月 |
巻数 | 既刊5巻 |
アニメ | |
原作 | 高千穂遙 |
監督 | 滝沢敏文 |
キャラクターデザイン | 土器手司 |
メカニックデザイン | 阿久津潤一 |
音楽 | 木森敏之 |
アニメーション制作 | 日本サンライズ |
製作 | 日本サンライズ |
放送局 | 日本テレビ |
発表期間 | 1985年7月 - 12月 |
話数 | 全26話 + OVA12話 + 劇場版1作 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
『ダーティペア』(DIRTY PAIR)は、高千穂遙によるSF小説シリーズ、またそのアニメ化作品。『S-Fマガジン』1979年2月号に最初の短編が掲載された。
作品解説[編集]
銀河連合が「クラレッタ三重星事件」[注 2]を教訓に設置したあらゆるトラブルに対処する専門機関、WWWA(スリー・ダブリュー・エー、World Welfare Works Association―世界福祉事業協会)に所属する犯罪トラブルコンサルタント(略して「トラコン」、以下同じ)“ラブリーエンゼル”、別名“ダーティペア”こと、ケイとユリが活躍するスペースオペラである。
トラコンは彼女達以外にもおり、また犯罪調査以外に経済問題、医療問題など各種専門分野のトラコンもいる。地元当局の捜査調査結果に納得出来ない利害関係者がWWWAにコンサルティング要請を行なって、その申し立てが妥当と見做された場合に派遣される。要請を受けた場合に誰を派遣するかはWWWAの中央コンピュータによって決定される。
ダーティペア[編集]
正式なコードネームはラブリーエンゼルだが、事件を解決するごとに、舞台となった星に壊滅的な被害を出すため、誰もその名で呼ぼうとせず、ダーティペア(汚れ屋二人組)というあだ名で呼ばれる。ただし、そのほとんどは起きるべくして起きた不可抗力の損害か、放置すればさらに大きな損害の発生が予測されたものだったとされる。その証拠に、責任を問われたことは一度もなく、上司にきつい嫌味を言われるのみ。2人はそのあだ名で呼ばれる事を非常に嫌い、特にケイは眉を逆立てて激怒する。
度重なる重大なトラブルにも拘らず彼女らがWWWAトラコンを続けていられるのは、学生時代に初体験した、2人がそろっている時に突如発現する超能力(千里眼)に負うところが大きい。これは透視能力と予知能力がミックスされたようなもので、事件の調査中に何の前触れもなしに2人の身体的接触をきっかけとして発現し、事件の断片的な情報を2人同時に見るというものである。
第5作「~大復活」にて、度重なる被害に業を煮やした上司から、ついに初の謹慎処分を受けるも、続く第6作「~大征服」にて、中央コンピュータの判断が“ラブリーエンゼルが適任”だったため、謹慎解除・任務復帰となった。
服装は銀色の編み上げブーツにホットパンツ、襟のあるノースリーブの丈の短いジャケットを着用しており露出度は高い。この衣装デザインは、映画『地獄の黙示録』に登場するプレイメイトの慰問シーンでの衣装をモデルとしている[1]。地肌には「ポリマー」と記述される特殊耐熱透明ジェルを塗布しており、少々の衝撃やレーザーの擦過程度には耐えられるという。ただし直撃には耐え切れず、また、その都度熱で蒸発するため、数発で役に立たなくなる。シャワーを浴びる等で全裸になる時は専用の耐熱ジェル除去クリームで剥がし落とす。
主な登場人物[編集]
- ケイ
- “ウルフカット”の赤毛の情熱的な美女。目はブラウンで肌は小麦色。惑星ニオーギ出身。2121年11月27日生まれの19歳。身長171cm、体重57kg、スリーサイズは91・55・91のグラマラスなボディが自慢。バストはユリよりも大きいが、ボーイッシュな外見とおおざっぱな性格から男性の人気がユリに集中することを気にしている。男好きな性分で、物語に主要人物として登場する男性キャラクターに一目惚れしては様々な理由で玉砕するのが毎度のお約束的展開である。身体を動かすことが好きで、考えるより先に行動してしまうことも多い。大のギャンブル好きでもあり、休暇の時はカジノに入り浸っている。惑星メズイルの総合大学を16歳で卒業。大学卒業間近にユリと共にWWWAにスカウトされ、1年間の訓練後にトラコンとして任務に就く。血液型はA型。愛銃は大型の熱線銃(ヒートガン)。専用の宇宙船「ラブリーエンゼル」では主に兵器による射撃手を担当する。物語の語り手であり、各エピソードは常に彼女の視点から描写される。
- ユリ
- ケイの相棒。ロングストレートの黒髪が自慢の一見フェミニンな外見とぶりっ子な性格だが、実は結構口が悪く、状況や相手次第で相当な毒舌・嫌みを吐く。ケイの言では世渡りがうまい。肌は色白。惑星ヨーチャ出身で2122年3月18日生まれの19歳。身長168cm、体重55kg、上から88・54・90[注 3]のサイズは十分グラマーと言える。血液型はA型。どちらかと言えば冷静な性格で、猪突型のケイをなだめる役割が多いが、実は気の短いところがあり時折暴走をみせる。惑星メズイルの大学ではケイと同じ講座の同じ研究グループに所属していた。愛銃は小型のブラスターまたはレイガン。特殊武装として、超硬度金属「テグノイド鋼」製の鋭いエッジをもつカードをイオノクラフトで飛翔させ、専用コントローラーによる操作で自在に対象を切り裂く「ブラッディカード」を愛用している。コスチュームはケイと同じで、原作初期では色も同じだったが、後にサンシャインゴールドに変えている。子供の頃、辺境の惑星マリーネに住んでいたことがあり、昔馴染みとは東北弁に近いマリーネ訛りで会話することもある。専用の宇宙船「ラブリーエンゼル」では主に操縦を担当する。腕は良いが荒っぽい操縦を見せる場合も多い。
- ムギ
- 黒豹に良く似た異生物。完全な真空中でも生きていける一種の完全生命体で、前史文明が残した人造生物「クァール」である。個体数が少なく絶滅寸前となっているため、保護動物に指定されている。ラブリーエンゼルと行動を共にしている理由は「独裁者の遺産」にて描かれる。
- 人間並み、もしくはそれ以上の知性と数々の特殊能力を有し、背中の一対の吸盤付きの触手を用いて機械やコンピュータの操作が可能。耳の代わりに生えている巻きひげからはあらゆる波長の電磁波を送受信することができ、電子錠の解除やコンピュータへのハッキング、宇宙船ラブリーエンゼルの操縦まで難なくこなす。メカに弱い2人のためにメカニックも担当している。言葉を発することは無く、作中では猫のような鳴き声を出しているが人語は理解しており、第4作の「―大脱走」ではコンピュータのモニターに文字を打ち出す事で2人と会話をしている。力も強く、その爪で宇宙船の外板さえもずたずたに引き裂くことができる。人間を真っ二つにすることも容易いが、改造によって凶暴な性格を抑制されているため、飼い主の命令、ないし危機を救うために必要な場合以外は人間を襲うことは無い。弱点は、強力な電波を浴びせられることで酩酊状態に陥り、狂乱して周囲のもの全てを破壊する「電波中毒」。これはかなり有名で、作中でも何度か敵方に利用された他、これが原因で惑星破壊を引き起こしてしまった[2]こともある。また、普通の食事は不要だがカリウムを栄養源としているため、通常は1日に1個、特製のカリウムカプセルを与える必要がある(必要とあれば長期に渡る絶食にも耐えられる)。
