ダイハツ・ミゼットII

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ダイハツ・ミゼットII
前期型 Bタイプ
Midget2.jpg
前期型 Rタイプ
(アルミホイールはノンオリジナル)
Daihatsu Midget II 002.JPG
販売期間 1996年4月 – 2001年6月
乗車定員 1名(MT車)/2名(AT車)
ボディタイプ 2ドアセミキャブオーバー
トラック(ピック)
3ドアセミキャブオーバー型
ライトバン(カーゴ)
エンジン EF-CK型 (前期型)
直3 SOHC キャブレター 660cc
EF-SE型 (後期型)
直3 SOHC EFI 660cc
駆動方式 FR
最高出力 EF-CK型
23kW(31ps)4900rpm
EF-SE型
24kW(33ps)/4900rpm
最大トルク EF-CK型
50N・m(5.1kg・m)/3200rpm
EF-SE型
51.0N・m(5.2kg・m)/4000rpm
変速機 3速AT
4速MT
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:リジッドアクスルリーフスプリング
全長 2895mm(ピックアップトラック 後期型の数値)
全幅 1335mm(同上)
全高 1650mm(同上)
ホイールベース 1840mm(同上)
車両重量 580kg(同上)
最大積載量 150kg
ブレーキ 前輪:ツー・リーディング式ドラム
後輪:リーディング・トレーリング式ドラム
先代 ダイハツ・ミゼット(MP型系)
後継 9代目ハイゼット(S200型系)に統合
-自動車のスペック表-

ミゼットIIMidget II )は、1996年から2001年までダイハツ工業から製造・販売されていた軽貨物自動車である。

概要[編集]

1957年8月から1972年1月まで販売された軽貨物自動車ミゼットは3輪であるが、ミゼットIIは安全性を考慮して4輪車となっている。

車体の大きさは全長2790mm、全幅1335mm、全高1705mmで、当時の軽自動車の寸法制限である全長3300mm、全幅1400mm、全高2000mmを大幅に下回り360cc時代の軽自動車に近く、車内スペースの関係からスペアタイヤをボンネットに装着して、愛嬌のある外観が特徴的である。初代ミゼットと同様に小口配達に特化して、最小回転半径は3.6mである。

企画当初から多くの生産数がは見込めず、同社の既存の軽貨物自動車である8代目ハイゼットS100型系と部品を共用化し、生産ラインに手作業を多用して、ダイハツ本社池田工場内に設けられた専用施設のミゼット工房で生産された。後に同じ場所でコペンが生産された。エンジンもハイゼットと共通だが、ボディが軽量であることから燃料消費率はハイゼットの半分程度であった。

歴史[編集]

型式 K100P/100C型(1996年-2001年)[編集]