- 本作オリジナルのキャラクターではなく、A・E・ヴァン・ヴォークトの古典SF小説『宇宙船ビーグル号の冒険』に登場する同名の生物から引用されている。(後述)
- ソラナカ
- WWWAの部長で、ラブリーエンゼルの上司。毎回のように大被害をもたらす2人の存在に頭を抱えており、任務を命じるたびに嫌味を言っている。
他作品とのつながり[編集]
本作と同じく安彦良和が挿絵を担当している『クラッシャージョウ』シリーズはダーティペアシリーズと世界観を共有しており、本作の約20年後が『クラッシャージョウ』に繋がっていく。最初に登場するのは映画『クラッシャージョウ』作中のドライブインシアターで上映されている『ダーティペアの大冒険』と思われる映画。また、外伝『ドルロイの嵐』にて、ジョウの父ダンが率いるチームがダーティペアと共闘するエピソードが描かれており、同作をケイの視点から見た物語が『ダーティペアの大乱戦』となる。
その他、本作のケイと、後にクラッシャーダンのチームのバードと結婚する「ケイ」が同一人物という説がある。ダーティペアのケイの出身星とバードの妻が死んだ星が同じであること、バードはタロスと彼女を奪い合ったことになっており、『ドルロイの嵐』ではケイとタロスがケンカをしつつも悪くない雰囲気であったこと、などが傍証として挙げられているが、その一方で『ドルロイの嵐』に同名の連合宇宙軍の若い女性軍人がチラリと登場しているので、真偽は不明である。なお、クラッシャーシリーズにおけるケイの父親は連合宇宙軍の関係者らしいが、本作のケイの肉親については特に語られていない。
『神拳 李酔竜』シリーズの主人公、李酔竜は『大乱戦』に収録の短編『そして誰もしなくなった』に登場のゲストキャラクターのスピンオフ。彼も2人と同じくWWWAの犯罪トラコンで世界観・時代設定も共通であるが、頭痛の種であるラブリーエンジェルと違いWWWAのトップエースである。
『運び屋サム』シリーズは、上記作品群と同じ世界のはるか未来の話らしく、昔話として連合宇宙軍の名前が出た事がある。
シリーズ作品[編集]
ダーティペア・シリーズ[編集]
- ダーティペアの大冒険
- 「ダーティペアの大冒険」、「田舎者殺人事件」の短編2作品を収録
- 「ダーティペアの大冒険」は第11回星雲賞日本短編部門賞を受賞
- ハヤカワ文庫の表紙イラストは紛失されてしまったため、途中の版から安彦良和が再度同じ構図で描き直したイラストに切り替わっている。
- 角川文庫版はハヤカワ文庫版とは表紙と挿絵が異なるのみ。
- ハヤカワ文庫版(1980/05 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030121-2/ISBN 978-4-15-030121-7
- 角川文庫版(1983/08 角川文庫)ISBN 4-04-154401-7/ISBN 978-4-04-154401-3 絶版
- ダーティペアの大逆転
- 第17回星雲賞日本長編部門賞を受賞
- 単行本(1985/07 早川書房)ISBN 4-15-203292-8/ISBN 978-4-15-203292-8 絶版
- 文庫本(1988/04 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030262-6/ISBN 978-4-15-030262-7
- ダーティペアの大乱戦
- 長編「アクメロイド殺し」、同僚の李酔竜が初登場する短編「そして誰もしなくなった」を収録
- 単行本(1987/03 早川書房)ISBN 4-15-203325-8/ISBN 978-4-15-203325-3 絶版
- 文庫本(1989/08 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030300-2/ISBN 978-4-15-030300-6
- ダーティペアの大脱走
-
- 単行本(1993/03 早川書房)ISBN 4-15-203551-X/ISBN 978-4-15-203551-6 絶版
- 文庫本(1995/07 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030519-6/ISBN 978-4-15-030519-2
- ダーティペアの大復活
-
- 単行本(2004/08 早川書房)ISBN 4-15-208584-3/ISBN 978-4-15-208584-9 絶版
- 文庫本(2007/01 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030876-4/ISBN 978-4-15-030876-6
- ダーティペアの大征服
-
- 単行本(2006/04 早川書房)ISBN 4-15-208724-2/ISBN 978-4-15-208724-9 絶版
- 文庫本(2008/04 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030921-3/ISBN 978-4-15-030921-3
- ダーティペアの大帝国
- 『大征服』は丸ごとプロローグであり、『大帝国』からが本篇となる。形を変えた2巻構成。
- 単行本(2007/10 早川書房)ISBN 4-15-208870-2/ISBN 978-4-15-208870-3 絶版
- 文庫本(2010/03 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030991-4/ISBN 978-4-15-030991-6
- ダーティペアの大跳躍
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- 単行本(2018/12 早川書房)ISBN 4-15-209822-8/ISBN 978-4-15-209822-1
- 文庫本(2020/10 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-031450-0/ISBN 978-4-15-031450-7
ダーティペア・シリーズ外伝[編集]
- ダーティペア 独裁者の遺産
- ふたりがルーキー時代のエピソード。クァール族・ムギとの出会いも描かれている。
- 単行本(1998/01 早川書房)ISBN 4-15-208181-3/ISBN 978-4-15-208181-0 絶版
- 文庫本(2001/01 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030655-9/ISBN 978-4-15-030655-7
その他[編集]
- ドルロイの嵐 クラッシャージョウ別巻2(ソノラマ版では「外伝1」)
- 『ダーティペアの大乱戦』を、クラッシャーおよび第三者の視点での描写展開している。なお改訂・新装版は、本文に修正が施された。
- オリジナル版(1986/12 ソノラマ文庫)ISBN 4-25-776363-9/ISBN 978-4-25-776363-5 絶版
- 改訂・新装版(2003/03 ソノラマ文庫)ISBN 4-25-777001-5/ISBN 978-4-25-777001-5 絶版
- ハヤカワ文庫版(2013/06 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-031117-X/ISBN 978-4-15-031117-9
- ダーティペアの大殊勲
- WWWAのトラコン養成所の最終試験での出来事を描いた超短編。
- 『ダーティペアの大盛況 DVD-BOX』(2006/11/22 VAP VPBY-12970)に封入されたブックレットに収録
表紙イラスト・口絵・挿絵は、全て安彦良和が担当(上記『ダーティペアの大殊勲』は除く)。早川書房の単行本と(再刊の)ハヤカワ文庫版では、表紙イラストおよび口絵はそれぞれ異なった画が使用されている。
備考[編集]
作者の高千穂はプロレス愛好者であり、主人公2人のあだ名「ダーティペア」は、女子プロレスで一世を風靡したタッグチームのビューティ・ペアから着想されている。また2人の属する作中組織"WWWA"(World Welfare Works Association)は、同じく女子プロレスのWWWA(World Women's Wrestling Association)から名前が取られている。
ケイのモデルは以前スタジオぬえ所属だった少女漫画家瑞原芽理で、飼い猫の名前はムギである。ユリのモデルは「ぬえ」の事務員、秋津由利である[3]。『クラッシャージョウ』の映画に登場するダーティペアは、モデルとなったこの2人が声を担当している。なお、瑞原は「め・ざ・め・てMiC!」(朝日ソノラマ)、「いつもあなたを夢みてる」(学研レモン文庫)「マンガ OLの最新常識&タブー集」(主婦と生活社)の3作で絵を担当したのみで、引退したと見られている。
クァールはもともとA・E・ヴァン・ヴォークトの古典SF小説『宇宙船ビーグル号の冒険』の第一話「Black Destroyer」に登場する超生物に由来し、小説中にその旨が明記されている。ただしクァールは耳が巻きひげ状になっており、他の生物を襲って殺し、細胞原形質からカリウムを吸収する。なお、同作の日本語訳でのクァールの表記には揺れがあり、早川書房版『ビーグル号』では「クァール」だが創元文庫版などでは「ケアル」と表記されている。また、原作で2人が着用する「メタライト合金製の透明宇宙服」も同作が出典である。
新スタートレック第47話「限りなき戦い」(原題 "Peak Performance")において「ケイ」と「ユリ」の名はブラスロタ星系内にある惑星の名前として、「ラブリーエンゼル」という名前も作戦名として使用されている。
新スタートレック第135話「機械じかけの小さな生命」(原題 "The Quality of Life")に登場するエクソコンプ(exocomp)という機械のデザインは、テレビアニメ版ダーティペア(後述)に出てくるロボットのナンモに基づいている[4]。
ソノラマカセットスペシャル(カセット文庫)[編集]
- ダーティペアの大冒険
- (1990/07 朝日ソノラマ) ISBN 4-25-720204-1/ISBN 978-4-25-720204-2
- ダーティペアの大冒険2(田舎者殺人事件)
- (1991/09 朝日ソノラマ) ISBN 4-25-720206-8/ISBN 978-4-25-720206-6
声の出演[編集]
アニメ[編集]
1985年に日本サンライズ(現:サンライズ)制作でテレビアニメ化され、テレビシリーズ終了後にOVA、劇場版が制作された。
原作との設定の違い[編集]
テレビアニメ化にあたって原作から設定が変更され、その後に展開されたOVAと劇場版に引き継がれていったものも多い。
二人の超能力である千里眼(クレアボワイヤンス)の設定は描かれなかった(OVA『ノーランディアの謎』を除く)。二人のコスチュームが原作から変更されており、アニメ用に線が少なくされた。ケイは藍白で赤の縁取り、ユリは黄色で赤の縁取り、ブーツのデザインも個々で異なっている。耐熱ジェルの設定はない。通常任務とは別に破壊活動など荒事が伴う特殊任務時には、二人とも黒系のジャンプスーツを着用し飛行装置を有したバックパック装着、組み立て式のレーザーライフルやグレネードランチャーで武装する。
ユリのブラッディカードは、テレビアニメ版では削除され、描かれたのは劇場版『クラッシャージョウ』の劇中映画『ダーティペアの大冒険』、OVA『ノーランディアの謎』、OVA『謀略の005便』、OVA第6話『本気なの?! 海辺でどっきりウェディングパニック!』(使用したのはユリではなくマダム・バー)のみである。代替として上腕に巻きつけてある鞭を装備。通信機になるイヤリングは色違いの同型品を二人とも身に着けている。
原作のサポートキャラであるムギの活躍が激減しており、ほぼペットに近い扱いになっている。外見も触手の描写がなく[注 5]、体色は黒から褐色へ変更され、体格も原作の挿絵に比べるとムッチリと太っており、一見すると熊のようである。触手が無い代わりに、前足(爪も)を器用に使う。自分の食事を電子レンジで温めたりしている。知能は高く、ラブリーエンゼルの修理やメンテナンスも出来る。人間の言葉を完全に理解しており、ダーティペアの二人の命令には忠実に従っている点は原作と変わらないが、時に間抜けな行動をしたり、脅えたりする感情豊かな点が付け加えられている。ムギがクァールであるかどうかはアニメ本編では明言されていない。なお、「あれでネコ科ってんだから先祖が知ったら嘆くだろうに」(ケイ)「遺伝子工学もとんだイタズラをするものね」(ユリ)というセリフがある。
テレビ版ではオリジナルキャラ、小型ロボットの「ナンモ」が登場している。球体に足をつけたような外見。ラブリーエンゼルを始め、宇宙船やその他の乗り物の操縦、コンピューターへのハッキングや解析、戦闘時には加勢するなど多くのサポートを担っている。コンピューターとの接続を行うアーム型の接続端子と汎用作業用のマジックハンド型のアームを内蔵。更にバーニアも装備しておりユリやケイと共に宇宙空間での行動も可能である。機密保持のための自爆機能も有しており、万が一の時には自爆させることができる。脳にあたる記憶ディスクさえ無事に残っていれば、それまでの記憶を引き継いだ新たな「ナンモ」として再生が可能である。ナンモは第5話で一度自爆したが、2話先の第7話でラブリーエンゼル内で完成間近のナンモが出てくる[注 6]。