  • 1993年 - 第30回東京モーターショーに参考出品。
  • 1995年 - 第31回東京モーターショーに参考出品。
  • 1996年4月 - 発売
    • キャッチコピーは「ミゼットを飼おう」、および「夢は大きいよ。」。ちなみに当時オンエアされたテレビCMはミゼットIIがライオンに襲われたり、スカンクをかけられたりするなどと全体を通しコミカルな内容だった。
    • トラック型・1人乗り・最大積載量150kg・4速MT仕様のみが存在。
    • 廉価型のBタイプ、標準型のDタイプ、ドレスアップが施されたRタイプが用意された。
    • 全長2790mm(Rタイプは2865mm)・全幅1295mm・全高1650mm。ホイールベースは1840mm。
    • エンジンは、全車型とも直列3気筒659cc・ロッカーアーム式SOHCEF-CK型。燃料供給はキャブレターを使用し、最高出力31馬力、最大トルク5.1kgmで、触媒コンバーターは装着されていない。10・15モード燃費は15.8km/L。
    • タイヤおよびホイールは全車10インチ[1]ブレーキは全車総輪ドラムブレーキ(前輪・2リーディングドラム、後輪・リーディングトレーリングドラム)を採用[2]
    • 左側ドアのガラスウィンドウは、非開閉式であった。
    • 計器類は速度計燃料計のみで水温計(または水温表示灯)すら付いていない。なお速度計は120km/hスケールである(一般的な軽自動車は140km/hスケール)
前期型 ミゼットII カーゴ
(Dタイプ)
  • 1996年9月
    • 車体色の追加がある。
    • 限定車としてRリミテッドが登場する。
  • 1997年1月
    • 箱型の荷室を設けたバン型の「カーゴ」Dタイプ・Rタイプを追加。キャッチコピーは「ふたりで飼おう。」、および「夢がふくらむ。」。従来からのトラック型は「ピック」として区別される。
    • 2人乗り・3速AT仕様車が、カーゴ・ピックのDタイプ・Rタイプに設定された。燃料消費は、10・15モード 15.0km/L。
    • 3AT・ピックRタイプのAC付車に触媒コンバーターが追加される。
    • カーゴはピックよりも全長・全幅を40mm、全高を55mm拡大し、全長2830mm(Rタイプは2905mm)・全幅1335mm・全高1705mm。
    • 2人乗りの設定が出来たために、ピックの左側ドアのガラスウィンドウも非開閉式から、カーゴ同様の手回し式レギュレーター付きガラスウィンドウに変更された。
  • 1997年10月
    • ピックおよびカーゴのDタイプ・2人乗り・3速AT車を元に、ツートーン塗装が施され、革巻きハンドル・プロテインレザー張りシートなどを装備した特別仕様車「アメリカンカスタム」が発売される。
  • 1998年09月
    • 特別仕様車だった「カスタム」が通常モデルとして設定され、Rタイプが廃止される。
    • Dタイプ・カスタムはエアコンが標準装備となるなどの、仕様変更も行われた。
  • 1999年9月
    • 1998年10月に施行された、軽自動車規格の改定および衝突安全基準の強化に適合させるためにマイナーチェンジを行う。
    • 車体前面にあったスペアタイヤを運転席背後の荷台(ピック)・荷室(カーゴ)に移動。マイナーチェンジ前にスペアタイヤが設置されていた場所には、ダイハツCIマーク付きのボタンの様な凹型のカバーが装着されている。
    • 前バンパーを大幅に延長し、衝突吸収構造を採り入れることで安全基準を満たした。
    • 衝撃吸収ハンドル・運転席シートベルトへのフォースリミッター機構追加、8インチブレーキブースターを全車に採用し、2人乗り・3速AT車には運転席エアバッグがオプション設定された。
    • エンジンおよびギア比の変更(若干のハイギアード化)により燃費を改善。当時は低燃費自動車の優遇税制が適用された。
    • カスタムの特徴でもあったナルディ製 革巻きハンドルはウレタン、プロテインレザー張りシートは布張りになった。
    • 全長は105mm拡大され、ピックで2895mm、カーゴは2935mmとなった。
    • 平成10年アイドリング規制への適合を含む自動車排出ガス規制の強化に伴い、エンジンがEFIDLIを採用したEF-SE型に変更された。
    • 10・15モード燃費 20.0km/L(4速MT車)、18.0km/h(3速AT車)。
  • 2001年3月
    • 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
  • 2001年6月
    • 既存の9代目(S200型系)ハイゼットシリーズに統合される形で販売終了。

構造[編集]

基本的に1人乗り 4速MT、2人乗り3速AT の設定であるが、トランスミッション関連部品の改造により、変速レバーのコラムシフト化と助手席追加による2人乗りの4速MT車化、さらには部品追加により4速MTを5速MTにできたりと改造の幅も広い。 これは走行系の部品を7代目(S80型系)および8代目(S100型系)、9代目(S200型系[3])ハイゼットと共用しているために可能な技である。5速MTにすることによって燃料消費が従来の4速MTより向上する可能性もある。

ミゼットIII[編集]

1995年開催の第31回東京モーターショーに、ミゼットIIとともに参考出品された乗用版。前1席+後ろ2席のトライアングルシートポジションと、非対称ドア(右が前席、左が後席のアクセス用)を特徴としていた。こちらは市販に至らなかった。

このシートレイアウトはフットスペースの確保がしやすく、パッセンジャーの視界が広くなる等のメリットがあり、1990年代にBMW・Z13をはじめ盛んに試作検討されたが、量産されたものはなかった。

注釈[編集]

  1. ^ タイヤは全車145/95R10 79/77Lのサイズのラジアルタイヤを用いる。
  2. ^ ちなみに1993年の第30回東京モーターショーに参考出品されたプロトタイプのミゼットIIでは12インチのタイヤとホイールが、前輪側のブレーキにはディスクブレーキがそれぞれ用いられていた。
  3. ^ ただしトラックのみ。

関連項目[編集]