専用宇宙船「ラブリーエンゼル」号のデザインが大きく異なる。原作では細長い砲弾状の垂直型宇宙船、アニメでは一部作品を除きスタートレックのエンタープライズ号を意識したデザイン、戦闘用の小型ポッドをコックピット部分に内蔵している。
WWWAの設定が、原作では現実のITUやWHOなど国連の専門機関同等のような準公共団体である(一般市民は旅券に相当する書類が各惑星への出入に際し必要だが、トラコンはIDカードを提示するだけでよい)のに対し、アニメでは利益企業となっている。2人の上司は原作のソラナカ部長からグーリィ主任に変更。WWWAでの認識コードはケイが234-K、ユリが234-Uである。
テレビ版のみ「ラブリーエンゼル」ではなく「ラブリーエンジェル」と劇中で発音されている。『ノーランディアの謎』と劇場版では台詞がないが、OVAシリーズ以降は「ラブリーエンゼル」と発音されている。
声の出演[編集]
ダーティペア (テレビ版)[編集]
1985年7月15日から同年12月26日まで日本テレビ系で24話を放映。後にOVAとして25話と26話が発売された。二人が引き起こす災害がゴールデンタイムのTVアニメとして放送可能なレベルに抑制されている[注 7]。
本作品が放送された月曜19:00枠は、マストバイ局(主に民放4局以上の地域)対象のネット枠となっていたため、クロスネット局などでは遅れネット・未放送・本放送終了後の集中放送となる例も多かった。
スタッフ[編集]
主題歌[編集]
「ロ・ロ・ロ・ロシアンルーレット」 | |
---|---|
中原めいこ の シングル | |
初出アルバム『MOODS』 | |
B面 | 宇宙恋愛 (スペースファンタジー) |
リリース | |
規格 | レコード |
ジャンル | ポップス |
レーベル | EASTWORLD(東芝EMI) |
作詞・作曲 | 中原めいこ |
- オープニング 「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」
- エンディング 「宇宙恋愛(スペースファンタジー)」
- 2曲ともに、作詞・作曲・歌 - 中原めいこ / 編曲 - 佐藤準
- OPではバックの巨大モニターでWWWAのプロモーションビデオ風のCMが流れている。WWWAの電話番号は 3WA-59634(WWWAご苦労さんよ)。
- 「宇宙恋愛(スペースファンタジー)」は、番組放映より大幅に先行する1985年5月22日に発売された中原のアルバム『CHAKI CHAKI CLUB』に収録されていたが、歌詞中に「ダーティペア」を直接的に想起させる文言があり、タイアップであるかアニメのための書下ろしかは不明。
その他、サウンドトラック、ドラマ編のLP及びカセットが東芝EMIから発売された。サントラは後にCD化されたが現在は廃盤。
放映リスト[編集]
話数 | サブタイトル | 初放送日 | 脚本 | ストーリーボード | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | コンピューターの殺し方教えます | 1985年7月15日 | 伊藤和典 | 滝沢敏文 | 加瀬充子 | 土器手司 |
2 | 可愛い天使は胸毛がお好き? | 1985年7月22日 | 星山博之 | 網野哲朗 | 石田昌久 | 富沢雄三 |
3 | 勝手に惚れな!恋はロシアンルーレット | 1985年7月29日 | 伊藤和典 | 鹿島典夫 | 靏山修 | |
4 | 追跡はチーズケーキと死のにおい | 1985年8月5日 | 井上敏樹 | 浜津守 | 大貫健一 | |
5 | クリアドスのどっくんどっくん! | 1985年8月12日 | 島田満 | 加瀬充子 | 土器手司 | |
6 | 危険がいっぱいダミーがいっぱい | 1985年8月19日 | 塚本裕美子 | 網野哲朗 | 篠幸裕 | 佐久間信計 |
7 | 愛こそすべて命賭けます逃避行!! | 1985年8月26日 | 井上敏樹 | 浜津守 | 大貫健一 | |
8 | やるっきゃあない!恋は女の起爆剤 | 1985年9月2日 | 大川俊道 | 網野哲朗 | 篠幸裕 | 土器手司 |
9 | うちらを買って!用心棒には美人がお得 | 1985年9月16日 | 平野靖士 | 石田昌久 | 靏山修 | |
10 | え-っっっ?うちらが凶悪誘拐犯! | 1985年9月23日 | 金春智子 | 義谷六夫 | 水谷貴哉 | 辻初樹 |
11 | ホホホ、ドレスと男はオニューに限る | 1985年9月30日 | 島田満 | 菊池一仁 | 靏山修 | |
12 | 小さな独裁者!触らぬ機密にたたりなし | 1985年10月7日 | 平野靖士 | 浜津守 | 土器手司 | |
13 | 何よこれ!玉のお肌がドロンドロン | 1985年10月14日 | 伊藤和典 | 菊池一仁 | 篠幸裕 | 富沢雄三 |
14 | 金庫か選挙か?演説会は殺人びより | 1985年10月21日 | 平野靖士 | 棚沢隆 | ||
15 | ここ掘れニャンニャン 果報は最後にやってくる | 1985年10月28日 | 金春智子 | 曽我部孝 | 水谷貴哉 | 辻初樹 佐藤雄三 |
16 | まかせなさい!WWWAは素敵なお仕事 | 1985年11月4日 | 菊池一仁 | 篠幸裕 | 大貫健一 | |
17 | 出てこい出てこい!暗殺者 | 1985年11月11日 | 島田満 | 水谷貴哉 | 辻初樹 | |
18 | ごめんあそばせ 走る迷惑 強行突破! | 1985年11月18日 | 大川俊道 | 菊池一仁 | 棚沢隆 | 下田正美 |
19 | 恋の恨みと逆恨み 恨みはらさず愛させて | 1985年11月25日 | 井上敏樹 | 辻初樹 | 水谷貴哉 | 辻初樹 松原徳弘 |
20 | 追憶のブルースは殺しのBGM | 1985年12月2日 | 坂上生児 | 鹿島典夫 | 大貫健一 | |
21 | うっそー!消えた463人? | 1985年12月9日 | 大川俊道 | 菊池一仁 | 冨永恒雄 | 靏山修 |
22 | やったね!出てきた463人 | 1985年12月16日 | 栗山美秀 | 佐久間信計 | ||
23 | 不安だわ…!? うちらの華麗なる報復 | 1985年12月23日 | 島田満 | 網野哲朗 | 篠幸裕 | 土器手司 |
24 | かなりマジ?マンションは危険なアドレス | 1985年12月26日 | 井上敏樹 | 水谷貴哉 | 松原徳弘 佐藤雄三 | |
25 | ひええっ!洋館の坊やはターミネーター | 1987年1月1日 (OVA発売日) |
星山博之 | 菊池一仁 | 鹿島典夫 | 服部憲知 |
26 | ホ、本気!?美女にキャノン砲は脱出のキーワード | 大川俊道 | 網野哲朗 | 土器手司 |
放送枠の関係から初回放送時は23話で全国ネットでの放送は終了、24話はローカル枠での放送となった。また、25、26話については脚本までは完成していたものの製作されていなかったものが後にバップ発売のOVA「ダーティペア ラブリーエンジェルより愛をこめて」として製作された。以降のCSなどでの放送では全26話として扱われている。
放送局[編集]
※放送系列は放送当時、放送日時は個別に出典が提示されてあるものを除き、1985年12月終了時点のものとする[5]。
放送地域 | 放送局 | 放送系列 | 放送日時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | 日本テレビ | 日本テレビ系列 | 月曜 19:00 - 19:30 | 制作局 |
北海道 | 札幌テレビ | |||
宮城県 | ミヤギテレビ | |||
福島県 | 福島中央テレビ | |||
新潟県 | テレビ新潟 | |||
長野県 | テレビ信州 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
静岡県 | 静岡第一テレビ | 日本テレビ系列 | ||
石川県 | 石川テレビ | フジテレビ系列 | キー局と同時間帯に放送していたが遅れネット。 | |
中京広域圏 | 中京テレビ | 日本テレビ系列 | ||
近畿広域圏 | 読売テレビ | |||
広島県 | 広島テレビ | |||
香川県・岡山県 | 西日本放送 | |||
福岡県 | 福岡放送 | |||
長崎県 | テレビ長崎 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 |
||
熊本県 | 熊本県民テレビ | 日本テレビ系列 | ||
青森県 | 青森放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
月曜 - 金曜 6:15 - 6:45[6] | 1987年頃に放送。 |
岩手県 | テレビ岩手 | 日本テレビ系列 | 木曜 17:30 - 18:00 | |
富山県 | 北日本放送 | 水曜 17:00 - 17:30[7] | 放送期間は1986年6月11日から同年12月3日まで[8]。 本来の時間帯は『まんが日本昔ばなし』(第2期、毎日放送制作、TBS系列)を遅れネット。 | |
山口県 | 山口放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
月曜 - 金曜 16:45 - 17:15[9] | |
愛媛県 | 南海放送 | 日本テレビ系列 | 水曜 16:55 - 17:25 | 本来の時間帯は『まんが日本昔ばなし』(第2期、毎日放送制作、TBS系列)を遅れネット。 |
高知県 | 高知放送 | 月曜 16:55 - 17:25[9] | 本来の時間帯は『サザエさん』(フジテレビ制作)を遅れネット。 | |
大分県 | テレビ大分 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
水曜 16:55 - 17:25 | |
宮崎県 | 宮崎放送 | TBS系列 | 金曜 17:30 - 18:00[9] | |
沖縄県 | 琉球放送 | 月曜 17:15 - 17:45 |
- DVD修正
第26話にてダーティペアの2人がエアカーでWWWAに乗り込むシーンがあり、『うる星やつら』のラムや、『スタートレック』のエンタープライズ号(の設計図らしきもの)などが描かれているお遊びの作画が行われていたが、権利上の問題があるためかDVD化時にこのシーンの描き換えが行われ、それらの画は削除された。DVD以前に発売されたLDやVHSといった古いメディアでのみ発売当初の作画を確認できる。
日本テレビ系 月曜19:00枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
キャッツ♥アイ(第2期)
|
ダーティペア
|
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ダーティペアの大勝負 ノーランディアの謎 (OVA)[編集]
キャラクターデザインの頭身をあげ、少し大人っぽい印象にした作品で、テレビ版とは雰囲気が異なる。設定は原作に準じており、アニメ作品としては初めて2人の超能力の千里眼(クレアボワイヤンス)が描写された。ただしムギはほぼアニメ版のまま(体色が黒に変更されたのみ)。
1985年12月にOVA作品としてビデオカセットで発売。1986年5月21日にレーザーディスクとVHDのビデオディスクで発売されて、1986年8月2日に劇場公開。
ビデオディスク化の際、日本サンライズ側の意向で大幅に作画のリテイクが行われている。カットやレイアウトなどに変更はなく動画枚数も同一でユリの顔を中心に作画修正がなされていた。ごく一部ではあるが新作カットも存在する[10]。
サウンドトラック盤は未発売であり、入手できる音源はビデオソフトの初回限定版に添付されたシングルカセット(エンディングテーマ、挿入歌の2曲収録)のみである。
あらすじ[編集]
ミスニーという少女の保護を依頼されたダーティペア。しかし依頼人は殺され、星の実権を握る「AJディベロップ社」に目をつけられてしまう。ミスニーを探す2人に彼女がノーランディアの森にいるという情報が転がり込む。
スタッフ[編集]
- 原作:高千穂遙
- 監督・絵コンテ・演出:奥脇雅晴
- キャラクターデザイン:土器手司
- 作画監督:清水恵蔵・小林ゆかり
- メカニカルデザイン:石津泰志
- 音響監督: 山田悦司
主題歌・挿入歌[編集]
- エンディングテーマソング「愛・everlasting」
- 作詞 - 今村未仁 / 作曲・編曲 - 国本佳宏 / 唄 - 槇奏子
- 挿入歌「ボークー・ド・ボヌール」
- 作詞・唄 - 槇奏子 / 作曲・編曲 -国本佳宏
ゲストキャラクター[編集]
ダーティペア(劇場版)[編集]
キャラクターデザインはテレビ版に準じるものの、ツリ目だったケイが垂れ目に、垂れ目だったユリがツリ目に目のパターンが入れ替わっていたり、コスチュームが多少異なる。基本の色はそれぞれテレビと同じだが、縁取りが黒になったり、襟が閉じるタイプになっているなど細部のデザインが変更となった。ゲストメカが多く、特に明貴美加デザインの突撃用ウェポンスーツS.S.I.I.V.A.(シバ)が有名。1987年3月に松竹系にて公開、同時上映はバツ&テリー。映画公開前のアニメック 1986年12月号において映画のタイトルは「ダーティペア 妖獣恋舞」とサブタイトル入りで紹介されていたが、翌月号にて高千穂遥本人による訂正文が掲載され「誰によるものは不明だが勝手に付けられたサブタイトルである」として抹消を宣言、公開時には恐らくサブタイトルは付かないだろうとも発言していた。
あらすじ[編集]
希少鉱物「ヴィゾリウム」採掘プラントが何者かに襲われ、ウルダスとエディア両国の緊張が高まる。派遣されたダーティペアは大泥棒のカースンの横槍にもめげずワッツマン教授を突き止める。
スタッフ[編集]
主題歌・挿入歌[編集]
- オープニング曲「サファリアイズ-Safari Eyes」
- 作詞 - 大津あきら / 作曲 - 和泉常寛 / 編曲 - 新川博 / 歌 - 松原みき
- エンディング曲「パ・ド・ドゥ-pas de deux」
- 作詞 - 渡辺なつみ / 作曲 - PROJECT M / 編曲 - 萩田光雄 / 歌 - 松原みき
- 挿入歌「Over The Top」
- 作詞 - Linda Hennrick / 作曲 - 和泉常寛 / 編曲 - 新川博 / 歌 - 松原みき
- 挿入歌「Matters To Me」
- 作詞 - トミー・スナイダー / 作曲・編曲 - 志熊研三 / 歌 - ポーカーフェイス
ゲストキャラクター[編集]
ダーティペア(OVA版)[編集]
1987年から1988年にかけてOVA作品として1巻2話収録で全5巻発売。SF作家の笹本祐一も脚本に参加。設定はTV版に準じている。キャラクターデザイン、コスチュームの形は映画版と同じだが、ケイもユリも白い色に黒の縁取りと同じ色合いになっているので、よりペアルックな印象を与えている。 原作のアニメ化となる唯一の作品「そして誰もしなくなった」がある。
スタッフ[編集]
- 原作・ダイアローグ:高千穂遙
- 監督:谷田部勝義
- キャラクターデザイン・総作画監督:土器手司
- メカニックデザイン:石津泰司
- シリーズ構成:星山博之
主題歌[編集]
- オープニング曲「BY YOURSELF」
- 作詞 - 麻生圭子 / 作曲 - 和泉常寛 / 編曲 - 山本健司 / 歌 - 森川美穂
- エンディング曲「秋からのSummer Time」
- 作詞 - 麻生圭子 / 作曲 - 中崎英也 / 編曲 - 若草恵 / 歌 - 仁藤優子
作品リスト(発売日)[編集]
話数 | サブタイトル | 発売日 | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 囚人達の困った反乱 根に持つ人って大嫌い! | 1987年12月21日 | 星山博之 | 土器手司 | 伊藤良樹 | 土器手司 |
2 | まきぞえごめん! 天地無用のハロウィンパーティ | 笹本祐一 | 高松信司 | 小林智子 | ||
3 | 天罰なんかこわくない てきめん?! 神の挑戦状 | 1988年1月21日 | 大野木寛 | 高松信司 | 渡辺信一郎 | 小林智子 |
4 | ガキだからってなによ!戦争ごっこは銃殺刑?! | 園田英樹 | アミノテツロー | 山口美浩 | 土器手司 | |
5 | そして誰もしなくなった | 1988年2月21日 | 星山博之 | 福永西 | 関田修 | 土器手司 磯野智 |
6 | 本気なの?! 海辺でどっきりウェディングパニック! | 平野靖士 | 谷田部勝義 | 平田智浩 | ||
7 | リベンジ・オブ・ザ・筋肉レディ 女の意地ってリングの華?! | 1988年3月21日 | 園田英樹 | 福永西 | 渡辺信一郎 | 浜崎賢一 |
8 | あの娘は年上 保存は良好?! スリーピングビューティ | 塚本裕美子 | 貞光紳也 | 関田修 | 松本勝次 | |
9 | 赤い目玉は地獄のシグナル 殺戮小隊を追え! | 1988年4月21日 | 平野靖士 | 谷田部勝義 | 渡辺信一郎 | 土器手司 |
10 | 悪い奴らにゃ御意見無用 うちら宇宙のトラック野郎! | 星山博之 | 福永西 | 関田修 | 磯野智 |
ダーティペア 謀略の005便 (OVA)[編集]
コスチュームは映画版とほぼ同じデザインであり、バックルの色が変わった程度である。また小説版に登場する犯罪シンジケート、ルーシファがアニメでは初めて登場する。1990年にOVA作品として発売。
あらすじ[編集]
乗客乗員すべてが消え去った星間旅客機DCL005便。しかし被害者の家族から一切の保険・賠償請求がないという異常な事態にWWWAに調査依頼が舞い込む。派遣されたダーティペアは同時に005便に乗っていた科学者の捜索も引き受ける。
スタッフ[編集]
挿入歌[編集]
- 「Jealous Eyes」
- 作詞 - 渡辺なつみ / 作曲 - 中村祐介 / 編曲 - 岡田徹 / 歌 - 山内洋子
ゲストキャラクター[編集]
漫画版[編集]
テレビアニメとのタイアップで、池田一成の手により月刊少年マガジンに1985年6月から同年11月号まで、全3話(計6本)が連載された。しかしながら単行本化はされていない。
たまきひさおによる漫画化作品が、「月刊COMICリュウ」にて、2010年5月号より2011年7月号まで連載。原作『ダーティペアの大冒険』を作者流にエロチックにアレンジしているが、基本ストーリーは原作通りとなっている。
- 第1巻 2010年10月13日刊行 ISBN 978-4-19-950206-4
- 第2巻 2011年8月1日刊行 ISBN 978-4-19-950254-5
-
- 第1巻は本編『ダーティペアの大冒険』より「ダーティペアの大冒険」と「赤方偏移の鏡(目次より)or赤方偏移の魔女(本文題名より)」。
- 帯に書かれた高千穂遙の推薦の言葉は「はじめての『大冒険』の漫画化。ぜひ読んでいただきたい。感慨深いものがあるなあ。」
- 第2巻は本編『ダーティペアの大冒険』より「田舎者殺人事件」。
- 帯に書かれた安彦良和の推薦の言葉は「いいねえ。新しいねえ、エロいねえ…。オールド・ファンの方にもお勧めです。是非どうぞ!!」
ファミコン用ゲームソフト プロジェクトエデン[編集]
1987年3月28日に発売された、ファミリーコンピュータ ディスクシステム用ゲームソフト。発売元はバンダイ。定価3300円。
ストーリーやキャラクターは同時期公開の劇場版を基にしている。プレイヤー1はユリを操作し、2人同時プレイ時はプレイヤー2がケイを操作する。1人プレイ時、ケイはパワーアップアイテム「エアカー」に最初から乗車しており、プレイヤーの攻撃に合わせて援護射撃してくれる。
全4ステージ構成。ステージ1・3は強制横スクロールのアクションシューティング面。押し寄せるサディンガを撃ちつつ、ステージの終端まで辿り着けばクリア。ステージ2・4は屋内探索型アクション面。多層フロア間を上下左右に移動しながら8枚の情報ディスクを回収し、ゴール地点に辿り着けばクリア。
マルチエンディング採用との事だが、条件(詳細は不明)によりオールクリア後のグーリー主任のセリフが変化する程度である。
ゲームブック ヴァッサーインゼルの大追跡[編集]
1987年3月に富士見ドラゴンブック (富士見書房) から刊行されたパラグラフ選択式のゲームブック、執筆は聖エルザクルセイダーズの松枝蔵人が行っており、イラストは美少女漫画家の計奈恵が担当している。
TV版の放送後ではあるが、当時としては珍しく、設定は全て原作に準じている。
ダーティペア FLASH[編集]
1994年にOVA作品として発売。テレビシリーズをリセットし、まったく違う設定とストーリーで生まれ変わった新シリーズ。第1シリーズを『ダーティペア FLASH[注 8]』(1994年)、第2シリーズを『ダーティペア FLASH2』(1995年)、第3シリーズを『ダーティペア FLASH3』(1995年~1996年)と3期に分けてリリースされた。この作品のダーティペアはWWWAの新米トラコンでありラブリーエンゼルのコードネームを受け継ぐ同名の2人である。ケイ、ユリともに17歳という設定になりユニフォームもブレスレットを介して変身のように着替えるようになった。ケイは射撃の名手、ユリはレーザー剣を自在に操る。ケイとユリのコスチュームがハイレグレオタードの際どいものになっている。
1999年にNHK-BS、2000年にANIMAX、2006年にAT-X、2012年にチャンネルNECOでテレビ放送された。
前作とのつながり[編集]
基本的に前作とは関係ない。これは高千穂遥の意向で、対照的な女性のペアという「ダーティペアコンセプト」だけを残して全て変えて欲しいというもの[11]があったためである。
シリーズ1作目、『FLASH』において「先代のラブリーエンゼル(モーリ、アイリス)」が登場。名前こそ異なるものの、前作のダーティペアを彷彿とさせるデザインとなっている。
シリーズ3作目、『FLASH3』においてユリおたくの美少年が用意したユリの着替えにTV版ユリの黄色のコスチュームがあり、実際に着用した。
ムギという名前の触手らしいものが付いた黒猫が登場。シリーズ1作目第1話でユリに拾われ、WWWA本部ビル内で飼われることとなる。
声の出演[編集]
スタッフ[編集]
シリーズ共通スタッフ[編集]
ダーティペアFLASH[編集]
ダーティペアFLASH 2&3[編集]
主題歌[編集]
ダーティペアFLASH[編集]
- オープニング「限りないANSWER」
- 作詞 - 松井五郎 / 作曲 - 柴矢俊彦 / 編曲 - 土方隆行 / 歌 - MANA
- エンディング「第2章」
- 作詞 - 田口俊 / 作曲・編曲 - 小路隆 / 歌 - MANA
ダーティペアFLASH2[編集]
ダーティペアFLASH3[編集]
- オープニング「本気にしないで」
- 作詞 - 安藤芳彦 / 作曲・編曲 - 工藤隆 / 歌 - 國府田マリ子
- エンディング「心で見つめてる」
- 作詞 - 安藤芳彦 / 作曲・編曲 - 平山周吉 / 歌 - 松本梨香
作品リスト[編集]
ダーティペアFLASH[編集]
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | RUNAWAY ANGEL | 須永司 | 白旗伸朗 | 磯野智 | |
2 | DARKSIDE ANGEL | 時村尚 須永司 |
石踊宏 | 菱川直樹 | 佐々木かづひろ |
3 | FROZEN ANGEL | 西村純二 | 守岡博 | 磯野智 | |
4 | SLEEPING ANGEL | 須永司 | 土器手司 | 佐々木かづひろ | |
5 | STRAY ANGEL | 時村尚 須永司 |
西村純二 | 篠原俊哉 | 磯野智 |
6 | LOVELY ANGELS | 須永司 | 佐々木かづひろ |
ダーティペアFLASH2[編集]
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 東京ホリデーNetwork | 五武冬史 | 望月智充 | 石踊宏 | 野田康行 |
2 | Seventeenミステリー学園 | 坂本郷 | 山本裕介 | 磯野智 | |
3 | 湯煙Romanticツアー | 桜井正明 | 石踊宏 | 野田康行 | |
4 | キラキラ純愛Flower Shop | 坂本郷 | 望月智充 | 山本裕介 | 磯野智 |
5 | TOKYO追撃エアポート | 五武冬史 | 篠幸裕 | 赤根和樹 | 野田康行 |
ダーティペアFLASH3[編集]
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 白銀の追撃者<チェイサー> | 五武冬史 | 山本裕介 | 磯野智 | |
2 | ピンクの狙撃手<スナイパー> | 桜井正明 | 赤根和樹 | 山本裕介 | |
3 | 夏色の勝利者<ウィナー> | 坂本郷 | 望月智充 | 石踊宏 | 木村貴宏 |
4 | 薔薇色の美少年<マイボーイ> | 石踊宏 | 野田康行 | ||
5 | 灰色の復讐者<リベンジャー> | 五武冬史 | 篠幸裕 | 山本裕介 | 磯野智 |
メディア展開[編集]
小説[編集]
上記OVA作品と世界観を同じくする小説作品。挿絵は漫画家のるりあ046が担当。高千穂によれば、たまたまコンビニで見た漫画雑誌に載っていたるりあの絵にインスパイアされて生まれた作品とのことである。
- 天使の憂鬱-ダーティペアFLASH<1>
- 単行本(1994/12 早川書房)ISBN 4-15-207893-6/ISBN 978-4-15-207893-3 絶版
- 文庫本(1999/05 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030614-1/ISBN 978-4-15-030614-4 絶版
- 天使の微笑-ダーティペアFLASH<2>
- 単行本(1997/01 早川書房)ISBN 4-15-208061-2/ISBN 978-4-15-208061-5 絶版
- 文庫本(1999/07 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030619-2/ISBN 978-4-15-030619-9 絶版
- 天使の悪戯-ダーティペアFLASH<3>
- 文庫本(1999/09 ハヤカワ文庫)ISBN 4-15-030625-7/ISBN 978-4-15-030625-0 絶版
漫画[編集]
上記OVAベースの漫画版。いずれも電撃コミックガオにて連載された。牧原ひさと版が1995年7月号~9月号、12月号、1996年1月号まで連載。大野竹丸版が1996年3月号~7月号まで連載。
- ダーティペアFLASH(牧原ひさと版)
- (1996/04 電撃コミックスEX)ISBN 4-07-304467-2/ISBN 978-4-07-304467-3
- ダーティペアFLASH DX Key & Yuri(大野竹丸版)
- (1996/08 電撃コミックスEX)ISBN 4-07-305053-2/ISBN 978-4-07-305053-7
ドラマCD[編集]
- ダーティペアFLASH ユリ&ケイ 天使の休息
- 任務終了の帰路、カラオケ付きのバーにユリとケイが立ち寄る、という設定の作品。挿入歌は登場人物がドラマ内で実際に歌っているカラオケという設定。
- サンライズワールド ミッション1
- サンライズラヂオからのドラマCD。ケイが出演。
ラジオドラマ[編集]
久川綾のSHINY NIGHT内で放送。全3巻でCD化もされた。
『FLASH3』の後日談で、新キャラクター「マヤ」(声:久川綾)が新主任として着任、ダーティペアの上司となる。ダーティペアを部下に持った上司全員(恐らく人事異動となったガーナー、ポポロ両名を含む)が胃を壊していたことが発覚する(異動との関連性は不明)。
FMサウンドシネマ[編集]
ダーティペアを原案としたラジオドラマ 毎週日曜日24:30~25:00fm-osaka『イトクボのパーティー・ロード』内のFMサウンドシネマにて放送。放送から2週間遅れでインターネット配信される。
- 更新日:毎週月曜日
- 番組時間:約10分
ラブリーエンゼル ユリ&ケイ[編集]
全24話
スタッフ[編集]
声の出演[編集]
ダーティペア91[編集]
「91」はくのいちと読む。織田信長と羽柴秀吉によって天下統一がなされてから200年が経った1791年、徳川家、伊達家の怨念や彼らと結び、征服を狙う海外勢力に立ち向かい首都安土防衛の要に抜擢された忍術学校の不良生徒ユリとケイの活躍。
- 放送期間:2007年10月7日~
- 配信期間:2007年10月22日~
スタッフ[編集]
キャスト[編集]
サブタイトル[編集]
- 第1部
- 第1話 忍力発動?いきなり大破壊!
- 第2話 お尋ね者?なんでうちらがダーティペア?
- 第3話 うっそぉ!鰻のおっちゃんが校長先生?
- 第4話 ムギ大活躍!燃えさかる大聖堂
- 第5話 魔鉄人現る!安土城の戦い
- 第6話 ありえない!退学処分になっちゃうの?
- 『大名古屋寛政美食試合』篇
- 第1話 ついにきた!尾張名古屋は食と芸術
- 第2話 制御不能!これがうちらのスーパー忍力
- 第3話 ぶっ倒す!紀文大尽、敵じゃない
- 第4話 もちろん優勝!美食対決『超絶の献立』
- 第5話 決勝突入!舞台は清洲、巨大戦艦
- 第6話 海賊襲来?名古屋港は大炎上
アメコミ版[編集]
「マンガ・スタイル」のアメコミ作家・アダム・ウォーレン(Adam Warren)によるアメコミ版(基本コンセプトは引き継いでいるが、作風は「日本のポップカルチャー等の影響がところどころに見られるアメコミ」といったものになっている。日本のアニメ版等との権利調整といった理由もある)"The Dirty Pair" シリーズが描かれ、ダークホースコミックスから出版されている。
- Biohazards (ペーパーバック 1988~1989 合本 1989 新版1998)
- Dangerous Acquaintances (ペーパーバック 1989~1990 合本 1991 新版1997))
- A Plague of Angels (ペーパーバック1990~1991 合本 1994)
- Sim Hell (ペーパーバック1993 彩色改訂版 2001 合本 1994 彩色改定合本 2002)
- Fatal but not Serious (ペーパーバック 1995 合本 1996)
- Start the Violence (ペーパーバック 1998 合本 1999)
- Run from the Future (ペーパーバック 2000 合本 2002)
他に英国版がen:Manga Entertainmentから2巻ほど出たことがある。
パチンコ[編集]
2002年に藤商事からパチンコ台、CRダーティペアがリリースされ、全国のパチンコ店に設置されていた。R、V、Fの3つのスペックがあった。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 英語版ではダーティペアの活躍は2138年から2143年にかけての出来事とされている
- ^ どのような出来事だったのかは全く設定を考えていないらしく不明。第1作「―大冒険」でケイに“図書館に行けば発端から結末まであらゆる資料が見つかる”と言わせるのみ。
- ^ アニメでは88・52・90
- ^ 作動中の空間破砕爆弾「スペーススマッシャー」を無効化していたアンチスマッシャーの電波で発症し、苦し紛れにアンチスマッシャーを破壊してしまたために物語の舞台となった星全土が崩壊してしまった。
- ^ 第1話の本編開始から5分20秒~30秒後の間に限り、ユリの足を両手と1対の触手でつかんでいる描写がある。
- ^ 第6話は完成済のナンモが出ている。
- ^ ただし、1度だけ惑星破壊が描写された。
- ^ 一部メディアでは区別のため『1st STAGE』と表記されている。
出典[編集]
- ^ 第4作「ダーティペアの大脱走」解説:安彦良和より
- ^ 「ダーティペアの大冒険」収録の「田舎者殺人事件」より[注 4]。
- ^ 『アニメージュ』1981年11月号付録『MECHA・MAKING スタジオぬえのデザイン・ノート』P94-95の記述より。
- ^ マイケル・オクダ、デニス・オクダ、デビー・ミレック(著)、鍋田辰実ほか(訳)『スタートレックエンサイクロペディア ニュー・エディション』DAI-X出版、2002年、144頁、394頁。ISBN 4-8125-1872-5。
- ^ 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1986年1月号、学研、 78 - 80頁。
- ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1987年10月号、徳間書店、 110頁。
- ^ 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1986年9月号、学研、 82頁。
- ^ 『富山新聞』1986年6月11日 - 12月3日付朝刊、テレビ欄。
- ^ a b c 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1986年6月号、学研、 60頁。
- ^ 「ビデオ・ノスタルジック・シアター温故知新 VD版ダーティペア ユリ大量さしかえの謎!?」『マイアニメ』1986年7月号、秋田書店、pp.70-71.
- ^ 高千穂遙『天使の憂鬱-ダーティペアFLASH<1>』早川書房〈ハヤカワ文庫JA〉、1999年、?頁。ISBN 4-150-30614-1。あとがきより。
外部リンク[編集]
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